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生き方としての節電

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(写真;関西電力美浜原発 関電HPより)

エアコンは設置してない。夏のほんの一時だけ扇風機を回す。電灯は必要なとき以外は、こまめに消す。冬の暖房は安全上の問題で電気炬燵(コタツ)に替えるまで、ずっと炭火の炬燵であった。野菜は裏の畑で自給自足。観るTVはNHKのニュースと歌謡番組だけ、夕飯の熱燗の晩酌一本が楽しみ。夜9時には寝てしまう。朝シャン、シャワーやお湯の出しっぱなしには文句を言う。もちろん携帯電話やパソコンなんぞは持っていない。車すらも ・・・。大昔の話ではない。つい最近までの大正生まれの両親の生活である。私の両親が特別ではなく、多分この時代に生まれた人たちに共通した暮らしぶりではないだろうか。「もったいない」を実践する生き方である。

ついに関西電力が、原発停止に伴う真夏の電力不足を理由に、対前年比「15%」の節電のお願いを始めた。しかし、そこは関西人のこと、「はい分かりました、協力しましょう」ってなことに、すぐなるわけがない。案の定、「15%の根拠が不明で納得できない」と 関西の主要知事たちは一斉に反発をしている。関電が要請する「節電15%」は、政府が大口需要家に削減を義務づける「電力使用制限令」を7月1日から発動する東京電力と東北電力管内と同じ数値で、協力する時間帯も長いのである。このことがなかなか理解を得られないのである。

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【関西電力の発電電力量比;関西電力調べ(過去10年平均 他社受電分含む)/平成22年3月末現在/関電HPより】

東電に次ぎ、2番目に多い11基の原発を福井県に抱え、大震災前は「関西の電気の約半分は原子力」と言うコピーがTVコマーシャルでずっと流れていた関電に対し、橋下大阪府知事が「原発を動かさないといけないとあおるためにボーンと打ち出してきたとしか思えない。根拠をはっきりしない限り、協力するつもりはない」と反発するのも無理からぬところである。

「湯水のように使う」なんて言葉があったが、いまの日本は「電気のように使う」という言葉に置きかえたほうがいいほど、電力を使って経済力と豊かさを支えてきた。「電気」は一見「地域独占」、「公共事業」というベールに覆われているので、普段は意識しにくいが、れっきとした民間企業、しかも利益を上げることを株主に約束している上場企業が売っている「商品」なのである。

基本的に利益を追求する電力会社が発電にかかるコストを含め、コストを削減する努力をするのは当たり前。安全に欠けるコストと利益とがはかりにかけられるのは当然のことなのである。一旦稼動するとこまめな発電量調整がしにくいが、発電コストが安いといわれている原子力発電を、ベース電力とし、その上に、発電量やコストの変動要素が多いが、こまめな調整が可能な石油、天然ガス、水力などの発電を積んでいくという効率を追求する経営図式が出来上がり、原子力発電を必要とされるベース電力に限りなく近づけていく経営努力こそが「原子力発電推進」であり、電力会社にとっての経営の根幹を成すものであったのは間違いないであろう。このことが、今見直しを迫られている。本当に安全なのか?本当にコストが安いのか?あるいはコストをかけなかったのか?原子力以外の発電方式では需要を本当に賄えないのか?これらの疑問に電力会社は十分答えているとは思えない。浜岡原発を根拠を明確にせず、唐突に停止要請をしたと非難する向きがあるが、どっともどっちである。

いずれにしたって、今年は節電しなくてはならないのだ。原発事故や停止を理由に、政府や電力から「節電」をいわれて従うのも癪である。「節電」というと、「必要な電気を使わずに我慢する」というニュアンスがあるが、そうではなく、どうせしなくてはならないのなら、われわれの親の時代のように「電気に依存しすぎない生活スタイルを取り戻すのだ」ぐらいに考えて、「生き方としての節電」として選んで実践してみたらどうだろうか? 「節電」によって、すこしくらい便利さ、快適さが損なわれても甘んじて受け入れ、また少々機器のレスポンスが悪くても、「これぞスローライフ」と考えて、決してイライラしない。さあ、こんな生活、私にもできるでしょうか?

そんな「生き方としての節電」にふさわしい曲がある。「Give Me The Simple Life」。「素朴に生きよう」という意味であろう、「ハリー・ルビー/Harry Ruby」作詞、「ルーブ・ブルーム/Rube Bloom」作曲で、1948年の映画「Wake up and dream」(観てませんが ・・)に書かれた。以来ジャズ歌手が好んで歌う曲となり、いわば歌唱のテクニックを競う曲となっているという。英語の全歌詞はコチラであるが、俗語が多いので、悪戦苦闘ながらもちょっと訳してみた。

【 Give Me The Simple Life 】

「♪    ・・・・・・・・・・・・・・・
   Some like the high road           目立つ生き方が好きな人もいるけど
   I’ll take the low road             わたしは地味な生き方でいい
   Free from the care and strife         悩み事や争いもない暮らし
   Sounds corny and steady          野暮ったく、堅物みたいだけど
   But, yes, indeedy               ほんとにこれでいいんだ 
   Give me the Simple Life            素朴で普通の暮らしがしたい ♪」
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タイトル曲によって「特定の歌・衝動買い症候群」の発症と「ジャケ買い」とを併発したアルバムが「アリーチェ・リチャルディ/Alice Ricciardi」のブルーノート・デビューアルバム「カムズ・ラヴ/Comes Love」。名前から想像されるように、1975年生まれ、ミラノ出身のジャズ歌手であるが、母国イタリアの名門音大で正式に音楽の教育を受け、その後アメリカでも活動を始めて話題にもなり、ジャズの名門「ブルーノート/Blue Note」レーベルからのデビューである。音大で教育を受けただけあって端正な品のいい歌い方、しかしクラシック出身の歌手らしくなく、十分にスウィングしている。どうしたのかこの一枚のみでその後のアルバム・リリースを聞いていない。アメリカでは、この端正さがうけなかったのかも知れない。いや、私は十分評価していますよ。


 

カムズ・ラヴ  アリーチェ・リチャルディ / EMIミュージック・ジャパン

「Alice Ricciardi – Give Me The Simple Life」

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