生保のからくり(3)三利源詳細
面倒で自己満足極まりないブログを反省していたら、マニア(その筋の人)から面白いとくすぐられ、しばらく続ける事を御容赦いただきたい。
岩瀬氏は、三利源のうち利差益については見事論破した。いわゆる生保バブルの崩壊と生保危機の到来であった。生損保の再編はそこから始まったし、当然ながら全金融機関の危機到来を招いた。
本来、利差益追及が生保の根幹であり、保険が金融業のジャンルであるのだから、利差損(逆鞘)は当然致命傷となった。しかし費差益戦争では、合併再編で生き残りが可能となる。
費差とは、あらかじめ想定される費用との差額であり、横並び事業体の決別を意味するが、当然のごとく横並びイコール高値定着である。護送船団事業の場合には、最後尾に合わせるコストの優先を意味する訳で、十分に余裕のある競争が可能であった。
もう一つの費用は事務システムコストである。金融機関として、一円の違いも承認されないコンプライアンス体制下では、膨大な(コスト無視の)システム対応が要求される。同時に損差益の追及に通じる不払い問題などで、コンプライアンスコストが、飛躍的に加速せざるを得ない事態を呼んだわけだ。
費差益追及には、合併、統合が最短の常道である。かくして業界再編の生き残りをかけた合従連衡がはじまった。我が損保業界では、長く続いた15社態勢が、今般、実質三社体制に集約されるのだから、隔世の感有りである。
しかし、費差益追及は、合併の後にやってくるリストラの度合いが見落されがちだ。今般の合併で我が出身企業は日本最大の業界規模を誇る事となる。
かつての日本NO1は、御存じ東京海上(日動)だ。(カッコ付き会社に意味がある)
MS&ADと東海を同レベルで比べるなら、前社は一万人程度の効率化人員が、生まれた事になるはずだ。
これを余裕とみるか、非効率とみるかは、見解が分かれるところだが、まだまだ業界の余裕を感じるところでもある。
利差益を失った金融機関の向かう道は、費差と損差のまだ十分な余裕のある競争でしかない。残念ながら岩瀬氏の指摘するからくりには、この費差の大部分でもある固定人件費も事務システムコストにも、触れられていない。
特にその中でも純率の世界の中での価格破壊をいくら述べたところで、そのからくりを暴いたと言うには、あまりにも業界人としての常識の範囲での暴き方と言わざるを得ないのである。
自助、公助,共助に話を戻そう。
保険事業には、本来の助け合い制度としての保険の考え方は、すでに存在しなくなっている。もちろん同業界同士の助け合いも同様であるが、純率の計算システムとアクチュアリー制度がある以上、そのからくりが、未だに存在すると解くべきなのである。
果たして共助の世界は、完全に消滅したのであろうか・・・・
次回には、我田引水の謗りを受ける事を承知の上で、最終回で取りまとめをして、神童編集長の指摘にお答えしたいと思う。


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