あちらこちらの生垣に、「キンシバイ(金糸梅)」が咲きだした。濃い緑色の葉に映える黄金色の花。初夏から夏へと移り変わるこの時期に咲く「キンシバイ」は、江戸時代に観賞用として、中国から渡来したという。
同じ頃咲く黄金色のよく似た花に、「ビヨウヤナギ(未央柳、美容柳)」がある。こちらも「キンシバイ」と同じ中国原産で、古くから観賞用に栽培されてきた。「キンシバイ」の花は下向きに咲くのに対し、「ビヨウヤナギ」は上向きに咲き、多数の雄しべが突き出すのが特徴。写真は、左、「キンシバイ」、右、「ビヨウヤナギ」。これから続く梅雨空にどちらも明るく咲く。
さて、今宵は、かって他の女性ジャズ歌手を圧倒して、黄金色の一時期を誇った、「ダイアナ・クラール/Diana Krall」が歌う雨の歌。「Let It Rain」から始めましょうか。
「ダイアナ・クラール」、1964年11月16日カナダ生まれの女性ジャズ・ピアニスト&歌手。1990年代以降に最も成功したジャズ歌手の一人と言われている。1995年に「オンリー・トラスト・ユア・ハート/Only Trust Your Heart」でメジャー・レーベル・デビューするなり、一躍脚光を浴び、高い人気と評価を獲得した。第6作のアルバム、「The Look Of Love」(2001)が最大のヒットアルバムで、カナダでは70万枚、アメリカでは160万枚のセールスを記録したという。この辺りが人気の最もピークであった時期かもしれない。
2003年にイギリス生まれのミュージシャン、「エルヴィス・コステロ/Elvis Costello」と結婚。2006年には双子の男の子を出産し、産休、出産後、カムバックしたが、私にはこの頃から、段々つまらなくなってしまったという印象がある。決して結婚、出産したからと理由ではありませんが ・・。そんな中で、2012年、3年振りに11枚目のアルバム、「Glad Rag Doll」がリリースされた。1920年~1930年代の名曲を新しい息吹を吹き込む狙いで制作されたといい、惹句には「心機一転の作品となるこれぞ女王の“新”骨頂」とあったが、コスプレのグラビア風ジャケットで、中身も大したことはなくがっかりし、「コスプレ・クラールよ、何処へ行く」というブログ記事をアップした。
そんなアルバム「Glad Rag Doll」から、「コスプレ・クラール」が歌う雨の曲を2曲。「Let It Rain(雨が降る)」と「Just Like a Butterfly That’s Caught in the Rain(雨に打たれた蝶のように)」。その当時は、泣いているのはファンの方だなんて思ったりも ・・・。
【 Let It Rain 】 by James Kendis / Hal Dyson
「♪ The angels are crying, 天使たちが泣いているのだ
they are shedding their tears, 涙を流して泣いているのだ
That’s why the rain falls from the sky. それが天から雨が落ちてくる理由
The storm will pass away, やがて嵐が去り
there’ll come a brighter day, 明るい日が再び訪れる
So cheer up now and dry your eyes. だから元気だそう 涙をぬぐい
Let it rain, let it rain, let it rain. 雨が降る 雨が降る 雨が ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」
Glad Rag Doll Diana Krall / Verve
【 Just Like a Butterfly That’s Caught in the Rain 】
Written by Harry M. Woods, Mort Dixon
「♪ Here I am, lonely, ここではわたしはひとりぼっち
Tired and lonely, 疲れはててひとりぼっち
Crying for home in vain, むなしくふるさとを思って泣いている
Just like a butterfly that’s caught in the rain まるで雨に打たれた蝶のように
・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ ♪」
「Diana Krall – Just Like a Butterfly That’s Caught in the Rain」
私にとって、彼女が最も輝いていた頃の4作目アルバム、「ラヴ・シーン/Love Scenes」(1997)から、書かれたのが1928年というから、相当に古いですが、「Garden In The Rain」も ・・・。
Love Scenes Diana Krall / Grp Records
【 Garden In The Rain 】 by Carroll Gibbons, the lyrics by James Dyrenforth
「♪ T’was just a garden in the rain それは雨が降る庭だった
Close to a little leafy lane 近くには緑豊かな小道があり
A touch of color neath skies of gray その緑は灰色の空の下の鮮やかなひと色
The raindrops kissed the ower beds 雨粒は花壇にキスをすると
The blossoms raised their leafy heads 花たちは頭をもたげ
A perfumed thank you あたりを香りで満たした
They seemed to say まるで雨に感謝するように
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・ ♪」
「Garden in the Rain - Diana Krall」