浅田次郎の「シェエラザード」
シンドウさんから、浅田次郎の「シェエラザード」を頂いた。
親父が戦時中「郵船」にいて、戦争体験を免れたらしいと言う話をしたら、「そんな話を浅田次郎が、書いているよ・・・」との事で、昔読み終えていた「中原の虹」と交換してもらった。シンドウさんは「蒼穹の昴」を読み終えた所だという。きっとこちらの方がおもしろい??
浅田次郎も団塊の世代作家だが、今一番の売れっ子なのだろう。蒼穹の昴、珍妃の井戸、中原の虹の三部作は、圧巻のスケールとその取材力、表現力に舌を巻いたものだ。三国志を超えるそのリアリズムは、現代の中国の発展を理解するに足る魅力を秘めている。
この夏、新刊の「終わらざる夏」を読み、先の戦争をよりリアルに書ける最後の世代も団塊世代でしかないだろうと考えながら「シェエラザード」も一夜にして、読み終えた。
浅田次郎との出会いは、「天切り松、闇がたり」だった。この小説の感性に、作家としての浅田次郎と言うよりも、その人の奥行きの深さに不思議な心の揺さぶりを感じたものだ。当然浅田次郎の代表作はこの一点であると今も信じて疑わない。
むしろ、「シェエラザード」や「終わらざる夏」は、別人の作家ではなかろうかと感じたりしてしまう。流行作家になって作品の質が落ちていかない事を願うのだが。
もちろん、2作とも面白かったし、テーマも良し!、村上春樹と比べれば、我が世代代表として、むしろこの作家を誇りたい。
それにしても、本屋にうず高く積まれている「1Q84」の続編、前編とはしらずに乗せられて読んだ事をなぜか後悔する。
どうしても、後編に手を出したくは無いものが、世界的ベストセラーであるということは、自らの感性を疑わざるを得ないのだろうか???


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