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透明なノスタルジー

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母親のケアで1ケ月ぶりに訪れた故郷。先月のあの賑々しい収穫や鮮やかな紅葉の季節は、足早に去っていってしまったようだ。冬の到来を告げる鈍色の空。寒々しくなった葡萄畑や林檎畑には、一杯に実をつけた大きな柿の木が、採る人もなく打ち捨てられたように、ぽつんと立っていた・・・。この時期、市内を見下ろすなだらかな斜面に立っていると、唇が乾いていくのがよくわかる。空気が乾くので、一段と透明度が増し、日が翳ると急速に気温が下がってくる。やがて、空気中のわずかな水分が細かな結晶と化し、朝日にキラキラ輝くダイヤモンド・ダストをみることができる季節が近づいてくるのだ。

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街中の工藝店の棚に並んだ色とりどりのガラスを透してみた故郷の街並み。蔵通りやそこに居並ぶ店に、観光客的感慨を覚えている自分を感じると、もう私はこの街では異邦人なんだという想いが、強くよぎる。透明なノスタルジー・・・。           

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冬の時期に聴くと、故郷とイメージがダブってしまう曲の一つは、ピアノとベースのデュオ・アルバム「Milcho Leviev + Dave Holland/Up and Down」に収録されている「カヴァティーナ/Cavatina」。マイケル・チミノ監督、1979年公開の映画「ディア・ハンター」の中で使われたあの美しくも鮮烈な曲である。C.ヘイデンとK.バロンの名盤「Night & The City」と並ぶピアノ+ベースのデュオ・アルバムの傑作。「ミルチョ・レヴィエフ」は旧共産圏ブルガリア出身のクラシックにベースを持つ、JAZZピアニスト。東西冷戦のまっただ中、彼はJAZZのため、音楽のため家族も祖国も捨てて、1971年アメリカに渡った。雪の中を丘に向かって続く一本の道。ジャケットの絵もレヴィエフの心根を表しているようで私の好きな一枚。録音は1987年9月、東京サントリー・ホールでのライブ。

Up and Down
Milcho Leviev / M.a. Recordings
ISBN : B00000JKGS
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