
「スエーデン美女シンガー」といえば、コンテンポラリーな歌手ではないが、彼女のことに触れないわけにはいかないでしょう。スウェーデンの伝説の歌姫で、スウェーデンの女性ジャズ・シンガーの元祖といってもいい、「モニカ・ゼタールンド(セッテルンドとも)/Monica Zetterlund」。1937年生まれ。父親がテナーサックス奏者、母親がベーシストという音楽一家に生まれ、幼少の頃から音楽に親しみ、19歳でデビュー。 59年には渡米、かって「坂本九」も出演したことのある「スティーブ・アレン・ショー/Steve Allen show 」に出演し、世界的に広くその名が知られるようになったという。
1964年、モニカが27歳のとき、ヨーロッパ・ツアーでストックホルムに立ち寄った「ビル・エヴァンス・トリオ/Bill Evans Trio」と録音した 「ワルツ・フォー・デビー/Waltz for Debby」が世界的にブレイク。その後、彼女は女優、歌手として90年代前半まで現役で活躍したが、2005年5月12日に亡くなった。享年67歳。自宅のベットでの寝タバコが原因で火事になり、焼死体で発見されたという。しかも、火事を通報したのはモニカ本人で、その時「こんな事で死にたくないわ」と言ったという。あまりにも無残で悲しい最期だった。(Wikipedeaなど参照)

もちろんエヴァンスは知っていたが、私がモニカを知ったのは、大分後のことである。エヴァンスが歌伴をした歌手は何人かいるらしいが、それまで私は「ワルツ・フォー・デビー」を含んで二度にわたって、録音をした「トニー・ベネット/Tony Bennett」しか知らなかった。(「Tony Bennett-Bill Evans Album」、「Together Again」) このアルバムで私がすっかりモニカに魅せられてしまったというのも、エヴァンスの歌伴の影響がそれほど大きかったからである。エヴァンスがヨーロッパへ来ると、モニカとたびたび共演したというから、それほどエヴァンスは彼女が気に入っていたのであろう。2年後の1966年、コペンハーゲンのコンサートでは、モニカをゲストとしてステージを共にし、また11年後の1975年にスウェーデンを訪れた際にも、モニカとの共演を果たしている。
その1964年のアルバム「ワルツ・フォー・デビー」、この時のエヴァンス・トリオは、「チャック・イスラエルズ/Chuck Israels (b)」、「ラリー・バンカー/Larry Bunker (d)」。そしてこの「ワルツ・フォー・デビー」、「Monicas Vals」と表記され、英語ではなく、スウェーデン語の歌詞で歌われている。スエーデン語はドイツ語に近く、ほとんどのスエーデン人はドイツを話すことができるが、ドイツ語ほど武骨ではなく、なにか素朴で不思議な感じに耳に響いてくる。そしてエヴァンスのピアノ、このロマンチックなサポートは見事というしかない。しかし、エヴァンスが見えず、「スエーディッシュ・ビューティ」とは言い難い日本盤のCDジャケット(私もコレ)は、どうしてもいただけないので、輸入盤も並記しておきます。冒頭のジャケット写真はLPのものでしょうか?
ワルツ・フォー・デビー+6 モニカ・ゼタールンド・ウィズ・ビル・エヴァンス / ユニバーサル ミュージック クラシック
Waltz for Debby Monica Zetterlund / Universal Import Waltz for Debby BILL EVANS MONICA ZETTERLUND / PolyGram
モニカのナチュラルな唱法、ピュアな歌声、透明感や暖かさは、彼女の後に続いた多くの「スエーディッシュ・ビューティ」に共通する特質と思えてならないのです。それでは「ワルツ・フォー・デビー」を ・・・。
「Monica Zetterlund with Bill Evans Trio ― Waltz for Debby」
2年後の1966年、コペンハーゲンでのエヴァンスとのもう一つの「ワルツ・フォー・デビー」。リハーサルか何かでしょうか、エヴァンス、ゴメスの懐かしい顔。埋め込み不可のため、下記色文字部をクリックすれば動画を見ることができます。
「Monica Zetterlund with Bill Evans Trio ― Waltz for Debby」 Monica Zetterlund(vo) , Bill Evans(p) , Eddie Gomez(b) , Alex Riel(ds) Recorded in Copenhagen Oct. 1966.
そして、同じアルバムに収録されている「Some Other Time」も好きな演奏。暖かさがにじみ出てくるようなモニカの歌い方がいい。
「Monica Zetterlund with Bill Evans Trio – Some Other Time」
そして1996年ニュー・ヨークでのラスト・レコーディングになってしまったアルバムが、「ザ・ロスト・テープ/The Lost Tapes @ Bell Sound Studios NYC」。そこには時折、私に「特定曲衝動買い症候群」を発症させる歌の一つである「I’m a fool to want you」が収録されているのも何かの因縁か ・・・。








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