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梅の便りがなかなか来ないので ・・・

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 梅の便りがなかなか届かない。ご近所の梅の花も、まだ固い蕾のまま。ことしは寒さの影響で、1~2週間遅れているとか・・・。しからば、春の気分に浸ろうと、隣町の「宝塚あいあいパーク」へとお茶も兼ねて出かける。ここはあの阪神淡路大震災で倒壊した住宅地を市が公園と公民館として再開発した場所。英国調の建物の中庭にある大きな園芸屋さんには、早咲きの「ツバキ(椿)」をはじめ、一足先に色とりどりの花たちが ・・・。外はときどき小雪が舞う天気だったが、ここだけはもうカラフルな春といっぱいの暖かさ。

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 かって「向田邦子」が、そのエッセイ「水羊羹」で、『水羊羹に一番似合う』と評した女性シンガーがいる。「ミリー・ヴァーノン/Milli vernon」である。こんなふうに評している。

 『水羊羹を食べる時のミュージックは、ミリ―ヴァーノンの Spring Is Here が一番合うように思います。この人は、1950年代にたった一枚のレコードを残して、それ以来、生きているのか、死んでいるのか、まったく消息のわからない美人歌手ですが、冷たいような、甘いような、けだるいような、生ぬくいような歌は水羊羹にぴったりに思います。』 (向田邦子;「眠る盃」より)(再録)

眠る盃

向田 邦子 / 講談社



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 そのアルバムは、「イントロデューシング/Introducing」。『水羊羹に合う』かどうかは別にしても、どの曲も、しっとりと、やや憂いを含んで、ムーディに、歌い上げている。「向田邦子」が、『水羊羹に一番あう』と評した「スプリング・イズ・ヒア/Spring Is Here(邦題;春が来たと云うけれど)」は、1938年、「リチャード・ロジャース/Richard Rodgers」、「ローレンツ・ハート/Lorenz Hart」のゴールデン・コンビの手になる、古い時代のミュージカルの曲。

 「恋人がいないから春が来ても心が弾まず、憂鬱なの」と、甘く、けだるく、しかし情感豊かに歌われる。全編を通じ、レトロだが、聴いたあとの後味がいいというか、どこか豊かな落ち着いた気持ちにさせてくれる曲とアルバム。

【 Spring is here 】     by Richard Rodgers, Lorenz Hart

「♪ Sprinh is here              春が来たって
   Why doesn’t my heart go dancing    でも、私の心が浮き浮きしないのはなぜ
   Spring is here              春が来たって
   Why isn’t the waltz entrancing     でも、ワルツを聴いても心が弾まないのはなぜ
   No desire no ambition leads me     欲しいものもやりたいことも何もない
   Maybe it’s becaus nobody needs me   多分誰も私のことを必要としていないから

   Spring is here              春が来たって
   Why doesn’t the breeze delight me   でも、そよ風に私の心が浮き立たないのはなぜ
   Stars appear                美しい星たちも
   Why doesn’t the night invite me      でも、夜が私を誘わないのはなぜ
   But maybe it’s because nobody loves me  多分誰も私のことを愛していないから

   Spring is here               春が来たって
   Spring is here               春が来たって
   Spring is here I hear           春が来たっていうけど ♪」

イントロデューシング

ミリー・ヴァーノン / ミューザック

 「Spring Is Here」。「春が来たのに、なぜ私の心は浮き浮きしないのかしら?」と微妙な女心を歌う。アルバム、「Introducing Milli Vernon」から。ミュージカル・ナンバーなのでヴァースから始まりますが ・・・。

「Spring Is Here ー Milli Vernon」

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 そして、この曲をリリカルに奏でるのは、ご存知「ビル・エヴァンス・トリオ/Bill Evans trio」。名盤「ポートレイト・イン・ジャズ/Portrait in Jazz」(1959年)。「ビル・エヴァンス(p)」、「スコット・ラファロ/Scott LaFaro(b)」、「ポール・モチアン/Paul Motian(ds)」からなるトリオのスタジオ・アルバム。

ポートレイト・イン・ジャズ+1

ビル・エヴァンス / ユニバーサル ミュージック クラシック

「Bill Evans trio-Spring is here」

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