もう一枚、憩いながら聴ける「ニュー・シネマ・パラダイスのテーマ」として、ともにミズーリ州出身というJAZZベースの大御所と人気ギタリストのデュオ「チャーリー・ヘイデン&パット・メセニー/Charlie Haden & Pat Metheny」の「ミズーリの空高く/Beyond the Missouri Sky (Short Stories)」をあげておきましょう。哀愁を帯びたセンチメンタルな楽曲が並ぶこのアルバム、私は現役時代、通勤帰りの電車の中で聴いていて、思わず寝過ごしてしまったことが何回もある心地よいアルバム。
今年は「ブルース・リー/Bruce Lee、李 小龍」(1940年- 1973年)の生誕70周年。彼の特集をTVでやっていたが、「燃えよドラゴン/ENTER THE DRAGON」が日本公開されたのが1973年12月。その時点で既に彼は32歳の若さでこの世を去ってしまっていた。(1973年7月20日死去)。今までとはまったく違うアクションを見せたこの映画で人気が爆発、さかのぼっての彼主演の香港映画が次々と公開された。私もそうだが、団塊の世代は、リアルタイムで彼の映画を観て、彼が「ヒーロー」となった世代であろう。そして我々の子の世代、1979年生まれのジャズ・ピアニスト「上原ひろみ」も「ブルース・リー」の大ファンであるらしい。「フジコ・ヘミング」をして、「何かを持っている娘」と言わしめた人気のジャズ・ピアニストに「ブルース・リー」へのオマージュの作品がある。「リターン・オブ・カンフー・ワールド・チャンピオン/Return Of The Kung-Fu World Champion」である。2005年の「ジャズディスク大賞 日本ジャズ賞」を受賞したサード・アルバム「スパイラル」に収録されているほか、ライブなどでもよく演奏されるという。
「フルート」という、それまではおよそジャズとは縁のなかった(?)楽器をJAZZの主役、ソロ楽器に仕立て上げ、「フュージョン」という言葉すらなかった時代(当時は「ジャズロック」といった)に、ジャズとロックを融合させた音楽を先駆けたのは「ハービー・マン/Herbie Mann」である。その初期の代表作である「カミン・ホーム・ベイビー/Comin’ Home Baby」は、それまでのJAZZ、「ビ・バップ/be bop」にはなかった「祭り囃子」のような、R&Bあるいはロック的雰囲気を持つ明るい曲で、当時のJAZZ喫茶に立ち込めていた重苦しい空気を一掃するように、一時期、どこのJAZZ喫茶でもかかっていた曲である。マンがリーダーで、作曲者でもある「ベン・タッカー/Ben Tucker」がベースを務めている1962年のアルバム「At the Village Gate」が大ヒット。そして、我が学生バンドのレパートリーでもあった懐かしい曲。これも私には懐かしい音のひとつ ・・・ 。
この仏像の「千眼」の話を聴いた時、すぐ想起されたのは、JAZZのスタンダード、「夜は千の眼を持つ」であった。1948年映画、「The Night Has A Thousand Eyes」の主題歌として書かれたというが、実際には、映画の中では、まったく使われなかったらしい。私が持っているCDの中では、「ティティアン・ヨースト/Tizian Jost/The Night Has A Thousand Eyes」、「ポール・デスモンド/Paul Desmond/Bossa Antigua」、エディ・ヒギンズ/Eddie Higgins/Don’t Smoke In Bed」、「ヨーロピアン・ジャズ・トリオ/Europian Jazz Trio/The Windmill Of Your Mind」などのカバーがあるが、「ジョン・コルトレーン/John Caltrane」の特異なジャケットが印象的なアルバム「コルトレーンズ・サウンド/Caltrane’s Sound」が一番有名か。
コルトレーン・サウンド(夜は千の眼を持つ)(+2) ジョン・コルトレーン / Warner Music Japan
「コルトレーン・サウンド」から「夜は千の眼を持つ」。 そのダイナミックなサックスの咆哮 ・・・。
John Coltrane;Sax (Tenor)、Steve Davis;Bass、Elvin Jones;Drums、McCoy Tyner;Piano
【 The Night Has A Thousand Eyes 夜は千の眼を持つ 】
作詞;Buddy Bernier 作曲;Jerry Brainin
「 ♪ Don’t whisper things to me you don’t mean 心にもない言葉を囁くのはもうやめて
For words deep down inside can be seen by the night
夜は心の奥深くに隠した言葉まで見抜いてしまうから
The night has a thousand eyes 夜は千の目を持っているから
And it knows a truthful heart from one that lies
誠実な心と嘘をつく心を見分けることができるのです
Tho’ romance may have called in the past あなたも過去に恋はあったのでしょう
My love for you will be everlasting and bright でもあなたへの愛は永遠
As bright as the starlit skies 星空の輝きのように
And this wond’rous night that has a thousand eyes
この千の目を持つ不思議な夜のように
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」
この歌を歌っている歌手は少ないが、ヴォーカルで聴くなら「カーメン・マクレエ/Carmen McRae」(1920年4月 – 1994年11月)の「セカンド・トゥ・ノン/Second To None」が一番いいといわれています。しかし、残念ながらまだ聴いたことがありません。そのうちに ・・・ 。
セカンド・トゥ・ノン カーメン・マクレエ / ソニーレコード
また、私は「千手観音」と聞くと、どうしても「カサンドラ・ウィルソン/Cassandra Wilson」を想起してしまいます。いくつもの違ったジャンルの曲を取り込んで、自分の世界の色の曲に変えてしまう独特の魔術的歌唱の魅力が、まるで「千の手」を持っているように思えるからで、私は勝手に「The Diva With A Thousand Hands」と名づけていますが ・・・。その彼女の面目躍如たるアルバムは、「クローサー・トゥ・ユー~ザ・ベスト・ポップ・ヒッツ・コレクション/Closer To You」。過去にレコーディングされた彼女のアルバムの中から、ポップ・ヒットのカバー曲だけを集めたベスト・アルバム。「U2」、「シンディー・ローパー/Cyndi Lauper」、「スティング/Sting」、「モンキーズ/The Monkees」、そして「Harvest Moon」は「ニール・ヤング/Neil Young」のカバー ・・・ 。
「ハンク・ジョーンズ」亡き後の21世紀における「ビ・バップ」のタイム・カプセルは、「バリー・ハリス/Barry Harris」と言ってもいいだろう。1929年12月、デトロイト生まれというから、もうすぐ81歳。ご立派なご長寿ジャズ・ピアニストである。「マイルス・デイビス」、「リー・コニッツ」らと共演し、ニューヨークへ進出後は、「キャノンボール・アダレイ」、「コールマン・ホーキンス」、「デクスター・ゴードン」らと活動を共にしたという。「リー・モーガン」の歴史的名盤といわれるブルーノートの「サイドワインダー」にも参加したというから、ジャズの歴史の証人の資格十分。地味ながら実力派で、「Budpowellien」などとも呼ばれる「バド・パウエル」直系のそのスタイルは、くつろいで聴ける「バップ・ピアニスト」といえる。「バリー・ハリス」の最高傑作ライブ盤と称されるアルバムは、「バリー・ハリス・アット・ザ・ジャズ・ワークショップ/Live At The Jazz Workshop 」(1960年録音)。
私の勝手な思い込みかもしれないが、JAZZあるいはスタンダードなどには、「鳥」に比べて「蝶」の曲が極端に少ないような気がする。私のCDを検索してみても、3曲くらいしか見つからなかった。その中で、もっとも知られている曲のひとつが、「セロニアス・モンク/Thelonious Monk 」作曲の美しいバラード「Little Butterfly[Pannonica]」である。モンクはもちろん、「チック・コリア/Chick Corea」、「マッコイ・タイナー/McCoy Tyner」などの演奏もあるが、歌唱ではご贔屓「シェリル・ベンティーン/Cheryl Bentyne」のアルバム「Talk Of The Town」に収録されている。人気ジャズ・コーラス・グループ、「マンハッタン・トランスファー/The Manhattan Transfer」の女性ヴォーカルをつとめるシェリルがソロで歌うセカンド・アルバムである。「ケニー・バロン/Kenny Barron(p)」、「ジョン・パティトゥッチ/John Patitucci(b)」ら名プレイヤーとのセッションでスタンダードを歌う。最初のスタンダード・ナンバー「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ/You’d Be So Nice To Come Home To」を聴けば、その歌のうまさはすぐわかる。
【 Little Butterfly [Pannonica] 】 作詞;Jon Hendricks 作曲;Thelonous Monk
「♪ Softer than silk 絹より柔らかく
And as warm as warm milk ミルクのように暖たかで
Light as air and able to fly 空気のように軽いから飛べるのさ、
Blossoms know bliss 花たちは無上の喜びだと知る
While they’re waitin for her kiss 彼女のキスを待っている間が
Pannonica my butterfly パノニカ、私の蝶
・・・・・・・・・ 中略 ・・・・・・・・
Delicate things 壊れやすい繊細な心を持った女(ひと)よ
Such as butterfly wings 丁度、蝶の羽根のように
Poets can’t describe いくらがんばっても
Though they try 詩人さえも書き得ないように
Love played a tune 愛は調べを奏でる
When she stepped from her coccoon 彼女が繭から出てきた時に
Pannonica my butterfly パノニカ、私の蝶
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