恒例の兵庫県立芸術文化センターでの「X’masJAZZフェスティバル2009」、5日間がスタートしました。「寺井尚子」、「パオロ・ディ・サバティーノ」、「与世山澄子&辛島文雄」、「峰厚介」、「北村英治&アロージャズオーケストラ」の5ステージ。どれにしようかとずいぶん迷ったのですが、今年は妻も楽しめるステージとして、「寺井尚子カルテット」を選びました。クリスマス・イルミネーションも美しい県立芸術文化センター・中ホール。いつものJAZZコンサートより、少し観客の年齢層も若く、女性のお客さんが多い印象。例年、ドライバーの私にとっては残念至極であるが、酒造メーカー「白鶴酒造」がスポンサーなので、ホワイエでは大吟醸の振舞い酒も・・・。
「寺井尚子」。日本におけるJAZZヴァイオリンの先駆者で第一人者。小柄で華奢で、一見、良家のお嬢さん風の彼女が、ひとたびヴァイオリンを手にすると、アグレッシヴで鋭いJAZZプレイヤーに変身する。しかもアグレッシヴな面だけではなく、繊細で、優雅で、芳醇な香りに満ちた演奏も聞かせてくれる。柔剛両面、その際立った鮮やかな落差はすばらしいの一言。軽やかにステップを踏み、体をくねらせ、髪を揺らしながら演奏する様は、まさしく女性アーティストならではの絵になるステージ。今夜のコンサートで演奏した「La Fiesta」、「Libertango」でみせた、弓の毛 (Hair)を何本か切りながらのパッショネイトな熱演を剛とすれば、「Johnny Guitar」、「Autumn Leaves」でみせた繊細、華麗なる演奏は柔、観客はすっかり魅了されていた。しかもアンコール曲、4曲もの大サービスで、勿論、奥さん大満足。
【 演奏曲目 】
1. Tango Pour Claude 2. Autumn Leaves 3. Minor Swing 4. Do You Know What
It Means Miss New Orleans 5. Stardust 6. Sometime Ago ~ La Fiesta
(休憩)
7. Happy Dixieland 8. Johnny Guitar 9. Samba de Orfeu
10. It Don’t Mean A Thing 11. White Christmas 12. Libertango
<アンコール>
13. Lonely Christmas 14. Venus 15. Armando’s Rhumba 16. When You Wish Upon A Star
寺井尚子(ヴァイオリン) 北島直樹(ピアノ) 店網邦雄(ベース) 中沢剛(ドラムス)
さあ、数ある彼女のアルバムのなかから一枚選ぶとすれば、ビアゾラの「リベルタンゴ(自由のタンゴ)」が収録されている「オール・フォー・ユー」か。デビューして瞬く間に、寺井尚子はアグレッシヴな面に、恐ろしく磨きがかかり、劇的な成長を遂げた。その寺井が、初の自己プロデュースで、情熱のすべてを注ぎ込んで完成させたアルバムが「オール・フォー・ユー」。このアルバムで、日本における「JAZZヴァイオリン」というジャンル、「寺井尚子」というブランドを確立させたといって過言ではない。アコーディオンの鬼才リシャール・ガリアーノが2曲「リベルタンゴ」「マルゴーのワルツ」に特別参加しているが、2人のコンビネーションも見事。
オール・フォー・ユー 寺井尚子 宮野弘紀 奥山勝 沖田達也 藤井摂 石崎忍 リシャール・ガリアーノビデオアーツ・ミュージック
もう一枚、コンサートの感じを少しでも味わってもらうためにアルバム「ライブ」をあげておこう。
そして、白熱のライブ演奏「ラ・クンパルシータ」のYOUTUBEはこちら。
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