(写真は毎年見事な花をつけるご近所の蓮)
今週から家の近所では赤とんぼが群れだした。蝉も相変わらず喧しく鳴いている。梅雨が明けたのはつい二週間前のことであったのに・・・。遅れてやって来た夏といつものように訪れそうな秋の気配とが同居しているのだ。
先だってのブログでは、韓国より吹いてきたJAZZYな風、「Winterplay」を今年の清涼系ボーカルのイチオシと紹介しました。今日は続いてこの夏から秋にかけての「ニオシ」、「サンオシ」のおすすめ、心和む風のような爽やかな女性ボーカルを紹介しましょう。
まず、アルゼンチンの大草原パンパを吹きわたってきた爽やかな風は、「リヒア・ピロ/Ligia Piro」 。1971年生まれで、もうデビュー後10年の中堅といってもいい。一方で、女優としても活躍するブエノス・アイレス出身の美形女性ジャズ/ボサノヴァ・シンガーである。各種ジャズフェスなどで多くのファンを獲得、2005年にはKONEXというアルゼンチンのジャズ最高の賞を受賞したというキャリアの持ち主。アルバムは「ソー・イン・ラブ~ジャズ・アンド・スタンダーズ」。原タイトルは「Trece Canciones De Amor(13曲のラブソング)」。タイトルどおり、コール・ポーター、アーヴィング・バーリン、ビル・エバンスなどのスタンダードから、ビートルズ、レオン・ラッセル、クラプトンのナンバーまで幅広いジャンルのラブソングをシンプルなギターとのデュオによる甘くさわやかな歌声に、郷愁、ノスタルジーを感じる。アルゼンチンから吹いてきた甘く優しい風・・・。1947年生まれのベテラン・ギタリスト「リカルド・レウ」が上手い、渋い。そして、ジャケットもいい。
ソー・イン・ラブ~ジャズ・アンド・スタンダーズ リヒア・ピロ / インディーズ・メーカー
つぎは、アルゼンチンとは地球のまったく反対側のフィンランドから白夜の夏を吹き抜けてきた凛とした風。須永辰緒が推薦する北欧女性ヴォーカル、「ソフィア・フィンニラ/Sofia Finnila 」。1970年生まれ。1994年に北欧の名だたる音楽家を輩出している「シベリウス音楽院」で声楽を学び、1999年にフィンランドで開催された国際ジャズ・シンガー・コンテストで優勝し、フィンランドで着々と実力を重ねたキャリアの持ち主。現在はフィンランドの声楽校の教授として教壇に立つという。2008年に自主制作したアルバム「Everything I Love」を世界に先駆けて須永辰緒主宰レーベル”ZOUNDS”からリリースとなった。
CDショップで1曲目「Cheek To Cheek」、2曲目「So In Love」を試聴して惹き込まれてしまった。収録曲はいずれもスタンダード、それもどちらかというと古い時代のスタンダード。それらに新しい感覚を与えようという意気込みを感じる。すべての曲が成功している訳ではないが、ソフィアの柔らかでムードのあるヴォーカルがだけでなく、ご機嫌にスウィングしているサポートのザ・ファイヴ・コーナーズ・クインテットの力によって、大方の曲に新鮮さを感じる。だから、心地いいだけでなく、コンテンポラリーなジャズ・ボーカルの一つの形、方向が提示され、それが読み取れるような気がする。そして、これもまたジャケットが秀逸。
EVERYTHING I LOVE ソフィア・フィンニラ / ZOUNDS
どちらのアルバム・タイトルにも「Love(Amor)」という言葉が入り、収録曲に私の好きな「So In Love」が奇しくも共通して含まれていた。
