去年、2009年は1609年に徳川幕府がオランダに対して御朱印状を発行し、オランダとの貿易が開始されてから400年目であった。そのオランダはJAZZ大国で、北海に面する「デン・ハーグ」という町で毎年7月に開かれる「North Sea Jazz Festival」(http://www.northseajazz.com/)は、世界最大級のジャズ・フェスティバル。3日間で内外からなんと1,200名のアーティストが出演し、観客動員数7万人を誇るというからすごい。そんな訳でオランダ出身のJAZZミュージシャンは結構多いのだ。古くは「リタ・ライス」、「アン・バートン」、そして人気の高い「ヨーロピアン・ジャズ・トリオ」、さらに「ローラ・フィジー」、「ヨス・ヴァン・ビースト・トリオ」、「キャンディ・ダルファー(as)」、「ルイス・ヴァン・ダイク(p)」、「ジェシ・ヴァン・ルーラー(g)」 ・・・ などなど。今日はとても可憐とは言いがたいが、「ローラ・フィジー」をおすすめしておきましょう。
「ローラ・フィジー/Laura Fygi」、1955年8月27日アムステルダム生まれ。セクシーなイメージを売り物にしたグループで7年間活動を続けた後、91年、ソロJAZZ歌手としてデビュー(『瞳のささやき』)。以後、コンスタントにアルバムを発表しているが、セクシーなイメージが災いしてか、日本での人気はイマイチのようである。私は好きですがねえ ・・・。少し、かすれたハスキーボイスが魅力的で、これからJAZZを聞きたい方に、何かおすすめの女性JAZZボーカルをと尋ねられたときにあげるアーティストの一人です。10枚ほどのアルバムがリリースされているが、次から次へと、「ミッシェル・ルグラン」の曲をローラが歌う「Watch What Happens」と、ロンドンの有名なJAZZクラブ「ロニー・スコッツ」でのライブ盤をあげておきましょう。
二作目はイギリス映画「パイレーツ・ロック/The Boat That Rocked」(2009年公開)。「リチャード・カーティス」監督が、60年代に実在した海賊ラジオ局を描いた音楽映画。1966年のイギリスを舞台に、24時間ロックを流し続ける海賊ラジオ局と、ロックを規制しようとする政府の攻防を描いた、当時実際にあったイギリスの状況と、枕の下のラジオでロックを聴いていたという監督の幼少の頃の思い出からインスパイアされた痛快エンタテインメント。
「ドウワ・ドウワ・ドウワ ・・・ 」というスキャットでよく知られている「スイングしなけりゃ意味がない/It Don’t Mean A Thing (If It Ain’t Got That Swing)」はJAZZを象徴するようなエリントンの名曲。作詞は「アーヴィング・ミルズ」であるが、理屈でなく体で感じる音楽であるJAZZの本質をよく表しているフレーズ。
ハンガリー出身のJAZZピアニストといえば「ロバート・ラカトシュ」。澤野工房の最近の収穫であり、いまやレーベルを代表するピアニストとなった。相撲取りのような体格でありながら、そのシャイな人柄と繊細な指先から紡ぎだされる調べは、美メロでありながら、一本しっかりした筋が通っている。「So In Love」、「Allemande」、「Zingaro」など美メロ満載のアルバム。
二人目のミューズ「ステイシー・ケント/Stacey Kent」の2年半ぶりの新作は、「パリの詩/Raconte-Moi… (Tell Me)」。前回のブルーノートへの移籍第一弾は、日系人の作家「カズオ・イシグロ」の詩を全面的に採用したオリジナル曲集「市街電車で朝食を/Breakfast On The Morning Tram」であった。(参照「読むJAZZ(7)~音楽と夕暮れをめぐる五つの物語~」) このアルバムは、彼女の新しい世界が開け、フランス文化省からの勲章、グラミー・ノミネートなど商業的にも大成功であった。今回はステイシー初の全曲フランス語アルバムである。フランスで何度もコンサートを行ってきた「ステイシー・ケント」。これまでも「セルジュ・ゲーンズブール」や、「シャルル・トレネ」、「アンリ・サルヴァドール」など、フランス語の曲をアルバムに収録していますが、今回は、ジョビンやスタンダードにフランス語詞をつけたナンバーに加え、若手ライター達がステイシーのために書き下ろした新作を加えた全12曲で構成。とびっきりオシャレで耳心地よさ抜群のフレンチ・ヴォーカル・アルバムに仕上がっている。今回のこの新しい模索もきっと成功するだろうが、彼女にとってアルバム作りは、ゴールの見えてこない、永遠に続く終わりなき模索かもしれない。
キュートで、コケティッシュな白人美人ヴォーカリスト「スー・レイニー/Sue Raney」による「My Prayer」」(私の祈り)。「ザ・プラターズ」で大ヒットした曲をしっとりとした情感で歌う。抜群の雰囲気でジャズ・ヴォーカル史に残る傑作は、雨をテーマにした詩情溢れる名盤「雨の日のジャズ/Songs For A Raney Day」。「Rainy」と「Raney」とをかけ、雷鳴で始まり雷鳴で終わるこのアルバム、1959年録音ながら古臭さはまったくなく良き時代のJAZZの香り溢れる名盤。
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