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ぼけ間近のジャズ好き老人のスエーデン美女シンガー図鑑(その11) ~ミリアム・アイーダ&メタ・ルース~

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ご陽気でダンサブル、スエーデンではちょっと異色ともいえるかもしれないブラジリアン・テイストの、若手と大ベテランの美女ジャズ・シンガー二人の紹介です。 

まずは、「ミリアム・アイーダ/Miriam Aida」。「スキンドウ・レ・レ/SKIONDO LE LE」をクラブ音楽風にカヴァーした事でも知られるスエーデンのブラジリアン・ジャズ・バンド、「ア・ボッサ・エレトリカ/A Bossa Elétrica」のヴォーカルを務めた「ミリアム・アイーダ」のソロ・アルバム。モロッコ人の父とスエーデン人の母を持つ、まぎれもないスウェーデン出身の女性歌手だが、容貌も歌声もまるでネイティヴ・ブラジリアンみたいである。しかしその奥に秘められたアフリカンDNAが、ジャズ風であり、ブラジル風であり、アフロ風であり、カリビアン風でもあり、ラテン風であるという融通無碍な彼女の声の個性の原点にあるのであろう。

ラテン・アレンジのジャズ・スタンダードからラテンまでカラフルな輝きに彩られたアルバム「パールス/Pearls」。

パールス

ミリアム・アイーダ/コロムビアミュージックエンタテインメント

My Kind of World

Miriam Aida / Connection

アルバム「パールス」から、スタンダード「What A Difference A Day Made (縁は異なもの)」を。

Miriam Aida – What A Difference A Day Made (縁は異なもの)」
 
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そして、1954年生まれというから、もう大ベテランと言っていいだろう、もう一人のブラジリアン・ジャズ、人気の歌姫は、「メタ・ルース/Meta Roos」。何年か前、たまたまCDショップで求めたアルバムが、1978年、弱冠24歳で吹き込んだ「茶盤」との愛称で知られるレア・アルバム「メタ・ルース・アンド・ニッピ・シルヴェンス・バンド/Meta Roos & Nippe Sylwens Band」の復刻盤であった。

8歳のころからアコーデオンやピアノを独学で弾き、地元のコーラスグループにも所属していた。その後、欧米のPOPミュージックに興味を抱いたが、徐々にJAZZに影響を受けていったという。プロのデビューは1971年、17歳の時であったという。そして彼女に白羽の矢を立てたのが、ほかならぬ人気バンドを率いる「ニッピ・シルヴェンス/Nippe Sylwens」で、1978年、80年と続けてアルバムがリリースされ、それらは今でも名盤と称されているのである。
 
「ビリー・ジョエル/Billy Joel」の「Just The Way You Are (素顔のままで)」からはじまり、「ジョルジ・ベン/Jorge Ben」の「Zazueira (ザズエイラ)」、「ロバータ・フラック/Roberta Flack」の「Feel Making Love」から、「マリーナ・ショウ/Marlena Shaw」の「Street Walking Women」など、人気POPS、ジャズシンガーのヒット曲を、ポップで爽快なブラジリアン・アレンジで歌いまくる。たしかに、1978年という時代にこのようなアルバムがリリースされていたということに驚くとともに、スウェーデンらしい懐の深さを感じる。 
                    

メタ・ルース・アンド・ニッピ・シルヴェンス・バンド(1978)

メタ・ルース・アンド・ニッピ・シルヴェンズ・バンド / Pヴァインレコード


 
まず、「ビリー・ジョエル/Billy Joel」の「Just The Way You Are (素顔のままで)」から ・・・。
 
「Meta Roos – Just The Way You Are」
 
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そして私が一番感心した曲は、「Here We Are Falling In Love Again」。往年のPOPSファンには懐かしい「ニール・セダカ/Neil Sedaka」がシンガー・ソングライター時代の1978年に発表した曲を、見事な高速ジャズ・ボッサに仕立てて歌う。

「Meta Roos – Here we are falling in love again」 
 
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ぼけ間近のジャズ好き老人のスエーデン美女シンガー図鑑(その10) ~アンナ・シセ&リーグモル・グスタフソン~

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このシリーズ、だいぶ終盤に差し掛かってきましたが、すみません、まだまだしつこく続きます。

ごくごく最近知った若手ほやほやのスエーディッシュ・ビューティが、「アンナ・シセ/Anna Sise」。容貌はアフリカンであるが、父親はアフリカのガンビア出身、母親はスウェーデン人という北欧の若手女性歌手。そのデビュー作が、「バット・ビューティフル/But Beautiful」。今まで紹介した「スエーデン美女シンガー」達は、どちらかというと、癒し系、スムース・ジャズ系、あるいは「Jazzy,Not Jazz」が多かったが、彼女は豊かで深い声と表現力を持つJAZZど真ん中のシンガー。キャリアなどはよく分からないが、「アンナ・シセ」は、スウェーデンの舞台女優、テレビ女優、モデル、そして、ジャズシンガーとして活躍しているという。まだ一作だけであるが、今後期待できる新人かな。

スウェーデンの人気ピアニスト、「ヤン・ラングレン/Jan Lundgren」をはじめとする総勢22名からなるストリングスを交えたオーケストラをバックに、堂々と歌い上げるスタンダードの数々。新しい「スエーデン美女シンガー」誕生のアルバムは、「バット・ビューティフル」。

バット・ビューティフル

アンナ・シセ / スパイス・オブ・ライフ

アルバム収録曲は、YOUTUBEにアップがありませんが、彼女が率いる?バンド、「ファイン&メロウ/Fine and mellow」とのライヴを。 彼女がリスペクトしている「ビリー・ホリディ/Billie Holiday」の代表作「God bless the child」を ・・・。

「Anna Sise & Fine and mellow – God bless the child」
 
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たしか他にもまだスエーデン美女シンガーがいたはずと、CDが収納してあるタンスを漁ると出てくるは出てくるは ・・・。そんな一人が、「リーグモル・グスタフソン/Rigmor Gustafsson」。1966年生まれというから、もう大ベテラン、スウェーデンでは有名な女性ジャズシンガーだという。

彼女の音楽への興味は、7才の時、家の壁に掛けられたギターへ向けられたことから始まった。その後、音楽学校に通っていた18才の時、ギターからヴォーカルへ転向。ストックホルムの名門、王立音楽院へ通い、ジャズ声楽と教授法を専攻、ジャズ歌唱法と作曲を学んだあと、一時ニューヨークに活動の場を移す。その後、再びストックホルムに戻ったリーグモルは、王立音楽院にて声楽の教授となる傍ら、活発な音楽活動をこなし、いくつものアルバムを出したりして今に至っている。

I Will Wait for You

Rigmor Gustafsson / Act

Calling You

Rigmor Gustafsson & Radio.String.Quartet.Vienna / Ais

彼女のアルバムの魅力は何と言っても、そのアレンジの魅力に尽きるといってもいいのではないだろうか。POPS風にジャズを歌うというか、ファンキー風のノリにのせてしまうというか、そんな感じ。
まずは、超有名スタンダードをファンキー風に料理した「Black Coffee」を ・・・。

「Rigmor Gustafsson ― Black Coffee」

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アルバム「I Will Wait for You」のジャケットで怪しい手つきをしている男、ファンキーなトロンボーン・プレイヤーとして人気の「ニルス・ラングレン/Nils Landgren」。この男のボーカルが、ちょっと渋くていい。ルグランの名曲、映画「シェルブールの雨傘」のテーマ曲で、アルバム・タイトル曲の「I Will Wait for You」をデュエットで歌う。なぜか映像が初めの部分だけで、あとは音のみ。

「Rigmor Gustafsson & Nils Landgren – I Will Wait for You」
 
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今回は新人VS大ベテランのジャズ・ボーカル競演でした。
                                                            
                                      
                           
                                      

閑話休題:不思議なことは ・・・

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何百年かに一度という世紀の天文ショー「皆既日蝕」をばっちり観ましたよ。天気予報では曇りと、天候が少し危ぶまれ、私の住んでいる地域は、皆既日蝕が見える北限だったので、「どうかな?」と思いましたが、少し早起きをして、空を見ると、快晴とまでいかないまでも、太陽が降り注ぐ上天気。もう日蝕は始まっていた。

2か月も前から「太陽グラス」を用意して待っていたのである。皆既になるという午前7時半後になると、近所の奥さん連中が家から出てくる。しかし、だれも「太陽グラス」を持っていない。皆で廻し見しましたが、金環がはっきりと見えました。ちょっとした感動。しかし、コンデジによる撮影は見事失敗、NETから無断借用したのが冒頭の写真。

「天の岩戸」の伝説を出すまでもなく、ばあさん連はグラスを持っていなくとも、興味津々で出てきた。しかし皆既日蝕よりもっと不思議だったのは、爺さん連中はお隠れになったまま、誰一人として出てこなかったことであった。
 
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イタリアの鬼才、「ミケランジェロ・アントニオーニ/Michelangelo Antonioni」監督の映画に「太陽はひとりぼっち」という作品がある。1962年(昭和37年)製作・公開のイタリア・フランス合作映画である。原題は仏語:L’eclisse、イタリア語: Eclipse、英語: The Eclipse で、意味は「日蝕」。「アラン・ドロン/Alain Delon」、「モニカ・ヴィッティ/Monica Vitti」主演、音楽は「ジョヴァンニ・フスコ/Giovanni Fusco」。「愛の不毛」をテーマに乾いたタッチで描き、カンヌ国際映画祭で審査員特別賞に輝いた作品。

この映画を観た当時、私はまだ高校生。「愛」どころか、まして「愛の不毛」など分かるわけもなく、さっぱり分からない難解な映画であった。さて、今観ても分かるかどうか、自信はないが ・・・。
      

太陽はひとりぼっち [DVD]

紀伊國屋書店

しかし、アンニュイなモニカの表情と、この映画の主題歌ははっきり覚えている。主題歌も当時、ずいぶんと流行りましたね。今でも耳の底に残っている方が多いのではないでしょうか。サントラ盤とカンツオーネ歌手「ミーナ/Mina」の歌が印象に残っている。

感動のスクリーン

映画主題歌 / キングレコード


 

太陽はひとりぼっち ベスト・オ

ミーナ / キングレコード


  
  
まずはサントラから「コレット・テンピア楽団」の演奏で ・・・。                                                                                                                         
 
「太陽はひとりぼっち/L’Eclisse/Collètto Tempia and his Orchestra」
 
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そして「ミーナ」の熱唱 ・・・。映画の一シーンと一緒に。
                                                                           「L’Eclisse – Mina」 1962 (太陽はひとりぼっち)
                        
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ぼけ間近のジャズ好き老人が語るスエーデン美女シンガー図鑑(その9) ~ソフィア・ペテルソン~

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かっての深夜TV番組「11pm」が、その原因と思うのだが、スエーデンに対し、「フリー××、男性憧れの国」みたい認識が一時期(今も?)あった。それは間違いなく全くの誤解である。一般の人が目に触れるような街角や電車の中に、ポルノまがいの雑誌の広告など絶対にないし、ひっそりとあるのかもしれないが、一度として、女性が横に座るような酒場へ連れて行ってもらったこともないし、いわゆる日本の歓楽街のような場所もついぞ見かけなかった。この辺が、ほかのヨーロッパの国と違って、お堅いという印象を持っている。その一方で、仕事で関係ができたスエーデン人が来日すると、接待で夜の街へ繰り出すこともあったが、彼らは全員が異口同音にして「日本は男性天国だ」とのたまうのであった。  

私の見聞きした範囲の「スエーデンの男女の関係」についての私見ですが、まず愛情がベース、これは世界共通である。どうしてそんな誤解が生じたかといえば、一つはジェンダー・フリーの考え方が行き届いていること。そして、結婚という宗教的、法律的手続きをしなくとも、何の不利益も、支障もないこと。そして、いかなる状況の子供でも教育、医療などは差別なく無料。そんなことから同棲に対しては比較的寛容で、そして18歳になれば、よほどの事情がない限り親と同居しないという子供の早い自立を促す一方で、早い段階から、責任と自覚を持たせるため、ちゃんとした性教育を実施するそうだ。そんなことに面白おかしく尾ひれがついたのではなかろうか。

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さて本題に戻りましょうか。「リサ・エクダール」で「スエーディッシュ・ビューティ」と「ロリータ・ヴォイス」に目覚めてしまった私が、「すわ、二匹目のどじょうか ・・・」と思ったのが「ソフィア・ペテルソン(ペターソン)/Sofia Pettersson」であった。爺さんには安心できる、「アリ・マッグロー/Ali MacGraw」、「アンジー・ディキンソン/Angie Dickinson」といった60年代、70年代の典型的な美人である。あまりキャリアに関する資料がないのでよくわかりませんが、2002年ころから本格的にジャズ・シンガーとしてのキャリアをスタートさせたという。ジャズ風に歌うポップス・シンガーといった感じであるが、「リサ」と違ってやや太目で力強いが、まぎれもない「ロリータ・ヴォイス」である。なかなかキュートな面もあるのだが、あの「リサ・エクダール」を知ってしまっている私には、その声の「ロリータ度」においても、その容姿の「コケティッシュ度」においても、残念ながら、「リサ」を超えるものではなかった。
 
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Slow Down

Sofia Pettersson / Prophone


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That's Amore

Sofia Pettersson / Prophone

アルバム、「Slow Down」からは、それこそ、山のような多くのアーティストにカバーされている「君の瞳に恋してる/Can’t take my eyes off you (君から目を逸らせることができない)」。よく御存じのポピュラー音楽のヒット曲で、1967年に「フォー・シーズンズ/The Four Seasons」の「フランキー・ヴァリ/Frankie Valli」がソロ・シングルとしてヒットさせた曲。YOUTUBEには、怪しい写真とともにアップされていますが、私の性癖でもありませんし、まして赤裸々な告白でもありませんので、誤解なきようお願いいたします。

「Can’t take my eyes off you – Sofia Petersson」
 
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ぼけ間近のジャズ好き老人が語るスエーデン美女シンガー図鑑(その8) ~マルガリータ・ベンクトソン~

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「リサ・エクダール」とはまったく異次元で異質の声を持つ美女シンガーにはまったのは「マルガリータ・ベンクトソン/Margareta Bengtson」。人気ア・カペラ・ユニット、「ザ・リアル・グループ/The Real Group」の元リード・シンガーで、北欧一美しい声の持ち主とか、北欧一美しいソプラノの持ち主といわれている。正直言って、「ソプラノ」と「JAZZ」、全くイメージが湧かず、結びつかなかった。ソプラノといえばクラシック、JAZZといえば、低めのハスキー・ヴォイスと思っていたからだ。そんな私の固定観念を崩した美女シンガーが「マルガリータ・ベンクトソン」である。

「マルガリータ・ベンクトソン」。レコード会社の資料によれば、1966年、ストックホルム生まれ。声楽の教師を母に、王立オペラの主席フルート奏者を父にもち、幼少から歌とピアノを、12歳からはハープを習う。1984年に王立音楽アカデミーに入学すると同時に、学友と「ザ・リアル・グループ」を結成。2000年発表のアルバム「コモンリー・ユニーク/Commonly Unique」は、スウェーデン国内のグラミー賞を受賞したが、その後グループから独立し、ソロ活動へ。古き佳き時代のアメリカン・ジャズ・スタンダードへのオマージュとして制作された、2007年のデビュー・アルバム、「アイム・オールド・ファッションド/I´m Old Fashioned 」が、その美しいソプラノ・ヴォーカルとオーケストレーションで話題を呼んだ。
                                                 

アイム・オールド・ファッションド

マルガリータ・ベンクトソン / スパイス・オブ・ライフ


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そして第2弾アルバムは、「クイシー・ジョーンズ/Quincy Jones」が、60年代スエーデンに滞在した時に書いた曲、「The Midnight Sun Will Never Set」をタイトルにした、「ホエア・ザ・ミッドナイト・サン・ネヴァー・セッツ/Where The Midnight Sun Will Never Set (真夜中の太陽が沈まない国)」。これまた、オリジナルの2曲をのぞいて、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン/My Funny Valentine」、「スターダスト/Stardust」など古き佳きアメリカン・スタンダードが、清楚でチャーミングなソプラノで歌い上げられている。その歌唱力に、彼女の円熟した人生を垣間見ると同時に、スウェーデン・ジャズの奥深さと多様な側面を感じる。

ホエア・ザ・ミッドナイト・サン・ネヴァー・セッツ

マルガリータ・ベンクトソン / Spice of Life

デビュー・アルバムのタイトル曲をライブから。「ザ・リアル・グループ」時代を思わせるようなア・カペラの歌い出し。彼女の魅力は、このようなスロー・バラードにこそ惹きだされていると思う。

「I´m Old Fashioned – Margareta Bengtson」

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美しいソプラノの本領発揮は、お馴染みのスタンダード、「Once Upon A Summertime」。目一杯仕事をして疲れた日、脱力感の中で身を委ねてみたい曲をお探しの方はどうぞ ・・・。

「Once Upon A Summertime – Margareta Bengtson」
 
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閑話休題:山の花、家の花、公園の花、花づくしの一日

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30cmくらいあろうか、この山で一番大きな葉っぱを持つ木「ホウノキ(朴の木)」の花が咲いている。「モクレン(木蓮)」とおなじ「マグノリア系」の落葉高木で大きな花が咲く。花の咲いている期間は短いので、一週間後にはもう落下しているだろう。

葉は芳香があり、殺菌作用があるため食材を包んで、「朴葉寿司」、「朴葉餅」などに使われる。また、火に強いため味噌や他の食材をのせて焼く「朴葉味噌」、「朴葉焼き」といった郷土料理の材料として利用されることもご存知でしょう。われわれも野外で食事をするときの器代わりによく利用する。

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この山に自生したものではないだろうが、今目立って満開になっているのは、「ヒトツバタゴ(一つ葉タゴ)」。白いひも状の花が枝先につく。別名は「ナンジャモンジャノキ」。「タゴ」とは「トネリコ」の別名で、「トネリコ」は複葉だが、これは単葉なので「一つ葉のトネリコ」という意味で「ヒトツバタゴ」の名前が付いたという。別名の「ナンジャモンジャ」は、昔明治神宮に植えられていたが、この木の名前を誰も分からなかったので、こう呼ばれたという説がある。そして、山頂へと続く道は、「モチツツジ(黐躑躅)」が満開。  

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そして、家の庭はといえば、「オオデマリ(大手毬)」が主役。「コデマリ(小手毬)」よりやや遅れて咲き出すが、咲き始めは黄緑色であった花の色は、今まさに純白。自然が作り出すこの「白」は、光沢や輝きがあって奥深い神秘さを感じさせる。そして、妻のお気に入り、ドイツ生まれなのでしょうか、青のグラディエーションが美しい「西洋アジサイ(紫陽花)」の園芸種、「HBA ババリア」もほかのアジサイに先駆けて満開。
 
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さあ、山遊びから帰って、午後にやってきたのは、恒例、伊丹・荒牧バラ公園。20年前の平成4年に開園し、1.7ヘクタールの園内に世界のバラ約250種1万本が咲き誇る。天気も上々、老人施設からやってきたの多くのお年寄りたちが、色とりどりの薔薇やその香りを楽しんでいた。母もそんな風に楽しんでいてくれたら ・・・、ふとそう思う。

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さて、大輪のマグノリア系の花、あるいは大輪の真っ赤な薔薇を見て想起される歌手といえば、「ジェーン・モンハイト/Jane Monheit」である。写真のように、どうみても「猫科系猛獣」の肉食系女子。今私が紹介している「スエーディッシュ・ビューティ」とは真逆の感じです。まあ、たまには爺さんでも、こってりしたステーキなんぞ頬張りたくなる時があるのです ・・・。

「ジェーン・モンハイト」は1977生まれの生粋のNYっ子。音楽一家に育ち、1998年、数あるジャズのコンクールのなかでも現在最も権威あるといわれる「セロニアス・モンク・コンペティション」のヴォーカル・コンペで2位を獲得し、弱冠22歳の若さで、アルバム「Never Never Land(邦題;マイ・フーリッシュ・ハート)」で、レコード・デビューした実力派。その肉食系の美貌には似合わず、意外と可愛げな甘い歌声で、ノリもいい本格派といえよう。歌唱力に深みがないという評もあるが、観て、聴いて楽しめる歌手であることは間違いない。「百聞は一見にしかず」、「レインボー・ルーム」で行われたライブの映像をご覧いただこうか。

「レインボー・ルーム」は、、ニューヨークのシンボルの1つ「ロックフェラー・センター」内の「ロックフェラー・プラザ」65階にある。マンハッタンの美しい夜景を眺めながら、高級料理と音楽を楽しむための、もっとも豪華なディナー&ダンシング・レストランが「レインボー・ルーム」であるという。男性はタキシード、女性はイブニング・ガウン、またはカクテル・ドレスとドレス・コードも厳しいという。もちろん私は行ったことはありませんがね ・・・。

ライヴ・アット・ザ・レインボールーム [DVD]

ジェーン・モンハイト / ビクターエンタテインメント

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Live at the Rainbow Room/Jane Monheit/Encoded Music
               
                  
 
 
 
 
客へのサービスも満点、ノリノリの「チーク・トゥ・チーク/Cheek To Cheek」。
                                            
「Cheek To Cheek-Jane Monheit-Live at the Rainbow Room」
                                         
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ぼけ間近のジャズ好き老人が語るスエーデン美女シンガー図鑑(その7) ~スライディング・ハマーズ~

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もうそろそろ飽きてきた頃かもしれませんが、始めてしまったら最後まで行かないと気が済まない私の性分、「スエーデン美女シンガー図鑑」は、まだまだ続けますのでご容赦ください。

さあ、今回はすこし賑々しい豪華版といきましょうか。名前の由縁でもあるスライド・トロンボーンをダイナミックに吹きまくり、ヴォーカルもする美人姉妹のトロンボーン・デュオ、「スライディング・ハマーズ/Sliding Hammers」です。1997年に「ミミ/Mimmi Hammer(姉)」と「カリン・ハマー/Karin Hammer(妹)」の姉妹が結成。 この「スライディング・ハマーズ」は、かって1950年、60年代を通じて大活躍したスター・トロンボーン・デュオ、「J & K(J.J. Johnson & Kai Winding/ジェイ・ジェイ・ジョンソン&カイ・ウインディング)」のジャズ・スピリットを志しながらも、オリジナル曲にも取組み、とても女性とは思えないような、抜群のテクニック、軽やかでヴィヴィッドな演奏、しかも美人デュオ、まさに往年の「J & K」を思わせるような演奏ぶりである。

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そして姉の「ミミ・ハマー」(向かって右)のキュートでチャーミングなヴォーカルの人気が非常に高く、ファンの要望に応えた全編「ミミ」のヴォーカルをフィーチャーした4作目のアルバムが「シング/Sings」である。トランペットとヴォーカル、その両方に人気のあった「チェット・ベイカー/Chet Baker」を意識したアルバム・タイトルでしょうか。「スピーク・ロー/Speak Low」やビートルズの「エリナー・リグビー/Eleanor Rigby」などのスタンダードを中心に、オリジナル曲を含めた美しい13曲をちりばめたアルバム。ミミの可憐なヴォーカルがすごくいい。そして、素晴らしいソロを聴かせるカリンも。しかも「スエーディッシュ・ビューティ」。いや、絵になっていますね。美女シンガー図鑑に入れる価値は十分ですね。

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スライディング・ハマーズ / インディペンデントレーベル

そんないままでの彼女らのアルバムから、スローな曲ばかりをセレクトしてまとめたのが、「スライディング・ハマーズ」のベスト盤「ボッサ&バラード」である。ふたりのトロンボーンの響き、ミミのヴォーカルが心地よく、「夜半の快楽」として聴くには、単なるBGMをはるかに超えた、かなり良質のアルバムといえる。

来日記念盤 プレイズ・ボッサ&バラード

スライディング・ハマーズ / スハ゜イス・オフ゛・ライフ/アミュース゛

アルバム「Sings」から2曲「I wish you love」、「I’ll close my eyes」を ・・・。 Mimmi Hammer(vo),Karin Hammer(tb),Ronnie Gardiner(ds),Mathias Algotsson(p),Martin Sjostedt(b)

「I wish you love – Sliding Hammers」
 
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「Sliding Hammers ― I’ll close my eyes」

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ぼけ間近のジャズ好き老人が赤裸々に語るスエーデン美女シンガー図鑑(その6) ~リーサ/Lisa~

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今回は、前回の「リサ・エクダール」とおなじ名前の「リサ」つながりで、「リーサ/Lisa (Lisa Lovbrand」を紹介しましょうか。いや、大変な美人である。私は迷うことなく、これも電光石火のごとき「ジャケ買い」であった。

「リーサ/Lisa」。レコード会社の資料によるとスウェーデン、ストックホルム生まれ。父はスエーデン人、母はフィンランド人だというから、その美貌もうなずけるところ。幼少の頃からボーカル・レッスンを受け、聖歌隊で歌うなどし、またミュージカルや演劇の勉強をしながら育つ。長じてからは、ストックホルムのほか、ロンドン、ニューヨーク、L.A.でもエンターテインメント全般を学び、やがてショウ・ビジネスの世界へデビュー。その美貌を見込まれ、既に女優として数本の映画に出演している。「スティーヴン・セガール/Steven Seagal」主演のハリウッド映画、「沈黙の激突(Attack Force)」(2007年)に主役級で出演。スポーツ万能、ダンスも抜群という。ジャズ歌手としてのデビュー作は「エンブレイサブル/Embraceable」(2007年)。まさに、「天は二物も三物も与えた」と言ってもいいだろう。

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デビュー・アルバムのタイトルは、ガーシュイン兄弟の手になるスタンダードの名曲「Embraceable You」によるが、このアルバムでは、彼女自身の作詞になる1曲をのぞいて、すべてジャズとPOPSの名曲のカバー。しかも、共演者に「クリス・ボッティ/Chris Botti」、「デヴィッド・フォスター/David Foster」、グラスゴー出身のバンド「ブルー・ナイル/The Blue Nile」の「ポール・ブキャナン/Paul Buchanan」とそうそうたるゲストを迎えてのアルバムである。

エンブレイサブル

リーサ / スパイス・オブ・ライフ

何度も日本を訪れているほどの日本贔屓らしく、またうれしいことに我らが「桑田佳祐」が大好きだということで、何と「Darling」、「明日晴れるかな」、「風の詩を聴かせて」、「白い恋人たち」、「月」など、全編11曲の桑田のカバー・アルバム、「ダーリン/Darling」をリリースしている。

“Darling” LISA Sings Keisuke Kuwata

リーサ / Amuse Soft Entertainment = music =

そして最新作は「レット・ミー・ラヴ・ユー/Let Me Love You」。今回の大震災には心を痛めた「リーサ」のメッセージが込められている。「 ・・・ 皆が少し目線をあげて手を差し伸べて行けば、知らない人も一緒になって傷ついた心と壊れた家を直すことが出来るはずです。」

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レット・ミー・ラヴ・ユー

リーサ / スパイス・オブ・ライフ


                
                      
                        
デビュー・アルバム、「エンブレイサブル」から、「デヴィッド・フォスター」との粋なデュエット「When I fall in love」を。少し甘ったれてはいるが、透明感のあるリーサの声と、デヴィッドのすこししゃがれた声とが絶妙に絡み合う。

「Lisa Lovbrand & David Foster – When I fall in love」

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そしてイケメン・トランペッター、「クリス・ボッティ」をフィーチャーしたアルバムタイトル曲、「Embraceable You」。「抱きしめたいあなた」という意味の甘い甘いスタンダード。

「Lisa Lovbrand feat. Chris Botti – Embraceable」

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ぼけ間近のジャズ好き老人が赤裸々に語るスエーデン美女シンガー図鑑(その5) ~リサ・エクダール~

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前回は、世界的に有名になった「スエーデン美女ジャズ・シンガー」の元祖といってもいい、「モニカ・ゼタールンド/Monica Zetterlund」を取り上げました。しかし、私がはまった最初の「スエーデン美女シンガー」は、「ストックホルムの妖精」とか「魅惑のシルキー・ボイス」とよばれている「リサ・エクダール/Lisa Ekdahl」である。もう、10年くらい前であろうか、たしか「Amazon」からのオススメでジャケ買いしたアルバム、「Back to Earth」であったように記憶している。この歌手に対して、ジャズ。ファンは多分賛否両論であろう。というのも、かなり独特の、いわゆる「ロリータ・ボイス」、「チャイルド・ボイス」なのである。この声を、私はそうですが、心地よいと思う人も多い反面、「う~~ん、ちょっと」と思う人もかなり多いはず。まず周りを確認してから音を出すという人やら、奥さんの前では、誤解されそうなので絶対に聴かないとか、そんな話を聞いたこともあります。

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「リサ・エクダール」。レコード会社の資料によれば、1971年、スウェーデン、ヘゲシュテン生まれ。音楽学校卒業後、ストックホルムでコーラスの仕事を始め、ジャズ・プレイヤー、「トニー・ホルゲン」のバックを務めたことがきっかけとなり、EMIスウェーデンに認められ、1994年デビュー。すぐに一躍スターとなり、そのスウェーデン版グラミー賞で新人としては異例の3部門受賞に輝いたという。レコード会社もそのキャラクターは十分に心得たもので、初期のジャケットは、「伏せ目がちで、横ずわり」といった写真を使って、私のような気弱なじいさんの弱点をちゃんと狙って攻めてくるから憎い。そして、その声、よくありがちな作り物の「おねだり声」でなく、一聴すればわかるように「天然ロリータ・ボイス」と言っていいだろう。それが私の脳髄を妙に心地よく刺激する。「Back to Earth」、「When Did You Leave Heaven」どちらの歌もジャケットもオススメ。あの声で、あの往年のナットキングコールの「Lonely One」やスタンダードの「Cry Me A River」、「My Heart Belongs to Daddy 」なんかを歌うからたまらない。今宵は脳髄を刺激されてみようか。

ジャズなのか、ジャズでないのか ・・・。どちらでもいいことだが、まあ、いずれにしても、少なくとも「JAZZY NOT JAZZ」路線の先駆けの一人であったことには間違いない。さて、ぼけ間近老人の赤裸々な告白になりましたかどうか ・・・・。まあ、ひとつ聴いてくださいな。

記念すべき初の「スエーディシュ・ビューティ」、ジャケ買いのアルバム。

Back to Earth
Lisa Ekdahl Peter Nordahl Trio / RCA
 

When Did You Leave Heaven/Int. European

Lisa Ekdahl / RCA Victor Europe

アルバム「Back to Earth」から、よく御存じの「Nature Boy」。
                          
「Lisa Ekdahl- Nature Boy」
 
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そして、2010年、パリ、オランピア劇場のライブからこれまたスタンダードの「Tea For Two」。この時、御年39歳でさらに磨きがかかったこの声というのも、ある意味すごい。
                                   

「Lisa Ekdahl – Tea For Two」

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妻のお供で ・・・

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神戸へ出かけた。妻のお供である。はっきり言えば運転手。そういえば、「アッシーくん」なんて言葉はもう死語になってしまったのでしょうか? 「ヴィラブリ・ガーデン/Villabli Garden」の絶品の「海鮮焼きそば」喰いたさに運転手を引き受けたようなものである。さっそく、まず駄賃は先払いとお目当ての食事をし、街歩きのお供を開始 ・・・。妻の趣味の材料の仕入れ、お気に入りの居留地や栄町界隈でのウインドウ・ショッピング、神戸に本社のある手芸の通販会社主催の雑貨フェスタなどと盛りだくさん。GWとこの19日から始まる「神戸まつり」のあいだの中休みみたいで、三宮、元町もあまり人出はなく、いつもに比べ歩きやすい。結局、手芸材料に加え、孫娘へのTシャツなどを買い込んだ。

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私はといえば、ウォーキング途中、元町にあるジャズ・カフェで一息つく。夜はライブのジャズ・クラブになる、「カフェ萬屋宗兵衛」。昼間にジャズ喫茶なるところでコーヒーを飲むなんて何十年ぶりであろうか。まあ、中に入って驚いた。我々が知っている、あの大音響でジャズが鳴り響き、客のほとんどが若い男性、もうもうたる煙草の煙の中で、みなものも言わず、ただ苦虫を噛んだような顔で、ジャズに聞き入っていたあの暗くて重い雰囲気など微塵もないのである。客の多くは女性、音楽も会話をあまり邪魔しないように絞ってある。そして、甘さを抑えたチーズ・ケーキと珈琲が売り ・・・。いやあ、変われば変わったものである。多分この変わりようはいいことなのでしょう。そして、中古のレコード・CDショップへ。そこで、「パトリシア・カース/Patricia Kaas」の初期のCDを見つける。しばらく聴いてなかったなあ ・・・。

こんな何気ない日常生活から得られる心地よさや、取るに足らないようなささやかな満足感がいい。口に出してはなかなか言い難いが、先はそう長くないのである。そんなことは、誰かさんに教えられるまでもなく、みんなよくわかっていることである。「人生の仕舞い方」をどうするかについても、口には出さないだけで、みんな悩んでいることである。だからこそ、仕事に最後の情熱を注いだり、家族や孫を慈しんだり、花を愛でたり、写真や音楽に心を和ませたり、喜びを見つけていまを生きている。みんなそれぞれに自分にあった「残りの人生の生き方」や「仕舞い方」を模索しているのである。それを「仮面だ」と嗤いたければ、どうぞ嗤うがいい。
 
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「パトリシア・カース」は、1966年生まれのフランスの歌手。シャンソンとジャズ、ブルース、POPSの混然とした世界を見せてくれる。私が聴くようになったのは、もう円熟期に達していた彼女のアルバム「ピアノ・バー/Piano Bar」(2001年)をすっかり感心してしまったことがきっかけである。彼女は、1987年に世界中で大ヒットした「マドモワゼル・シャントゥ・ブルース/Mademoiselle chante le blues」でデビューしたが、デビュー当時は、「エディット・ピアフ/Édith Piaf」の再来、あるいは、90年代の「ヌーヴェル・シャンソン」のリーダーなどと騒がれたという。買い求めたアルバムは、1990年リリースのセカンド・アルバム、「セーヌ・ドゥ・ヴィ~人生のシーン~ /Scène de vie」。「ミシェル・ルグラン/Michel Legrand」や「シャルル・アズナブール/Charles Aznavour」といった、フランスの偉大なソング・ライターの名曲をカバーし、彼女を知るきっかけになった「ピアノ・バー」と違って、もっと骨太の声でダイナミックに歌うその姿は、若さのほとばしりの中に凄みすら感じさせる。

ピアノ・バー

パトリシア・カース ソニーミュージックエンタテインメント

「セーヌ・ドゥ・ヴィ~人生のシーン~」がリリースされたのは、ベルリンの壁が破壊された翌年。新しいムーヴメントを求める欧州の若者の大きなうねりや胎動に、呼応したのかも知れない。特に反応したのは、「ケネディ・ローズ/Kennedy Rose」という曲。「ジョン・F・ケネディ/John.F.Kennedy」大統領の母、「ローズ・ケネディ/Rose Kennedy」をテーマに歌った歌である。

セーヌ・ドゥ・ヴィ

パトリシア・カース / エピックレコードジャパン

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リリース後に行われた「セーヌ・ドゥ・ヴィ」ツアーは、13カ国210会場、65万人の観衆を動員。彼女はこのツアーで、日本も訪れた。このツアー・ライブを収録したCDアルバム、DVDアルバム、「カルネ・ドゥ・セーヌ/ Carnet de scène」がリリースされているが、ジャズとシャンソンとブルース、POPSが混然としたその世界の中で、シャウトするその姿はまさに「凄み」すら感じさせる。

「♪ あたしは あのローズ・ケネディとは違うわ
   愛する息子たちが
   いつか合衆国大統領になるなんて
   そんなバカげたことは望んだりしない

   彼女の名前はケネディ・ローズ
   いったいどんな運命の悪戯が
   あんなに綺麗な薔薇を
   一生を続けて挑戦し続け
   一生をかけて闘い続けるような 
   息子たちの母親にしたというの 
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    ♪」(訳;祈本雪臣)

「Patricia Kaas ~ Kennedy Rose (Live 1990)」

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そして、シャンソンとブルースと、「中島みゆき」の融合もまた彼女の世界。「パトリシア・カース」が歌っても、全く違和感がなく、むしろ別の新しい世界が構築されたと感ずるのは、「中島みゆき」の「かもめの歌/Juste une Chanson」。アルバム、「永遠に愛する人へ/Je te dis vous」(1993年)の日本盤に収録するボーナス・トラックのために「中島みゆき」が書き下ろした曲である。「中島みゆき」自身も、同じ年の1993年に発売されたアルバム、「時代-Time goes around」に収録している。

永遠に愛する人へ

パトリシア・カース / エピックレコードジャパン


 
カースは「中島みゆき」の書いた詞をもとにしたフランス語の歌詞を歌っている。私はフランス語はさっぱりであるので、対訳もいいが、「中島みゆき」の歌詞で雰囲気や気分を味わってみる。

「♪ いつかひとりになった時に
   この歌を思い出しなさい
   どんななぐさめも追いつかない
   ひとりの時に歌いなさい
   おまえより多くあきらめた人の
   吐息をつづって風よ吹け
   おまえより多く泣いた人の
   涙をつづって雨よ降れ ・・・・・・   ♪」 (中島みゆき)
                                                                            
「Patricia Kaas -Juste une chanson」
      
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