JAZZYな生活

プレミアムエイジ ジョインブログ

父の日に贈る秘密の歌

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今日は「父の日」とやら。二男夫婦が、お腹の初孫の報告を兼ね、シャンパンをもって訪れてきた。我が家の子供は男ばかり3人。薄情なもので、つい最近までは「父の日」どころか、誕生日、定年の日にも何かもらった記憶はないのだ。「あの我が儘、好き勝手な二男が父親に・・・」と夫婦で前夜に話したばかり。話してみると、親になる自覚もすこしはできたような気配。これもしっかり者のお嫁さん効果であろうか。心配すればきりはないが、子はそれぞれに育っていくものである。

話は変わって、「父の日」に思い出す曲といえば、ファンキーJAZZの傑作、「ホレス・シルバー」の「Song For My Father」または、「コール・ポーター/Cole Porter」の「私の心はパパのもの/My Heart Belongs to Daddy」。「My Heart  ・・・ 」は、ポーターが1938年、ミュージカル「Leave It To Me」のために書いたもので、有名になったのは、1960年の「マリリン・モンロー/Marilyn Monroe」主演の映画「恋をしましょう/LET’S MAKE LOVE」でしたね。「ジョージ・キューカー」監督作品でフランスの大富豪に扮した「イヴ・モンタン」と共演したラブ・コメディ。

「♪ ゴルフを楽しんでるときに キャディの子を誘惑したりするかも でも、それ以上のことはしないわ 私の心はパパのもの ……. ♪ 」とこんな意味深な歌詞。



マリリン・モンロー    マリリン・モンロー / ビクターエンタテインメント

今日の「父の日」に贈る秘密の歌は、「コール・ポーター/Cole Porter」の名曲「My Heart Belongs to Daddy」を、公序紊乱、悩殺のyoutube4連発で大サービス!!ですよ。まずは、いきなり真打登場! 映画界からは「マリリン・モンロー/Marilyn Monroe」。  舌ったらずな歌い方や「My name is Lolita!」なんてせりふはもう ・・・ たまりませんな。
 
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そして、POPS界。カナダの美人歌姫「セリーヌ・ディオン/Celine Dion」の「My heart belongs to daddy」 を。 どうもマリリンへのトリビュートらしいが、出てくるおじさんたちの鼻の下の長さにご注目 ・・・ 。たしか彼女、30歳近く年上の音楽マネジャーと結婚したんですよね。

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そして、極めつけは「ソニア・ポポヴィッチ/Sonya Popovich」。  残念ながら出自はよく分かりませんが、コケティッシュぶりは相当なもの。もう歌なんかどうでもという向きは是非どうぞ ・・・ 。
 

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ラストはJAZZのスタンダードで、らしく締めましょう。ロシア出身のジャズ・ボーカリストで、現在はカナダに住み、トロント大学経営学部の学生でもあるという「ソフィー・ミルマン/Sophie Milman」。 弱冠22歳でデビューしたカナダの新人「ソフィー・ミルマン」の「・・・Daddy]を。

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どうです。すこしは元気が出ましたでしょうか?

 

脱いだ鎧は ・・・ 

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(写真;ウォーキングの道すがら、あちこちで強力な匂いを放って、存在を主張している「ガマズミ」)

かっての企業戦士の仲間4人で久し振りに食卓を囲んだ。仲間といっても、一人はかっての顧客で、ビルの設備システムの設計者、嘱託からそろそろ完全リタイアしようかという男、一人はライバル会社の技術責任者だった男で、その会社を早期退職後、再就職し、そこもそろそろ定年をむかえる時期にさしかかっている。もう一人は私と同じ会社の同僚で、セールス・エンジニアとして一緒に仕事をした男。そして私。4人は、かってのバブルの時代からその後の厳しい時代にかけて、ビル設備システムの分野で共に生きてきた、仲間というよりも業界の同志というような感覚の連中である。いまから振りかえってみると、「バブルの弊害」が色々取りざたされ、勿論そのとおりであるが、この分野ではバブルだからこそ、新しい試みやチャレンジができたというプラスの面もあったのだ。 

こんなにITが普及する以前の時代、コミュニケーション技術、NET技術が、ビルの情報制御や設備のコントロールに欠くべからざる時代が来ると信じて、お互いにぶつかりながらも、エッジな仕事をしてきた仲間。そんなことも懐かしみながら、いま現在の仕事や趣味、暮らしぶりについて話に花が咲いた。マラソンやテニスに充実感を見出したり、この時期鮎つりに山に1週間篭ったり、それぞれに仕事という鎧(よろい)を脱ぎ捨てた男達のすがすがしさがあった。

わたしが、ある事業部門の経営責任者を退いたときも、同じような心の軽さを感じたものである。それまでは、月、4半期、半期、決算期と数字の結果責任に追われていたが、もちろんそれはそれで責任感、遣り甲斐感、達成感はあったが、やはりそのプレッシャーやストレスは渦中にいるときには、気がつかないほどの重さがあったのであろう。脱いだ時にはじめてその鎧の重さに初めて気づいた。そして、その後、企業人生の最晩年に事業部門に再び所属したが、再びあの重い鎧を着て、戦場に立ち向かっていく気迫や気力は残っていなかった。

鳩山さん きっと今頃は、鎧を脱いだ心と体の軽さを感じているでしょう。そして、小沢さんは、間違いなくまだ鎧を脱いでいませんね。一度よろいを脱いでしまったら、再び着るのには難しく、相当の覚悟が必要なことをよく知っているのでしょう。

鎧を脱いだかっての企業戦士の同志たち、定年までしばしの時間を残し、最後の戦いを今まさに戦っている後輩たちに贈る最初の曲は、「ダニー・ハザウェイ/Donny Hathaway」のバラードのカバー「Someday We’ll All Be Free/いつか自由に」。「ケイコ・リー/Keiko Lee」のアルバム「In Essence」からの応援歌である。青春時代に彼女が影響を受けたヒット・ソングを、自らの編曲でカヴァーした2007年、NY録音作。「デヴィッド・サンボーン」、「ランディ・ブレッカー」といったN.Y.の手だれ達の演奏をバックに歌う。

「♪ 自尊心と男らしいプライドを持って/自分のギアで/走り続けるのよ/怖がらないで/もうじき明るい日々がきっと訪れるから ・・・・ ♪」

イン・エッセンス  ケイコ・リー / ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

そして、2曲目は、「Freedom Fighters Adadio/自由戦士のためのアダージョ」。JAZZ喫茶のオーナーにして評論家、最近は自身のレーベルから意欲作をリリースしている「寺嶋靖国」氏が、毎年末にリリースしているコンピ・アルバム「Jazz Bar 2009」からである。原盤はミシシッピ出身のピアノ・トリオ「Ronnie Lynn Patterson/Freedom Fighters」である。寺嶋氏の評、「決して指先だけの人ではなく、自分の気持ちをのぞくようにして音楽を表現している。」
 

JAZZ BAR 2009(紙ジャケット仕様)  オムニバス / インディーズ・メーカー 

 

Freedom Fighters   Ronnie Lynn Patterson / Zig Zag Territoires

 

カメルーンに勝った夜に想う ・・・・ 。 

 

スイングがなけりゃ意味がない ・・・

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戦後の日本のジャズ文化をけん引し、63年の歴史がある月刊音楽誌「スイングジャーナル」が6月19日発売の7月号をもって休刊することになった。「休刊」というが、実際は復刊のめどが立たない休刊、廃刊に近い休刊であろう。広告収入の減少が主な原因だという。同誌は、終戦2年目の1947年6月(昭和22年)に創刊。多くのジャズファンに愛されてきた。同社によると、70~80年代には約30万部を発行していたが、最近は部数が低迷。CDの売り上げが激減した影響で、レコード会社からの広告も減っていたという。

高校生の頃にJAZZに目覚め、大学生のあたりはJAZZ喫茶によく通っていた。B軒のマスターとの出会いもJAZZが縁であった。(参照「我が青春のジャズ・グラフィティ(5)~大人の眼差し~」ほか) JAZZというものがよく分からないまま、JAZZに魅せられていった貧乏学生にとって、立ち読みする「スイングジャーナル」は、教科書であり、羅針盤であり、情報源であり、ファッションですらあった。ごく稀に買ったりもしたが、アーティストのグラビア写真を切り取っては、下宿の壁に貼ったりもした。やがて、自分の好きなアーティストやスタイルがはっきりしてくるに従って、SJ誌から遠ざかる様になっていった。また、雑誌の持つ業(ごう)といってしまえばそれまでであるが、かなり目立ってきたスポンサー偏重の記事やゴールドディスク選定にも首をかしげることも近年は多くなっていったようだ。そんなこともあって、ここ10数年は読んだこともない始末。もちろん購読もしていない者の勝手な言であると承知しているが、休刊するとのニュースは、あまりにも急で衝撃を受けた。そこまでJAZZ離れが起こっていたのだろうか。リアル・ジャズ・ファンではなかったが、いつも私の生活の傍らにBGMとしてのJAZZがあったし、今もある。元編集長だった「岩浪洋三」氏の言葉を噛みしめてみたい。

『「スイングジャーナル」は常にジャズ界の中心的な存在であった。なくなると、その重要性に気づくはずだ。一日も早く復刊してもらいたいというのは、ジャズ関係者の素直な気持ちであろう。そのためには、なにが必要かをみんなで考える時期にきているように思う。』(岩浪洋三)

「スイングジャーナル」、「ガロ」、「話の特集」、「ヒッチコック・マガジン」、「ハヤカワ・ミステリー・マガジン」、「ハヤカワ・SF・マガジン」、「舵(かじ)」、「野生時代」 ・・・ 。いずれも私の青春の傍らにあり、色々なことを学ばせてもらった雑誌である。活字メディアと自分との距離が最も近かった時代。大事に思ってきたものが、ひとつ、またひとつ消えていく ・・・ 。せめて感謝を込めて、最後の発刊になるかもしれない「スイングジャーナル7月号」を、わが青春の記念碑として買おうと思う。

「ドウワ・ドウワ・ドウワ ・・・ 」というスキャットでよく知られている「スイングしなけりゃ意味がない/It Don’t Mean A Thing (If It Ain’t Got That Swing)」はJAZZを象徴するようなエリントンの名曲。作詞は「アーヴィング・ミルズ」であるが、理屈でなく体で感じる音楽であるJAZZの本質をよく表しているフレーズ。



A列車で行こう

デューク・エリントン / BMGインターナショナル

 そして「意味がなければスイングはない」は、かってJAZZ喫茶のおやじであった「村上春樹」初の音楽エッセイ集。「シューベルト」のピアノ・ソナタからジャズの巨星「スタン・ゲッツ」の“闇の二年間”、「ブルース・スプリングスティーン」、JPOPの「スガシカオ」まで、すべての音楽シーンから選りすぐった十一人の名曲を語りつくす。
 


意味がなければスイングはない (文春文庫)

村上 春樹 / 文藝春秋

  

 

おやじのエレジー(哀歌) ~歌謡曲としてのブルース・考~

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8月12日は「ブルースの女王」と呼ばれた淡谷のり子(1907 – 1999年)が生まれた日だそうだ。「別れのブルース」が大ヒットしたのは日中戦争が勃発した1937年。その後、戦中・戦後を通じて、日本人を癒してきた「ブルース」。日本人は「ブルース」が好きである。何にでもブルースをくっつけて歌にしてしまう。人から自然現象からご当地名まで手当たり次第である。「男のブルース」、「女の・・」、「あなたの・・」、「雨の・・」、「別れの・・」、「夜霧の・・」、「大阪・・」、「中之島・・」、「港町・・」、「赤と黒の・・」、「一番星・・」、「黒い傷痕の・・」、「昭和・・」、「しのび泣きの・・」、「恍惚の・・」、「一人ぼっちの・・」・・、ああ、きりがない。さてそれでは、何をもって「ブルース」というのかというと、歌謡曲の世界では、その定義を聞いたことが無いので、これがさっぱり分からないのである。

洋楽における「ブルース」の定義というのは、はっきりしている。ブルース(Blues)は、米国深南部でアフリカ系アメリカ人の間から発生した音楽のひとつ、またはその楽式のことである。その特徴は、A・A・Bの形式をとるワンコーラス12小節形式 (ブルース形式)で綴られる詩が多いということ。そして、二つ目は循環コードの一種である定型のコード進行(ブルース・コード)をとることが多いということ。三つ目には、旋律に独特の節回しがあり、一般にブルー・ノートと呼ばれる独特の音階が使われる。つまり、日本の歌謡曲のスタイルとして「ブルース」と、ここで言う洋楽の「ブルース」とはまったく関係がないのである。

しからば、どうして歌謡曲に「ブルース」と呼ばれるスタイル?ジャンル?ができたのであろうか。まったくの私見で根拠は無いのであるが、私はこんな風に考えている。正式な名称かどうか分からないが、社交ダンスのステップに4/4拍子の「ブルース」というのがある。娯楽の乏しかった日本で社交ダンスの普及とともに、その踊りの雰囲気を最大限盛り上げるための曲として、スロー・テンポで、チークダンスや感情移入がしやすい短調(マイナー)の曲、歌謡曲が好まれていった。これが日本の歌謡曲の「ブルース」の発祥となって、その「ブルース」という言葉が持つモダンで哀調の語感が歌謡曲のウェットな世界にぴったりなため、強く結びついていったのではないかという勝手な持論を持っている。強いて定義してみれば、短調(マイナー)のスロー目の曲で、これが一番重要であるが、「・・・のブルース」というタイトルがついていることという極めて大雑把なところであろうか。まあ~、目くじらを立てて議論するほどのことはないのであるが・・・。 

先ほどあげた日本の「・・・ブルース」がついた歌をみると、「ブルース」というよりは、「エレジー(哀歌)」といったほうがいいのではないかと思う。私は、歌うほうはJAZZと違って、日本のエレジーいえる曲が好きで、「この歌は私のエレジー」と勝手に定義してカラオケなどで歌っていた。その条件は、「マイナー(短調)」、「ドロドロ、ベタベタな歌詞」、「抑えた感情、やがて迎える山場、絶唱」、「私がカラオケでうたえること」であった。これが「私の哀歌、おやじのエレジー」の条件で、それに当てはまる次のような歌をあげれば、なんとなく気分が伝わるでしょうか・・・。
「あんたのバラード、悲しい色やね、月のあかり、酒と泪と男と女、あなたのブルース、粋な別れ、大阪で生まれた女、石狩挽歌、想い出ぼろぼろ、ルビーの指輪、別れのサンバ ・・・・」。これもきりがないのですが・・・。
これを見ると、私はまさに、どんぴしゃ正統派の「オヤジ」ですね。

「エレジー(哀歌)」、私が大のファンでもあるイチオシの女優「ペネロペ・クルス」が出演していた映画「エレジー」(原題: ELEGY)。「ペネロペ・クルス」扮する女子学生が、30歳も歳の離れている、雑誌「LEON」から抜け出してきたような大学教授の「ちょいワルじじい」に惚れてしまうが、女が真剣になるにつれ、老いた男が引いてしまうというよくある話がテーマの映画。パーティで教え子を口説く場面のBGMに流れていたのは、ストーリーを予感させるような「マデリン・ペルー」が歌う「レナード・コーエン」の「Dance Me To The End Of Love (哀しみのダンス)」(ブログ参照だった。 

エレジー デラックス版 [DVD]

ジェネオン・ユニバーサル


「哀しみのダンス」を始め、なつかしくレトロな薫りのするエレジーが一杯つまったアルバムは「マデリン・ペルー/ケアレス・ラヴ」。

ケアレス・ラヴ
マデリン・ペルー / / ユニバーサル ミュージック クラシック
ISBN : B000STC6NW
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本家のブルースをご存知でない方には、お分かりいただくために、ブルースが自らの音楽のルーツであるという、「エリック・クラプトン」のブルース・アルバムを参考までにあげておきましょう。あの「Tears in Heaven」が収録された大ヒットアルバム「アンプラグド/Unplugged」の2年後にリリースされた、全曲ブルースのカバーで占められたルーツ回帰アルバムが「From The Cradle (ゆりかごから)」である。渋い円熟の演奏が光るブルージーなサウンド。「ミスター・スローハンド」とよばれ、全世界のロック・ギタリストが憧れるクラプトンのギター芸、技の本領発揮のアルバムである。

フロム・ザ・クレイドル

エリック・クラプトン / ダブリューイーエー・ジャパン


そして、クラプトンが敬愛するブルースの巨人、ブルースのレジェンド(伝説)、「B.B.King」とコラボした「Riding With The King」。シンプルな録音で、向かって右にKing、左にClapton。リラックスした雰囲気の中で、温かい親密感が生まれ、2人が小部屋で向かい合いながら、楽しんで演奏しているように聴こえる。まるでシカゴのブルース・ハウスにでもいるようなノリに包まれる。

ライディン・ウィズ・ザ・キング

B.B.キング&エリック・クラプトン / ワーナーミュージック・ジャパン

トロンボーンが好き、美人はもっと好き

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トロンボーンが好きである。他の金管楽器、例えば、サキソフォンやトランペットなども勿論好きであるが、トランペットの金属の光沢を思わせる鋭角的な音や太くしゃがれたサックスの官能的な音とは違い、どこかとぼけたというか、緩(ゆる)いというか、しかし聴く人を暖かくさせるような、あのトロンボーンの音が好きである。また、長い物干し竿を肩に担いで、もてあましているかのような、絵的に観てもあまり様にならない姿も好ましいと思うのである。

最近、ピアノ以外にも女性JAZZプレイヤーの台頭が著しい。キャンディ・ダルファー(sax)、矢野沙織(sax)、市原ヒカリ(Tr)、ニッキ・パロット(Bass)などである。そして男性でも最も様にならないトロンボーンJAZZの世界に、ついに女性が登場してきたのだ。しかも美人姉妹ときた。「Sliding Hammers/スライディング・ハマーズ」。あまたのJAZZアーティストを輩出しているJAZZ王国スエーデン発である。1997年にミミとカリン・ハマー姉妹が結成。 「スライディング・ハマーズ」は、かって1950年、60年代を通じて大活躍したスター・トロンボーン・デュオ、「J & K」(J.J. Johnson & Kai Winding/ジェイジェイ・ジョンソン&カイ・ウインディング)のジャズスピリットを継承しながらも、オリジナル楽曲にも取組み、好評をもって迎えられている。とても女性とは思えない、抜群のテクニック、軽やかでヴィヴィッドな演奏、しかもデュオ、まさに「J & K」を思わせるような演奏ぶりである。

シング

スライディング・ハマーズ / インディペンデントレーベル


ところがである。これまで紹介されてきた3枚のアルバムの中で聴くことの出来る「ミミ・ハマー」のキュートでチャーミングなヴォーカルの人気が非常に高く、その要望に応えた全編「ミミ・ハマー」のヴォーカルをフィーチャーした4作目「シング」が昨年リリース、大好評を得たのだ。「チェット・ベイカー」を意識したアルバム・タイトルでしょうか、スタンダードを中心に美しいオリジナル曲を含めた13曲。可憐なミミのヴォーカル。いい、すごくいい。そして、素晴らしいソロを聴かせるカリン。絵になっている。私のトロンボーンへの偏見をぶち壊してくれた。女性ヴォーカルとトロンボーンの異色の組み合わせによる、美しき北欧最強のJAZZユニット「スライディング・ハマーズ」が、ここに完成した。そして、トロンボーンの音色がよく似合うのはボサノバ、6月の初来日を記念して、ベスト盤「プレイズ・ボッサ&バラード」が今月発売。久し振りにはまったJAZZユニット。

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来日記念盤 プレイズ・ボッサ&バラード

スライディング・ハマーズ / スハ゜イス・オフ゛・ライフ/アミュース゛


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絵になる魅力の姉妹トロンボーンの動画はこちらから。
このYOU TUBEで気がついたのだが、他にも「Jubilee Stomp」など、女性JAZZトロンボーン奏者やデュオがいることにびっくり・・・。

快人二面相  ~You Only Live Twice~

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オヤジの心をくすぐる本格女性JAZZボーカル「テッサ・ソーター」の歌う「You Only Live Twice」を聴いて、その美貌と情感のこもった歌唱力で歌われるこの歌がすっかり好きになってしまった。ご存知、1967年公開のジェームズ・ボンド・シリーズ「007は二度死ぬ」の主題歌である。日本各地で撮影され、ボンド・カーとしてトヨタ2000GTや、若林映子、丹波哲郎、浜美枝などが出演した作品。

「♪  You only live twice or so it seems,
      One life for yourself and one for your dreams.
        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
        Make one dream come true, you only live twice. ♪」 
                          (作詞;Leslie Bricusse 作曲;John Barry)

今までJAZZとして聴いたことは無かったが、出だしの2行の歌詞に「あっ、いいなあ」と思ってしまった。成熟した女をうかがわせる美貌、彼女が歌うスタンダード、そしてポップの名曲。若さを生かしながら、華やかに歌うヴィーナスレコードのデビュー・アルバム「キー・ラーゴの夜」。ベイルート、NY、モスクワ、ロンドンなど世界各地のJAZZクラブで活動をする中で、フラメンコや中近東音楽がもつ情熱やソウルに影響を受け、バラードを最も得意とするようであるが、自然体で優しく素直でありながら、濃蜜な情感のこもった歌唱が、粋で心地よい。たぶん、今後大きく成長し、ヴィーナスの女性ボーカルの看板になるかもしれませんね。ちなみに、この歌は映画では「ナンシー・シナトラ」が歌っていましたね

キー・ラーゴの夜

テッサ・ソーター / ヴィーナスレコード


(この曲を歌っていたのは「テッサ・ソーター」。「ニコレッタ・セーケ」と勘違いしていました。ここに訂正いたします。)

この歌から発想した、爵士的解釈による「Live Twice」のトリビア的訳語集・・・・。

【変身!!】
古くは、バットマン、スパイダーマン、狼男、ウルトラマン、仮面ライダーなどへの「超人変身」願望。最近では、復活した必殺仕事人シリーズ、「藤田まこと」扮する「中村主水」 。はたまた、「特命係長・只野仁」あたりが、サラリーマンの変身願望か。さあ諸君!この世で果たせぬ恨みをどう晴らしましょうか ・・・。やはり選挙ですかね。

【二足のわらじ】
かっては、サラリーマンの「タブー、禁忌」のひとつであったが、今のご時勢、不景気、ワーキングシェアとやらで会社が兼業やアルバイト奨励をしている。そういえば、あまたのクリエーター、たとえば、小椋 佳、俵万智、楡周平 などはサラリーマンの傍ら感性を研ぎ、創作活動をしてたんですね。    
私の周りにも、ごく普通のサラリーマンですが、プライベートの別の世界では、知る人ぞ知る趣味人、玄人はだしの名人、達人たちが、何人もいました。家具作り、リモコン・ヨットの世界選手権出場、連珠の世界チャンピオン、絵、陶芸、写真の達人、ゴルフのシングルプレイヤー。イタリアまで歌いに行った声楽ファン。変わったところでは竹とんぼづくり、フライ作りの名人。彼らは「定年退職、待ってました」とばかり、ニコニコして再スタートをさっと切っていきましたね。定年後の人生を有意義に生きてゆく秘訣やヒントを教えられているような気がしますね。彼らを「面相」と名づけてもいいかもしれませんね。神童さんもその一人でしょう。

【ONとOFF】
前項とも関連しますが、サラリーマンは現役の時代に、「ONとOFF」をどう使い分けるか? これがあとあとのためにも結構大事なようです。ソニーの元会長「出井 伸之」氏のエッセイ「ONとOFF」を読むと、氏はその使い分けの達人であったことがよくわかります。「ONとOFF」の意味については、「あとがきにかえて」で出井氏自身がこう語っている。
「『裏番組』や趣味を持つ人は、ビジネス以外の話も面白く、幅広い視点をもっていますから、会社でも人が寄ってきますし発想力も豊かです。『OFF』での蓄積が、いつの間にか会社の仕事(『ON』の世界)にも環流して、『よい循環』が生み出されてゆく。」 と。
「ONとOFF」をスマートに使いこなし、颯爽とグローバル・ビジネスを推進していった当時の著者の姿は、ビジネスマンとして一種の憧れでもあった。

ONとOFF (新潮文庫)

出井 伸之 / 新潮社


【二重人格】
政治家、役者、タレントなど芸能人など厳しい競争社会のなかで、のし上がっていくためには、この種の人格を身に着けなくては決して一流にはなれないという。勿論「素(す)」と「役」を見事に使い分けるためにも。

【化けの皮がはがれる】
今まで上手に使い分けしてきた二つ以上の人格で、世間体の良いほうの一つが破綻すること。普通の人は皮2枚が精一杯であるが、何枚もの皮を被ることができる「魑魅魍魎」、「てだれ」の類が永田町、霞ヶ関界隈には住まうという。

【正体をなくす】
「正体を現す」と同義語である。外国人に、この日本語の意味を教える場合、もっともわかり易いテキストは、某・前財務金融相の記者会見VTRを見せることであろう。現役時代、あまた酒は飲んできたが、このような醜態だけはごめん蒙りたいものだった。ボンジョーレの国イタリアにとどまらず、欧州の昼食には酒がつきもの。とはいえ、昼食に酒をのんでも、午後は、きちっと仕事をこなすのがヨーロッパ・ビジネス社会では当たり前の流儀。多くの取り巻きをつれてチャーター機で出張し、五つ星ホテルのスイート・ルームに泊まっているんでしょう。単身、社益を背負って出張し、欧米流のタフネゴと渉りあうビジネスマンの気概を、少しは見習ったらどうですかねえ。

さて、こんな面白い映画がありましたね。「ニコラス・ケイジ」、「ジョン・トラボルタ」主演、「レッド・クリフ」の「ジョン・ウー」監督による「フェイス/オフ 」。
FBI捜査官のショーン・アーチャーは、逮捕した凶悪テロリスト、キャスター・トロイの顔を移植。組織壊滅をねらって、おとり捜査にのりだすが、今度はトロイが彼の顔を移植して逃走。お互いの顔を入れ替えた2人は、再び対決する。 さあ、どうなる・・・。やや荒唐無稽であるが、ジョン・ウー映画おなじみの白いハトが舞い、ダンスのような華麗な二丁拳銃の銃撃戦、ド派手なアクションの連続の本当に面白い第一級のエンターテイメント。

フェイス/オフ [DVD]


 

活きのいいのが取り柄・・・  ~ビ・バップの新しき系譜~

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最近、このブログは、ピアノを中心としたヨーロッパ・ジャズについて書きついできた。いくらボージョレ・ヌーヴォーの季節とはいえ、甘いワインばかり続くと、読者もいささか食傷気味になったのでは無いだろうか。そこで、内向きになった精神に活を入れるというか、JAZZが本来的にもっているポジティブな面、お祭り的な明るさを楽しむために、たまったストレスをぶっ飛ばすために、かってMJQ(マンハッタン・ジャズ・クインテット)以来、最近あまり新しいスターが出ていないが、現代に生きる「痛快ハード・バップ・グループ」を紹介したいとおもう。
というのも、私は、週一のペースでトレーニング・ジムへ通っているが、そのときのヘッドホンで流すBGMは、いくらヨーロッパ・ジャズが好きな私といえども、ラテン・ジャズ、フュージョン、ハードバップ、ファンクなどホーン・セクションが吼えまくるバンドを聴くのに限ると思っています。筋トレやウォーキングをしながら、「北欧の詩情が・・・」、「哀愁きわまるピアノの音色が・・・」といっても、これはやはり気分が高揚せず、筋違いや肉離れを起こしかねません。

「ハイ・ファイブ/High Five」。名門ブルーノートが満を持して放つ、イタリア発の新世代JAZZ集団。イタリアを代表する二人のホーン奏者、ファブリッツィオ・ボッソ(トランペット、フリューゲル・ホーン)とダニエル・スカナピエコ(テナー・サックス)が率いる5人組。2002年にハイ・ファイブ・クインテットを結成以来、瑞々しくキレのある演奏で瞬く間に評判になり、今回ブルーノートからのメジャーデビューとなった。ファブリッツィオ・ボッソについてはこのブログでも一度取り上げたことがありますね。(「いにしえのトランペッター ~夏が来れば思い出す・・~」参照)彼がリーダーというからには、きっと期待できるというもの・・・。最高のプレイヤー二人が繰り広げる2管のアンサンブルによる哀愁のメロディと熱いソロ。まさに、胸のすくような痛快な演奏である。
最近は少なくなったとはいえ、このグループは、まちがいなくビバップの系譜に連なるグループといえるだろう。サポートする他のメンバーは、ルカ・マヌッツァ(piano)、ピエトロ・チャンカリーニ(double bass)、ロレンツォ・ツゥッチ(drum)の一騎当千のつわもの達。これもまたあたらしいヨーロッパ・ジャズの幕開けか・・・。

ファイヴ・フォー・ファン(6ヵ月限定スペシャル・プライス)
ハイ・ファイヴ / / EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
ISBN : B001G6RBN6
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注目のきっかけとなったのが「Jazz Desire」。ほとばしる若さ、才気がまぶしいくらい。

Jazz Desire
ハイ・ファイブ・クインテット / / stride
ISBN : B000BV7WLI
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「One For All/ワン・フォー・オール」。時によってメンバーが入れ替わるが、エリック・アレキサンダー率いる、3管フロント・バンド。まさに「ビ・バップ」を継ぐ正統派コンボで、現代版「ジャズ・メッセンジャーズ」といっていい。最初のおすすめアルバムは「危険な関係のブルース/No Probrem」。
アルバム冒頭の曲は「Our Father Who Was Art Blakey」で、「アート・ブレーキー」へのトリビュート・アルバムであることがすぐ察せられる。エリック・アレキサンダー(ts)、ジム・ロトンディ(tp)、スティーブ・デイヴィス(tb)のフロント三管編成で、「ジャズ・メッセンジャーズ」の十八番、「危険な関係のブルース」、「モーニン」、「ウィスパー・ノット」、「Ugetsu」などの我々団塊の世代ジャズ・ファンが心のどこかで待ち望んでいたプレイが続く。2003年に録音されたアルバムなのに、我々が若かった時代、モダン・ジャズ黄金期のなつかしい香りが全編に横溢する。
デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)、レイ・ヂラモンド(b)、ジョー・ファンズワース(ds)を加えての6人によるセクステット「One For All」のヴィーナス・レコード第二弾。

危険な関係のブルース
ワン・フォー・オール / / ヴィーナス・レコード
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「ワン・フォー・オール」の企画は、オールド・ジャズ・ファンの心をくすぐることにかけては、素晴らしい企画力を発揮する「ヴィーナス・レコード」の発案。80年代に大ヒットし、今でも人気の高い「マンハッタン・ジャズ・クインテット」の2番煎じのような気がしないわけでもないが、痛快さ、快調さこの上ない見事なプレイが、そんなわだかまりを一気に吹っ飛ばしてくれる「キラー・ジョー」。三管は同じく、エリック・アレキサンダー(ts)、ジム・ロトンディ(tp)、スティーブ・デイヴィス(tb)の3人。サポートはDavid Hazeltine(p)、ベースは代わって David Williams(b)、 Joe Farnsworth(ds)の3人。
ベニー・ゴルソン作の名曲、「キラー・ジョー」をはじめ、「クリフォードの思い出」、その昔の名曲のストレート・アヘッドなプレイは、まさに現代版「ジャズ・メッセンジャーズ」の異名に恥じない。

キラー・ジョー
ワン・フォー・オール / / ヴィーナス・レコード
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丘の上の輝く街  ~米国大統領選~

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「CHANGE!」をスローガンに、「建国者たちが「丘の上の輝く街」と表現した米国の理想を、世界にもう一度示そう」と訴えたオバマ候補が大統領選に勝利した。冷戦終結以降、戦争も、富も、自由も、民主主義も世界のすべての大義と正義はアメリカにあるというアメリカ一極主義。そのおごりがもたらした1兆ドルを超える戦費と四千数百人の若者の戦死者、戦費と同じ額のサブプライムへの公的資金投入。ブッシュ政治が終焉を迎えた日でもあった。

オバマになったからといって、直面する戦争、経済危機がすぐに好転するわけではない。むしろこれからの悪化にどれだけ歯止めがかかるかといった程度であろう。世界はアメリカの掲げた傲慢とも思える価値観に無批判に従うことの愚かさと危険さを悟ったここ一年でもあった。これから欧州、アジア、ロシアを含めた多極化へ向かうのか、スーパーパワーを失って無極化へ向かうのか、不透明で不安定な時代が始まった。世代や人種間の溝を乗り越えて、米国の希望と理想を取り戻せるのか?そして次には、日本人の選択が試される番だ。

それにしても、オバマの演説の巧みさ、内容・格調の高さ、言葉の分かりやすさと強さ。日本の政治家と比べると雲泥の差・・・・・。

オバマのニュースを見ながら20数年ほど前に見た、ある一本の映画を思い出した。「史上最強のボクサー/ジャック・ジョンソン」。黒人初の世界ヘビー級チャンピオンとなった、ジャック・ジョンソンの語った言葉で、その数奇な生涯を描いたドキュメンタリー映画であった。1908年にトミー・バーンズからヘビー級王座を奪い、1915年にジェス・ウィラードに敗れるまで「史上最強のボクサー」として君臨した「ジャック・ジョンソン」。

黒人差別がひどかった時代に、その圧倒的な強さや、白人の美女と結婚、そのど派手な生活のため、彼に対する白人の憎悪は想像を絶するものであった。白人で彼にかなう選手はおらず、やっとのことで「白人の希望」として担ぎ出されたジェームズ・ジェフリーも簡単にKOされる始末。かくしてジャック・ジョンソンは白人にとって不倶戴天の敵となったのだ。あまりの強さに、黒人と白人の試合を禁止する州が増えたという。そして、黒人差別を正当化する法律まででき、それによって有罪となったため、ジョンソンはヨーロッパに逃亡せざるを得なくなった。そこで彼は、第一次世界大戦、ロシア革命などに遭遇し、20世紀初頭の歴史の目撃者になるのだが・・・・。
米国への帰国を条件に、1915年炎天下のキューバのハバナで白人ジェス・ウィラードの挑戦をうける。45ラウンド戦の26ラウンド目にKO負けすると白人達は狂喜乱舞した。後年この試合は八百長だったと語ったが真偽は定かではない。その後、コメディアンや映画出演などもしたが、1946年スポーツカーで大木にぶつかって死亡。68歳であった。

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JACK JOHNSON
製作年度: 1971年
別題: 史上最強のボクサー/ジャック・ジョンソン
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 88分
監督:ウィリアム・ケートン
主な出演者:ジャック・ジョンソン/トミー・バーンズ/ジャック・デンプシー

残念ながら現在ビデオは絶版になっている。

白人美女をはべらせながら、最高級の葉巻とシャンパンを口にし、7フィートもある自慢のダブルベースでJAZZを爪弾いたともいわれるジャック・ジョンソン。

映画の音楽では、あの「マイルス・デイヴィス」の演奏が使われた。
アルバム「ビッチェズ・ブリュー」で70年代ジャズの方向に大きな衝撃をあたえたマイルスのその延長にあるまさにロック音楽そのもの。「お望みなら、世界最高のロック・バンドを組んでみせるぜ」と豪語し、有言実行した問題作。特にロックギタリスト、ジョン・マクラフリンの参加は、話題を呼び、マイルスをして、「ギターとベースを聴いてくれ」と言わしめたほどの完成度が高いアルバムになっている。映画のサウンドトラックといっても、映画用にレコーディングしたものではなく、すでにレコーディングされていたセッションの音源を「テオ・マセロ」が映画用に編集したものである。

ジャック・ジョンソン
マイルス・デイヴィス / / ソニーレコード
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マーチン・ルーサー・キング牧師が20万人の大群衆を前に「私には夢がある」と演説してから45年がたった。そしてその夢は、かなった・・・。

【追記】
・その他のJ.ジョンソンの映画には、彼の半生をモデルにして、ブロードウェイで大ヒットを記録し、数々の賞に輝いた傑作舞台劇「偉大なる白人の希望(The Great White Hope) 」を映画化した「ボクサー (1970年製作)」がある。主演: ジェームズ・アール・ジョーンズ、 監督: マーチン・リット。これも面白かったですね。
・さらに、2005年には映画作家のケン・バーンズが2部からなるドキュメンタリー「Unforgivable Blackness:The Rise and Fall of Jack Johnson」を製作した。残念ながら、これは観ていません。

ジュリーの窮状、日本の窮状

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「ジュリー」、本名は「沢田研二」。いわずと知れた1960年代後半のGS全盛時代の「ザ・タイガース」のボーカル。その後ソロとしても活躍、1980年代にかけて、ステージセット、衣装、化粧を含むすべてを歌の要素とした、斬新なビジュアルと独特のストーリー性の高い楽曲群で20年間に渡り、第一線で活躍し、日本の音楽界に影響を与えたビジュアル系の元祖。その、沢田研二は1948年生まれ、今年還暦を迎えた団塊世代。歌手としての、彼のステージは見ることはなかったが、役者としての舞台、藤山直美との喜劇仕立ての芝居は何回か観たことがある。

2002年自主レコードレーベルとなる「JULIE LABEL」を設立し、以降毎年ライブツアーを重ね、新作アルバムを出しているという。そんな彼の活動を知ることはなかったが、最近の朝日新聞の記事に目がとまった。

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麗しの国 日本に生まれ 誇りも感じているが/忌まわしい時代に 遡るのは賢明じゃない/英霊の涙に変えて 授かった宝だ/この窮状 救うために 声なき声よ集え

変わらぬ艶のある声 バラード風の歌は自身の作詞だ。 (中略) 題は「我が窮状」。
耳で聞けば、「このキュウジョウ救うために」となる。まぎれもない憲法9条賛歌だ。なぜ今?
「60歳になったら、言いたいことをコソッと言うのもいいかな、と。いま憲法は、改憲の動きの前でまさに『窮状』にあるでしょう。言葉に出さないが9条を守りたいと願っている人たちに、私も同じ願いですよというサインを送りたい」  (後略)     9月13日朝日新聞より
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今年リリースしたアルバム、「ROCK’N ROLL MARCH」の9番目の曲がこの「我が窮状」だそうだ。6月に60歳を迎えたまさに団塊の世代の彼が、こんな歌を歌う? 早速聴いてみた。朗々たるバラードである。

GS全盛当時は、吹き荒れる学園闘争とは無縁で「君だけに~」などと歌っていたし、むしろフォークソングやロックが学生運動と強く結びついていった背景があるので、ポリティカルなものとは無縁であろうと思い込んでいたが、そうではなかった。やはり、声高ではないが、年輪を積み重ね、人生を、時代を、愛を、平和を歌い願う、団塊世代の等身大の歌手が、そこに見事に存在していた。「ジュリー」と呼ばれた男の60歳の到達点。

ROCK’N ROLL MARCH
沢田研二 / / インディーズ・メーカー
ISBN : B0017LF7AO
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NYのグランド・ゼロは7周年を迎え、アメリカが始めた戦争は泥沼化、難癖をつけ決して核を手放そうとしない国の独裁者の健康の懸念があるとTVは報じ、わが国は、国のあり様を定めることも出来ずに、2代続けて政権を投げ出した政党の総裁選び、総理大臣選びの祭りをメディアはこぞって報じる。汚染米、年金、医療、老後など国民の命に直結する問題を解決できないまま、官僚も大臣も自分たちには責任はないと嘯く。外国の脅威、安全保障や憲法論議などをする以前に、グローバルエコノミーの変化に立ちすくみ、無策の政治が、金儲けのためなら国民の命も引き換えにする拝金経営者たちが、内側から国を滅ぼしていくかもしれない。我々は自分たちを誰からどう守っていったらいいのだろうか?・・・ まさに、「国民の窮状」。

そして、仙台で定禅寺ストリートジャズフェスティバルが始まったとTVは伝え、泉州岸和田でだんじり祭りが始まったと新聞は報じる。平和な平和な日本で祭りの秋が、フェスティバルの季節が始まった・・・・・。

男唄に男が惚れて(5)  ~バルー、サルバドール、セグンド 人生の達人たち~

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たった一枚のCD、そのCDにミュージシャンが年を重ねてたどり着いた境地が凝縮されているが故に、人をとりこにしてしまう、そんなCDがあります。私の場合、「ピエール・バルー」、「アンリ・サルバドール」、「コンパイ・セグンド」などがそうであった。この3人については、すでにバラバラにこのブログにとりあげているが、この「男唄に・・・」の最終回に取り上げるにあたって、あらためて要約し、再掲することにしました。

「ピエール・バルー」。1934年パリ生まれ。クロード・ルルーシュ監督の映画「男と女」で、「アヌーク・エーメ」の夫役で(実生活でも実際に結婚したのだが)、劇中、ダバダバダ・・・で始まる有名なあのテーマ曲を歌っている歌手兼俳優といえばご存知であろう。当時初めて聴いたボサノバ、その新鮮な衝撃は今でも憶えている。それほど魅かれながらも、その後何故かあまりバルーの歌を聴くことはなかった。

その「ピエール・バルー」の新作が昨年発売された。そのアルバム・タイトルは「ダルトニアン(色覚異常者)」。実は私も「ダルトニアン」。小中学校のころの色覚検査で、いつでも引っ掛かっていた。実生活で特に不自由はなかったが、色覚検査表では、他人には見えるものが私には見えず、他人に見えないものが私には見えるので、自分でもいつも不思議に思っていた。
「色覚異常だから、肌の色で人種差別はしない」と語った彼の言葉に、強く惹かれて買ったこのCDには、9年間の間にポツポツと作り溜めた曲が17曲収められ、しかも録音はパリ/ヴァンデ/東京で1999年から2006年まで7年かかって、1枚の作品として完成させたという。統一的なテーマは特にないらしいが、73歳になる老境を迎えたバルーが、自らの過去を追想する曲が多く盛り込まれている。
「冬、深夜、街」などをモティーフにした愛のバラード「夜更けに」。現在の夫人に捧げたジョビンの名作「コルコヴァード」の仏語カヴァー、愛し合う男女でも同じ経験への記憶がまったく違うことを唄った「記憶」。彼の生き方をタイトルとして表わした「ダルトニアン」。敬愛するビリー・ホリディが唄ったJAZZスタンダード「ケアレス・ラブ」に自身が仏語詩をつけ、ホリディに捧げた「ビリー」。チャップリンの「モダンタイムズ」からの「ティティナ」、そして自身のカバー「ラスト・チャンス・キャバレー」。たしかに統一したテーマはないが、自分の歩んできた人生をいとおしむかのように歌う唄の数々。訳詩を見ながら、こんな唄が歌える彼の境地に共感し、うらやましくさえ思ってしまった。やはり、彼の人生にもストーリーがあったんだ。17篇の珠玉の彼の人生がつまった最新アルバム、そして少年のような目を持つ73歳のピエール・バルーの男唄にすっかり惚れてしまった。

「私は散歩者。世界中を漂い、歌で物語をつむぐ」と語るバルー・・・・・。

ダルトニアン(DVD付)
ピエール・バルー / / オーマガトキ
ISBN : B000R5OQA8
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「アンリ・サルバドール」。1917年南米フランス領ギアナ、カイエンヌ生まれ。パリで音楽活動を続け、レジオン・ド・ヌール勲章受賞、日本で言えば、三波春夫か北島三郎のような存在だという。2008年2月13日、動脈瘤破裂のためパリの自宅で死去。90歳。そのことを知らずに、ジャケットの「伊達男ぶり」に惚れて、ついCD「サルバドールからの手紙」を買ってしまったが、この「手紙」がまさに彼の遺書となってしまった。
このアルバムが日本で発売された2001年時点で、彼は当時84歳だというからおどろきである。すべて未発表曲13曲で構成されているが、「ボクは昨日生まれ、今日生き、明日死ぬ」というポリネシアのことわざを大事に守って84年間生きてきた彼の一つの到達点、境地を示している。そのことは、「こもれびの庭に」、「眺めのいい部屋」、「人生という名の旅」、「毎日が日曜日」、「生きてるだけじゃ駄目なんだ」・・・・などの収録された曲のタイトルをみても強く感じることが出来る。私はフランス語は分からないので、訳詩に頼るしかその意味は理解できないのだが、一度聴いたら忘れがたい、深くて、渋い「男」の声によって語られる「人生の物語」である。

サルヴァドールからの手紙
アンリ・サルヴァドール / / EMIミュージック・ジャパン
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JAZZギタリストでもある、「ライ・クーダー」が、キューバ音楽の伝説的なアーティストたちをドキュメンタリー映画としてまとめた「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」をみたのは、ヨーロッパからシカゴに向かう大西洋上の機内であった。この映画は、1932年ハバナに設立され、かってアメリカ資本が華やかなりし頃全盛期を迎えた、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」で活躍したミュージシャンたちと、今はもうすっかり老いてしまったが、150年の歴史のある「ソン」という音楽を、その後のキューバ革命の荒波をくぐってを守り続けてきたことを描いたドキュメンタリーである。帰国するなり、すぐCDを手に入れるほど魅せられたドキュメンタリー。革命の嵐を超え、自分たちの音楽を守り抜いてきた誇りと矜持に支えられ今でも現役のミュージシャンであり続ける伝説の老ミュージシャンたち。主役は89歳になるという「コンバイ・セグンド」。老いてはいるが、輝きを失っていないその魅力的な表情と歌の力。ここにも、かくありたいと思う「老い」の一つの到達点を見た思いがする。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
ライ・クーダー&キューバン・ミュージシャンズ エリアデス・オチョア イブライム・フェレール コンパイ・セグンド ライ・クーダー マヌエル“プンティリータ”リセア ルベン・ゴンザレス / ワーナーミュージック・ジャパン
ISBN : B00005HGVA
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・・・ せめて生きたや 仁吉のように・・・・・。  (作詞;佐藤惣之助/人生劇場)



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