アートのソムリエ・山本冬彦

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来館者の皆さんへ

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会場屏風

●いよいよ今週の14日から佐藤美術館でのコレクション展が始まります。今回の展覧会は通常の美術館の展示に慣れた人には戸惑いがあるかも知れないので以下のような一文を作りました。ぜひ新しい体験をしてみてください。
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来館者の皆様へ

情報のない美術展:「鑑賞者の眼」から「コレクターの眼」

ご多用の中、来館いただきましてありがとうございます。

本展は一サラリーマンが30年にわたりギャラリー巡りをして、こつこつと集めてきたコレクションの一部を公開するものです。一般の方でも知っているような有名作家の作品はありませんが、その時々の若手作家やまだ評価の定まっていない作家の作品を個人コレクターとしての自分の判断で蒐集してきたものです。

 本展は一般の美術館での展覧会とは違って以下のような特色があります。
まず第一は、展示されている作家は大家と言われる有名作家から現役の美大生の作品まで、年齢的には70歳代から20歳代までと幅広い作家になっています。また、日本画、洋画、版画、立体など多様なジャンルの作品を展示しています。また、本来はもう少し厳選し、余裕を持った展示にすべきなのですが、一般の方々に少しでも多くの作家や作品を観ていただきたいという思いからですので、出品作家の方にもご容赦願いたいと思います。このような多様で幅広い展示は通常の美術展では見ることができないと思いますが、これは一人の個人コレクションだからできたことだと思います。

 第二は作家の情報のない展覧会だということです。通常の美術展では作家の年齢、出身美大、所属団体、受賞暦などのプロフィールや経歴を表示し、それを参考に来場者の皆さんに鑑賞してもらうようになっています。それに対し、本展では作家名と作品名のみの表示として、作家のプロフィールなどそれ以外の情報を一切表示していません。美術館での鑑賞では情報が大切ですが、その情報が先入観となってそれに従って作品を観てしまいがちです。これに対し、本展ではそのような情報を遮断し、現物である作品のみで、ご自分で判断してもらいたいという思いからこのような展示にしました。

 以上の思いから本展はオークション会場のような展示で、情報も少なく通常の美術館鑑賞に慣れた皆さんにはまことに不親切な展示になっていますが、その責めはすべて私にあり、私の思いを理解していただいた美術館にはありません。本展を見ていただくことにより、これまでの知識・教養としての「鑑賞者の眼」とはちょっと違った、「コレクターの眼」でのアート体験をしていただければ幸いです。

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