井上陽水のバラードが好きである。とりわけラブソングが好きだ。小田和正、吉田拓郎、加藤和彦、谷村新司、矢沢永吉、小椋佳・・・など、同世代の作詞作曲もするアーティストのなかで、「ラブソングは?」と問われれば、それはもうほとんど「井上陽水」なのである。シュールで、ちょっとアンニュイというか、けだるさも感じ、そしてなによりも切なくやるせない。
「沈みあうスピードで 指輪をなくすより 罪のほうが指にいいよ どんなにも見えるから (Final Love Song)」。「盗賊は夜を祝い君に歌わせ プリンセスからのながい恋文を待つ カナリア カナリア (カナリア)」。「チェックインなら 寝顔を見せるだけ 部屋のドアは 金属のメタルで (リバーサイドホテル)」。「出会いの場所は ホテルのロビー 目と目があって あいさつはなく 夜は始まり それが45分前 (背中まで45分)」。「風の便りの とだえた訳を 誰に聞こうか それとも泣こうか (いっそセレナーデ)」。
フレーズが脳髄をほんの軽く麻痺させる。誰しもが一度はあんな恋の世界を体験してみたいと思わせる「大人の童話」のようだ。彼のラブソングが紡ぎ出す恋の世界に魅かれ始めたのは、どの曲あたりからだっただろうか。彼のバックバンドを務めていた「安全地帯」に歌詞を提供した1983年の「ワインレッドの心」、同じく1984年の「恋の予感」、そして彼自身のヒット曲ともなった「いっそセレナーデ」あたりだっただろうか。そして1984年にリリースされたアルバム「Lion & Pelican」の一見奇妙なタイトルの「とまどうペリカン」が決定的にしたようだ。NHK「Songs」で歌う陽水を見て、一度憧れたあの「大人の童話」の世界にもう一度迷ってみたくなったようだ・・・ 。
【 とまどうペリカン 】 作詞作曲;井上陽水
陽水のヒット曲の軌跡が俯瞰できるアルバムは「GOLDEN BEST」。

GOLDEN BEST 井上陽水 / フォーライフ ミュージックエンタテイメント
洒落たジャズ・アレンジで、自作を全編セルフ・カバーしたアルバム「Blue Selection」。「飾りじゃないのよ涙は」のスピード感とかっこよさ。JAZZファンで陽水ファンなら聴くべしという他はない。まさに大人のアルバム。

Blue Selection 井上陽水フォーライフミュージックエンタテインメント


60歳過ぎたら聞きたい歌のフアン
on 11 月 22nd, 2009
@ 5:32 PM:
いつの確かな情報ありがとう。
特に井上揚水はいいですね?彼のアルバムはほとんど持ってますが、中でも「リバーサイドホテル」と「いっそセレナーデ」。久しぶりにご紹介のyoutubeで聞いてみたら、ほかにも我々世代の聞きたい曲がどんどん出てきて、次々サーフィンしていく内にあっという間に60分聞いちゃいました。
中でもユーミンや徳永英明の「カバーバージョン」も、たまに聞くといいな。
ホントはJAZZが好きだけど、日本の曲にもいいのがありますね?
ところで「river side・・」のyoutubeにアクセスしている人が100万人以上もいるなんてびっくりしました。ほとんど同じ世代でしょう。
これからもJazzyさな生活のブログ、楽しみにしています。
oyaji
on 11 月 24th, 2009
@ 11:42 AM:
コメントありがとうございます。「秘め事」なんて言葉は多分もう死語の時代。陽水のあのシュールで切ない世界に共感できるのは我々の世代だけかもしれませんね。