
●私は無名作家の作品を自腹を切って買うことは自分の頭で考える訓練になる・・・と言い続けてきた。日本人は評価の定まったものしか買わないし、作品を選ぶときには作家の略歴・肩書きといった情報をインプットして選んでしまう。それでは自分で考えて選んだことにはならない。むしろ余分な情報なしで素直に選んで、後で情報を調べるという選び方を訓練すべきだ。
そんな中、本屋で外山滋比古さんの「自分の頭で考える」(中央公論)を見つけた。その中から一部を紹介します。
・記憶力にすぐれ、知識が豊富な人はとかく思考力が乏しい。逆に思考力があっておもしろい考え方をする人はしばしば不勉強である。どうも知識と思考は反比例するという関係がありそうです。こうしたことは、私だけの思い込みかも知れませんが、長年の教師生活の経験から導き出されたものです。知識というのは思考力の代用をします。知識がたくさんあれば、いちいち考えるまでもありません。従って、知識が増えるにつれて、思考力は減退していく傾向にあります。
・思考力がもっとも旺盛なのは新生児でしょう。初期の段階は知識がゼロにちかい状態だから、あらゆるものを考え、感じ、判断していくのに忙しくて、記憶力が働く余地が無いほどに、思考力と感性、そのほか嗅覚などを含めた五感が非常に発達しています。それが知識を得て、記憶力が働くようになると、しだいに五感は衰えます。そういう状態で学校に入り、文字を覚えるようになると、急速に記憶力も低下します。
※つまり新生児のような感じで情報のないアート作品そのものを見てはどうでしょうか。


