老いの品格 <捨て算の美徳>
人間60数余年を生きると様々なものがたまるものだ。その証拠に身の回りを見ればいい。よくこれだけのものを集めたか、集まったかしたものだと感心してしまう。集まったものが次を継ぐ人に渡せるものであればよいが、大半がそうでない。そうでないとすると捨てなくてはならない。
捨てるのは大変である。まずこの時代は、捨てるのに大きな労力と金がかかるのである。
美田などであればよいが、大半はゴミである。遺されたもののことを考えると自身存命中に捨てることである。思い出があるものもないものも、えい!と捨てることである。
何故なら、老いとは、捨て算だからである。捨てて捨てて最後身一つになることである。そうすれば余り次のものに迷惑をかけなくてすむ。
いまさら、決してものを買う、ないし所有してはならない。土地建物を買うなど言語同断である、老いとは所有から離れることだ。無に近づくことだ。別荘を買って悠々自適は一時の間で病気になればもう不必要な無駄なものとなる。それをまた売るのが大変だし中の造作物の整理と捨てるのが大変となる。売れても税金の処理だ。所得になれば揉め事の種になる。
一年前20数年住んだ家から引越ししてよく判った。四トン積みのトラック一杯の粗大ごみが出た。その他衣類だ書類だ本だで市指定のごみ袋が200袋でた。市の制限があるので全部出すのに一ヶ月かかった。粗大ごみだけで10万円。捨てるのは大変である。
それなのに人はよくためたがる。買ってためる。捨てることを考えない。
<子孫に美田を残さず>は<子孫にごみを残さず>としなくてはならない。生存中に捨てることだ。ただし現金はあってよい。捨てることはない。老いとは金がかかるものだからである。もうひとつただしだが、現金も死ぬまでに使い切ってしまうことだ。
2055年には国民の二人に一人が65歳以上となる。4800万人が65歳以上となり否応なくものを捨て始める。まず消費や購入は現在の半分となる。それ以上にものを捨てる産業が大きくなる。この産業を私は環境産業と呼ぶのであって、CO2などはその結果のことに過ぎない。
●●を引き取ります。
●●を解体回収します。
●●を捨てに伺います。
●●を整理して捨てます。
皆老人で暇はあるが力とエネルギーがないので業者に頼むしかない。とにかく安く捨ててもらう業者を探して捨ててもらうのである。
こうして捨てる費用が暴騰する。だから今のうちに捨てておくことだ。今なら各市町村に解体回収業者がいてトラックで何でもひきとってくれる。家一軒分でも引き取ってくれる。
リサイクルに未来はない。新品でも買う人が減る。ゴミにちかいリサイクル品はもう安くても売れなくなるのは必至である。
解体回収業は要するにサプライヤーの反対業である、プラスでなくマイナス行動であり、前向きでなく後ろ向きであり、コレクトでなくキャストである。
現在の市町村には●●商事と名乗った回収業者が各地方公共団体から委託うけている。商事とはコマースである。これからは、回収とはキャスターのことだから、環境キャスターと名乗るのがいいだろう。この産業こそが今言われている環境産業の中核となることは間違いない。
PA環境キャスターという会社をおこしてはとおもうが如何。
要するに、(なんでも簡単に安く捨てて上げます。)という会社である。
捨て算こそがもっとも大切な老いの美徳への近道となる。
フランスとフランス語の話し

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