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シンデレラは硝子のCDの夢を見るか? ~マーケッターとしてのシニア考(16)~

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(写真;エヌ・アンド・エフ社のガラスのCD  nikkei BPnet 記事より)

前回の高音質CDの続編である。話を従来のポリカーボネートの代わりにガラスを採用した『Extreme HARD GLASS CD』が、2006年に発売され、その後、オーディオファンやクラシックファンの間で大きな話題となっていると言う記事(1) (2)を読んだところから始めよう。
2006年10月、エヌ・アンド・エフ社とトエミ・メディア・ソリューションズ社が共同開発した「ガラス製」のCD、「Extreme Hard Glass CD」が発売された。クラシックの名曲を中心に収録したこのガラスCDは、ラジカセ・クラスの安価なオーディオでも歴然とその音質の差が分かるという。そして価格もなんと驚きの9万8700円であるが、その半分は材料費だという。前回述べたように高音質化するためには、素材の変形や型の加工精度という要素が大きいというから、素材としてはガラスは究極の選択かもしれない。しかし、ガラスCDは専用のプレス機で一日に15枚程度しか作れない。通常のCDは2秒~4秒で1枚という。従ってコストへの影響大きいことも理解できる。反響は大きかったが、売れ行きは、いまいちのようで、やはり高価格がネックになっているらしい。開発者は、「マスター・テープ」という形で残されている歴史的名演の数々が、どんどん劣化していくことから救うためにガラスCDへ保存するということが開発の大きな動機であったとその想いを語っている。その意味では確かに大変有意義であり、国の文化予算などをつけてもいいかもしれない。しかしCDのフォーマットである以上、その制約内での究極の「高音質」ということである。SA-CDやDVD-Audioでなく、なぜCDなんだという疑問は残った。

その後メジャーなレコード会社から、このガラスCDのアルバムがいくつか発売された。ユニヴァーサルミュージックからは「カラヤン/ベルリンフィル」の「ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調作品125<合唱>1962」。価格はなんと20万円。単純に計算すると、20万円と先ほどの9万8700円のうちの材料費約5万円との値差15万円がレコード会社での付加価値である。これをどう見ますか?

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ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調作品125<合唱>1962

ビクター・エンタテインメントからも、「村治佳織/アランフェス協奏曲」、「フジ子・ヘミング/奇蹟のカンパネラ」、「川井郁子/新世界」、ガラスCD3タイトルを「Super Excellent Glass」シリーズとして2009年4月に発売される予定という。いずれも完全予約制/限定生産で、こちらも価格は1タイトル18万円。
このような高価な硝子のCDを手に入れることが出来る「シンデレラ・リスナー」は一体誰でしょうかねえ? もちろん私としても一度聴いてみたい気は十分にありますが・・・。

こんな程度で驚いてはいけません。上には上があるものです。ここからは、もう「JAZZ的トリビア」といっていい、私の想像をはるかに絶する世界の話題を3件・・・・。

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1)ゼファン社は、オーストラリアのオーディオメーカー・Continuum Audio Laboratoriesの製品の取り扱い開始を発表した。第1弾として販売されるのは、アナログレコードプレイヤーシステム「Caliburn」で、既に受注を開始している。受注生産となっており、価格は1,700万円。注文後、2か月程度での納品になるという。
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2)ラスベガスで今年1月に開催されていた、世界最大の家電展示会「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」で、イタリアのメーカー、アンジェリス・レーバー社は6万4000ドル(約576万円)の超高級ターンテーブル「ガブリエル」を発表した。アームは、フェラーリの部品工場が製作し、最高4本まで装着できる。すべて受注生産で、発注者の名前がはいるという。ターンテーブルだけの値段ですよ!!
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3)ステラヴォックスジャパン(株)は、ドイツROLF-KELCH(ロルフ・ケルヒ)ブランドのハイエンド・アナログターンテーブル「Reference II」を発売する。価格は5,775,000円(税込)。本機は、トーンアームレスのアナログターンテーブル。外部からの振動、内部で発生する振動の両方を完全にシャットアウトするために様々な技術が導入されている。
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アナログ・レコードによる高音質を極めることが究極の贅沢?であると考えるオーディオ・ファンが世界には多くいるらしいが、その中でもプレイヤーは極める要素が多い。レコードの重量、盤のソリやゆがみに加え、ターテーブルの重量、回転ムラ・振動、ソリ、ピックアップ・アームの針圧、バランス、針の振動特性、信号の減衰特性、電気回路のノイズ・・・・・など。いずれをとってもアナログなるがゆえに音質に大きな影響を与える要素です。これらの要素を追求し極めることは至難の業であるし、また相当のコストがかかってしまうことは、信号処理や制御部分、電源のICが量産できてしまえば、あっという間にコモディティ化が進んでしまうデジタルの場合の比ではない。クオーツ腕時計と機械巻き腕時計を思い浮かべてみれば、すぐお分かりいただけると思う。
しかし、技術的課題をクリアして、究極の音を追求するメーカーとそれを求めるリスナーがいるんですねえ。かって技術屋であった私の心をちょっぴりくすぐられる話ではある。

さあ、このプレイヤーで何を聴くのかが大問題。私には思い浮かべられるアルバムがありませんので、いつものおすすめアルバム紹介は断念させていただきます。う~~ん、これだけのお金があれば、何回コンサートにいけるやら、自分一人のためだけのコンサートさえ開けるのでは・・・・・。そもそも買う人がいるかって?オーディオのためなら家や部屋まで作る人がいるんですから、もちろんいるんですよ。

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