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刺繍

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自分の書いた詩を志保が作曲し歌うと誰が作ったんだろうって思うほど素晴らしい歌になる
別に詩に自信持っているわけではない
まったく別物にする志保に自信を持っている
人の自信を自分の物にしちゃあいけないが
愛に差はないんだろうが愛し続けれるかどうかそれが愛の強さなんだろう
 
思春期ってある 可愛がった子供に嫌われる それでも愛せるか
親の愛を試される時
更年期 女房がヒステリーになる それでも愛せるか
夫婦の愛を試される時
親が痴呆症になる それでも愛せるか
子供の愛を試される時
この3つを乗り越えてやっと人間になれるんじゃないかと思う
 
俺は子供と一つ半で別れたから子供の思春期も女房の更年期も知らずにこの歳になったが
親の痴呆症だけは経験した
母親もおばあちゃんも誰の事も分からないのに
俺の事は分かった
「俺誰だか分かる?」って聞いたらちゃんと俺の事だけはは分かるんだ
先日娘がお宮参りした時別れた女房の着物を着せてもらったらしい その時着物の裏に別れた女房の名前が大きく刺繍されていて
俺が質屋に持って行ってもすぐ分かるようにって着物に刺繍がしてあったらしい
何でも俺から売られるんじゃないかとかずーっと心配だったんだろうな
呆けながらも不安だったんだろう
痴呆症になったら子供が苦労するが俺の場合やっぱりお袋が苦労してた
 

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