アートソムリエ・山本冬彦

プレミアムエイジ ジョインブログ

長期投資のカリスマ

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●昨日の朝日新聞の夕刊の連載「マネー海流」の9回目に「長期投資のカリスマ:沢上篤人」の紹介記事があった。デートレードなど、短期投資でいかにもうけるかという風潮の中で、沢上篤人さんは「長期投資のカリスマ」と呼ばれ信者が広がっているという。

 沢上さんの考えは至極単純だ。日々の株の値動きに一喜一憂して売り買いするのではなく、買ったら10年、20年と持っておく。時がたてば上がる銘柄も多く、老後などに備えた資産がある程度はできるというもの。

 沢上さんは個人投資家の勉強会でも「どんな社会をつくり子供に残すのかを考え、その方向に歩んでいる会社を応援しよう。社会が良くなる、それが投資の見返りであり、利益はあとからついてくるごほうびだ」と説く。

 彼の動きは、短期の株式投資の利益を狙う個人投資家や、それらをあおりながら自らの利益を追求せざるをえない金融機関に対する挑戦であるが、少しずつ信者が増えているようだ。

●「会社」を「画家」に、「個人投資家」を「コレクターやアート愛好家」に置き換えると、アートソムリエである私のアートに関する考え方と全く同じであり、今後ともがんばっていく元気がでる記事であった。
コレクターはもちろん、画家の方にもこのような心意気を持ってもらいたいものである。

アートバブルについて

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●アートバブルについて何度か書いてきたが、今日届いた宋文州さんからのメルマガで「上海株の暴落と今後」という記事があった。これは1年前に彼がメルマガで書いた通りの展開だ・・・という株の話なのだが、投機化している現代アートにも当てはまると思う。彼のものの考え方を一部引用すると以下のとおり。

【私がものを考える習慣、原理原則:宋文州】

 その原理原則の一つは、「当事者達が皆同じように考える時は、だいたい誰も冷静に考えていない時」であり、もう一つは「冷静ではない時の考えはだいたい間違っている考え」です。
 こんな自分なりの原理原則をいうと、また多くの方から「そんなのは誰でも知っているよ」と言われそうですが、その通りです。原理原則というものはもともと難しいことではなく、誰にも分かることなのです。
 バブルに踊る人、戦争に加担する人の殆どは普通の善良な人々です。集団心理にかかった普通の人々が冷静さを失う時に、普通の行いとして異常なことをやってしまうのです。

 人々はいずれ冷静になります。価値の無いものはいずれ認識されます。
そのときに逆回転が始まります。ほとんどの人々が株式市場での痛い経験をしていないため、この先は読めない領域です。

※以上の「株」を「現代アート」に、「株式市場」を「アートマーケット」に置き換えれば、私の考えと全く同じです。
 投機に走るコレクター、画商はもちろん、一番犠牲者になる作家は心すべきことかと思います。

現代アートブームもそろそろ峠を超えたか?

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●現代アートのバブルもそろそろピークを過ぎたか(過ぎて欲しい)、アートフェア東京の入場者は増えているが売り上げは減っているのでは?などと言ってきたが、朝日の夕刊の記事を見ると数字で結果が出ている。
 
 見出しは「関心高いが売り上げ伸びず」となっていて、アートフェア東京の入場者は過去最高の4万3千人で昨年を1万1千人上回っている。これは昨年に比べて土日が入ったこと、金曜日の夜9時のNHKのニュースで10分以上放送したことが要因かと思われる。
 今回のアートフェアについてはプロや愛好家の売買に関しては木・金でほぼ決まっているが、土日は一般の人もかなり入場しアートのお祭りとして楽しんでもらったという意味で意義があったと思う。
 一方、売り上げのほうは昨年並みの10億程度にとどまったとのこと。新聞・テレビ・雑誌の論調が、日本の現代アートは質が良い割りに割安感があるので中国・韓国などから買いに来ている・・・という前評判だったがサブプライムや石油高騰などの影響で買い控えがあったようだ。

 また、5日に同じく国際フォーラムで開かれたシンワオークションの売り上げは3億2千万で、昨年同時期より増えているが、前回の11月の4億6千万には及ばなかった。シンワの倉田社長との立話では、世界経済の動きを見ながら模様眺めをしている・・・・という状況のようだ。

アート関連情報

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【ギャラリー椿さんの日記から】

●今年から理事に就任した全国美術商連合会の役員会で聞いた話では三つある日本の国立美術館が4月から入場料が値上げされたそうだ。
展示の充実など経営努力によって入館者がこの4年間で3割増えたことから、逆に国からの補助金が減らされ、一気に赤字に転落したためだそうだ。

※官の経営に民間的な努力をさせるのは良いが、利益を上げれば補助金を減らすようなことをすれば、職員のモラルダウンになるし、料金アップのしわ寄せは利用者にくる。こんなことをしていると展示企画もますますイベント興行的になって行くのは必至だ。

【銀座ミツバチプロジェクト途中経過】

●銀座ミツバチプロジェクトは今年も順調に進んでいるようで中間報告が以下の「銀座経済新聞」に出ています。今年は銀座と言うことでアートの企画も・・・と進めていますが、今のところ記事にはなっていませんが・・・。
http://ginza.keizai.biz/headline/384/

伊坂幸太郎さんに今年の「本屋大賞」

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●以前に何度か紹介していました、小説家の伊坂幸太郎さんは私が最初に絵を買った銀座の「画廊宮坂」さんの息子さんですが、今回全国の書店員が投票で売りたい本を選ぶ「本屋大賞」をもらいました。【今日の読売新聞に詳しい記事があります。】

 彼は、直木賞の候補に5回なっているし、小説が5本も映画化されるなど、すでに人気作家ではありますが、直木賞候補に5回もなりながら、未受賞の伊坂さんを「応援したい」という書店員思いの結果です。

モノオペラ「悲嘆」

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●今夜は知人のお誘いでサントリーホールへ「モノオペラ・悲嘆」を体験に行った。台本・演出はサー・アーノルド・ウエスカー、作曲が三枝成彰、ソプラノ独唱が中丸三千絵さんで、世界初演の新作モノオペラだ。
 モノオペラというのは初めてだが、名の通り一人で全部歌うもので、しかもイタリア語とか日本語ではなく英語で日本語字幕つきというもの。あらすじは二・二・六事件の首謀者の奥さんの物語だが、それを中丸三千絵さんというソプラノ歌手が一人で約90分歌い続けるということに驚嘆した。
 
 誘ってくれた人は六本木合唱団で三枝さんの友達だからと思うが、華麗なる人脈だ。私の席の前の列の右隣に俳優の奥田瑛二、通路をはさんですぐ左の空席に遅れてきたのが辰巳啄朗、その後ろの席は旧朝香宮ご夫妻という人たち。終了後はぴあの矢内社長、森美術館の森館長、元大臣の塩爺、小説家の島田雅彦などなど、顔は見たことがあるが名前が出ない人も含めそうそうたる人たちを多数見かけた。日本でも、こんな文化を楽しんでいる社交界のような世界があるようだ

世界文芸社無料情報誌「クオリア」創刊号のインタビュー記事

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アートソムリエ
山本冬彦さんのお話。

「美術界は作り手と買い手のインフラを全く整備出来ていないですよね。」
と山本冬彦さんは語る。

山本冬彦さんは、29歳の時、購入したマンションの自宅に絵を飾りたいと思い「どうせ買うなら無名でも本物の絵画を」と銀座の画廊にて1枚の日本画を購入した事がきっかけでコレクターの道に入った。そしてサラリーマンでありながら現在は1100点以上もの作品をコレクションしている。現在は『アートソムリエ』と自称してアートユーザーの育成をするとともに、「個人メセナ」の薦めとして若手アーティストの作品を買ってあげることが一番の支援と説くなど、様々な活動を通して作品を買う楽しみを一般の人々の伝えている。

「美術界のインフラが整備されていないというのは、アートの生産者ばかり作っているが、アートのユーザーを育てていないということです。年間で全国の美大系大学・大学院からの卒業生は2万人に達するという数字がある。毎年毎年作家の卵がそんなに社会に排出され、作る側の人口は増えているのに、その作品を買う人や市場が、全く整備されていない。作品の供給過多に陥っている現状であるにも関わらず、その事に対して美術界からはなんらアクションを起こしていないのです。」

-そうですね。確かにそういった感じですね。

「そして、企業メセナなどもあるが作家に制作の場や発表の場を提供するという支援が大半で、買う人や市場を育成するような制度や政策は全くしていないですよ。それに昔なら、『絵描きになる』なんて言ったら、親兄弟から勘当される覚悟が必要だったですよね。それでも反対を何とか振り切って絵描きになっても、食べていけるのはごく少数だったのです。少数であるからパトロンやスポンサーも何とか確保できた。でも、今は少子化もあるのだろうけど、大学もどんどん入学させていく。大学って言うのはその道のプロを育成する場ですが、毎年2万人もの卒業生が作家として食えるとかアート関係の会社に就職できるのは困難です。特に作家として生きていくことは、買う人が少ないし、増やしていないのだから、どの作家も大変ですよ。」

-その現在の美術市場というのはどういったものなのでしょうか?

「今は、一部限定的ですがアートバブルです。中国や韓国などの外国資本の影響が大きいですね。しかし、アート好きというより投機目的が大きいので有名な作家や今人気の作品ばかりが動いています。それに、投機的な似非コレクターは自分の眼で判断して良いと思ったものを買うという事ではなく、肩書きや知名度が先行し、どれが値上がりしそうかという視点でしか見ていません。」

-つまり、アートバブルの恩恵は有名作家だけ?

「そうです。例えば、大企業がカレンダーを作るとなった時、企業イメージに合った良い若手の作品があったとしても、上役から『この作家ってどういう経歴の作家?』など言われてしまい結局は、誰もが知っている有名作家の作品になってしまったりするのです。わざわざ高い使用料をかけて・・・。しかし、若手の作家であれば使用料も安く済み、企業側も経費削減が出来るし、若手の作家もカレンダーという形で発表が出来る。そうなればみんなハッピーなのですけどね。また、作家側も昔の作家は「後世に名を残す作品を」という意気込みで制作していましたけど、今は生きているうちに売れて、有名になりたいと考える作家が増えてきています。つまり芸術家というよりアートタレントと見た方がいいかもしれません。従ってマスコミなどの露出を増やすとか外国で賞を取るとか、アートフェアで勝負する作家が増えているんです。そんな若手作家を狙って、現在のアートバブルの中では美大生の青田刈りが増えているのです。少し名のある美術評論家や美術ライターが注目の作家として記事にしますと、すぐに買い上げられてしまうような状況もあり、作品が急激に高騰するという状況も出ているので、私も文章を書く時などは気を付けています。」

-今後の活動として

「今、若手の作家からいろんな相談事が来ています。企画展のことや作家としての生き方などに関してなどです。しかし私は、作品を買い上げる事が若手作家への1番の支援だと思っています。『個人メセナ』と言っていますが、芸術家の作品を買って支援をしていく人が増えれば増えるほど活性化しますし、作家としてもやりがいが出てくる。もちろん、なんでも買えば良いということでは無くて、自分の目でしっかり見て気に入った作品を買うということですが。そういった「自立した眼」を持った人たちを増やしていきたいと思います。」

「男の隠れ家オンライン」【47】が掲載されました

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●今回は過日体験してきたメリルリンチが主催するチャリティーオークション「未来の巨匠たち」の報告をする。この企画は作品発表の機会がなく一番苦しい現役の美大生及び卒後2年までを対象に作品を募集し、オークションは1万円からスタートし、落札価格の半額を出品者が、半額はメリルリンチが慈善活動などに寄付するという、社会貢献活動である。

※詳細は以下で
http://otokonokakurega.net/blog/entertainment/69/entry1346.html

アートフェア東京の内覧会

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●さて、今日からの一般公開に先駆けて、昨日「アートフェア東京」の内覧会があった。内覧会も2つに分けられており、ビップ招待者は16時から、一般招待者は18時から入場できる。

 テレビの同行撮影のため16時過ぎに会場に着いたが、既に開場されていたが、入場する人の群れで入り口付近が大賑わい。ビップカードを持った招待客も順番待ちという状況でヒートしていた。

 会場内では顔だけでは区別がつかないが会話を聞いていると中国人や韓国人もかなり多いようだ。入ってから全体的に右側が現代アート系なので、人はやはり現代アートの方に向かう。人気画廊や人気作家は下馬評どおり早々に売約済みだ。

 体をざっとまわった間になじみの画廊さんや作家、コレクター仲間とも数多く出会ったり、10年ぶりであう人もいて自然に会話などをしている間に撮影は適当に進めているようだった。あっという間に時間がたち18時頃から一般招待客が来始めて混雑してきたので、前述した「アートアワード2008」のレセプション開場に異動した。

 3日の日もマスコミがたくさん来ていたが、今日が一般公開日だったのでテレビもたくさん入ったようで、NHkテレビの9時のニュースでもやっていたが、アジアから買占めに来る・・・・という朝日新聞の連載のような内容の報道だった。

 アートバブルの買占め・・・は3日の日で既に勝負が決まっていますので、一般の人は購入など関係なく、いろんな画廊と作品が集まったアートの見本市・お祭りを見学するつもりでぜひ、アートフェアというものを体験してみてください。 

アートバブルはいつまで続くか?

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●前に紹介した朝日新聞夕刊の「アートとお金」シリーズだが、中国・韓国・インドの3回で終わるのかと思っていたら、4回目はドバイ、そして昨日が最終回の日本で完了した。

 【昨日の日本版の記事のポイントをt紹介する()内は私のコメント】

・タグボートで公開された71点が1時間半で完売した。(東京都というより石原系のギャラリーが一業者と組み、しかも一日前にネットで先売りするのはおかしい・・・と以前書いた)

・ホテルでのアートフェアでは作品を買うのにダッシュで会階段を上下する人もでた。(昔のバブル時代にはデパートで同じようなことがあった。どの入り口から入るか、エレベーター、エスカレーター、階段のどれが一番早く会場の画廊に着くかの競争だった。)

・タグボートやアグネスホテルでは30代から40代の会社員の男性の購入が目立つ。(これも以前書きましたが、投機・投資目当ての人が多いのでは?)

・現代アートだけが元気で、それ以外の画廊やデパートは厳しい。美術評論家の瀬木さんによると昔のバブルで痛い目にあった人は戻ってきていない。好調といっても印象派などを買いあさったバブル期の10分の1程度。(現代アートはバブルで、既存画廊は冬の時代で、店を閉める画廊も後を絶たないという2極化)

・現代アートも村上隆、草間弥生、杉本博司といった大物以外は「薄利多売」(家具・インテリアの感覚でアートが一般お人にも見るものから買うものになった・・・と宣伝するが、果たして本当にアートがすきなのか、単なる流行なのか投機なのか????)

・日本人の現代美術かは作品の質が高いわりに国際的な価格が安いので、海外投資家の次のねらい目とも言われる。(アートフェアやオークション会社はみんなそう言うが、株・土地からあふれた資金が穀物などの商品相場やアートに流れているだけでは?)

 今のアートの現状をバブルか否かということに関しては、いろんな見方あるが、上記の記事のような現象があること、そもそも朝日新聞がこんな連載をすることからもそろそろピークを過ぎた・・・という感じだ。
 バブルを経験した年配者や本当にアートそのものを愛する人はそろそろアートバブルがはじけると見ているし、バブルの経験のない若手やアートよりお金が目的の人は、まだまだ好調は続くと思っているようで、この点でも2極化がおきているようだ。



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