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ぶどう酒、葡萄酒、それともワイン?

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母親のケアのため帰省することが多いが、帰省しても、実家近辺を出来るだけウォーキングするようにしている。季節により、いろいろな発見があるからだ。信州は林檎で知られているのは当然であるが、実家付近はまた、「山辺葡萄」というブランドで知られる葡萄の産地でもあるのだ。葡萄畑と林檎畑があたり一面に広がっている。葡萄も林檎も、もう可愛らしい青い実をつけていた。これから夏の陽によって、甘い味をその中に閉じ込めながら熟していく。このあたりの葡萄は、米国で生まれた「デラウェア」が主体である。その昔、江戸時代中期、元禄・宝永の頃(1700年ころ)、甲府から甲州葡萄が導入され、家の庭先に植えられたことが、長野県の葡萄の最初とされている。しかし、暖地山梨に比べ気温が低いため、小粒で酸味がきつく、いいものが出来なかったため、大正初期に米国より「デラウェア種」を導入し、いろいろの改良を施して、いまのような大粒で甘い「山辺葡萄」になったという。この地域の葡萄畑はいまや73haを超える。そして地区の農協が経営しているワイナリーとしゃれたレストランがあり、手軽な価格で、ワインや料理が楽しめるため、私が昼食に訪れたときも、付近のお年寄り夫婦や家族などが集い、憩っていた。

しかし、故郷に限らず日本産のワインをいままでにいくつか飲んでみたが、残念ながら、欧州などのワインとはまったく異なるものとの印象をいつも持つ。言ってみれば、果実酒・ぶどう酒なのだ。欧州に限らず、カリフォルニア、チリ産ワインなどでも、馥郁(ふくいく)とした香りと、これぞ大地の恵みといった舌に絡むワイン独特の深い味が感じられるのに、日本産ワインにそれを感じられないのは一体何故なんだろうか?

「♪ Strawberries, cherries and an angel’s kiss in spring ・・・・」という歌いだしで始まる、60年代最大のアイドル、「ナンシー・シナトラ」の「サマー・ワイン」という曲を不意に思い出した。

グレイテスト・ヒッツ~恋のひとこと

ナンシー・シナトラ / MSI


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よく「信州は教育県」などといわれ、明治の「学制発布」と同時期に建てられた松本の「開智小学校校舎」などが文化財としては有名であるが、実家近くにも、明治18年に建築された「旧山辺学校校舎」が保存されている。屋根、壁、木組みなどの和風様式と八角塔、アーチ式出入り口などの洋風デザインを巧みに組み合わせた建築様式で、現在は地域の歴史民俗資料館として、明治からの教育の歴史、地域の農業、林業、養蚕業のあらまし、里の道祖神や民俗行事などが展示されている。

ウォーキングの途中、人一人いない旧校舎に、誘われるように、迷うようにはいり込んでみた・・・・。
ほの暗く、ほのかにかび臭い教室跡の片隅に置かれていた古ぼけたオルガン。その鍵盤に触れてみたら、一瞬、時間が50年ほど逆戻りしたような錯覚にとらわれた。

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