JAZZYな生活

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60歳過ぎたら聴きたい歌(51) ~ Nature Boy ~

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年末に懐かしいある歌に触発されたストーリーを持つ映画を、レンタルDVDで観ました。その映画は、邦題は全然イケていないが、「忘れられない人/Untamed Heart (野生の心)」(2007年公開)。全編に流れる懐かしい歌はジャズのスタンダードといってもいい「Nature Boy」。「ナット・キング・コール/Nat King Cole」の1948年のヒット曲です。私が洋楽に目覚めた中学3年生か高校生のころ、「エルヴィス・プレスリー」、「ポール・アンカ」、「ザ・プラターズ」、「フランク・シナトラ」などと共に、ファンになったJAZZYな歌手が、「ナット・キング・コール」であり、「Nature Boy」は、数ある彼のヒット曲の中で忘れられない歌のひとつ。多感な少年時代、異国の言葉で綴られた少し哲学的な美しい詩に想像力を膨らませ、その美しいメロディ、そのビロードのような低音に魅せられたことを、映画を観ながら、想い出していた。さっそく、ドラムレスのトリオでN.K.コールがうたう「Nature Boy」をYOUTUBEでお聞きいただこうか。分かりやすい英語であるが、こんな美しい詩です。

【 Nature Boy 】  作詞・作曲;エデン・アーベ/Eden Ahbez

「♪ There was a boy…                   昔あるところに少年がいたんだ
   A very strange enchanted boy.          とても変わった魅力のある少年だった
   They say he wandered very far, very far   彼はとてもとても遠い場所から
   Over land and sea,                  長い旅をし、やって来たのだと人は噂した
   A little shy and sad of eye              内気で、悲しい目をしていたが 
   But very wise was he.                 その少年は大変賢かった

   And then one day,                   そして、ある日
   One magic day, he passed my way.      ある不思議な日、少年は僕の前に現れた
   And while we spoke of many things,     僕達はたくさんのことを話した
   Fools and kings,                    愚者や王様たちについての話を
   This he said to me,                  そして、彼は僕にこう言った
   ”The greatest thing you’ll ever learn     「君が学ぶべき大事な事は
   Is just to love and be loved in return”    人を愛せば、自分も愛される」  ♪」

この歌に触発された、ピュアで切ないラブストーリー「忘れられない人/Untamed Heart」は、「クリスチャン・スレーター」と「マリサ・トメイ」共演。重い心臓病を患う心優しいアダムと、彼が一途に想い続ける不運続きのキャロラインとの哀しい結末の恋を綴るお話。


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「ナット・キング・コール」の歌と並んで映画で使われているピアノ演奏は、これまたなつかしや「ロジャー・ウィリアムス/Roger Williams」。「カーメン・キャバレロ/Carmen Cavallaro」と並んで、「ミスター・ピアノ」と呼ばれ、50年代及び60年代に大変人気のあったアメリカのイージー・リスニング系(当時はムード・ミュージックと呼ばれた)の名ピアニストです。

DVDを観ながら、この「Nature Boy」が使われていた、もう一つの映画も思い出した。「ニコール・キッドマン」と「ユアン・マクレガー」共演のミュージカル映画の「ムーラン・ルージュ/Moulin Rouge」(2001年公開)である。たしか冒頭とエンディングで、ロック・シンガー「デヴィッド・ボウイ/David Bowie」が歌っていましたね。ナイトクラブを舞台に、ダンサーと貧乏作家の恋を描いた作品で、ゴールデン・グローブ賞3部門受賞(最優秀作品賞/主演女優賞/作曲賞受賞)し、アカデミー賞も作品賞を含む8部門にノミネート、2部門受賞(美術賞/衣装デザイン賞)しています。


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そのほか、調べてみたら、私は観ていませんが、1948年にJoseph Losey(ジョセフ・ロージー)監督のアメリカ映画「The Boy with Green Hair(緑色の髪の少年)」のテーマ曲として使用されたほか、あのルネ・クレマン監督の名作「太陽がいっぱい」を、1999年にリメイクしたアンソニー・ミンゲラ監督の「The Talented Mr. Ripley/リプリー」では「Miles Davis(マイルス・デイヴィス)」が演奏しているという。

edenBig 

さて、この曲は、1948年に「エデン・アーベ/Eden Ahbez」(1908 – 1995)が作った曲。当時はアマチュア作曲家の「エデン・アーベ」が、ソロ・デビューしたばかりの「ナット・キング・コール」に売り込み、ミリオン・セラーになったという。このアーべがちょっと変わった御仁で、インド哲学やヨガに凝り、アメリカ大陸を徒歩で横断したり、家に住まず、ハリウッドの山に野宿していたというかなりの奇人。ベジタリアンで必携のジューサーと自転車以外には所持品はなかったとか数々の奇行伝説も・・。まあ、ヒッピーが社会現象となる10年以上前に、ヒッピー精神を持った放浪詩人、元祖ヒッピーというような人だったらしい。写真のように、ロングヘア、ヒゲ、裸足というキリスト風の風貌だったようです。まさに自身が作った曲「ネイチャー・ボーイ=自然児」を地で行くような「エデン・アーベ」でしたが、1995年に交通事故で亡くなりました。

前述のように、多くの映画にも使用されている名曲「Nature Boy」ですが、当然、数多くの歌手たちにカバーされています。私の「i-Pod」で検索すると、世界中のアーティスト達にカバーされ、20を超える収録曲がたちどころに出てくる。それだけ私もこの曲がお気に入りという証拠でもありますが、そんな中でおすすめをいくつか・・。グローバルな豪華オンパレードでどうぞ。

まずは元祖の「ナット・キング・コール」。没後40年に企画されたベスト盤。「熱いナイフがバターを切り分けるような滑らかな声」と評されたジャズ・ヴォーカルの永遠のスターの名唱28曲。


ザ・ワールド・オブ・ナット・キング・コール

ナット・キング・コール ナタリー・コール東芝EMI

 
ピアノ・トリオはヨーロッパJAZZの雄、オランダ出身の「ヨーロピアン・ジャズ・トリオ(EJT)」。三人のオランダ人で88年に旗揚げしたトリオの2枚目のアルバムで、録音は89年。このアルバムがEJTの日本における人気を決定付けた。典雅で透明な美しさに満ちたピアノは初代の「カレル・.ボエリー」。

スウェーデンの城

ヨーロピアン・ジャズ・トリオ / エム アンド アイ カンパニー

ブラジルPOPS界の大御所「カエターノ・ヴェロッソ/Caetano Veloso」。私が聴き惚れる男性歌手の一人。彼を育ててくれたアメリカ音楽へのオマージュ的アルバム。
 

異国の香り~アメリカン・ソングス

カエターノ・ヴェローゾ / ユニバーサル ミュージック クラシック

スエーデンの妖精?小悪魔?「リサ・エクダール/Lisa Ekdahl」の「Back to Earth」。ロリータ・ボイスで歌うスタンダードはおじさん達をノックアウトする。NKコールをリスペクトしているらしく、「ロンリー・ワン」も同じアルバムに収録されている。

Back to Earth

Lisa Ekdahl Peter Nordahl TrioRCA

エヴァンス派といってもいいだろうとおもうアメリカの孤高の白人実力派ジャズピアニスト、「スティーブ・キューン/Steve Kuhn」。おなじみのスタンダードを集めた彼の傑作の一枚。

 

プレイズ・スタンダーズ

スティーブ・キューン・トリオ / ヴィーナスレコード

サックスの巨人「ジョン・コルトレーン/John Coltrane」もこの美しいバラードを演奏していますが・・・。
 

ジョン・コルトレーン・カルテット・プレイズ [紙ジャケット仕様]

ジョン・コルトレーン / ユニバーサル ミュージック クラシック

確かなことは分からないが、この「Nature Boy」の詩には心臓疾患を持つあるジプシーのモデルがいたという話を聞いたことがある。イリノイ州出身の「コニー・エヴィンソン/Connie Evingson」が、その話が本当で、それを知っていて、アルバム「ジプシー・イン・マイ・ソウル」に入れていたとしたら「凄い話」というほかはない。ギター中心の全編を彩るジプシー・スイングが心地よい。

 
 

ジプシー・イン・マイ・ソウル

コニー・エヴィンソン Connie Evingsonガッツプロダクション

 彗星の如く登場した一人の無名のノルウェー出身の女性シンガーのデビュー・アルバムが話題を呼んだ。ノルウェイの歌姫「インゲル・マリエ・グンナシェン/Inger Marie Gundersen」。ややかすれた奥行きを感じさせる魅力的なJAZZ声。大人の時間を美しく彩るであろう、極上のジャズ・ヴォーカル。「Fool On The Hill」とのメドレーのアイデアも秀逸。


メイク・ジス・モーメント

インゲル・マリエ・グンナシェン / インディーズ・メーカー

 「土岐麻子/STANDARDS on the sofa~土岐麻子ジャズを歌う~」。癒し系、POPS系の声ながらしっかりしたボディを持つアレンジとバックのサポートでスタンダードを軽やかに歌いこなす。


STANDARDS on the sofa~土岐麻子ジャズを歌う~

土岐麻子 / LD&K

「南佳孝/Nude Voice」。「モンロー・ウォーク」から何年経ったか、もう彼も「アラ還世代」。「ルート66」、「キャラバン」、「ナイト・アンド・デイ」など、多分彼がずっと歌いたくてたまらなかったんだろうな。そんな感じがよく伝わってくるアルバムだ。

NUDE VOICE
南佳孝 / ビクターエンタテインメント
ISBN : B00005HUJJ
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「お気に入り」になりそうなアルバムはあったでしょうか?たったひとつの歌でこれだけ違った聴き方を楽しめるなんて素晴らしいことだと思いますが、いかがでしょうか?
 

 

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8 Responses to “60歳過ぎたら聴きたい歌(51) ~ Nature Boy ~”


  1. ひろや
    on 1月 7th, 2010
    @ 9:38 AM

    「JAZZYな生活」=いつも楽しく読ませていただいてます。

    今回は、若き日のN.K.COLEの(Nature Boy)~
    久しぶりに聞かせていただきました。思わず、べラフォンテとやナタリーとの親娘デュエットにまで飛んだりして!

    何時も貴兄のブログを操作・展開してるうちに、1時間が過ぎちゃいます。

    ところでひとつお願いがあります。

    かって、感動した曲で「My Boy」 (確かエルビス・プレスリーの曲だと覚えています)がありました。歌詞共に印象が強く、どうしてももう一度聞きたいのですが、貴兄のライブラリーには、保存されているでしょうか。もしありましたら<60歳を過ぎたら聞きたい曲>としてご紹介いただけませんか?

    厚かましいお願いですみません。


  2. oyaji
    on 1月 7th, 2010
    @ 3:41 PM

    ひろやさん いつもありがとうございます。プレスリーの「My Boy」のお尋ねですが
    ちょっとしらべてみます。


  3. まり
    on 2月 15th, 2010
    @ 8:05 PM

    はじめまして。
    九州地方に住む、爵士さんより6つほど年下の女性です。

    「忘れられない人」で「ネイチャーボーイ」が心に残ったものの、誰の曲かもしらないままでした。昨夜「ムーランルージュ」を観て再びこの曲が気になり検索し、ここにたどり着きました。
    爵士さが、映画と共に解説してくれているのが楽しく、
    また懐かしく読ませていただきました(離愁など他の記事も)。
    ありがとうございました。
    UP楽しみにしています、
    これからも訪問させてくださいね。

    ちなみに私、音楽+映画で好きなのはライザ・ミネリの「キャバレー」です。


  4. 大屋地 爵士
    on 2月 15th, 2010
    @ 11:07 PM

    まりさん ありがとうございます。ライザ・ミネリがお好きなんですね。
    昔、NYのエセックス・ホテルに泊まったとき、ボール・ルームで彼女の
    何かのパーティをやっているのに出くわしたことがあります。(参照
    USA・JAZZY紀行2
    太字部クリックしてください)

    なつかしい思い出です。


  5. shoppgirl
    on 8月 17th, 2011
    @ 10:08 AM

    はじめまして。
    信州の城下町に住むshoppgirlと申します。

    Nat King Coleの「Nature Boy」の歌詞を検索して辿り着きました。

    「60歳過ぎたら聴きたい歌」
    どれも素敵な曲ばかりです。

    これからも宜しくお願い致します。


  6. 大屋地 爵士
    on 8月 17th, 2011
    @ 11:35 AM

    shoppgirl さん  コメントありがとうございます。私は松本出身、同郷ですね。爺さんの気ままなブログ、よろしければこれからもどうぞお越しください。


  7. Yama/fan
    on 9月 21st, 2018
    @ 9:06 PM

    Nature Boy の検索で初めて見ました。
    内容が、失礼ながら私の趣味感覚と何となく同傾向。
    とても興味深いブログを発見して、楽しみが一つ増えました。
    同年齢で、長野県大好き人間としても共感。
    これから時々覗かせていただきます。


  8. 大屋地 爵士
    on 9月 21st, 2018
    @ 11:19 PM

    Yama/fan さん  初めまして。コメントありがとうございます。「Nature Boy」、私の洋楽への興味を開いてくれた曲の一つです。是非また、お立ち寄りください。

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