JAZZYな生活

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久しぶりのプレゼンは

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兵庫県のある関連団体が、北摂里山一帯の持続的な保全を図り、活性化、利活用に繋がる取り組みについて助成をしてくれるというので、我々の行っている鹿の食害対策に関わる事業を、ダメ元でと申請をし、審査のためのプレンテーションをしてきた。時間は質疑を含めて15分、久しぶりのプレゼンであった。久しぶりに抜いてみたなまくら刀、結果は来週に ・・・。

かって現役時代、ビル電気設備・システムの商品企画、事業企画に長く携わっていたためか、企画、プレゼンは比較的得意分野。会社トップはもちろんのこと、施主、設計事務所、ゼネコン、サブコン、官庁など多くの人にプレゼンを行ってきた。採用が決っても、ほとんどがそのビル特有の仕様にあわせた特注システムで、日本初、業界初などというものも多く、事前事後を問わず、当然のごとく、トラブルが発生する。まだ建築中のビルに何日も泊まり込みで、原因調査をしたり、システムを取り替えたり、トラブル・シューティングしたことも、いまは懐かしい思い出となっている。アナログからデジタル、コンピュータ、そしてネットワーク、モバイル、アプリの時代へとちょうど技術革新の時代の中での熾烈な競争。「This Never Happened Before」。へえっというようなトラブルも多かったなあ。

さあ、「僕にも起こって、きみにも起こるかも知れない出来事。さて、なにが起るのだろうか、よく見てみよう」ということに ・・・ 。しかし、実際起こってみると、さあ大変。「This Never Happened Before (そんなこと今までに起こったことないよ)」。そんな愚痴を言いたくなることもありますね。  

「Happen シリーズ」、今宵は、SFラヴストーリー、「キアヌ・リーヴス/Keanu Reeves」、「サンドラ・ブロック/Sandra Bullock」主演の映画、「イルマーレ(原題;The Lake House)」の重要なシーンで使われた、「ポール・マッカートニー/Paul McCartney」の「This Never Happened Before」。2005年に発表された曲で、収録されているアルバムは、「Chaos And Creation In The Backyard」。

【 This Never Happened Before 】    by Paul McCartney

「♪ I’m very sure,                    僕は確信しているよ
     this never happened to me before  こんなこと今までに起こったことがない
   I met you and now I’m sure      君に会ってからはっきりと思うようになった
   This never happened before      こんなこと今までに起こったことがないと

   Now I see,                      今、僕はわかったんだ
      this is the way it’s supposed to be  起こるべくして起こったことなんだと
   I met you and now I see          君に会ってからはっきりとわかったよ
   This is the way it should be          これがあるべき姿なんだと

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」

もともとは全く関係なく作られた曲。それが映画で使われたら、あら不思議、これほど詩の内容も雰囲気も映画のシーンにぴったりマッチしているとは ・・・ 。まるでこの映画のために作られた曲のようである。「This never happened before」。     

Chaos and Creation in the Backyard
Paul McCartney / Toshiba EMI
ISBN : B000AL730O
 

イルマーレ [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ

「the lake house – this never happen before by paul mccartney」 映画のシーンとともに ・・・。

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おやじのハコものがたり(12 ) ~続・「鉄男」ではありませんが ・・・~

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(写真:産経新聞より)

大阪を代表する川、淀川。その右岸、東淀川区と左岸、旭区、都島区の境との間にかかる通称「赤川鉄橋」と呼ばれる橋がある。長さ約600メートル、西日本旅客鉄道(JR西日本)城東貨物線の鉄道橋、「淀川橋梁(よどがわきょうりょう)」である。写真でもわかるように、複線仕様の片側が「人道橋」に改造され、「歩道のある鉄橋」、「人と電車が渡る橋」として鉄道ファンや地元住民らに親しまれ、NHKの連続テレビ小説のロケ地としても利用されるなど、地元ではよく知られた橋である。私が以前に住んでいたマンションがこの近くにあり、淀川堤防をウォーキングしがてら、何回か行ったこともある鉄橋である。その「赤川鉄橋」の歩道部分がこの10月末で閉鎖されるため、全国から鉄道ファンが名残を惜しみに来ているというニュースをTVが報じていた。

この鉄橋は、元々設計は複線仕様だったが、昭和4年(1929年)の完成当初から単線で、片側は線路が設置されなかったため、大阪市が借り受けて市道扱いとして歩道を設けたのである。以来、現在に至るまで、歩行者の専用橋として木造の「仮橋」が架かり、地域住民の生活道路となっている。通勤通学、高校の運動部のランニング道路などとして日常的に使われているが、ごく間近で走る列車を見ることができるので、子供にも人気抜群で、私も何回か子供を連れて行った記憶がある。  

その「赤川鉄橋」、2018年(平成30年)開通予定の「JRおおさか東線」の計画により、城東貨物線は複線電化されるため、人道橋と鉄道橋とが共存するこの珍しい橋も、渡ることができるのも今月限りなのである。これだk地域住民の生活を支え、愛されてきた鉄橋も全国的にも珍しいのではないかと思う。26日には、「さよなら赤川鉄橋」のイベントが行われる。残念ながら、また一つ「物語りのあるハコ」が消えていく。

さて、昨日から雨。予定していた山での行事なども中止。この雨に続く台風27号、どうかやさしい雨と風で終わってほしい。
 
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前回に続く女性ボーカル復刻盤の紹介は、惜しくも1989年56歳でなくなってしまった「アン・バートン/Ann Burton」。じっくりと語りかけるように、そして小声でささやくように歌うバラードが大好きで、今でもよく聴く愛聴盤になっている。代表的アルバム「Ballads & Burton」、「Blue Burton」はさておき、雨の日に聴くやさしきバラードは、アルバム、「Burton For Certain」。60年代の懐かしさ、暖かさをじっくり味わうことができる「アン・バートン」のもう一枚の傑作。1977年に3度目の来日をした際、日本人JAZZメンらと録音したアルバムで、日本盤では、収録されている「 雨の日と月曜日は/Rainy Dats And Mondays」をアルバム・タイトルとしている。そしてジャケットは、2008年に亡くなってしまったジャズ写真家「阿部克自」さんの作品。(参照拙ブログ「追悼 阿部克自さん」) パーソネルは、「ケン・マッカーシー/Kenn McCarthy(p)」、「稲葉国光(b)」、「大隅寿男(ds)」。

雨の日と月曜日は

アン・バートン / ミューザック


 
このアルバムには、「ヘレン・メリル/Helen Merrill」が歌った名曲中の名曲、「You’d Be So Nice To Come Home To 」が収録されているが、スウィンギーなメリルのそれとは全くちがうしっとりしたバラード。これを聴き逃す手はないと思うのだが、残念なことにYOUTUBEにアップされていない。アルバム・タイトル曲、「雨の日と月曜日は」を聴いてみましょうか ・・・。

「Ann Burton - Rainy Days And Mondays」
 
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おやじのハコものがたり(11) ~おとぎ話のお城?~

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上の写真は一体なんでしょうか? テーマパークのおとぎ話のお城? いえいえそうではありません。これは、大阪湾の埋め立て地、舞洲(まいしま)にある大阪市環境局の、ごみの焼却施設と粗大ごみの破砕設備、「舞洲工場」です。舞洲は、かって大阪市が2008年夏季オリンピック招致を計画した際の会場予定地だったところ。広大な埋め立て地であるが、2001年IOC総会で北京に敗れたその年に竣工した。環境保護建築でも有名なオーストリア・ウィーンの芸術家「フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー/Friedensreich Hundertwasser」氏のデザイン。上天気と暖かさに誘われての阪神高速・湾岸線のドライブの途中に寄ってみました。

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そして、その道路の反対側、少し隔てたところには、おなじく「フンデルトヴァッサー」氏のデザインになる、下水汚泥処理をする「舞洲スラッジセンター」が建っている。この二つの建物、出来た当初は、近くにある「ユニヴァーサル・スタジオ・ジャパン/USJ」と間違って観光客が来たという話もあるくらい、メルヘンチックで美しい外観は、今でも多数の見学者が訪れるという。竣工当初は、そのユニークさ、奇抜さが戸惑いを招いたのか、論議を呼んだが今では観光名所ともなって、舞洲地域のランドマーク的な建物になっている。住民から敬遠されがちなゴミの焼却施設にあって、環境と美観、エンターテイメントを両立させたこの建物、いいではないか。一度内部を見学してみたいと思った。

本日の「お久しぶりピアノ・トリオ」は、またしてもイタリアン・ジャズ・ピアノで、恐縮です。「ダニーロ・レア/Danilo Rea」の第2弾。

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先日、ちょっと触れたように、「Enzo Pietropaoli(b)」、「Fabrizio Sferra (ds)」らと組んだ、 「ドクター3/Doctor 3」というトリオでのアルバム。このトリオのほうが本命のようで、ヴィーナス・レコードの「ダニーロ・レア・トリオ/Danilo Rea Trio」は、確証はないのですが、私が知る限り、同じメンバーによるアルバムは、一枚だけのリリースであったことからしても、レコード会社の要請に応えたテンポラリーなトリオだったのではないでしょうか。

しかし、本命トリオ「Doctor 3」の活躍は目覚ましく、最優秀ジャズ・イタリアン・グループ賞を1998年、2001年、2003年に受賞。さらに、アルバム、「ザ・テイルズ・オブ・ドクター3/The Tales of Doctor 3」は、1999年に最優秀イタリアンCD賞を受賞しているという。

さて、ご紹介するそのアルバムは、「ブルー/Blue」(2006年録音)。「バート・バカラック/Burt Bacharach」、「ジェームス・テイラー/James Taylor」などのポップスのカバーや、映画、「アラバマ物語」、「シンドラーのリスト」などの映画音楽を素材に、イタ系美メロのインタープレイがたっぷりと酔わせてくれます。

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DOCTOR 3 / Via Veneto

そのバカラックのナンバーから、「Close to you(邦題;遙かなる影)」。こんなにもゆっくりで耽美的な「Close to you」は、いままでに聴いた事がないような気がする。

「Doctor 3 – Close to you」

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地域まるごとミュージアム

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いよいよ4月になった。先週、私が山遊びをしている公園の管理事務所の一角に「北摂里山博物館(地域まるごとミュージアム)ビジターセンター」なるものがオープンした。私が住んでいるここ北摂地域にはいくつかの貴重な里山が残っているが、それぞれの里山の魅力や楽しみ方などに関する情報を情報端末に提供し、より多くのビジターが里山の魅力に触れてもらうことを目的として、兵庫県が県立3公園に設立したものである。

かっては、生活に必要な燃料や肥料を得るため大切に守り育てられてきた山と、その周辺の田畑やため池など、人と自然が共生してきた生物多様性に富んだ空間、いわゆる里山は、日本中どこにでもごく身近にあったが、1960年代以降の燃料革命により、ほとんどの里山は放棄されてしまった。しかし、最近のエコロジー、自然回帰などへの関心の高まりにより、再び里山が見直されてきているという。

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オープンした「北摂里山博物館(地域まるごとミュージアム)」は、いわゆる「箱モノ」の博物館ではなく、設置された情報端末からビジターが情報を得るという仕組み。都会に近いこの地域には、日本の原風景ともいわれるパッチワーク状の景観の「伝統的里山」、「菊炭」、「炭窯」、「台場クヌギ」、絶滅危惧種「エドヒガン(サクラ)」、「棚田」、「ため池」、多様な生物の生息など魅力ある素材が確かに多く潜在している。それらをどうインテグレートして魅力あるコンテンツに仕上げ、その更新、継続をどう続けるのか、また、どう遊びや体験に結び付けていくのか、そんなことが古くて新しい課題ではある。最初はもの珍しくても、やがては情報も古くなったり、マンネリ化し、やがて飽きが来るのではないかと危惧している。

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(今が満開の壇香梅)

「サウダージ/Saudade(サウダーヂあるいはサウダーデともという)」ポルトガル語がある。よくボサノバなどの歌詞で聴く言葉である。一般的には「郷愁」と訳されているが、単なる郷愁(nostalgie、ノスタルジー)でなく、温かい家庭や両親に守られ、無邪気に楽しい日々を過ごせた過去の自分への郷愁や、大人に成長した事でもう失くしてしまったかもしれない感情、古き良き時代への憧憬、懐かしい人への思慕、切なさなど幅広い感情を意味する言葉と言われる。

そんな意味での「サウダージ」という感情に近い日本の歌の一つは「涙そうそう」ではないかと思う。「夏川りみ」の歌う沖縄語バージョンを聴くと特にそう思う。ハワイ、沖縄、カリブまで、南のアイランドに寄せる郷愁を集めたコンピレーション・アルバム「リゾート・エア~パシフィカ/Resort Air~Pacifica」から。

リゾート・エア~パシフィカ

オムニバス 松田美緒 サンディー 夏川りみ ケアリイ・レイシェル オータサン BEGINビクターエンタテインメント

「夏川りみ ― 涙そうそう(ウチナーグチ・コンサートバージョン)」
 
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メンテナンス

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築20年、我が家のメンテナンスが始まった。外壁、屋根などの塗装である。年齢的にも資金的にも余裕のあるうちにと一大決心をしたうえでの工事である。我が家の一大関心事には違いなく、妻は、カタログの色見本を見ては、色選びに余念がなかった。台風15号が来ているというので、昨日(21日)からの開始は延期になるかと思いきや連絡があり、塗装屋さんは「予定どおりやります」という電話であった。「大丈夫かいな」と心配していたが、実際、この辺は雨だけで風はほとんどなく、さすがプロである、あれよあれよという間に4時間ほどで足場が組みあがってしまった。しかし皮肉なもので、組みあがるころには、すっかり雨もやみ、青空さえ見えていた。これから手塗で1週間ほどかかって工事が完了する予定。高水圧の洗浄後、汚れが落ち、すっかりきれいになった階段に私も妻もびっくり。

さて、リタイア爺さんの「心のメンテナンス、リフレッシュは?」と問われれば、私の場合は、やはりジャズ、映画、ミステリーであろうか? 昔からちっとも進歩がない ・・・。いやいや、最近は「山遊び」が一番かもしれないのですが ・・・。

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さあ、リフレッシュのための今宵のJAZZピアノは、「ロバート・ラカトシュ/Robert Lakatos」を選んでみました。「ハンガリーが生んだ俊才が奏でる類まれなる美音とスウィング感。切ないため息のような絶品のバラードが至福の夜へと誘う」というコピーに偽りなし。ラカトシュは、私がピアノ・トリオに望む四要素、「美しさ」、「切なさ」、「力強さ」、「心の奥に届く深さ」をすべて持っている。澤野から何枚かのアルバムがすでにリリースされているが、どれもが期待を裏切らない出来栄え。

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SO IN LOVE  ロバート・ラカトシュ・トリオ/澤野工房

3年ほど前に聴いたコンサート、彼の外見は相撲取りかと見間違うような大男であった。しかし、いったん弾き始めると、その繊細で、鮮やかなタッチで紡がれる音色は、無骨な外観からは想像できないくらい美しい。そんな彼の指先が奏でた美音が今でも耳に残っている。デビュー・アルバム「SO IN LOVE」から、オリジナルの美メロ、「Alemande」を。この曲は、「寺嶋靖国」氏セレクトの「Jazz Bar 2005」にも収録されている。

「Alemande-Robert Lakatos」

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おやじのハコものがたり(10) ~ダム潜入~

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これは要塞? 007の映画のセット? いやいや、ここはダムなのです。写真は真下から見上げた放水路と堰堤の底深く貫通している点検用の通路。

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いつも遊ばせてもらっている公園。そこは、かってこの地域に住んでいた人の里山だった。治水と水道水の貯水を主な目的として、この地にダムができ、26戸ほどあった小さな村は水没し、里山だけが残った。兵庫県はその残った里山の一部を遊べる緑地とし、元の里山はそっくりそのまま里山公園として残し、そこを我々がボランティアとして山の手入れしながら遊ばせてもらっているのである。そして、かってこの里山一帯の名産として焼かれていた一庫炭(黒炭、菊炭)の炭焼き技術も伝承しようと活動しているのである。村が水没し、公園となったきっかけは、「一庫ダム」建設である。ダム建設着工が1968年(昭和43年)、本体着工が1977年(昭和52年)竣工が1983年(昭和58年)というから、まさに高度成長期に建設された「ハコモノ」である。大阪近郊のベッドタウンとして大規模住宅開発がなされ、周辺8市町、60万人への水道の供給、下流の田畑への灌漑用水 過去にたびたび大洪水をおこした猪名川の洪水調整を目的として建設されたのである。
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毎週、その堰堤を走りながらも、一度も内部を見学したことがなかった「一庫ダム」を初めて訪れた。高さは75.0m。総貯水容量3,300万㎥の貯水池を有する中規模のダムで、現在は独立行政法人「水資源機構」が管理している。堰堤の内部やダム管理の仕組みや漏水、地震、歪検知などの安全管理の仕組みなどを見学したが、なんといっても巨大なラジアル型の放水ゲート(写真)の迫力が一番興味深かった。本当にアクション映画のひとコマみたいですね。元技術屋のためか、こういう無機質の造型物に限りなく美しさを感じてしまうのである。

民主党政権になった直後、世論としてダムへの風当たりが強い時期もあったが、ダム湖である「知明湖」の湖畔道路を使って毎年秋に行われる「一庫マラソン」、一庫公園でのイベント、エドヒガンの育成、我々の里山ボランティア活動など、この地域一体となって自然環境の保全に取り組んでいるこのダム湖周辺の一帯は市民の憩いの場となっている。

さて、ラスヴェガスから「グランド・キャニオン」にむかう途中、「フランクリン・ルーズベルト/Franklin Delano Roosevelt」アメリカ大統領が、1930年代アメリカを襲った世界恐慌を克服するために行った一連の経済政策、「ニューディール政策」の一環として建設された「フーバー・ダム/Hoover Dam」を見たことがある。貯水量の合計は250億トン程度、一庫ダムの約1,000倍、日本最大の湖である琵琶湖の貯水量に匹敵するというそのダムの巨大さに、ただただ唖然とした。1930年代にこんなものが作れるアメリカの国力を当時の政治家、軍部がちゃんと知っていたら、あんな無謀な戦争を避ける道があったのではと思ったりもした。

ところで「新規まき直し政策」とも呼ばれた「ニューディール政策/New Deal」になぞらえた政権移行後の民主党新政策のスローガン、「コンクリートから人へ」。今がもっともそれを必要とする時なのに、一体どこへ行ってしまったんでしょうね???

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(写真はブログ「フルヲさんの旅行ブログ」より無断拝借)

 

 

「グランド・キャニオン」へむかう途中、ちょっと寄り道をして映画「バグダッド・カフェ/Bagdad Café (原題;Out of Rosenheim)」(1987年制作西ドイツ映画)の撮影をしたという「ルート66」沿いの砂漠の真ん中に建つカフェの前を通った。外観、モーテル、古びたバス ・・・、あの映画の通りであった。「ルート66&バグダッド・カフェ」。なんかちょっと感激をした。その映画の挿入歌が「Calling You」。確か前回は「Holly Cole」の歌を紹介したので、今回は、オリジナル、映画バージョンの「ジェベッタ・スティール/Jevetta Steele」で聴いてみましょうか。



バグダッド・カフェ 完全版  マリアンネ・ゼーゲブレヒト / 紀伊國屋書店

「Calling you-Jevetta Steele /BAGDAD CAFE」

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おやじのハコものがたり(9) ~おおやしろ(大社)讃歌~

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奈良県桜井市の纏向(まきむく)遺跡から中心線が東西の同一線上に並んだ建物跡が発掘され、邪馬台国は卑弥呼の館ではないかと考古学ファン、古代史ファンの興味をかきたてている。この纏向遺跡は奈良盆地の東側、石上(いそのかみ)神宮、大神(おおみわ)神社をむすぶ「山辺の道」沿いにある箸墓古墳近くにあり、かねてから邪馬台国近畿説の有力候補とされてきた所である。新聞記事のCGを観ると、中心線が一致し、整然と配置されている建物群は、間違いなく権力の行使か、祭祀のための場所であるように思われる。

私は高校時代は考古学クラブに所属し、春休みには市教育委員会の発掘調査に参加していたこともあり、人一倍、考古学や古代史には関心があった。そんな私は当然のように「邪馬台国」に魅かれて行ったが、「魏志倭人伝には邪馬国という表記はない、すべて邪馬壱(壹)国である」という、わが母校で教鞭をとったこともある「古田武彦」氏の著書に触れてからは、九州説、九州王朝説を支持している。この邪馬台国論争、未だに論争の決着がつかないところが「ロマンの花」か・・・。

「邪馬台国」はなかった―解読された倭人伝の謎 (1971年) 古田 武彦 / 朝日新聞社
失なわれた九州王朝 (角川文庫 白 252-2) 古田 武彦 / 角川書店

 
 

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もうひとつの古代のハコもの、建築物で、私が強く興味を持っているのは「出雲大社」である。出雲大社本殿は、伊勢神宮の「神明造り」とともに、わが国で最古の神社建築様式とされる「大社造り」と呼ばれる形を伝え、歴史的建造物として国宝に指定されている。この出雲大社、現在も社殿の高さは24mと神社として群を抜く大きさであるが、社伝によれば、平安時代には16丈(48m)もの高さがあったと伝えられ、さらに上古には倍の32丈(約96m)もあったという。48mといえば15階建てのビルに匹敵する高さである。
 
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これはにわかには信じがたいかも知れないが、平安時代の書物『口遊(くちずさみ)』の中に、全国の大きな建物の順として「雲太、和二、京三」と記されているという。これは「出雲太郎、大和二郎、京都三郎」のことで、それぞれ1番出雲大社本殿、2番東大寺大仏殿、3番京都大極殿を指している。すなわち出雲大社は、日本で1番の建物と記されているのである。当時、東大寺大仏殿は棟高15丈だったので、この記述が正しければ、出雲大社が16丈の高さであってもおかしくはないということになる。そして近年、驚くべき発見があったのです。平成12年(2000年)4月、境内から古代末頃の巨大な柱が発見された。3本を束ねて1本とした巨大な柱の根本部分が見つかったのだ。1本の木の直径が約1.3mで、3本をたばね1本とした直径は約3mである。

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古代出雲大社本殿の巨大さを伝える資料に、出雲国造千家家に伝えられてきた建築平面図とも言うべき『金輪御造営差図(かなわのごぞうえいさしず)』がある。その図面によれば、柱の太さが1丈(3m)あり、しかも9本の柱はそれぞれ、3本の木を鉄の輪で1つに束ねってあって、まさに異様とも言える巨大さだった。それに加えて、社殿前面に描かれた引橋の長さが1町(約109m)と記されているのだ。100mもの長さの階段が必要な建物など、現実には到底存在しないとされ、どちらかといえば、この資料の信憑性が疑われてきた。
しかし、前述の発見は、まさに『金輪御造営差図』の通り。高さ48mと伝えられる建築のありさまが、具体的な証拠資料として出現したのだ。実際に高さ16丈(48m)の本殿があった可能性がきわめて高くなったといえるのだ。

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出雲大社復元図 (原図 張仁誠氏 復元 大林組)

そこで、建設という視点から、果敢なアプローチが試みられた。工学博士・福山敏男氏と大手ゼネコン・大林組のプロジェクトチームによる古代出雲大社のCGによる復元だ。その結果、壮大な柱の列を見せて16丈のCG古代出雲大社が姿を現したのです。少なくとも技術的には、16丈(48m)の高さが可能なことが、これで実証された。まさに「大社(おおやしろ)」なのだ。私は、この復元CGをかって大林組の技報で知ってから、たちどころに魅せられてしまったのだ。しかし、技術があったとはいえこの時代にこれだけの建築物を完成させるのには相当な苦労があったのだろう。権力だけでなく、祈りのような情熱が古代の民達を駆り立てていたに違いないのだ。(引用記事; 「出雲大社高層神殿の謎」 、 「出雲大社」より)

このCGをみると、もうゾクゾク、ワクワクしてきますね。奈良・平城宮跡や東大寺などを観れば分かるとおり、大陸から大伽藍や大塔を建築する技術は伝わって来たが、巨木を使った日本独自の巨大建築が、古代の日本には存在していたのです。なんと痛快なことか・・。なんとかこの「おおやしろ(大社)」を現実の建物として復元して欲しいものです。この独自の巨大建築技術が、なぜ現在まで伝承せずに失われてしまったのか、その新たな謎解きにもまた心がときめくのです。 

最近観た映画「火天の城」は、信長の命を受け、空前絶後、5層6階の天主を持つといわれた巨城・安土城の築城に挑む熱田の宮大工・岡部又右衛門を描いた物語。多くの困難を乗りこえながら、仲間や家族に支えられ巨大建築の完成を目指すが・・。

火天の城 [DVD]

TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) 2010/02/21発売予定

古代建築物に関わるJAZZアルバムをあげるとすれば、MJQの代表的名盤2枚、「ピラミッド/Pyramid」とナポレオンがエジプトから戦勝記念に持ち帰ってきたオベリスクがあるコンコルド広場をタイトルにした「コンコルド/Concorde」でしょうか。最近JAZZ演奏で聴くことがめっきり減ってしまったヴィブラフォーン。今聴くと、「ミルト・ジャクソン」のヴァイヴが新鮮で官能的ですらある。
 

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The Modern Jazz QuartetWarner

 

Concorde

The Modern Jazz QuartetPrestige/OJC

 

     

   

 

 

 

おやじのハコものがたり(8) ~夜景だけが美しい街~

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左の写真は、自宅前の道路から紅葉真っ盛りの雑木林を撮ったもの、もう一枚は、ご近所の清和源氏発祥の地、多田神社の山門を撮ったものである。お気付きのように電柱や縦横に走る架空電線が写り込んでいる。せっかくの我が家からのささやかな景観も台無しになってしまっている。昨今は、電力線に加え、電話、光ケーブル、ケーブルTV、有線放送、・・・・ 情報量が増えるにつれ、どんどんと電線量が増えていっているのである。欧州で観光地、住宅地をとわずスナップ写真をずいぶんと撮ったが、電線や電柱がこれほど醜悪に写りこむことは決してなかった。

日本には、豊かな四季、自然、里山、歴史的景観、歴史的建造物など世界に誇れる多くのものがある。また個々の建物をみれば、優れたデザインのものも数多くあるのに、都市単位、街単位で見るとどうして醜悪になってしまうのだろうか。ヨーロッパを旅するたびにいつも感じていたことである。欧米では、良好な住宅環境や街の景観を維持するため、様々な規制を設けることは当たり前となっている。ドイツでは隣家との境界線から各々4mは家の壁を離し、緑地を取ることとなっているし、ミュンヘン郊外の町では、地元産の木材を一定量建物や外壁に使用することが義務付けられているという。米国ニュージャージー州ですら、家のデザインや色は言うに及ばず、パラボラアンテナの設置場所にまで規制があるという。一時話題になった漫画家、楳図某氏の赤白の奇抜な住宅など、欧米では住民が建築を許さないし、そもそも建築許可など下りはしないのだ。かって御堂筋も倣ったパリの市街地における高さ30m規制は有名であるし、歴史的な景観の多い欧州では、市街地といえども、看板、ネオン、ビルのデザインなどに相当の規制があるのは当たり前になっている。とはいえ残念なことに、その代わり近年目立つのはあの意味不明の醜悪としか思えない落書である。ベルリンの壁崩壊以降目立つようになったというが、共産主義崩壊、自由と引き換えに失くしてしまったのが、美しい都市景観、街並みであるのかもしれない。

都市や住宅地の景観を守るには、まず電線の地中埋設化とある程度の規制が必要であろう。建蔽率や容積率だけでは無理で、デザインや建物用途、看板にまで踏み込む必要があると思う。そしてコストの問題。上下水道、ガスは地下埋設なのであるから、電線にしても共同溝などインフラの共用化などをもっと進めれば、何か解決策はあると思う。電力・ガスはエネルギー問題のため経産省、通信は総務省、建物・道路は国交省主管。こんなところにも、主管官庁毎の縦割り行政が、日本の都市景観のグランドデザイン化を明らかに阻害しているのである。電線の地中化などは、今の日本の経済状況では予算などつくはずもないだろう。しかし耐震化などのように、規制が需要を生む例もある。景観を守るための規制は、裾野の広い内需拡大につながる効果があるのではなかろうか・・。 

省エネなどはどこ吹く風、事実上野放しである電飾、ネオン、ライト・アップはますます無秩序に増えていく。そして12月はXmasのイルミネーションや光のイベントがさらに拍車をかける。かくして、日本の大都市とその近郊は、アジアの各都市と同じように「夜景だけが美しい街」へと化していくのだ。 

「チャーリー・ヘイデン/Charlie Haden」と「ケニー・バロン/Kenny Barron」のベースとピアノのデュオの名盤「ナイト・イン・ザ・シティ/Night And The City」。都市へのチャーリーの想い。ブロードウェイ近くのJAZZクラブ「イリジウム」でのライブ録音である。聴いているだけでマンハッタンの夜景が目の前に現れてくるような、そして、そこで暮らす人間の営みに想いが自然と馳せるようなすばらしいアルバム。とにかくバロンの宝石のようなピアノのタッチには魅了される。

ナイト・イン・ザ・シティ
チャーリー・ヘイデン ケニー・バロン / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00005FKHX
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バリトン・サックスで豪快なソロで有名になった「ジェリー・マリガン」だが、ここで繰りひろげるスマートで上品な夜のイメージ。ボサノヴァ曲「カーニヴァルの朝」、ショパンのクラシック曲「プレリュード:ホ短調」、それにスタンダード。イージーリスニング的だけど、イージーリスニングとはひと味違う極上のジャズ。なんと冒頭のタイトル曲ではピアノを弾いているのだ。

 

Night Lights

Gerry Mulligan / Verve

 

 

 

 

 

 

おやじのハコものがたり(7) ~出逢い橋、別れ橋~

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かって、実際にあった話を基にし、出逢いと別れを描いた「橋」がある。ベストセラー小説で、映画化もされた、ロバート・ジェームズ・ウォーラーの小説の「マディソン郡の橋」である。この小説は、クリント・イーストウッドによって映画化もされた。屋根付きの橋を撮影に来た写真家キンケイドと、イタリア出身でその土地で暮している主婦フランチェスカとが激しい恋におち、別れ、死ぬまで秘めたその恋の4日間を描いた話である。その橋は、アイオワ州マディソン郡に実在した橋であるが、話題になった後、たしか火災によって焼失してしまったと記憶している。

そんな屋根付きの橋が日本にもあるという。しかも八つもかたまって・・・。そんな記事を新聞か雑誌かなにかで読んだ。調べると、愛媛県の山間の村、大洲市河辺町にある。御幸の橋、三嶋橋、豊年橋など八つの橋で、「浪漫八橋」と名づけられているそうである。床板を雨露から守り、長持ちさせたいという村民の願いがこめられ屋根がつけられたとも言われ、屋根があることにより、橋は小さな集会所としても利用されているという。
この橋が屋根を持ったのは、村人の智恵の結果なのである。お上が作ってくださるいわゆる「ハコもの」の橋ではないのだ。きっと味わいがあって、美しいだろうな。この橋も、きっと様々な出逢いや別れを生んだに違いない。機会があればぜひ観てみたいと強く思うのだ。

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              (写真河辺町ふるさとの宿HPより)

写真上左;御幸の橋(愛媛県指定民俗文化財)。安永2年(1773年)に架設。ケヤキ材使用、屋根スギ皮葺きでクギは一切使われていない。橋長8.3m、幅員2.7m、木橋、歩行者専用。
写真上右;三嶋橋。大正12年(1923年)架設。三嶋神社の神様への信仰心をあらわすため、屋根をつけたといわれている。橋長14.8m、幅員2.6m、木橋、歩道橋、屋根スギ皮葺き。
写真下;豊年橋。昭和26年8月(1951年)架設。河辺川に架かっていた木橋の屋根付き橋が、取り壊されることとなり、屋根付き橋の材料を住民が譲り受け小川に移設したもの。橋長3.3m、幅員1.8m、木橋、歩道橋、屋根トタン葺き。

日本のあちこちに、権力や国、お上が作ったものではなく、地域の生活に根ざした中から生まれたこのような独特の建築が、まだまだたくさん残っているのではないだろうか。
秋の夜長、一夜を悲恋の物語で涙にくれてみたい方、「マディソン郡の橋」の小説を読み、DVDを観、全編レトロなJAZZが流れていたサウンドトラック盤に身を任せるのもいいかもしれませんね・・・。

マディソン郡の橋 (文春文庫)

ロバート・ジェームズ ウォラー / 文藝春秋

マディソン郡の橋

ワーナー・ホーム・ビデオ

The Bridges Of Madison County: Music From The Motion Picture

Original Soundtrack / Warner Bros.

追記)12月6日に放映されたNHKドラマ「坂の上の雲」(第2回)のなかで、八橋のひとつ「帯江橋」が正岡家の近くの橋という設定で使われていました。

 

 

 

 

おやじのハコものがたり(6) ~続・駅の記憶~ 

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(写真;リヨン駅構内 いずれもWikipediaから)

外国映画にも、駅や汽車が重要な役割でずいぶんと登場する。哀切極まりない「ひまわり」のラストシーンは、ミラノ駅。大人の恋愛映画、「ダバダバダ・・・」のスキャットが一世を風靡した「男と女」のラストシーンはパリ、「サン・ラザール駅」。そして、第2次世界大戦後のイタリアに生きる庶民の人生の歓びや哀しみを、ある一人の初老の鉄道機関士の姿を通して描いた、映画史に残る感動作「鉄道員」。「オリエント急行殺人事件」、「007ロシアより愛をこめて」、「暴走特急」、「暴走機関車」、「北の帝王」、「カサンドラ・クロス」などは列車そのものが重要な舞台や背景であった。

かって都市の発展を支えてきた海運、水運に代わって産業革命以後主力になったのが鉄道である。欧州各国に豊富に産出する石炭を背景に、瞬く間に欧州列強内に鉄道網が拡がった。さて、ヨーロッパの主要都市の駅は日本と違って「ターミナル駅」である。だから、街が出発点であり、終着点でもあって、通過点ではないことがよく分かる。城郭都市というヨーロッパ特有の都市の成り立ちのためなのか、鉄道を都市内部に引き込まないという軍事上の理由のためなのか、殆どがターミナル駅なのである。従って、駅舎は線路の向きと直角に建てられていて、放射状に各プラットホームへ行けるので、跨線橋や地下道が必要ない。しかも改札口がないので、送迎客は客車まで同じ平面で、そのまま近づける。だからあんなドラマチックな演出ができるのかも知れない。

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前回パリに滞在したときは、リヨン駅 (Gare de Lyon)に隣接したホテルに宿泊した。部屋の窓からプラットホームが見えるのである。リヨン駅は、1900年のパリ万国博覧会に合わせて3代目の駅が開業した。駅舎はマリウス・ トゥードワールの設計によるもので、高い大きな時計台が特長である。また、リヨン駅はパリからディジョンを経由してリヨンに至る在来線の起点である。ここからは、プロヴァンス、コート・ダジュール、マルセイユ、モンペリエ、スイスのジュネーヴ、ローザンヌ、ベルン、イタリアのミラノ行きのTGVが発車しているので、いつも駅は大きな荷物を持つ乗客でごった返している。行き先が掲げられたプレートや電光掲示板をみては、この列車にとび乗ってコート・ダジュールへ行きたいと思ったことも・・・。

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そんな長距離列車を待つ乗客のためにリヨン駅構内には有名なレストラン「Le Train Bleu/ル・トラン・ブリュー(ブルー・トレイン、青列車)」がある。パリ万博の翌年の1901年開業であり、内部はベル・エポック調の彫刻や壁画、金の天井画で彩られ美術館のようなその美しさには眼を見張る。この「Le Train Bleu」はリュック・ベンソン監督の仏映画「ニキータ」(1991年公開)にも出てくる。我々夫婦も、ちょっと気取ったディナーに、或いはパリを歩き回った後の休息のお茶にと、何回か入ったことがあります。写真の様にキンキラキンなので、入るのに気後れする向きもあるかもしれないが、昼間のカフェなどは旅行客が出入りし、まったくカジュアルで、料金もリーゾナブル、コーヒー一杯でも気軽に入ることができるので、関心ある方はパリへ行ったら一度寄ってみてください。
そして、かってバスティーユから延びていた、150年近く前に建設された古い高架鉄道跡を再利用し、開放感溢れる「遊歩道」に生まれ変わった「空中プロムナード」も、このリヨン駅のすぐ近くにある。リニューアル、再活用のお手本みたいなハコものである。(参照「パリ、空中プロムナード」)

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駅跡をリニューアル、巧みに再利用した美術館といえば「オルセー美術館」である。印象派の画家の作品が数多く収蔵されていることで有名なセーヌ河畔の19世紀美術専門の美術館である。オルセー美術館の建物はもともと1900年のパリ万国博覧会開催に合わせて、オルレアン鉄道によって建設されたオルセー駅の鉄道駅舎兼ホテルであった。その後、この建物はさまざまな用途に用いられ、一時は取り壊しの話もあったが、1970年代からフランス政府によって保存活用策が検討されはじめ、19世紀美術を展示する美術館として生まれ変わることとなった。こうして1986年、オルセー美術館が開館した。美術館の中央ホールは地下ホームの吹き抜け構造をそのまま活用している。

遊歩道といい、オルセーといい、歴史、文化や古いものを大事にして決して簡単には捨てたり、壊したりしないという、フランスだけでなくヨーロッパ人に共通するポリシーを感じるのだ。かって、ヨーロッパのビル建築工事にける新築ビルの比率を調べたことがあるが、独、英とも50%を切り、フランスなどは確か40%を下回っていたと思う。いわゆるリニューアルのほうが多いのだ。パリにあるフランス電気協会にお邪魔したとき、200年前の建物をほぼそのままリニューアルし、1階に馬小屋をそのまま残してあることを自慢していたし、ロンドンなども建替えについては、相当厳しい基準を課している。私も泊めていただいたことがあるが、エジンバラの友人は築400年の集合住宅、クレッセントに住んでいることを誇りに思っているし、スエーデン・マルモに派遣していた部下が借りていた戸建の住宅は築90年ながら、広くて快適でその素敵なことが大変うらやましかった。「石造りだから」といってしまえばそれまでだが、日本にも相当年数たってもびくともしない古民家、蔵、神社・仏閣、城郭など誇れる建築物もある。もうそろそろ我々も、土地に価値を求めるのでなく、その上に建てられた住宅、建物に付加価値を求めていく考えに切り替えてもいい頃である。そうすれば、本当に価値あるハコものだけが残り、後は淘汰されていくと思うのだが・・。

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(ケルン駅の天井越しにみる大寺院 「わだらんの欧州旅行記」より無断拝借、お許しあれ)

列車でライン河畔の両側を旅したこともある。まだ観光シーズンが幕開けをしてないので、観光船の川下りがオープンしていなくて、列車の旅となったのだ。ハイデルベルグから マインツ、リューデスハイム、ザンクト・ゴア・ハウゼン、ボン、ケルン、バハラッハなど途中下車をしながら、大小の街や村をめぐった。ライン河沿いのあちこちに点在する葡萄畑、教会、城の数々、本当におとぎ話のような光景が車窓に展開した事に感動もした。そして、ケルン駅の通り一つを隔てた向かいにjは、あのケルン大寺院が聳え立っている。列車が駅に近づくにつれ、寺院を見上げる首も痛くなり、まるで大寺院に列車ごと吸い込まれていくような錯覚にとらわれた。

また、高速鉄道にもいくつか乗ったことがある。フランスの誇るTGV、ドイツの在来線を走るインターシティ。いずれも時速は300kmを超えていたと思う。当時は日本の新幹線がNo1だと思っていたので、軽いカルチャーショックを受けたことも事実。上海・浦東国際空港と浦東地区とを結ぶ磁気浮上のリニアモーターカーにも乗ったが、これは確か時速400kmをはるかに超えていた。

振り返ってみると、人生の節目、仕事の節目と重なる旅は、単なる移動だけでなく、心の軌跡や成長と深くかかわりあっているような気がする。だからこそ旅は楽しいともいえるし、そんな旅の「駅の記憶」は深く心に刻まれている。
「旅」をテーマにした心に残るアルバムから、「リー・オスカー/Lee Oskar」。「Lee Oskar」は1948年にコペンハーゲンに生まれ、6歳のときに初めてハーモニカを手にした。彼のハーモニカの才能を生かしてくれるバンドを求めて、10代の頃、ヨーロッパからアメリカへと移ってきたが、英語がまったく出来ないため、ストリート・ミュージシャンからはじめ、相当な苦労を重ねたのち、元アニマルズのボーカル、エリック・バードンに出会い、認められることになったという。このアルバムは、彼の最初のソロ・アルバムであり、アルバム・タイトルを自身の名前にしたところに、このアルバムに彼の人生を凝縮したという思いが伝わってくる。各曲の題名をみると、ヨーロッパからアメリカへの彼の「旅」がドラマのように仕立てられた構成のアルバムである。
近づいてくる靴音、ドアをノックする音に続いてハーモニカの憂いを含んだ音色が響く1曲目。2曲目以降も船の汽笛や海鳥の声が効果的に使われ、旅のイメージをいっそうかきたてる。ハーモニカという、この小さなシンプルな楽器が、これほど心にしみる音色とメロディーを奏でることができるのだ。

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 Lee Oskar
 Lee Oskar /  / Rhino
 ISBN : B0000033BM

 

 

 

「駅の記憶」となれば、この曲をあげないわけには行かないだろう。デューク・エリントンの名曲にして、プロからアマチュアまでの、ビッグバンドというビッグバンドが、必ずレパートリーにする曲「Take The “A” Train/A列車で行こう」。しかも、今年は「Duke Ellington」生誕110周年、ビッグバンドの楽しさを甦らせたデイヴ・マシュー率いる「マンハッタン・ジャズ・オーケストラ」のアルバム「スウィング・スウィング・スウィング」から。

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 スウィング・スウィング・スウィング/

 マンハッタ  ン・ジャズ・オーケストラ /

 ビデオアーツ・ミュージック

 

 

 



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