JAZZYな生活

プレミアムエイジ ジョインブログ

60歳過ぎたら聴きたい歌(53) ~Killing Me Softly With His Song/やさしく歌って~

Tags:

410F6013QWL__SL500_AA240_

 

『今日来ていた女連れの客もリクエストはまた「Killing Me Softly With His Song」。この歌ばっかりで、もうやんなっちゃう・・・。』なんて台詞を酒場のシンガーがグチる映画があったが、そのくらいアメリカでは、「口説き歌」として男性客の多くがリクエストするくらいポピュラーな、或いは陳腐な、野暮なといってもいいくらいにヒットしてしまった歌がある。その歌は「ロバータ・フラック/Roberta Flack」うたう「やさしく歌って/Killing Me Softly With His Song」である。「ノーマン・ギンベル/Norman Gimbel」作詞、「チャールズ・フォックス/Charles Fox」作曲の1973年大ヒットしたポピュラーソング。そういえば、ニューオリンズの酒場でもリクエストがはいっていましたねえ・・・。

もともとは、「ロリ・リーバーマン/Lori Lieberman」という女性シンガーが、当時まだ無名だった「ドン・マクリーン」が歌う「Empty Chairs」という曲を、L.A.のクラブで聴いて気に入り、「Killing Me Softly With His Blues」という詩を書いた。これを元に、作詞家のノーマンと作曲家のチャールズが曲に仕上げたのが「Killing Me ・・・」だという。1972年にリリースされたロリのオリジナルはヒットしなかった。しかし、飛行機の機内BGMとして採用されていたこの曲を、「ロバータ・フラック」が偶然聴いて気に入って歌い、皮肉なことに、彼女のバージョンが大ヒットとなった。リリース後4週間で全米1位、1973年2月24日から5週連続でビルボード誌第1位を達成した。ビルボード誌の1973年年間ランキングでは第8位。これにより、ロバータはグラミー賞で最優秀レコード、最優秀楽曲、最優秀女性ボーカルの3部門を受賞した。

ひょっとしたら、この曲、皆さんは「ネスカフェ」のCMソングだと思っているのかもしれない。あの爽やかな感じのCMソングとはかなりちがって、元歌は、内容もかなり哲学的で、すこし官能的な匂いを感じる歌である。この歌を聴いた20代の私は、そのインパクトのあるタイトルに、簡単に参ってしまった。ちょうど私もお年頃、恋や官能への憧れがあった。1973年リリースのこのアルバムは、アフリカ系アメリカ人を感じさせる、こてこてのソウルではなく、ロバータが、情感豊かに歌う軽やかなソウル・アルバム。
 

やさしく歌って

ロバータ・フラック / Warner Music Japan =music= 

「ロバータ・フラック」の歌う「Killing Me Softly With His Song」の画像

1970年代、「阿川泰子(1951-)」という美人JAZZ歌手が人気を博していたが、もう一方の対極には、歌い方も阿川とはまったく対照的で、容姿もスレンダーで雰囲気のある、いわゆる「いい女」のJAZZ歌手「笠井紀美子(1945-)」がいた。セミヌードのジャケットなども話題となったが、1979年アメリカへ渡り、日本の女性ボーカルとしては、先駆者的な活躍をした。しかし、その後の消息はいつのまにか途絶えた。その「笠井紀美子」が歌うパワフルで、歯切れの良い「Killing Me ・・・」は、1984年リリース「Love Talk」に収録、その後ベスト・アルバムとして1993年にリリースされたアルバム「AS~SBM ベスト・セレクション」に収録されている。 

9df046020ea03aedfa578110_L__SL75_
アズ‾SBM ベスト・セレクション

笠井紀美子 / ソニーレコード

 

笠井紀美子の歌う「やさしく歌って」のYOUTUBEも・・・。 

 

【 Killing Me Softly With His Song 】  作詞;Norman Gimbel 作曲;Charles Fox 

「♪ Strumming my pain with his fingers    彼の指で私の傷みを奏でて
   Singing my life with his words        彼の言葉で私の人生を歌って
   Killing me softly with his song        彼の歌で私をやさしく殺してほしい
   Killing me softly with his song        彼の歌で私の息の根を止めてほしい
   Telling my whole life with his words   彼の言葉で私の人生のすべてを語って
   Killing me softly with his song        彼の歌で私をやさしく殺して

   I heard he sang a good song,        彼は素敵な歌を歌うって聞いたの
   I heard he had a style             彼には独自のスタイルがあるって
   And so I came to see him,           だから私はやってきたの
   to listen for a while                彼の歌に聴き入るために
   And there he was, this young boy,     私の目に映った少年のような彼は
   a stranger to my eyes              まるでストレンジャーのような人だった

  *Strumming my pain with his fingers     彼の指で私の傷みを奏でて
   Singing my life with his words         彼の言葉で私の人生を歌って
   Killing me softly with his song         彼の歌で私をやさしく殺してほしい
   Killing me softly with his song         彼の歌で私の息の根を止めてほしい
   Telling my whole life with his words    彼の言葉で私の人生のすべてを語って
   Killing me softly with his song         彼の歌で私をやさしく殺して

   I felt all flushed with fever,           私は全身がまっ赤くなるのを感じた     
   embarassed by the crowd           周りの人にずかしいほど
   I felt he’d found my letters           私からの手紙を彼が見つけて
   and read each one out loud          それを大声で読んでいる様に思えたから
   I prayed that he would finish,         「はやく読み終えて」と祈ったけれど
   but he just kept right on             彼は読み続けたの

* くりかえし

   He sang as if he knew me           彼は、歌った、暗い絶望に沈んでいた
   in all my dark despair              私のことを知っているかのように
   And then he looked right through me  そして私のほうをまっすぐ見つめた
   as if I wasn’t there                まるで私がそこに存在しないかのように
   But he was there, this stranger,      しかし彼は歌い続けていた 
   singing clear and loud              力強く澄みきった声で

* くりかえし                                      ♪ 」

確か、ニューオリンズのバーボン・ストリートにあった、少し過激な女性のランジェリー専門店、看板には店名が、「Killing Me Softly With Your xxxx」と書いてあった。(注;xxxxのところは各自ご想像ください。) それを見た私は、おもわず大笑いをしてしまったのだ。
それ以来、そのことが頭に残り、私はいまだに、この歌を「口説き歌」として、リクエストする機会を持ちえていません・・・。

 

 

 

Tags:

14 Responses to “60歳過ぎたら聴きたい歌(53) ~Killing Me Softly With His Song/やさしく歌って~”


  1. ベラ
    on 1 月 25th, 2010
    @ 9:56 PM

    oyaji様 はじめまして。以前から楽しみに読ませて頂くばかりで、コメントは初めてです。
    oyaji様とは同世代、育ってきた時代も同じなので、
    音楽も映画も涙がこぼれそうな位懐かしさが甦ってきます。

    JAZZといえば、今から2年半前、天に召された音楽評論家の青木拓氏が思い出されます。

    今も奥様とはとても親しくさせて頂いていますが、oyaji様の解説を読んでいますと、拓氏の語り口を彷彿させます。
    JAZZファンに共通するものかもしれませんね。


  2. oyaji
    on 1 月 25th, 2010
    @ 10:45 PM

    ベラさんコメントをありがとうございます。どうも音楽だけは懐古趣味に偏っているようでこまったもんです。多分脳の反応というか思考回路がそのようになってしまったみたいですね。年寄りの思い出話に今後もよろしくおつきあいください。追)青木さんになぞらえていただいて光栄です。


  3. 塊太
    on 1 月 26th, 2010
    @ 6:24 PM

    ベラさんへ
    青木拓さんの名前をなつかしく拝見しました。
    私はJALの機内エンタをやってまして、音楽選曲は青木さんと松原さんにもう10年以上お願いしてました。いつもやさしい風貌ながら大いに音楽を語ってもらいました。なつかしく懐かしく思います。


  4. ヒロヤ
    on 1 月 27th, 2010
    @ 9:00 AM

    笠井紀美子(愛称=ケメ)の「Killing Me Softly With His Song」
    何といっても最高です!
    あのアンニュイ声。あのとろけるようなフィーリング。あの投げやりな気だるさ。
    彼女の大坂時代は、貴兄のいう「いい女」というよりもむしろ「悪い女」を装って、夜な夜な酒と男と音楽を楽しんでいましたよ。
    今は亡き音楽評論家たち(福田一郎氏や青木拓氏、白藤ジョージ氏ら)からお呼びの声が掛ってるのかな?
    現在の消息を知ってる方がいたら教えてください。


  5. oyaji
    on 1 月 27th, 2010
    @ 9:46 AM

    ヒロヤさん
    あのしなやかでスレンダーな肢体、アンニュイな歌声、半空きのまくれた上唇・・・・。すべてが「いい女」の要素でした。
    数ある日本の女性JAZZボーカルの中で、これほど雰囲気をもった人はいなかったと思います。
    残念ながら私も消息は知りません。LAに住んでいるとか???


  6. ベラ
    on 1 月 27th, 2010
    @ 10:52 AM

    ☆塊太様

    そうだったのですか。
    拓さんも天国で懐かしがっておられることでしょう。
    青木拓さんのお宅はレコードとCD、特にJAZZの宝庫で、
    私も遺品の中から何枚か頂戴いたしました。

    笠井紀美子さん、懐かしいです。
    今はもう引退なさっておられるのかしら・・・
    アメリカに行かれたと聞いたことがありますけど・・・
    カッコイイ女性ですよね。


  7. oyaji
    on 1 月 27th, 2010
    @ 12:43 PM

    ヒロヤさん、ベラさん

    笠井紀美子のうたう「やさしく歌って」のYOUTUBE
     (太字部クリック)

    をつけておきます。


  8. シンドバッド
    on 1 月 27th, 2010
    @ 1:17 PM

    いやー、大先輩達のジャズ・トークに割り込むのは、かなりの勇気が要りますねぇ。
    私達のバンド(年取った白雪姫と7人のジジイ達)に「アンディー」というソフトハウスの社長さんがいるのですが、彼の歌う「Killing Me Softly …」が中高年の女性に結構人気なんです。
    「ロバータ・フラック」や「笠井紀美子」など女性シンガーと違い、おっさんが歌うからいいんですかねぇ? アンディー曰く、「もし、アンディー・ウィリアムスが歌えばかくありなん」と歌うとのこと。
    ついでに「アンディー」という芸名、アンディー・ウィリアムスのような甘い歌声の持ち主、と本人が強弁するので、いつの間にかそう呼ぶようになったもの。


  9. oyaji
    on 1 月 27th, 2010
    @ 2:39 PM

    おっさんのうたう「Killing Me ・・」。ちょっと想像できませんね。う~~~~ん。


  10. ベラ
    on 1 月 27th, 2010
    @ 3:13 PM

    oyaji様

    YOUTUBE聞かせて頂きました。ありがとうございます。

    >おっさんのうたう「Killing Me ・・」。ちょっと想像できませんね。う~~~~ん。
    尾崎 紀世彦も「Killing Me ・・」歌ってますね。


  11. ヒロヤ
    on 1 月 27th, 2010
    @ 3:44 PM

    べラさん、他のみなさん
    「Killing Me Softly・・・」でまさに最高な歌い手を教えましょう!
    それは、セルディオ・メンディス&ブラジル77時代の歌声です。
    あの可愛い女性ボーカル二人のコーラス。
    日本公演を観て熱狂した、そう、あの頃。キュートな愛らしさが忘れられません。う~~^ん。

    ところで、oyajiさん。
    未だに団塊世代には、ボサノバフアンが多いですよ!
    一度特集を~是非。


  12. oyaji
    on 1 月 27th, 2010
    @ 5:49 PM

    大変なリクエストを頂きましたが、また聞きのさらにさわりくらいなら・・・・。考えておきます。


  13. ベラ
    on 1 月 27th, 2010
    @ 9:39 PM

    えっ!リクエストあり?
    ボサノバもいいけど、我々の年代はカンツォーネファンもいるんですけど・・・

    イタリア映画「刑事」の主題歌「死ぬほど愛して」のアモーレ、アモーレ、アモーレ~の歌手で女優アリダ・ケッリとか、ジジオラ・チンクェッティとか・・
    イタリア映画「ひまわり」の主題歌(歌詞はないけど)いいですよね~
    機会があったらお願いします。


  14. oyaji
    on 1 月 27th, 2010
    @ 9:59 PM

    気が向いたらお応えしようと思います。ひまわりのラストはミラノ駅。哀切極まりないラストはいつ観ても涙・・・。

Leave a Reply



© 2009 JAZZYな生活. All Rights Reserved.

This blog is powered by the Wordpress platform and to just Go Beach Rental.