JAZZYな生活

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もしもピアノが弾けたなら(7)   ~ マンハッタンの哀愁(2) ~

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(写真はハーレムにあるアポロ・シアター。 同HPより)

都会的で、一番NYらしいなあと私が感ずる、JAZZピアノ・トリオの一方の旗頭が、前回紹介の「ニューヨーク・トリオ」である。そして、ハーレムのブルース、黒人音楽の感触を色濃く残しながら、今のNYに生きるソウルフルなJAZZピアノ・トリオのもう一方の旗頭は、「ジュニア・マンス・トリオ」であろう。「ジュニア」と呼ばれたのは父親もピアニストだったためで、1928年イリノイ州エヴァンストン生まれ。たしか、「綾戸智恵」がニューヨークで暮らしていたとき、彼と親交があり、一緒に音楽活動もしたこともあったらしく、帰国してから彼が有名なJAZZピアニストであることを初めて知ったと語っていたことを思い出した。

「ジュニア・マンス/ソウル・アイズ」。マル・ウォルドロンのタイトル曲をはじめ、ブルースの名曲「ストーミー・マンデイ」などスタンダードをブルージーに、それでいて都会的感覚に満ちたいぶし銀のような演奏で聴かせる佳品。

ソウル・アイズ
ジュニア・マンス・トリオ / / エム アンド アイ カンパニー
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また、都会的で叙情的で、今のコンテポラリーなNYを感じさせ、彼の別の一面を観る思いのアルバムは、「ジュニア・マンス・トリオ+1/イエスタデイズ」。私のお気に入りの歌で、「What are you doing the rest of your life ?」も心に染み入る演奏。「エリック・アレキサンダー」のサックスが泣かせる。(「60歳過ぎたら聴きたい歌(1) ~What are you doing the rest of your life ?~ 」参照)

イエスタデイズ
ジュニア・マンス・トリオ+1 / / エムアンドアイカンパニー
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弱肉強食、勝者の論理が支配する冷血なビジネスのための都会が一転して、夜に見せる哀愁や優しさ、熾烈な昼間のビジネスを終えたビジネスマンやエグゼクティヴたちが夜に憩うJAZZクラブやレストラン。そんな彼らのBGMにふさわしいJAZZにもまたピアノトリオが似合うのである。しかし、彼らはJAZZには耳が肥えているので、決してイージーな演奏では納得しない。おのずから一定のレベルを要求されるし、その要求にこたえられる店やプレイヤーたちだけが生き残っていけるという。やはり「オン」でも「オフ」でもNYは、JAZZがよく似合う街であった。

そんなクラブやレストランでの雰囲気を一番よく伝えるピアノ・トリオが「マンハッタン・トリニティ」。スタンダード曲をアルバム・タイトルにした2枚、「シャレード」、「ラヴ・レターズ」をあげておこう。決してイージーな演奏ではない最高のBGMといっておこうか、主張しすぎない軽やかな演奏が耳と心に心地良い。印象派風のジャケットもいい雰囲気である。

シャレード
マンハッタン・トリニティ / / エム アンド アイ カンパニー
ISBN : B000AHQFM0
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ラヴ・レターズ
マンハッタン・トリニティ / エムアンドアイカンパニー
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閑話休題

【アポロ・シアター】 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋

アポロ・シアター(Apollo Theater、アポロ劇場)は、ポピュラー音楽においてアメリカ合衆国で最も著名なクラブの一つであり、アフリカ系アメリカ人(黒人)のミュージシャンやアーティスト専用ともいえるほど関わりの深い有名なクラブである。ニューヨーク市内の黒人居住地区「ハーレム」の125番街に位置し、毎年130万人が訪れるニューヨークの観光名所の一つとなっている。

1934年に黒人のエンターテイナーを雇うニューヨークで唯一の劇場としてオープンし、黒人文化の象徴的存在となった。1934年以来、アマチュアの歌手やダンサーが出演する人気イベント「アマチュアナイト」が行われている。プロへの登竜門といわれ、エラ・フィッツジェラルド、ビリー・ホリデイ、ジェームス・ブラウン、ダイアナ・ロス、マーヴィン・ゲイ、ジャクソン5、スティーヴィー・ワンダー、アレサ・フランクリン、ベン・E・キング、ローリン・ヒル、サラ・ヴォーンなど多くのスターを輩出してきた。

私がかってNYを訪れたとき、アポロ・シアターで「B・B・キング」がコンサートをやっていたが、日程等の関係で観れずに、悔しい思いをしたことがある。今年、和田アキ子がアポロに出演するという。これは凄いことですよ!確か彼女のデビューは1960年代後半で、「ボーイ・アンド・ガール」という、ソウル色、R&B色の濃い歌で、これはすごい新人が出てきたと、大学時代よく通っていたB軒のマスターから教えられた。
しかし、彼女の公式プロフィールには、1968年10月25日、「星空の孤独/cw never say never」でレコード・デビューとある。う~~~ん、私の記憶ではその1、2年前に、「ボーイ・アンド・ガール」がデビュー曲だったような記憶。 きっとホリプロからのメジャー・デビュー前のインディ系からのリリース・シングル?だったかも知れない。 その後彼女は、R&B色が薄れ歌謡曲に流れていったのは私としては残念。もう大御所になった今、原点のR&Bを今一度と思うのは私だけではあるまい。

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もしもピアノが弾けたなら(6)   ~ マンハッタンの哀愁(1) ~

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ピアノを発明してくれたイタリアに敬意を払って、JAZZピアノの旅をイタリアから始めましたが、やはり「JAZZ」といえばニューヨークははずせません。
初めて訪れたニューヨーク、イースト・リバーをはさんで、対岸のブルックリンのレストランから見たマンハッタンの夜景、本当に息を呑むほどに美しかった。パーラメント・ブルーの夜の闇と、きらめくスカイクレーパー(超高層ビル)の明り、それをゆらゆらと映し出す川面、何度となく映画で見ていた憧れの光景が現実となったが、きらびやかな中に哀愁すら感じるその絶景はいつまで見ていても飽きることはなかった。
初めて訪れたJAZZクラブは、このとき「ハンク・ジョーンズ」を初めて聴いた、今はもうない「Fat Tuesday」であった。(「ハンク・ジョーンズの思い出~初めてのニューヨーク」参照)
1ドリンク付のテーブルで、確か40ドルぐらいであったか、その想い出に残る雰囲気は、ピアノ・トリオではないが「ケニー・バロン」の白熱のライブ盤にとって偲ぶしかない。

ライブ・アット・ファット・チューズデイ(紙ジャケット仕様)
ケニー・バロン / / Ward Records
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アメリカの中でも独特の雰囲気とカルチャーを持つ街「ニューヨーク・シティ」。西海岸の連中に言わせると「NYは仕事中毒のCrazy City」というし、NYの連中は、「LAは1年中、Tシャツと短パンしか着ないCrazy City」というが、あのNYの雰囲気と夜景は、決して西海岸では味わえないもの。そのNYの雰囲気を最もよく伝えるアルバムは、「チャーリー・ヘイデン(b)」 と「ケニー・バロン (p)」のデュオの名盤「ナイト・イン・ザ・シティ」。ブロードウェイのクラブ「イリジウム」でのライブ盤である。NYへのチャーリーの想いが溢れ、聴いているだけでマンハッタンの夜景が目の前に現れてくるような、そしてそこで暮らす人間の営みに想いが馳せるようなすばらしいアルバム。とにかくバロンの宝石のようなピアノのタッチに魅了される。ベースとピアノ。この最小限の編成になるユニットから紡ぎ出される音には、不必要な音やフレーズは一つもない。夜ふけに静かに耳を傾け、静かな緊張感と都市のもつ哀愁に浸るには最高の音楽である。(アルバムタイトル原題は「Night And The City」でニュアンスが少し違うのだが・・・・・)

ナイト・イン・ザ・シティ
チャーリー・ヘイデン ケニー・バロン / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00005FKHX
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そして、都会性と哀愁を、ピアノのタッチに込めて歌うことができる私の贔屓のピアノ・トリオの一つは、「ビル・チャーラップ」率いるニューヨーク・トリオ。トリオを組むのは、ベースのジェイ・レオンハートとドラムのビル・スチュアート、当代きっての手ダレ。アメリカ出張時の飛行機の中で、何回となく聴いたNYトリオのアルバムは「過ぎし夏の想い出」。ニューヨークの粋さ、洗練されたモダニズム、都会性、哀愁、詩情が横溢する、まさにニューヨークJAZZ。

過ぎし夏の想い出
ニューヨーク・トリオ ビル・チャーラップ ジェイ・レオンハート ビル・スチュアート / ヴィーナスレコード
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そしてチャーラップのピアノはスタンダード・ソング、いわゆる「歌」ものの解釈が抜群である。「過ぎし夏の想い出」の「いそしぎ」、「モナリザ」、次にあげるアルバム「星へのきざはし」の「煙りが目にしみる」や「ザ・マン・アイ・ラブ」 に溢れる詩情はどうだろう。奏でる一音一音が、歌の情景を脳裏に描き出してくれるといったらほめすぎだろうか・・・。

星へのきざはし
ニューヨーク・トリオ / ヴィーナスレコード
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この歌心は当然ながらチャーラップ一人によるものではなく、他の二人、特にベースの「ジェイ・レオンハート」の技に依るところが大きい。そしてNYトリオの極めつけの「歌もの」として、コール・ポーター作品集「ビギン・ザ・ビギン~コール・ポーターに捧ぐ」があげられよう。三曲目の「ソー・イン・ラブ」のせつなさ、甘さ。NYトリオ演奏のこの曲は「ジーン・デノヴィ」、「ロマンチック・ジャズ・トリオ」の演奏版とならんで、我が愛聴盤ともなっている。

ビギン・ザ・ビギン~コール・ポーターに捧ぐ
ニューヨーク・トリオ / / ヴィーナス・レコード
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ニューヨーク。弱肉強食の論理が優先する、暮らしていくには厳しい街であるが、JAZZやモダンアートにあふれた、もう一度行ってみたいと思わせる魅力に満ちた街でもある。

もしもピアノが弾けたなら(5)   ~ イタリア式恋愛術(2) ~

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(斜塔をふくむピサの大聖堂)

さらに甘い甘いピアノ・トリオはないかというお尋ねをいただきましたが、勿論ありますよ。「ダニーロ・レア・トリオ/Danilo Rea Trio」。ニニ・ロッソ(なつかしい~~!)の来日時のバンドのピアニストを務めたというから、その甘さは期待できますね。その「ダニーロ・レア」のリーダー・アルバムで、「カタリ・カタリ」、 「サンタ・ルチア」 、「帰れソレントへ」などのナポリ民謡やイタリアの美しいラブ・ソングを集めたアルバム「Romantica」がまずオススメ。ラテン系であるイタリア音楽の持っている情熱と哀愁がひしひしとつたわってくるようなエモーショナルな演奏を堪能できる一枚。アルバム最後の曲は、なつかしのトランペッター、ニニ・ロッソへのオマージュ「夜空のトランペット」で、抒情あふれる見事なJAZZで締めくくられる。

ロマンティカ
ダニーロ・レア・トリオ / / ヴィーナス・レコード
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そして、フィラデルフィア出身でアメリカで活躍しているが、名前からして「ムンムン・ムキムキ」のれっきとしたイタリア男のDNAを持つ「ジョン・ディ・マルチーノ」率いる「ロマンティック・ジャズ・トリオ」。それにしても「ロマンティック・ジャズ・トリオ」とは、なんというバンド名だろうか。「くさあ~~~ぁ!」という声が聞こえてきそう。しかし、中身はちっともくさくないのだ。大変甘いのだ。「ジョン・ディ・マルチーノ」は、シモーネのピアニスト兼アレンジャーで、彼女のアルバムのバックも勤め、その甘さはすでに折り紙付きである。(「第7回 秘密の花園」参照) 

次におすすめする2枚のCDは、いずれも人気があり、よく知られている、いわゆる「いい曲ばかり」を中心に集め、やはりラテン男のDNAが呼ぶのか、日本人好みの哀愁漂うラテンの名曲などを混ぜ、スウィート&スウィート、そしてちょっぴりビターなアルバムに仕立て、美しい演奏で我々を魅了くれる。

このJAZZは、肩肘張らずに、恋人と過ごす時間や、日々の生活の傍らにおいて、時折甘さが必要なときに楽しむべきJAZZアルバムといえるかもしれない。とはいうものの決してイージーに軽く流している演奏ではない。イタリア男が、真剣に「イタリア的甘さ」と取り組んだまともなJAZZアルバムである。「これからJAZZピアノでも・・・」という人には、間違いなくおすすめできる、私も愛聴しているアルバムである。

甘き調べ(紙)
ロマンティック・ジャズ・トリオ / / ヴィーナス・レコード
ISBN : B00078RQDE
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ソー・イン・ラブ(紙ジャケット仕様)
ロマンティック・ジャズ・トリオ / / ヴィーナス・レコード
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前回とこの回で紹介したうちアルバムのほとんどが、ヴィーナス・レコードよりリリースされている。思わずジャケ買いをさせてしまうオヤジ好みの過激なジャケットといい、オヤジ好みの曲目選びといい、オヤジ好みの演奏の甘さ加減といい、ほとほとヴィーナス・レコードのマーケティングのうまさには感心しますね。

ただし、これらのアルバムを決して一度に全部聴かないように注意してください。間違いなくJAZZ的糖尿病になりますよ!

そして、とどめのデザートは、ビターな隠し味が効いた、ジョヴァンニ・ヴェロネージ監督の映画「イタリア的、恋愛マニュアル」を味わってみたらどうでしょうか。
世代が変われども誰もが経験するであろう愛の姿を、4組のカップルによる4章仕立てのオムニバス形式で爽やかに描く大人のロマンティック・ラブストーリー。甘い恋の中に潜む人生の真実のほろ苦さ、そんな人生の哀歓を綴った4つのエピソード。この映画は2005年のイタリア映画祭で上映されたが、そのイタリア映画祭は、今年も有楽町でゴールデン・ウイークに開催されるという。

イタリア的、恋愛マニュアル
/ Happinet(SB)(D)
ISBN : B000ZFTMYA
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もしもピアノが弾けたなら(4)   ~ イタリア式恋愛術(1) ~

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(フィレンツエの丘からの眺め)

イタリアでピアノが発明されたから、今年で丁度300周年なんだそうだ。それを記念して、「もしもピアノが弾けたなら ~JAZZピアノの旅」を、まずは、北欧JAZZについで今日本で熱いといわれているイタリアン・ジャズ、イタリアン・ジェラードよりも、あまいかも知れないイタリアン・ジャズから始めようと思う。

かって映画少年だった頃、早熟にも恋愛映画は、イタリア映画かフランス映画だと決めていた。意味もよく分かっていないのに、「フェデリコ・フェリーニ」の「甘い生活」や、主演のマストロヤンニなどについて、浅薄な能書きをたれていたようにも思う。たぶん退廃の真の意味などまるでわかっていなかったのに。しかし、アニタ・エクバーグのあの圧倒されるグラマラスな肢体と、有名なトレビの泉のシーンは克明に覚えている。「刑事」、「二人の女」、「鉄道員」、「山猫」、「イタリア式離婚協奏曲」、「ひまわり」・・・・・あまたのイタリア映画に人生を教えてもらったような気がする。そのイタリア映画にオマージュとして捧げたピアノ・トリオのアルバムがある。

「アンドレア・パガーニ・トリオ Andrea Pagani Trio/イタリア物語」。
イタリア・ローマ生まれ。我が国でも今注目のジャズ・ピアニストのひとりで、現在35歳。『イタリア物語』は、おなじみの名画『甘い生活」』『ゴッドファーザー』『海の上のピアニスト』~『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『刑事』『旅情』からのナンバーを中心に12曲を収録。彼のイタリア(人)映画に寄せる想いが溢れた素晴らしい演奏を聞かせてくれる。ジャズ・アレンジを施したイタリア国歌「イタリアン・ブラザーズ(Fratelli D’Italia)」の史上初演奏も注目。甘くて華麗な演奏は、かって見たイタリア映画の名場面とイタリアで見た数々の名所旧跡を偲ばせる。

イタリア物語
アンドレア・パガーニ・トリオ / / ポニーキャニオン
ISBN : B000VC0AB6
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私が知ったかぶりをして能書きをたれていた映画「甘い生活」の原題は、「La Dolce Vita」、フィレンツエに同名のJAZZクラブがあるというので訪ねてみたが、若者がたむろし、ただうるさいだけのクラブで、早々に退散した。

甘い生活 デジタルニューマスター版
/ 東北新社
ISBN : B0009J8KAO
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さて、本題に入りましょう。モテモテのイタリア男のアルバムから、サブタイトル「イタリア式恋愛術」にふさわしい恋・愛をテーマにしたアルバムを選んで見ました。
ヨーロッパ期待のイケメン・ピアニスト、現在35歳の「ステファノ・ボラーニ」。2002年10月に発売されるやいなや話題となったのが、日本デビュー盤「ヴォラーレ」。それに続くヴィーナスレコード第5弾のアルバムが、「恋の気分で」で、スタンダード曲を中心に構成。1999年にジャンゴ・ラインハルト賞を受賞したというだけあって、そのイケメンぶりだけではなく、十分な実力も備え、ヨーロッパでは相当な人気を集めているという。演奏は、2曲目「Cheek To Cheek」に代表されるように、スインギーなリズムの流れの中で奔放ともいえる自由自在なアドリブを展開する。一転3曲目の表題曲「I’m In The Mood For Love」では、かわいらしく弾むような、甘くて小粋なピアノを聴かせる。

恋の気分で
ステファノ・ボラーニ・トリオ / / ヴィーナス・レコード
ISBN : B000NA6O5C
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そして、彼のイケメン振りを確かめたければ、第2弾のアルバム「黒と褐色の幻想」のジャケットを見てください。第1弾「ヴォラーレ」がイタリアン・ソングを集めたのに対し、アメリカン・スタンダード中心のアルバムであるが、そこにたぎるラテンの情熱は隠しようがない。

黒と褐色の幻想(紙ジャケット仕様)
ステファノ・ボラーニ・トリオ / / ヴィーナスレコード
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もともと歌手になることを夢見てピアノを始めたというステファノ・ボラーニ自身が「口説き歌?」を歌っているアルバムがあります。「けれど恋は」。「ヒアズ・トウ・ライフ」、「アリベデルチ」や「ほほにかかる涙」など、カンツォーネやポピュラー・ソングを中心にした選曲で、低音でささやくように、告白するかのように弾き語る、まさにこれは「口説き歌」。しかしこのモテモテ男、いろいろやりますねえ!歌手を志したというだけあって、お遊びではなく、新しいスタイルのジャズ・ヴォーカル・アルバムになっているのが憎たらしい。「JAZZピアノ、男性ボーカル、イケメン」の3点セットで女性ファンへおすすめのアルバム。

けれど恋は
ステファノ・ボラーニ・トリオ / / ヴィーナス・レコード
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次は帯にいわく、「イタリアンジャズピアノの巨匠、イントロの魔術師、本邦デビュー・アルバム」。「レナート・セラーニ・トリオ、Renato Sellani Trio/マイ・フーリッシュ・ハート」。
ちょっと危ないジャケットに包まれたこのアルバム、「ベサメ・ムーチョ」、「マイ・フーリッシュ・ハート」、「ソー・イン・ラブ」、「星影のステラ」、「マイ・ファニー・バレンタイン」など曲名を聴いただけで口の中が甘くなるようなスタンダード集。しかし帯に言うだけあってそのイントロはどれも凝ったアレンジである。「レナート・セラーニ」は1927年1月生まれの81歳のご長寿ピアニスト。その爺さんがこんな甘い流麗なピアノを弾くとは、さすがイタリア男は侮れませんね。

マイ・フーリッシュ・ハート
レナート・セラーニ・トリオ / / ヴィーナス・レコード
ISBN : B0012ZN69Y
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「トスカーナの休日」とならんで、我々夫婦をフィレンツエへの旅へと誘ったもう一つの映画は「眺めのいい部屋」であった。
20世紀初頭、まだ封建的思想の色濃いイギリスの上流階級の令嬢が、フィレンツェ旅行に赴いた際、情熱的な青年と恋に落ちていく。しかし帰国後、彼女は名門の紳士と婚約するはめになり…。恋に揺れる女性の心理状況が、美しい映像で繊細に描かれた佳品。きっとイタリアには人を恋に駆り立てる何かがあるのでしょう・・。

眺めのいい部屋 <完全版>
/ ハピネット・ピクチャーズ
ISBN : B00009PN1D
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もしもピアノが弾けたなら(3)   ~ ご長寿ピアニスト (2) ~

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前回に引き続き、「ご長寿ピアニスト」の第2弾です。

最初は、「ジーン・ディノヴィ」。たしか、このピアニストを知ったきっかけは、「Amazonオススメ商品」ですすめられて何気なく買った事からであった。買ったアルバム「ゴールデン・イアリング」が、聴いてびっくり大当たり。それ以来、最近の私の愛聴盤となっている。(「こいつは春から縁起がいいわい!」参照)
 
ヨーロッパのピアノ・トリオを思わせるような流麗さ、上品さと、アメリカのモダンな都市感覚、粋さを兼ね備えている屈指のピアニストだとおもう。1928年ニューヨーク生まれの白人で、80歳になるという。同年代のジャズ・ピアニストは、ほとんど故人になっていよう。匹敵するのは、「ハンク・ジョーンズ」くらいか。一体どんなキャリアの持ち主なのか? ライナーノートによれば、1940年代に「チャーリー・パーカー」や「ディジー・ガレスビー」といったビ・バップの開祖たちと共演をしており、いまやビ・バップを身をもって体験した伝説的なピアニストの中の数少ない現役だそうだ。レスター・ヤングとも共演したことがあるベテラン。しかも、リーダーアルバムを出したのが、50歳を間近にしたころというから、大変な晩生(おくて)である。華麗にして踊るようなタッチ、流れるような指使いから紡ぎ出される旋律。そして甘美な艶と甘さ。このピアノタッチの心地よさは何だろうか。まさに「酔いしれる」とはこのこと。

タイトル曲「ゴールデン・イヤリング」は、最初ソロでメロディを弾き始め、あの美しい旋律を生かした、絶妙華麗なアドリブを聴かせる。同傾向の「ソー・イン・ラヴ」もおすすめ

ゴールデン・イヤリング
ジーン・ディノヴィ / / エムアンドアイカンパニー
ISBN : B00008BDHT
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ソー・イン・ラヴ
ジーン・ディノヴィ / / エムアンドアイカンパニー
ISBN : B00005NJPF
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70年代にカナダに移住し、現在はトロントに住んでいるそうであるが、彼の家からは夜な夜なピアノを弾く音が、隣の家まで聴こえるそうで、隣家の住人は、ジーンがいい演奏をすると、拍手で応じるのだという。なんという「うらやましい暮らし」であろうか。素敵な音楽と暮らし方。御年80歳に脱帽!

2004年来日時の録音によるアルバム「フラワー・オブ・ザ・ナイト」の1曲目のブルース「赤レンガ・ブルース」が秀逸。さすが、ビ・バップの生き証人の片鱗を感じさせる演奏。

フラワー・オブ・ザ・ナイト
ジーン・ディノヴィ / / インディーズ・メーカー
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そしてなんといってもはずせないのが「エディ・ヒギンズ」でしょう。ヴィーナス・レコードの看板ピアノ・トリオ。 甘すぎる、ファンに迎合しすぎる・・・といった批判を聞くこともままあるが、「甘くて何が悪い」と開き直りたい。彼のピアノからJAZZの世界、ピアノトリオに導かれた人は多いと思うし、ファンの裾野を広げたその功績は大きい。
彼は、年をとって渋みも加わり、その甘さ加減がたまらないものになってきた。最初に魅かれたアルバムはタイトルもその名の通り、「Bewitched/魅惑のとりこ」であったと思う。メンバーは、エディ・ヒギンズ(p)、ジェイ・レオンハート(b)、ジョー・アシオーネ(ds)。「枯葉」、「エンジェル・アイズ」、「時のたつまま」などスタンダード満載。これからJAZZピアノをという人にも、ぜひおすすめの一枚。ちなみに、エディ・ヒギンズ(ピアノ)は1932年生まれ、ジェイ・レオンハート(ベース)は1940年生まれである。

魅惑のとりこ
エディ・ヒギンズ・トリオ / / ヴィーナス・レコード
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最新作をあげよう。御年76歳にして、なんと一回の録音でラブ・ソングばかり50曲を録音、それを4枚のCDにして順次一年かけて発売するという企画が昨年スタートした。こんな企画が成立するのは日本での超人気ピアニストゆえだろう。「恋に過ごせし宵」、「素敵なロマンス」、「秘密の恋」とつづいて、そのシリーズ最終第4作、「美しすぎるあなた」が昨年末リリースされた。

美しすぎるあなた
エディ・ヒギンズ・トリオ / / ヴィーナス・レコード
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この4枚のシリーズ、JAZZを完全に体得した超ベテランがリラックスした中にも、こうあってほしいという演奏をJAZZ心一杯に歌い上げる。決して枯れてはいない、生き生きとした躍動感と色気あふれる演奏で、これからもまだまだ衰えはしないであろう活躍をも十分に予感させる。脱帽!!乾杯!!ご長寿祈念!!



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