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夏の思い出は、ほろ苦い哀愁のトランペット

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 夏、特に暑さでけだるい夏の夕暮れになると聴きたくなる曲がある。「スティング/Sting」の、「La belle dame sans regret」。たしか「美女は後悔などしない」という邦題がつけられていた。「スティング」が、アルゼンチン出身のギタリスト、「ドミニク・ミラー/Dominic Miller」とともに作った曲。オリジナルはそうだが、私が聴きたくなるのは、スムース・ジャズ系、イケメン・トランペッター、「クリス・ボッティ/Chris Botti」の演奏。

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 随分昔の話であるが、高校時代の話である。私が通っていた高校は、進学校であったが、当時は、夏休みが終わるとすぐ9月には、校章が「とんぼ(蜻蛉)」であったため「とんぼ祭」と名付けられた、いわゆる文化祭で、学校中が沸き立った。思い出すのは、今も行われているかどうかは知らないが、木立に囲まれた学校の庭で行われた、黄昏の「とんぼ祭/野外コンサート」である。いまならライブでしょうが、洋楽系のヒット曲のレコードを主として流していたと思う。そんなことも私が洋楽好きになった一員である。夕闇の中、これを機会にカップルも生まれたが、度胸のない私は片思い。ただ、ほろ苦い哀愁のトランペットを聴いているだけであった。
  
 当時は、まだステレオの普及期、モノラールのSPからステレオのLPレコードへの移行期であった。しかしながら、高価な再生装置やLPレコードなど買えるはずもなく、ラジオ少年だった私は、自作のアンプ、スピーカーBOXと安いプレーヤーを組み合わせて、当時の小遣いで、やっと買えたソノシートや45回転EPレコードを、それこそ擦り切れるまで聴いていた。そんなわけで、大出力のステレオ再生装置による野外コンサートは、高校生にとっては、最も楽しみなイベントでもあったのだ。

 黄昏から宵闇が迫る頃、木立を透して朗々と流れてくる「ニニ・ロッソ」のトランペットの哀愁の音色。聞きほれたものである。今と違って、歌手だけでなく、楽器のソリストや楽団にも絶大な人気があって、「ニニ・ロッソ」のほかに、SAXの「サム・テイラー」、「シル・オースティン」、ピアノの「カーメン・キャバレロ」、ギターの「クロード・チアリ」。バンドでも「マントヴァーニ・オーケストラ」、「パーシー・フェイス・オーケストラ」、「ベルト・ケンプフェルト楽団」、「ペレス・プラド楽団」、「アルフレッド・ハウゼ楽団」、「リカルド・サントス楽団」、「ビリー・ボーン楽団」、「ヘンリー・マンシーニ・オーケストラ」、「ザビア・クガート楽団」、「ベンチャーズ」を始めとするエレキバンド・・・・・、そして、映画音楽のサウンド・トラック。そんなイージー・リスニング系アーティストたちの曲が流れていた。今考えれば、先生か、だれかにオーディオ・マニアがいたんでしょうね。

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 そんなことから、「La belle dame sans regret」、「クリス・ボッティ」の演奏に傾いてしまう。ソロ楽器としてのトランペットが心に沁みるのは、その音色が官能的なためもあるが、イメージとして、トランペッターの孤高感、リリシズムにあるのではないかと思う。あの破滅型のJAZZトランペッターの「チェット・ベイカー/Chet Baker」ですらも孤高感、ある種のリリシズムを感じてしまう。

 「クリス・ボッティ」は、1962年、アメリカオレゴン州ポートランド生まれ。童顔なので若手とばかり思っていましたが、56歳、円熟の歳ですね。幼少の頃より、クラシック・ピアノの講師であった母親の影響で、ピアノを弾き、10歳でトランペットを始めたという。「マイルス・デイヴィス/Miles Davis」に影響され、トランペッターとしての道を進む決意をし、高校時代よりプロとして活動するようになる。大学に卒業後は、ニューヨークに拠点を置き、ポップス/ロック系からジャズに至るまで多くのミュージシャンと共演している。

 「La belle dame sans regret」が収録されている、2004年発表の「ホェン・アイ・フォール・イン・ラヴ/When I Fall In Love」では、「スティング/Sting」と「ポーラ・コール/Paula Cole」等多くのゲストを迎えている。

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 When I Fall in Love Import
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「Chris Botti (featuring Dominic Miller and Sting) ー La belle Dame Sans Regrets」

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 「クリス・ボッティ」のアルバムでも歌っていますが、「スティング」のオリジナルも聴いておきましょうか。1996年のアルバム、「マーキュリー・フォーリング/Mercury Falling」(1996)に収録されています。歌詞がフランス語で、私はさっぱりですが、英訳があったので、そちらでなんとか訳を ・・・。伝言ゲームみたいになっていたらゴメンなさい。それにしても、「後悔しない女」ってどんな人なんでしょうね。

【 La belle dame sans regre/The Beautiful Woman Without Regrets/後悔しない美女 】
            by Sting / Dominic Miller (English Translation by Habib Khoury)

「♪ Dansons tu dis     “Let’s dance”, you say  踊りましょうと君は僕を誘う
  Et moi je suis      And me, I follow     僕はついてゆく
  Mes pas sont gauches  My steps are clumsy   僕のステップはぎこちないし
  Mes pieds tu fauches   You trip my feet     君は僕の足を蹴飛ばす
  Je crains les sots     I fear the fools   僕たちが馬鹿に見えるんじゃないかと心配
  Je cherche en vain les mots I search for the words in vain 僕は君の人生について何か
  Pour m’expliquer ta vie alors To explain to me your life, so… いい言葉を探すが無駄
  Tu ments ma sœur     You lie, my sister     恋人よ、君は嘘をつく
  Tu brises mon cœur     You break my heart   僕の心を傷つける
  Je pense tu sais       I think, you know    僕は思うんだ
  Erreurs jamais        Errors, never     君は間違いをしたことがないんだと
  J’écoute tu parles      I listen, you speak   僕が聞き、君が話す
  Je ne comprends pas bien  I don’t understand too well よく分からないがね
  La belle dame sans regrets  The Beautiful Lady without Regrets 後悔しない女なんて
  La belle dame sans regrets  The Beautiful Lady without Regrets 後悔しない女なんて

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     ・・・・・・・・・・・・・・・・   ♪」

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Mercury Falling
スティング/Sting
A&M


      
      

「Sting – La belle dame sans regrets」

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 今年は、高校卒業55周年。記念パーティの案内状が届いた。

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2 Responses to “夏の思い出は、ほろ苦い哀愁のトランペット”


  1. 風呂井戸(photofloyd)
    on 7月 19th, 2018
    @ 11:11 AM

    猛暑、酷暑そのものでうんざりですね。
     お元気のご様子なによりです。

     ところで、懐かしい名前がずらりで・・・・特に私はカーメン・キャバレロが目にとまりました。”To Love again”とくればほんとに懐かしい。彼はイタリア系でしたね。そんな昔からピアノが好きだったのかと今思い起こしました。


  2. 大屋地 爵士
    on 7月 19th, 2018
    @ 2:10 PM

    風呂井戸さん  「三つ子の魂 ・・・」といいますから、少年時代に影響を受けた音楽が、心の奥深いところで、底流に流れているんでしょう。この年になると、よくわかります。こちらはもう酷暑を超えています。私の実家もそうでしたが、扇風機だけで、エアコンなどありませんでした。それだけに、さすがの信州も今年はクーラーなくしては ・・・でしょうか。酷暑お見舞い申し上げます。

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