ポール・ニューマンが逝った。
ポール・ニューマン(Paul Newman、1925年1月26日 – 2008年9月26日)は、3度のアカデミー賞受賞を初めとして数多くの受賞歴を持つ俳優であるが、その全盛期の作品は、私達の青春と重なる。私が最も好きな俳優の一人である。ちょっと思い出しただけでも、「熱いトタン屋根の猫 Cat on a Hot Tin Roof(1958) 」、「栄光への脱出 Exodus(1960)」、 「ハスラー The Hustler(1961) 」、「動く標的 The Moving Target(1966)」、「暴力脱獄 Cool Hand Luke(1967) 」、「明日に向って撃て! Butch Cassidy and the Sundance Kid(1969)」、 「スティング The Sting(1973)」 、「タワーリング・インフェルノ The Towering Inferno(1974)」、「評決 The Verdict(1982) 」、「ハスラー2 The Color of Money(1986)」など。
勿論、男の私から見ても、大変なハンサムであるが、色気と演技力を備えた稀代の俳優であったと思う。
代表作を強いて挙げるとすれば、やはりアメリカン・ニューシネマの西部劇と称される、1969年にロバート・レッドフォードと共演した、あのラストシーンが忘れられない『明日に向って撃て!』と再びレッドフォードと競演し、1973年のアカデミー作品賞を受賞した『スティング』であろう。
『スティング』(The Sting)は、1973年公開のアメリカ映画。監督はジョージ・ロイ・ヒル。1930年代のシカゴ。友達を殺されたチンピラたちが、その報復のために、ギャングの大親分からトリックで大きくカモろうとして、下町にインチキのみ屋を構える。さて、その首尾はいかに?
コン・ゲームといわれる詐欺を描いた映画で、そのストーリー展開の巧妙さが絶品で、ラストのどんでん返しもまた見事である。まだ見ていない人のためにストーリーはあまり明かせませんが・・・・。
全編に流れるスコット・ジョプリンのラグタイム・ピアノをフィーチャーしたJAZZYな音楽も、劇中のファッションも、話の運びも、何もかもが「お洒落」で、「粋」である。 多分スティングの主題曲も永遠のスタンダードとして演奏され続けるに違いない。
合掌 ・・・・・・・。
スティング
ポール・ニューマン / / ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
ISBN : B000G7PS0O
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この映画「スティング」に触発されて、日本でも「コン・ゲーム」小説を書こうと思った男がいる。小林信彦である。映画評論、小説家、脚本家、喜劇評論家など経歴や肩書きがいくつあるかわからないほどの博覧強記の人であるが、そのコン・ゲーム小説は「紳士同盟」「紳士同盟ふたたび」である。コン・ゲームのルールである「誰も不幸せになる人がいない」という原則をまもって展開される詐欺師たちの物語であるが、そのストーリーの運びはまさにJAZZ的といえるテンポと歯切れのよさに満ちている。まさに日本の代表的コン・ゲーム小説といえる。
その「紳士同盟ふたたび」(1983~1984連載、単行本・文庫本)のラストにこんなシーンがある。このくだりで私は思わず「ニヤッ!」とした。
-わかった。ところで、きみ、リンダ・ロンシュタットをききに行かないか。ネルソン・リドル・オーケストラが付いている。
-え? リンダが日本へ行くの?
-そう莫迦にしたものじゃない。五年前に武道館へいっしょにききに行ったじゃないか。
ーあ、そうか。
-今回は、ホテルのディナー・ショーがある。一人、五万円だけどね。
「リンダ・ロンシュタット」が、シナトラのアレンジャーとして有名な、ネルソン・リドルと80年代半ばから、コラボした、ジャズ・アルバムには3枚がある。「What’s new」、「Lush life」。そして3枚目の「For sentimental reasons」。3枚目を収録中に、残念なことに、ネルソンリドルは亡くなってしまった。「リンダ・ロンシュタット」はJAZZ歌手ではなくPOPS歌手だが、キュートな声で、素直なくせのない歌い方で、JAZZのスタンダードということをあまり意識せず、スムーズかつ朗々と歌っている。
酒を飲みながら聴くもよし、リラックスして聴くもよし。たとえば、「Someone to Watch over Me」も、アンバートンの歌うそれとは違って甘い恋心をくすぐるような、ラブ・バラードに聴こえる。こんな「Someone to ・・・・」もいいなと思う。
What’s New
Linda Ronstadt & the Nelson Riddle Orchestra / Asylum
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「’Round Midnight」は、ネルソン・リドルとのコラボの3枚をを2枚組CDにまとめたお買い得盤なんで、ファンにはこっちがお奨めです。「I’m Fool To Want You」なんて「チェット・ベイカー」のうたう口説きのささやき唄と違って、女心のせつなさをストレートに感じる、楚々たる唄い方がいい。
‘Round Midnight
Linda Ronstadt w Nelson Riddle & His Orchestra / Asylum
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