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(2) 憲法前文と象徴天皇

日本国を考える上で天皇の存在を無視する事は出来ません。

古代よりの日本の歴史と文化を学ぶ中で常に天皇は雲上人として(または元首として)、庶民を含め大半がその存在を認め支持し(「現人神」と認識し)、日本国を形成して来た事実は曲げられません。
ある時は君臨し、ある時は雲上に鎮座まし、ある時は時の政権に利用されて来られたのです。紛れもなく、日本国の歴史と文化は天皇と共に形作られ、今日まで継承されて来たものが数多くあります。
まさに天皇は有史上における古代より常に日本国の象徴であり、全国民(庶民を含む)がいつの時代においても(どんな場合にも)圧倒的支持を得た(ある意味民主的な)存在であり続けて今日までそれは継承されています。

現行憲法が日本滅亡の危機にあった先の大戦(敗戦)の際においても、なおその圧倒的支持は変わらず、天皇の護持無くしては一億火の玉になっても戦いを続けていた可能性も否定できませんでした。
そしてその結果として世界の戦争相手国からは、戦争の最高責任者としての処置を求めて来た事も歴史的事実でした。しかし天皇は機関的にその立場に象徴的に立たれていた事(戦争責任)も明らかであり、戦争裁判の審判を仰がざるを得なかった情勢でした。

天皇は自らその機関的責任も認められ、戦争の終了を希求されました。
天皇の存在と世界世論の狭間でとにかく戦争を終了させる手立てとして、天皇自らも終戦と共に考えられた結果として生まれたものが日本国憲法の前文です。
それ故に憲法前文が日本国独自で独特の理念として天皇の御言葉に代えて表され、その御印を持って表したものが憲法前文です。
あくまでも「前文」で有り日本国憲法の外に位置するものと考え、理念であり、またこの国の骨格を形作る為の大事な「前文」です。故にこの前文は条文において憲法としての拘束を受けるものではなく、また憲法発布前の元首天皇が御璽として自らの立場と憲法の内容を進んで承認されたものだと理解するべきです。そしてこの前文こそが日本国憲法そのものでもあり、短い文章の中にその「全文」が込められているとも言える大事な文章でもあります。

そのような背景と共に第1章に象徴天皇の制定をおいた理由があります。天皇は自らこの憲法の枠外に置かれ、憲法で有するべき国民の権利(基本的人権)をも放棄される事としたのでしょう。天皇の象徴制を立憲主義の中で理解し、新たな憲法を進んで承認された事で敗戦後の混乱と一億玉砕の危険を回避できたのであり、戦後の一定の混乱はあっても大きな犠牲も出さずに敗戦の処理が進み出した事はその後の歴史が証明しています。

占領国であった米国の知恵もそこに当然ながら残しつつ、諸外国も了承する(必要のある)日本国憲法が成立したのではないでしょうか。
(そこには、時の日本の英知も十分に結集され、歴史認識を踏まえた終戦宣言と日本の進むべき道を国内外に指し示すものでなければならなかったのです)
こういった日本独自の文化伝統が合間って、国際法的憲法をも超越する(べき)憲法が成立(一般的憲法論をも超越したところにある)したと考えるべきでしょう。

繰り返しになりますが、憲法前文と第1章にある天皇の項は天皇の存在(戦争責任からの免責)を世界に認められ、かつ日本国民を納得させる為には絶対的必要性を持ったものです。
それ故に前文の不可思議さも日本国憲法の必需品として(歴史の継承物としても)一字一句変えるべきものでは無いのです。

日本国憲法は言うまでもなく、その骨格として戦争放棄の平和主義、主権在民と共に日本国民の基本的人権を等しく認めるものとなっていますが、同時に日本の歴史と文化を維持、継承する意思を世界に承認してもらうものでもありました。
一方で天皇だけはこの憲法の埒外におかれ、しかも唯一(一般的)人権を剥奪されてしまいます。
故にこの憲法に異議を唱える資格と権利を有するのが天皇であるとも言えるのですが、昭和天皇はその埒外にある事を理解、承認され、象徴としての地位をお受けになられる事によって前文の成立と必要性が有りました。前文こそが日本国憲法の象徴でもある所以だと思います。
今生天皇も現行憲法を最も愛され、昨今の動きを憂慮されておられるご様子をいわゆる改憲派は一体なんと考えるのでしょうか?
(その事すら忖度されないで)「戦争のできる国」への道を憂慮され、また何をおいても率先して現行憲法を遵守されようとする天皇のお姿をみても「護憲を主張したい」と思うのです。

昭和天皇に戦争責任はあったのか?
残念ながらそれには「YES」と答えざるを得ません。
しかしそれはイコール「日本国の消滅」であり、日本という国の形を壊し、日本国の歴史と文化をも消滅させる事でも有った…と強く思うところに至りました。「70年をかけて」…

「現行憲法と象徴天皇制が日本国の継続とその後の発展を創る原動力にもなりました。そして憲法の施行と共に私は産まれました。戦後の混乱と苦労は有りましたが平和な日本はこの憲法無くして有り得なかったと強く思います。
そして今尚、いやこれからの日本にこそ、この憲法無くして日本の平和と素晴らしい歴史と文化の発展はないと確信するものです」

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