
2011年3月20日無人飛行機より撮影 AP Photo/AIR PHOTO SERVICE
大震災による福島第一原発事故から、2ヶ月も経ってからやっと深刻な事実が明らかになった。1号機はすでにメルトダウン(炉心溶融)、2,3号機についてもその可能性が高いという。しかも、震災後、早い時期にメルトダウンしたという。電源喪失して冷却機能が失われれば、比較的早い時間でメルトダウンにいたるということは指摘されていたこと。果たして1号機は14時間程度でメルトダウンに至ったという。しかも水位計を設置し直して水がたまっていないことが判ってからの公表であった。
「東京に原発を!(1981年3月)」(のち集英社文庫)、「ジョン・ウェインはなぜ死んだか(1982年12月)」(文春文庫)、「危険な話 チェルノブイリと日本の運命(1987年4月)」(新潮文庫)、そして昨年2010年8月には「原子炉時限爆弾 大地震におびえる日本列島」(ダイヤモンド社)などと、30年も前から原発の危険性を指摘し続けてきた「広瀬隆」氏の今月の緊急出版「FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン 」を読んだ直後のこのニュースだけに、この著書での氏の指摘がまた現実になってしまったと背筋が凍る思いがしているのである。

FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン (朝日新書) 広瀬 隆 / 朝日新聞出版
「想定外」。この便利な言い訳の言葉を何度聴かされたことだろう。専門家が「想定外」と口にしたとたん、そのことは「専門家としてのレベルが低い」、「素人である」ということを自ら認めたことに他ならないのである。そして、車の運転に例えてみれば、東電はドライバーであり、ハードを設計・製造した車メーカーではないのである。しかも車が暴走や重大事故を起こすことなどありえないから、2重3重のブレーキや対策は必要ないとしてきた人間達である。本当に彼らは専門家なのか? GEなど原子炉やシステムのメーカの助言はきちんと入っているのだろうか?
繰り返して思う。東電、原子力安全・保安院、原子力安全委員会、TVに出てくる今まで原子力推進派であった学者達、「深刻な事故は起こらないからブレーキは必要ない」と嘯いてきた専門家達に、この事故の収束を本当に任せておいていいのだろうか? ことは日本の浮沈に関わることなのである。

5月16日発売の「週刊 ダイヤモンド」に原発をとりまく利権、カネ、人脈の構図がわかりやすく載っている。こちらの記事も背筋が凍るような記事である。そして、自民党を中心としてこの利権を守ろうと、はやくも蠢きだしているという。しかし、これだけわかっているのであれば、なぜもっと早く指摘してこなかったのかというジャーナリズムの怠慢も指摘されよう。
しかも、国内だけではないのだ。世界一の原子力大国、米国はもちろんのこと、サルコジ大統領や「アレバ/Areva」のトップまですぐ来日したフランスなどが、原発の事故収束、今後の対策、復旧復興、再開などの需要も含め、いままででも年間約2兆円ともいわれる市場にかかわってくる政府のエネルギー政策を、固唾を呑んで見守っているのだ。
繰り返して自らに問う。原発は必要なのかと ・・・。

団塊太
on 5 月 18th, 2011
@ 8:50 AM:
まだ民主党が政権にいてよかった。自民党であったら浜岡もとまらず、福島にいたっては、情報がいまより隠されて、異常な国日本として国債社会から抹殺されていたかも知れない。自民党末期の阿倍、福田、麻生の時代を想起すべきだ。菅も問題だがその前に比べたらまだましのほうだ。原子炉はメルトダウンで今後の道筋は全くみえない。東電は解体すべし。遺してもむだ。すべて税金で解決するのだから。
大屋地 爵士
on 5 月 18th, 2011
@ 9:49 AM:
団塊太さん すくなくとも沖縄を除く九電力の発電・送電・配電の地域独占の枠組みの是非まで踏み込まないかぎり、脱原発を選択しつつも国力を衰えさせないという日本のエネルギー政策は実現できないと思いますが ・・・ 。
エイジ
on 5 月 18th, 2011
@ 11:19 AM:
この会話が、私達に最も大事な時期、団さんの主張は日頃感じています。民主でさえ、こんな情報しか出せない状況と原子力行政を推進した張本人の自民党の責任は比較にならない。政、官の上に君臨する民間の存在をまず注視するべきでしょう??
大屋地 爵士
on 5 月 18th, 2011
@ 5:20 PM:
エイジさん 今後原発、エネルギー政策の旗色が、政界再編のひとつの大きな軸となり、我々の政権選択の選択肢になることは間違いないでしょう。
シンドバッド
on 5 月 18th, 2011
@ 8:53 PM:
これだけのことが起きたのに、これまで通り、原発を推進すると息巻く自民党のあるグループ。あんた達こそ、国民に謝るべきでしょう。賠償の先頭に立つべきでしょう。
それにしても、ドイツのメルケル首相は偉い。航空機の墜落にも耐える安全性が確保されない原発は廃止すると言ったそうだから。
まっ、それでも、電力全体に占める原発割合はドイツ30%、日本29%で、日本より高いんだけどね。
大屋地 爵士
on 5 月 19th, 2011
@ 1:03 PM:
シンドバッドさん 欧州はEU全体での電力融通を想定し、過去何十年もかけて各国ばらばらであった電圧や相方式を統一してきたといういきさつがあります。その中でフランスはEUの中で電力供給センターの役割を担わんがため原発にあれほど注力していたという背景もあります。各国の思惑に加え、EUの中での産業主導権争い、石油資本、金融資本、財閥、コングロマリットなどの思惑、利害などが複雑に絡んでいるようです。だから旧東ドイツ出身とはいえ、メルケル首相の言葉も単純には鵜呑みにはできないような気がします。
エイジ
on 5 月 19th, 2011
@ 10:39 PM:
編集長、ぜひこの論議を談話室へ持ち込んで下さい。コピーできます?その他大震災、原発問題は、我が世代の見逃せない問題意識総括の大テーマですもの・・・。世代的加害者と指摘もあります。自戒てきにも・・・