梅雨明けを思わせるような上天気。手元には頂きものの、大阪湾を臨む「舞洲(まいしま)ゆり園」の招待券が2枚。紫陽花でも薔薇でもなく、なぜか百合。しかも、その期日は7月7日まで。「何時行くの?今でしょう!」と阪神高速を車を走らせる。
「大阪舞洲ゆり園」は、今年6月に大阪湾のシーサイドにオープンした、約50,000㎡の広大な敷地に200万輪の「ゆり(百合)」が咲き乱れるという新名所。入り口を入ると、まずその広さと解放感に圧倒される。そして、海に向って開かれた斜面に一面に咲き乱れるゆりの花。遠くには神戸の街並、六甲山系、明石海峡大橋が望める。心地よい潮風が吹いているので、爽やかで暑さを全く感じない。シーズン到来とあって、大阪北港のヨットハーバーから出航してきたディンギやクルーザーが、帆を一杯に膨らませながら走っている。40年ほど前は、この時期私もあんな風にヨットの練習に明け暮れていた時期があったのだ。久しぶりに潮の香りと百合の香りとを満喫し、心がさっぱりした一日。
さて、北欧からのニュー・カマーは、「カトリーヌ・レガーあるいはキャサリン・レガール/Cathrine Legardh」。1973年デンマーク生まれ。2006年に音楽教師を辞め、プロ歌手を目指し、独自にイギリス、NYで勉強したという。そう、いつもの「パブロフの犬」化現象で衝動買いしたのは、彼女の4作目のアルバムだという「Love Still Wears A Smile」。ベテラン・ピアニストらしい、「ブライアン・ケロック/Brian Kellock」とコンビを組んだデュオ・アルバムである。
ピアノとのデュオという極めてシンプルなユニット。抑制された静けさが漂う。しかし決して単調ではない起伏に満ちた音楽がある。気品あふれるなバラードからスウィンギーな曲まで、今までの北欧の歌姫とはちょっと一味違う味わいに満ちたスタンダード・アルバム。
Love Still Wears A Smile [輸入盤] Cathrine Legardh-Brian Kellock / Storyville
そんな中から、気に入った絶品のバラードは、「A Time For Love」。「ジョニー・マンデル/Johnny Mandel」作曲、「ポール・ウェブスター/Paul Francis Webster」作詞。あの「いそしぎ/The Shadow of Your Smile」コンビによる美しい詩とメロディに満ちた作品。特に際立ったテクニックがあるわけではないが、なにかほっとして、心が優しくなるような歌唱。
「♪ A time for summer skies
For hummingbirds and butterflies
For tender words that harmonize with love
A time for climbing hills
For leaning out of windowsills
Admiring daffodils above
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」
「A Time For Love - Cathrine Legardh」
同じアルバムからもう1曲。やはり美しいバラード、「The Party’s Over」。1956年に、「ジュール・スタイン/Jule Styne」作曲、「ベティ・カムデン/Betty Comden」と「アドルフ・グリーン/Adolph Green」による作詞で、ミュージカルのためにかかれたもの。動画からも人柄がうかがえるような「ブライアン・ケロック」の暖かいピアノ。
「Cathrine Legardh & Brian Kellock – The Party’s Over」
最近のコメント