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ボサノバの法王 「ジョアン・ジルベルト」逝く

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 ブラジルの音楽ジャンル、ボサノバの生みの親の一人で、「ボサノバの帝王」、「ボサノバの神様」が「アントニオ・カルロス・ジョビン/Antonio Carlos Jobim」なら、「ボサノバの法王」あるいは「ボサノバの父」と呼ばれたのは、歌手でギタリストの「ジョアン・ジルベルト/João Gilberto」。その「ジョアン・ジルベルト」が、6日、リオデジャネイロの自宅で死去した。88歳。メディアなどが伝えた。

 私がボサノヴァ・ファンであることは、このブログでもずいぶんと取り上げたのでご承知のことと思う。ジョアンを「惚れた男唄」に取り上げたこともある。(参照 「男唄に男が惚れて(4) ~ジョアンとカエターノ ブラジルの大地に生きてきた ~」 ) ギター一本を伴奏に、ささやくように、語るようにうたう、あのいわゆる「ボサノバ唱法」は彼によって確立されたといっていい。

   

1931年、ブラジル北東部バイーア州に生まれ、10歳までそこで育つ。父にもらったギターに夢中になり、学校をやめ、リオ・デ・ジャネイロに出て、音楽で生きる決心をするが、まったく売れず、マリファナ中毒になり、友人の家を転々とする苦悩の日々が続く。やがて姉の家に居候生活を始め、一日中バスルームに閉じこもりギターを弾きながら歌を歌い続ける。そんな壮絶な生活の中からサンバのリズムをガット・ギターだけで表現する、「バチーダ」とよばれる独特の奏法を編み出す。その後、ジョアンと出会った「A.C.ジョビン」は、その声とギターに惚れこみ、ジョビンと「ヴィニシウス・ジ・モラレス/Vinicius de Moraes」の手になるボサノヴァの源流とも言われる名曲、「想いあふれて/Chega de Saudade」の録音に参加する。まさに、ボサノヴァ胎動の年、1957年7月のことであった。かの「アストラッド・ジルベルト/Astrud Gilberto」は、かって彼の奥さんであり、1964年、彼女が英語で歌った「イパネマの娘」が世界中で大ヒットする。これが原因かどうか知らないが、程なく二人は離婚し、これが契機となってアストラッドは歌手としてひとりだちしていくことになる。
  
 ギター一本を伴奏に、ささやくように、語るように歌う彼の唱法の完成された形は、アルバム「ジョアン 声とギター/João Voz e Violão」(2000)に見ることが出来る。全盛期をすぎ、70歳近い時の作品であるが、まさにタイトル通り、ジョアンの声とギターのみで奏でている逸品のアルバム。サウダージ(郷愁)とはこのこと、シンプルとはこのこと。このアルバムは、「カエターノ・ヴェローゾ/Caetano Veloso」によってプロデュースされている。まず、そのアルバムにも収録されているが、アルバムがリリースされた年の「カエターノ・ヴェローゾ」とのデュオ・ライブ、英語タイトルでは、「ノー・モア・ブルース/No More Blues」として知られている「想いあふれて/Chega de Saudade」。


   
ジョアン 声とギター/João Voz e Violão
ジョアン・ジルベルト/João Gilberto
ユニバーサル ミュージック クラシック


   
    

「João Gilberto & Caetano Veloso – Chega de saudade(Buenos Aires, 2000)」
   
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 彼は、2003年9月に72歳での初来日を始めとして、今までに何回かの来日を果たしているが、多分最後の来日であろうといわれたのが、2006年11月である。来日時のコンサートのライブ盤はそのたびに出ているが、人生のある極みまたは境地に達し、それが凝縮され、完成された「弾き語り芸術」といってもいいライブが展開される。「伝説のライブ」となったのが、初来日2003年の東京国際フォーラム。5000人近く入る「東京国際フォーラム・ホールA」が連日満席になったという。その初来日、9月12日録音の臨場感たっぷりのライヴ盤がフルアルバムでアップされている。


    
In Tokyo
ジョアン・ジルベルト/Joao Gilberto
ユニバーサル ミュージック/Verve


   
    

「Joao Gilberto -  LIVE IN TOKYO 2003」

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 これでまたボサノバの歴史の生き証人の一人が冥界へと旅立ってしまった。  

 合掌  ・・・・・。
     
     
      
     

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2 Responses to “ボサノバの法王 「ジョアン・ジルベルト」逝く”


  1. ShiroYuki_Mot
    on 7月 9th, 2019
    @ 12:35 PM

    João Gilberto ジョアン・ジルベルト。
    また、ひとつ巨星が星になって仕舞いました。 ご冥福を。
    今夜も、昨夜に引き続き、彼の参加したアルバムを引っ張り出そうと思っています。


  2. 大屋地 爵士
    on 7月 9th, 2019
    @ 4:12 PM

    ShiroYuki_Mot さん  ボサノバのプレイヤーとしては、ジョビンよりジルベルトの方が心に残っています。またひとつ、ボサノバが過去の音楽になったような気さえします。

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