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ホッパーの絵のように ・・・

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                                 (Nighthawks 1942)

 最近読んだ本。「ローレンス・ブロック/Lawrence Block」編、「田口俊樹」ほか訳による「短編画廊/原題:In Sunlight Or In Shadow」(ハーパーコリンズ・ジャパン、2019)。

 20世紀アメリカの具象絵画を代表する名画家の1人、「エドワード・ホッパー/Edward Hopper」の17枚の絵画(序文を含むと18枚)から、17人の文豪たちがストーリーを紡いだ短編集である。編者で作家の「ローレンス・ブロック」は、「ホッパーの作品のすべてには、物語があり、その物語は語られるのを待っている」と考え、ホッパーの絵から物語を紡ぐこの短編集を考えついたという。
    
 彼の呼びかけに集まったのは、「スティーヴン・キング/Stephen King」、「ジェフリー・ディーヴァー/Jeffery Deaver」、「マイクル・コナリー/Michael Connelly」、「リー・チャイルド/Lee Child」といった錚々たる顔ぶれ。「ローレンス・ブロック」作の「オートマットの秋/原題:Autumn At The Automat」は、2017年MWA賞受賞した。


  
短編画廊 絵から生まれた17の物語
ローレンス ブロック、スティーヴン キング、ジェフリー ディーヴァー、その他
ハーパーコリンズ・ ジャパン


    
    
   
     

 「ローレンス・ブロック」による序文を含めて、「エドワード・ホッパー」の絵画18点がカラーで挿入されている。本文にはいる前に読者が想像を膨らますという趣向だ。収録作品/作者と、それがインスパイアされた絵は次のとおりである。
    
・「序文」ローレンス・ブロック 田口俊樹 訳:Cape Coo Morning(1950)
・「ガーリー・ショウ/Girlie Show」 ミーガン・アボット/Megan Abbott 小林綾子 訳:Girlie Show(1941)
・「キャロラインの話/The Story Of Carokline」 ジル・D・ブロック/Jill.D.Block 大谷瑠璃子 訳:Summer Evening(1947)
・「宵の蒼/Soir Bleu」 ロバート・オレン・バトラー/Robert Olen Butler 不二淑子 訳:Soir Bleu(1914)
・「その出来事の真実/The Truth About What Happened」 リー・チャイルド/Lee Child 小林宏明 訳:Hotel Lobby(1943)
・「海辺の部屋/Room By The Sea」 ニコラス・クリストファー/Nicholas Christopher 大谷瑠璃子 訳:Room By The Sea(1951)
・「夜鷹 ナイトホークス/Nighthawks」 マイクル・コナリー/Michael Connelly 古沢嘉通 訳:Nighthawks(1942)
・「11月10日に発生した事件につきまして/The Incident Of 10 Novenber」 ジェフリー・ディーヴァー/Jeffery Deaver 池田真紀子 訳:Hotel By A Railroad(1952)
・「アダムズ牧師とクジラ/Taking Care Of Business」 クレイグ・ファーガソン/Craig Ferguson 不二淑子 訳:South Truro Church(1930)
・「音楽室/The Music Room」 スティーヴン・キング/Stephen King 白石 朗 訳:Room In The New York(1932)
・「映写技師ヒーロー/The Projectonist」 ジョー・R・ランズデール/Joe R. Lansdale 鎌田三平 訳:New York Movie(1939)
・「牧師のコレクション/The Preacher Collect」 ゲイル・レヴィン/Gail Levin 中村ハルミ 訳:City Roofs(1932)
・「夜のオフィスで/Office At Night」 ウォーレン・ムーア/Warren Moore 矢島真理 訳:Office At Night(1940)
・「午前11時に会いましょう/The Woman In The Window」 ジョイス・キャロル・オーツ/Joyce Carol Oates 門脇弘典 訳:Eleven A.M.(1926)
・「1931年、静かなる光景/Still Life 1931」 クリス・ネルスコットKristine Kathryn Rusch 小林綾子 訳:Hotel Room(1931)
・「窓ごしの劇場/Night Windows」 ジョナサン・サントロファー/Jonathan Santlofer 矢島真理 訳:Night Windows(1928)
・「朝日に立つ女/A WomanIn The Sun」 ジャスティン・スコット/Justin Scott 中村ハルミ 訳:A WomanIn The Sun(1961)
・「オートマットの秋/Autumn At The Automat」 ローレンス・ブロック/Lawrence Block 田口俊樹 訳:Automat(1927)
   
 いや、久しぶりに読み応えのある短編集に堪能しました。特に印象深かった短編は、「夜鷹 ナイトホークス/Nighthawks」、「オートマットの秋/Autumn At The Automat」でしょうか。私は、ホッパーの実物の絵は見たことがないがないのだが、もし、実際の絵を眺めたとしたら、どんなストーリーが思い浮かぶだろうか。どんな音楽が思い浮かぶだろうか。


 ホッパーの絵をジャケットに使ったジャズ・アーティストがいる。クールでエレガントな北欧・ノルウェイの歌姫、「カーリン・クローグ/Karin Krog」と、ニューヨークの知性派ピアニスト、「スティーヴ・キューン/Steve Kuhn」とのデュオ・アルバムである。
    
 1974年、「カーリン・クローグ」、37歳。アメリカ的なジャズではなく、真に自由な表現としてのジャズを求め続けた彼女と、ピアノにおける耽美的表現を求め続けたピアニスト、「スティーヴ・キューン」との出会いがもたらした傑作が、「ウィー・クッド・ビー・フライイング/We Could Be Flying」。
   
 そして、2002年、28年ぶりの運命の再開が再び傑作を生んだ。「ニューヨーク・モーメンツ/New York Moments」。このアルバムのジャケットに、「エドワード・ホッパー」の絵、「Hotel Room(1931)」が使われている。カーリンの想いなのか、プロデューサーの想いなのか、このアルバムには、ニューヨークを舞台にした11編の切ないラヴ・ストーリーが収録されている。さらに3年後の2005年、秋深いオスロでの再会から生まれたデュオ・アルバムが「トゥゲザー・アゲイン/Together Again」。ここにも再び「エドワード・ホッパー」の絵、「Automat(1927)」が使われていた。そして、10年後の2015年、二人はコラボ・アルバム、「ふたりの夜明け/Break Of Day」をリリースした。しかし、ホッパーの絵はなぜか使われていない。


     
ニューヨーク・モーメンツ/New York Moments
カーリン・クローグ&スティーヴ・キューン/Karin Krog & Steve Kuhn
MUZAK,Inc.


    
    

「Karin Krog – The Meaning of Love (featuring Steve Kuhn)」 

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「Karin Krog – Gloomy Sunday(暗い日曜日)」

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トゥゲザー・アゲイン/Together Again
カーリン・クローグ&スティーヴ・キューン/Karin Krog & Steve Kuhn
MUZAK,Inc.


    
    

「We’ll Be Together Again – Karin Krog & Steve Kuhn」

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「I Thought About You – Steve Kuhn & Karin Krog」

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「Time After Time – Karin Krog & Steve Kuhn」

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「Lazy Afternoon – Karin Krog & Steve Kuhn」

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2 Responses to “ホッパーの絵のように ・・・”


  1. moto
    on 10月 5th, 2019
    @ 11:17 AM

    はじめまして、Edward Hopper の名前でやってきました。
    Together Again の絵は、ボクはこのアルバム・ジャケットではなく、映画にもなった 「キャロル」 の河出文庫版のカバーの印象が残っています。
    ちょっと前の古き良き時代を描いた絵は、いろいろ想像力を掻き立ててくれ、とてもステキですね。


  2. 大屋地 爵士
    on 10月 5th, 2019
    @ 1:27 PM

    moto さん  初めまして。アルバム・ジャケットは、そのアルバムのコンセプトや内容を表現する極めて重要なものですので、普通はオリジナルな絵とか写真を使うのですが、ホッパーという見た人に様々なストーリーを思い浮かばせる、ある種独特の世界を持つ画家の絵を使ったということにアーティスト側の意図を感じてしまいます。光と影、男と女の一瞬を切り取ったホッパーの絵が好きです。

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