アートのソムリエ・山本冬彦

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ビジネスパーソンへのアートコレクションの薦め

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●ちょうど今日経ビジネス定期購読者向け雑誌限定誌「ディグニオ」が送られてきました。定期購読者向けなので一般には見られませんので」原稿を以下に添付します。日経ビジネスの読者層であるビジネスパーソンに少しでもアートへの関心を持ってもらえれば幸いです。

(本文)
ビジネスパーソンへのアートコレクションの薦め

                           アートソムリエ 山本冬彦

 日本人はアート好きの国民といわれますがその大半が鑑賞としてのアートと趣味で絵画や陶芸作品を作るというものです。しかし、アート作品を購入して楽しむ人はどれだけいるでしょうか。一般の人にとってアートは知識教養として鑑賞したり、趣味として創作するもので、美術品を買うということはお金持ちか一部のマニアのすることと思われているようです。
 まったく普通のサラリーマンである私が30余年前に自宅マンションを購入したのをきっかけに若手画家の作品を買い、それ以来毎週末のギャラリーめぐりとアート作品の蒐集を趣味としてきた経験から、ビジネスパーソンに画廊めぐりやアートコレクションをお薦めしたいと思っています。その理由はいくつかありますが、まず第一はギャラリー回りの愉しさです。画廊では週単位で違った展覧会が行われていますので、数軒の画廊を回れば多種多様なアート作品を楽しむことができます。第二はコレクションの楽しみです。画廊を回っていると多くの作品に出会いますが、その中から自分の好きなものを購入し、自宅に飾って楽しむことができます。ボーナスごとに1点づつ買っても5年もすれば自宅が立派なミニ美術館になります。第三は作品購入が何よりの作家支援になり、作家との交流が楽しめることです。普通のビジネスパーソンにはアート作品は高くて買えないと思われがちですが、それは有名作家の作品のことで、評価の定まっていない若い作家や美大生の作品ならば、ゴルフ、旅行、ブランド商品を買うお金があれば十分買えるのです。コレクターにとっての最大の喜びは無名時代に知り合って購入した作家が将来有名になり、世間的に評価されることにあります。
 最後に特にビジネスパーソンにお薦めする理由を挙げておきます。一つは国際化の中で日本のビジネスパーソンの文化度を高める必要があると思うからです。昔の政財界の幹部はお茶会などの交流で文化的素養が求められましたが、最近はゴルフやカラオケなどで終わっているように思います。これからの国際派ビジネスパーソンには日本人としての文化的素養が必要になると思います。もう一つは無名作家の作品を購入することは自分でものを考え判断する訓練になると思うからです。評価の定まったものはお金があれば誰でも買えます。しかし、評価の定まっていないものにはなかなかお金を出さないものです。ベンチャー企業が銀行からお金を借りる場合、実績・担保・保証人などを求められます。それらがすべてそろうようならどこでもお金を貸してくれるでしょうが、その時は既にその事業は出遅れだと思います。事業を起こしたり、新たな企画提案をするに当たり、不完全な情報の中で、判断することがビジネスの現場では求められますが、無名な作家の作品を購入するということはその訓練になるのです。

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