
(写真はHPより 脚付杯《蜻蛉》 エミール・ガレ 1903-04年 サントリー美術館蔵)
「うちふるえる蜻蛉を愛する者 これをつくる(エミール・ガレ)」という言葉に魅かれ、天保山「サントリー・ミュージアム」でひらかれている「ガレとジャポニズム」を観に行ってきました。ガレという人物が何者であるかは勿論知っていたのですが、140点、これほどの数のガレの作品を体系だって見るのは初めてでした。日本画、浮世絵、錦絵、陶磁器、工芸品など19世紀後半ヨーロッパに渡った日本の美術品は「ジャポニズム」と呼ばれるブームを巻き起こした。印象派の画家たちがこぞってそのモチーフを取り入れたことはよく知られているところですが、フランスのアール・ヌーヴォーを代表する装飾芸術家「エミール・ガレ(1846-1904)」もその影響を大きく受けた一人であった。初期のガレは、北斎などの日本画のモチーフなどを巧みに配した美しいガラス工芸品などでその名声を得るが、やがて一歩高みの「自然への回帰」をテーマにした自己の世界を確立していく。そんな彼の美の軌跡と変遷に触れることが出来た展覧会。展示品はすべてため息が出るほどに美しく、「ガレだね、やはりガレは美しいね」と言った入社当時、配属された研究所の所長の言葉を思い出しました。
展示は4章仕立てで、構成されていますが、私は「第4章:ガレと蜻蛉」に一番興味を惹かれました。その訳は、私の卒業した高校の校章が「蜻蛉、とんぼ」であり、その謂れは、日本の国の形が蜻蛉の交わる形に似ていることから、「蜻蛉」の古称にちなんで「秋津洲(アキツシマ)」と呼ばれていたことに由来しているからです。ガレは30年余にわたる創作活動の中で、たびたび蜻蛉をモチーフに取り上げ、そして蜻蛉文を付したある作品に、「うちふるえる蜻蛉を愛する者 これを作る」との冒頭の銘文を彫っていますが、写真の最晩年の脚付杯《蜻蛉》は、まるで彼の形見のように、ごく近しい友人かあるいは親族に授けられたとも言われています。この杯はフォルム、質感、色といい、本当にうちふるえるほど美しい。
「JAZZ」というジャンルの音楽は、もうすっかりグローバルな音楽になってしまったので、あえて「ジャポニズム」などいう名の衣をまとわなくても、十分世界を魅了し、世界に通用する日本人アーティストたちが沢山出てきている。その若手の代表JAZZピアニストが「上原ひろみ」。NYで現在活躍する彼女は、1979年生まれ、バークリー音楽院在学中の2003年「Another Mind」でデビュー、その後同音楽院を首席で卒業、アルバム5作を数える。オスカー・ピーターソンに強く影響を受け、彼やミシェル・カミロ、チック・コリアなどとの共演もこの若さで行い、彼女の辞書には「気後れ」という言葉はないのではと思わせる。その独創性がゆえに天才とも称され、いま最も「旬」で人気No1.のピアニストといえる。初めて聴いたとき、まったく今までに聴いたことのない音世界を感じさせたアルバムは、「スパイラル」であった。
スパイラル(通常盤)
上原ひろみ / / ユニバーサル ミュージック クラシック
ISBN : B000ASBG3W
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彼女のJAZZは、どちらかといえばロック系、フュージョン系の「音作り」と思っていたが、映画「オリヲン座からの招待状」のメインテーマ「The Place To Be」で見せたくれた、穏やかで、暖かく、そして澄んだ世界にも素直に惹かれたが、それに続いて待望のスタンダード集がリリースされた。ますます「ガレ」にも似た変幻自在な彼女のイマジネーションの世界が拡がる。
ビヨンド・スタンダード(通常盤)
上原ひろみ~HIROMI’S SONICBLOOM / / UNIVERSAL CLASSICS(P)(M)
ISBN : B00162LY2Y
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「小曽根真」。1961年、神戸生まれ。彼もまたオスカー・ピーターソンに影響を受けてジャズ・ピアノを始め、バークリー音楽院卒業後、83年に米CBSと専属契約を結び、デビュー・アルバム『OZONE』を発表。トリオ、ソロ、ビッグバンド、オーケストラとの共演など、多様なスタイルで精力的に活動中である。その小曽根が、JAZZにこだわらずに、広く愛されるメロディを持つ楽曲をソロで演奏したアルバム「フォーリング・イン・ラヴ・アゲイン」が心地いい。リアル・ジャズ・ファンには物足りないかもしれませんが、還暦男の耳には本当に心地よい。彼、彼女たちの音楽は、和風の音階や旋律をことさら用いることはないが、音と音の間の無音の音空間に、古来「間(ま)」、「しじま」となづけられた「静寂の響き」を感じてしまうのは、まさに「ジャポニズム」のDNAかもしれない。
フォーリング・イン・ラヴ・アゲイン
小曽根真 / / ユニバーサル ミュージック クラシック
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そしてこの世界で、忘れてはならない先駆者が「秋吉敏子」。その「秋吉敏子」の名を世界に広めた歴史的名盤が「ザ・トシコ・トリオ」。戦後まもなく渡米し、先駆者として大変な苦労も重ねた彼女の50年に渡る米国でのJAZZ音楽活動の原点となる代表作で、日本人としてはじめて「ジャズの殿堂」入りをしたアメリカン・ジャズ・マスター賞受賞記念復刻盤である。
ザ・トシコ・トリオ
秋吉敏子 / / ミューザック
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新しき「ジャポニズム」の息吹が聞こえる。


































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