定時制高校
定時制高校で大量の不合格者が出たというニュースを見た。
高校学費無償化の余波かもしれないらしい。無償であれば、夜学ででも学びたいという事なら、うれしい悲鳴と捉えるべきであろう。
高校時代の親友が、ある事情から定時制へ編入することになった。同じ3年生だが、私が大学へ進学した時、彼は高校4年生となった。
この2年間、時間があれば、彼の通う定時制に遊びに行った。授業にももぐりこんだし、運動会に出場したり・・・。
定時制高校は、すでに社会人のための高校であり、大学のような開放的空間でもあった。
少なくとも当時の高校生活より社会への登竜門として、教育環境も進んでいたと思う。心身ともにすでに大人である高校生にとってすれば、余程学ぶべきものは多かった気がするのは、彼を定時制に追いやったかたくなな高校秩序への大きな反発であったし、大人の創った勝手な社会秩序への反発でもあった。
大学へ進んだ後も、彼の一歩進んだ社会人生活に常に先導を受け、教えられる事も多かった。
だが、その彼はいつの間のにか挫折し、アウトサイダーへの道へ走り、その後病に倒れ、早逝する。
間違いなく定時制の時代が彼を作り、彼のその後に大きく影響していった。
あの開放的な環境のすばらしさを外から感じた自分と、中で感じた彼の落差は、大きかったかもしれない。
高校4年生になった彼が、我が友の大学入学を心底喜んでくれた紛れもない純粋さの奥に別途の苦しみもあったとすれば、それを理解できなかったかもしれないと後悔する。
今、定時制高校で学びたい人たちの純粋な心を大切にし、かつその環境の複雑さを理解する社会であって欲しいものだ。


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