咲きだした庭の「フジバカマ(藤袴)」。「オ・ス・キ・ナ・フ・ク・ハ ?(お好きな服は?)」。TVか何かで聞いた「秋の七草」の覚え方である。「女郎花(オミナエシ)」、「尾花(オバナ/ススキのこと)」、当時は朝顔といわれていたという「桔梗(キキョウ)」、「撫子(ナデシコ)」、「藤袴(フジバカマ)」、「葛(クズ)」、「萩(ハギ)」のことで、「山上憶良(やまのうえのおくら)」が詠んだ次の2首の歌がその由来とされている。
「秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種の花」 (万葉集・巻八 1537)
「萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) Soft Journey[輸入盤] Chet Baker / Egea
また藤袴 朝貌(あさがお)の花」 (万葉集・巻八 1538)
秋の七草ではないが、「センニチコウ(千日紅)」もこの季節の印象的な花。花そのものではなく紫やピンク、白、黄、赤に色づく苞(ほう)を楽しむ。苞とは、つぼみを包んでいた葉のことをいうが、「センニチコウ」のように、花弁や萼(がく)に見えるような植物もある。花名の「千日紅(センニチコウ)」は、百日咲き続けるといわれる「百日紅(サルスベリ)」よりも花期が長いとされることに由来するという。
さて、今宵の曲、イタリアの巨匠、「エンリコ・ピエラヌンツイ/Enrico Pieranunzi」と、ボーカルと演奏というJAZZ二刀流のはしり、「チェット・ベイカー/Chet Baker」のコラボで、「Fairy Flowers」。アルバムは、「ソフト・ジャーニー/Soft Journey」(1980)から。長らく廃盤になっていたが、エンリコの作品を多くリリースしているEGEA から復刻、再発したもの。1979年12月と1980年1月に分けて、ローマのスタジオで録音された。「チェット・ベイカー」の代名詞ともいえるような「マイ・ファニー・ヴァレンタイン/My Funny Valentine」も収録。
「Chet Baker & Enrico Pieranunzi – Fairy Flowers」