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路傍の花、樹々の鳥(166)  ~ 万葉のそよぎ ~

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チガヤ

 風にそよぐのは、「チガヤ(千茅、茅萱、血茅)」である。イネ科チガヤ属の植物で、この時期、日当たりのよい公園、幹線道路の中央分離帯、河原、空き地などいたるところで群生しているのが見られる。白い毛が密生した花を、「茅花(つばな)」と呼び、甘味があり食べられるという。

「浅茅原 つばらつばらに 物思へば 故りにし郷し 思ほゆるかも」 (万葉集 大伴旅人)

「印南野の 浅茅押しなべ さ寝る夜の け長くしあれば 家し偲はゆ」(万葉集 山部赤人)

服部先生講演

 万葉集にも詠まれている古来から親しまれた植物で、我が活動フィールドの近くの黒川地区では、旧暦の端午の節句につくる「粽(ちまき)」をくるむのに、「ナラガシワ(楢柏)」、「イ(藺)またはイグサ(藺草)」とこの「チガヤ」を使っている。これは全国的にかなり珍しく、公園の他の活動グループでは、「食育」のテーマとして、この伝統の粽作りを毎年行っている。(参照拙ブログ「伝統の粽(ちまき)を作る」など) そして、この地域でも、6月30日と12月31日に、健康を願って神社で行われる「茅の輪くぐり(ちのわくぐり)」。

 「日本書紀」には「天鈿女命(アメノウズメ)」が「茅」を巻いた矛を持って舞ったと記されていることからも、我が国でも神代より「チガヤ」が聖なる草として、特別視されていた。従って、その霊力により、保存食である「粽」を巻いたり、「茅の輪くぐり」の神事につながったという。

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 とまあ、参加した万葉講座「万葉の植物 植生と猪名について」(講師;服部保先生)の受け売りであるが、わが国最古の歌集「万葉集」は、4516首からなり、そのうちのほぼ1/3に植物が詠まれ、その種類は約160種とされている。万葉集を紐解くと、詠まれている植物から、その植物の群落が形づくる当時の景観や、万葉人がその景観や植物をどう認識していたか、すなわち自然感がわかるという。はっきりとは分かっていないが、現在と同じような夏緑樹林(落葉樹)の里山林が形成されたのは弥生時代だと推定されている。従って、最古の文献ともいえる「万葉集」を読むと、万葉人も我々と同じ景観を見ていたことが分かるという。どこにでも生えているほぼ雑草といってもいい「チガヤ」。視点を変えると、万葉人の見た景色とつながってくる。

 それにしても、先日、鉢に「ヌバタマ(射干玉、夜干玉)」を播いたが、ちゃんと「ヒオウギ(檜扇)」になって花咲いて欲しい。いや、面白い講座であった。(「ヒオウギ」の写真はNETより拝借)

さて、今宵のピアノ。ふるさとシリーズは、「ジョー・サンプル/Joe Sample」の「A Long Way From Home」。この演奏は、「レイラ・ハサウェイ/Lalah Hathaway」とのコラボ・アルバム、「The Song Lives On」のラスト・トラックに収められているが、ボーカルはなく、サンプルの演奏のみであるが、涙を誘わんばかりの郷愁を思い起こす素晴らしい演奏である。
 

Song Lives on

Joe Sample / Pra Records

「Lalah Hathaway & Joe Sample – A Long Way From Home」

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