JAZZYな生活

プレミアムエイジ ジョインブログ

模索する歌姫たち

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音楽CDの売り上げが音楽配信などの影響で落ち込んでいるというのはよく聞く話である。その中でもJAZZの分野はどうであろうか?カテゴリー毎のデータを知らないので断言できないが、相当厳しいのではないだろうか。その証拠に広告収入が激減してJAZZ専門誌の老舗「スイングジャーナル」が休刊するという。コアなJAZZファンというのは、シニア、団塊世代を中心にした高年齢者であると思われ、結局のところ、これらの固定客層を各レコード会社が奪い合っているのではないだろうか。次第に年金生活に入った彼ら、私を含め、CDを自由に買えるほどの余裕もなく、もちろん外国に比べ、べらぼうにといっていいほど高いフィーをとるJAZZクラブやコンサートなどについても同様である。かくして日本におけるJAZZ文化、JAZZ産業は、残念ながらさらに衰退の一途を辿っていくに違いないのである。その点で、JAZZが比較的充実しているご近所のTSUTAYAは本当にありがたい。

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久し振りに買ったJAZZミューズの新作2アルバムがある。一人目は、「ニッキ・パロット/Nicki Parrott 」。オーストラリア出身で、ブロンドの長い髪をなびかせ、ウッド・ベースを弾きながら歌う彼女のスタイルは、ジャズだけに限らず、多くの音楽ファンの関心を引き、大ヒットのデビューを飾った。もちろん彼女の実力も認めるが、この成功は「ヴィーナス・レコード」のマーケティングの成功のようにも思える。ベースをつま弾きながらテンダーなヴォーカルを聴かせる「ニッキ・パロット」の新作、第三弾は、「ブラック・コーヒー」。「ジュリー・ロンドン」や「ペギー・リー」へのオマージュである。ピアノ・トリオを核として、相変わらずセクシーな歌唱で魅了してくれるが、今回は今までにもまして彼女のベースワークがたっぷり聞ける。サポートは、「ジョン・ディ・マルティーノ」が率いるピアノトリオ他、実の姉を含むおなじみの面々。

JAZZ界低迷の中で、模索しているのは、アーティスト側からすれば、自分自身の個性を表現する新しいスタイル、レコード会社からすれば、JAZZファンにアピールする新しいスターの発掘であろうが、「ニッキ・パロット」の成功により、その方向性の一端が見えてきたのではないか。アーティストは聴いてくれるファンがいればそれでいい訳で、一番模索しているのはもちろん、レコード会社であるのだが ・・・。それにしても、この1500円という低価格はありがたい。今は世の中総じてデフレの時代、それからすれば遅きに失した感もあるが、この価格は我々にとっては大歓迎。



ブラック・コーヒー

ニッキ・パロット / ヴィーナスレコード 

聴いてみますか? 「ニッキ・パロット」の歌う「You’d Be So Nice To Come Home To」を。 いやあ、ベースが様になっていますね。魅せるベース、男ではこうはなりませんね。

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二人目のミューズ「ステイシー・ケント/Stacey Kent」の2年半ぶりの新作は、「パリの詩/Raconte-Moi… (Tell Me)」。前回のブルーノートへの移籍第一弾は、日系人の作家「カズオ・イシグロ」の詩を全面的に採用したオリジナル曲集「市街電車で朝食を/Breakfast On The Morning Tram」であった。(参照「読むJAZZ(7)~音楽と夕暮れをめぐる五つの物語~」) このアルバムは、彼女の新しい世界が開け、フランス文化省からの勲章、グラミー・ノミネートなど商業的にも大成功であった。今回はステイシー初の全曲フランス語アルバムである。フランスで何度もコンサートを行ってきた「ステイシー・ケント」。これまでも「セルジュ・ゲーンズブール」や、「シャルル・トレネ」、「アンリ・サルヴァドール」など、フランス語の曲をアルバムに収録していますが、今回は、ジョビンやスタンダードにフランス語詞をつけたナンバーに加え、若手ライター達がステイシーのために書き下ろした新作を加えた全12曲で構成。とびっきりオシャレで耳心地よさ抜群のフレンチ・ヴォーカル・アルバムに仕上がっている。今回のこの新しい模索もきっと成功するだろうが、彼女にとってアルバム作りは、ゴールの見えてこない、永遠に続く終わりなき模索かもしれない。



Raconte Moi

Stacey Kent / EMI France 

聴いてみますか? 我がJAZZミューズの一人、 「ステイシー・ケント」が歌う「Close Your Eyes」を。 この曲を聴くといつも私はメロメロになってしまうのです・・・ 。
 

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これはヤバイ! 韓流JAZZ

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WOONGSAN

 

韓流ブーム」が起こってからもう久しい。もういい年のわたしの妹なんぞも「ヨン様ぁ~あ!」なんて叫んでいるようである。スポーツ界での韓国の台頭ぶりも凄く、先日のバンクーバー・オリンピックでの「キム・ヨナ」などの活躍を目の当たりにしたところである。また、産業界でも韓国の躍進ぶりは世界でもすさまじく、たとえば北京で町を歩けば、現代(ヒュンダイ)の車、三星電子(サムスン)の薄型TV、携帯電話など韓国製品を数多く眼にするところでもある。

音楽においては、日本の歌謡曲で、その実力はかねてからよく知られてきたところであるが、最近ではPOPSやアイドルの世界でも、「BOA」、「東方神起」など韓国アーティストの人気もめだつようだ。
JAZZ界では、去年ユニット「Waterplay」が日本デビューし、話題になったことはこのブログでもとりあげたところ。(参照 「韓の国より吹いてきたJAZZYな風」 ) そして、私はいままでまったく知らなかったが、日韓で活動し、最近その実力が認められ、人気が出てきた韓国出身の女性JAZZシンガーがいる。たまたまTSUTAYAでCDが目に留まり、借りて聴いたのであるが、これがびっくり!大当たりであったのだ。

「ウンサン/Woong San」。「艶やかさとスモーキーさを併せ持つ詩的ボイスと、独特の柔らかいオーラで聴衆を魅了する最高のボーカリスト、Woong San」とキャッチ・コピーにはあった。

彼女の実家が仏教の研究をしている家系だったことから、17歳から寺院で尼僧の修行に入るという特異な経歴を持つ。修行中に授かった法名、それが「Woong San(雄山)」であり、厳しい修行中のある日、無意識の中で自分が「歌」を口ずさんでいることに気づく。音楽への思いが捨てきれず、「音楽に未練を残したまま修行に集中できないし、仏様に対しても失礼だと思い、自分が納得いくまで音楽活動をしたら、また仏教の道へ戻ろう」と、修行していた寺のある山を下り、歌手への道を歩み始める。当時、選んだジャンルはロックであったが、ジャンルにとらわれず好奇心旺盛に音楽を学ぶ彼女に、友人から偶然に手渡された「ビリー・ホリデイ」のCDが、彼女の運命を大きく変える。それがJAZZとの運命の出会いであった。そこからは、JAZZの世界に転向、数々のライブ、舞台、楽曲制作に積極的に臨み、日韓でファンを徐々に獲得していく。

2008年7月には、日本で人気のミュージシャン、「TOKU」、「小沼ようすけ」と共に日本全国ツアーを敢行。2009年12月「Close Your Eyes」をリリース。スイングジャーナル選定【ゴールドディスク】に選ばれる。1998年からの日本でのライブ活動も10年を超え、今まで500回も越える公演や全国ツアーを行い、ワールドワイドに彼女が求めてきたもの。それは「人間のそのままの自由」だという。( ウンサン・オフィシャルサイト より)

ブルース感覚にあふれた中低音の声質。大胆さと繊細さを織り交ぜて表現される喜怒哀楽。音楽のルーツは「般若心経」。座禅を組み、経を唱える毎日。そんなある日、口慣れた般若心経にメロディーを付けてみたという。「心のままに歌っていると、光が差すような気持ちになったんです。歌の世界に進みたいと直感しました」。なにかのドラマでも観るような話であり、もう「レジェンド(伝説)」ができているのだ。

スイングジャーナル誌、ゴールド・ディスクを獲得した4作目になるという「Close Your Eyes」。オリジナル2曲を含んで、スタンダードからロックまで彼女の多面的な魅力を味わうことができる。ハスキーにしてスイート、オーガニックにしてブルージー、ガッツにしてメロウ・・・。バックでサポートする日本人ミュージシャンも最高のできばえ。「マイケル・フランクス」のカバー「ヴィヴァルディーズ・ソング」のボサノバ・テイストも秀逸。


Close Your Eyes

ウンサン / ポニーキャニオン

 
彼女のステージぶりを見ていただこう。ロックの「ヴァン・モリソン」の作詞・作曲でJAZZカバーもよく行われている「Moon Dance」をYOUTUBEで。

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韓国で、ジャズが知られるようになったのは80年代後半だという。まだ20数年の歴史の中から生まれてきた韓流JAZZミューズ「ウンサン」。新たなアジアン・ジャズ・ミューズ誕生か? 恐るべし韓流JAZZ!! 
 

 

 

海を越えて吹きわたるJAZZYな風

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(写真は毎年見事な花をつけるご近所の蓮)

今週から家の近所では赤とんぼが群れだした。蝉も相変わらず喧しく鳴いている。梅雨が明けたのはつい二週間前のことであったのに・・・。遅れてやって来た夏といつものように訪れそうな秋の気配とが同居しているのだ。

先だってのブログでは、韓国より吹いてきたJAZZYな風、「Winterplay」を今年の清涼系ボーカルのイチオシと紹介しました。今日は続いてこの夏から秋にかけての「ニオシ」、「サンオシ」のおすすめ、心和む風のような爽やかな女性ボーカルを紹介しましょう。

まず、アルゼンチンの大草原パンパを吹きわたってきた爽やかな風は、「リヒア・ピロ/Ligia Piro」 。1971年生まれで、もうデビュー後10年の中堅といってもいい。一方で、女優としても活躍するブエノス・アイレス出身の美形女性ジャズ/ボサノヴァ・シンガーである。各種ジャズフェスなどで多くのファンを獲得、2005年にはKONEXというアルゼンチンのジャズ最高の賞を受賞したというキャリアの持ち主。アルバムは「ソー・イン・ラブ~ジャズ・アンド・スタンダーズ」。原タイトルは「Trece Canciones De Amor(13曲のラブソング)」。タイトルどおり、コール・ポーター、アーヴィング・バーリン、ビル・エバンスなどのスタンダードから、ビートルズ、レオン・ラッセル、クラプトンのナンバーまで幅広いジャンルのラブソングをシンプルなギターとのデュオによる甘くさわやかな歌声に、郷愁、ノスタルジーを感じる。アルゼンチンから吹いてきた甘く優しい風・・・。1947年生まれのベテラン・ギタリスト「リカルド・レウ」が上手い、渋い。そして、ジャケットもいい。

ソー・イン・ラブ~ジャズ・アンド・スタンダーズ

リヒア・ピロ / インディーズ・メーカー


つぎは、アルゼンチンとは地球のまったく反対側のフィンランドから白夜の夏を吹き抜けてきた凛とした風。須永辰緒が推薦する北欧女性ヴォーカル、「ソフィア・フィンニラ/Sofia Finnila 」。1970年生まれ。1994年に北欧の名だたる音楽家を輩出している「シベリウス音楽院」で声楽を学び、1999年にフィンランドで開催された国際ジャズ・シンガー・コンテストで優勝し、フィンランドで着々と実力を重ねたキャリアの持ち主。現在はフィンランドの声楽校の教授として教壇に立つという。2008年に自主制作したアルバム「Everything I Love」を世界に先駆けて須永辰緒主宰レーベル”ZOUNDS”からリリースとなった。

CDショップで1曲目「Cheek To Cheek」、2曲目「So In Love」を試聴して惹き込まれてしまった。収録曲はいずれもスタンダード、それもどちらかというと古い時代のスタンダード。それらに新しい感覚を与えようという意気込みを感じる。すべての曲が成功している訳ではないが、ソフィアの柔らかでムードのあるヴォーカルがだけでなく、ご機嫌にスウィングしているサポートのザ・ファイヴ・コーナーズ・クインテットの力によって、大方の曲に新鮮さを感じる。だから、心地いいだけでなく、コンテンポラリーなジャズ・ボーカルの一つの形、方向が提示され、それが読み取れるような気がする。そして、これもまたジャケットが秀逸。

EVERYTHING I LOVE

ソフィア・フィンニラ / ZOUNDS


どちらのアルバム・タイトルにも「Love(Amor)」という言葉が入り、収録曲に私の好きな「So In Love」が奇しくも共通して含まれていた。

韓の国より吹いてきたJAZZYな風

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久し振りのCDショップのそぞろ歩き。
「クール・ビューティ=ヘウォンの透き通る歌声が、心地よい風を運んでくる・・・。オシャレなジャージー・ポップ・グループ『WINTERPLAY』登場!」。
こんなキャッチに魅かれて試聴してみた。アルバム・タイトルにもなっている冒頭の曲、「Songs Of Colored Love」を聞いた瞬間、ミディアムなテンポのボサノバのリズムにのって流れてくる、その甘く透き通るような声にすっかり魅了されてしまった。そして英語の曲ながら、そのメロディーに聞き覚えが・・・。そうだ、「Ego-Wrappin’(エゴ・ラッピン)」の「色彩のブルース」だ。即、久し振りの衝動買いとなってしまった。

この「WINTERPLAY/ウインタープレイ」、実は韓国JAZZチャート第一位にランキングされた韓国発の人気ジャージー・ポップ・ユニットで、「ソングス・オブ・カラード・ラヴ」は、日本デビュー・アルバムである。透明感に溢れる美声を持つ歌姫、ヘウォンとプロデュース/ソング・ライティングも手掛けるトランぺッター,ジュハン・リー(「色彩のブルース」の英詩も担当)による韓国人デュオ・グループ。米国西海岸発を思わせるようなクールなサウンドで、SONIAやBELEZAを初めて聴いたときと同じような感覚にとらわれた。
彼らのオリジナルに加え、ラテンのスタンダード、「クァンド、クァンド、クァンド 」、スティングの「バーボン・ストリートの月」、カーペンターズの「青春の輝き」、ロッド・スチュアート「胸につのる想い」などをアコースティックでオーガニックなサウンド、メロディアスなアレンジで聴かせてくれる。

このうっとうしい長雨を吹きとばしてくれる韓国から吹いてきた涼やかな風・・・。今年の夏、清涼系ボーカルの私のイチオシはこれ!

ソングス・オブ・カラード・ラヴ

WINTERPLAY / ユニバーサル ミュージック クラシック


いよいよ韓国までとは・・・。どこまで拡がるJAZZYな生活・・・。

春を感ずる美女ボーカル三人 ~巧みなジャケット・マーケティング~

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日課としているウォーキングの道の傍らの水仙がほぼ満開。 こんなところから早くも春の息吹が感じられる・・・・。

まちどおしい春。ひな祭りには少し早いが、久し振りの「三人官女」ならぬ、「ジャケ買い」美形ボーカル三人特集を始めましょうか。聴けば、春めいたうきうきした心になるかもしれません・・・。

まず最初は、「ガブリエラ・アンダース(Gabriela Anders)/Bossa Beleza」。最初の彼女のアルバム「Waiting」は、楚々とした全身の遠景のショットが気に入り思わずジャケ買い、秘密の花園入り。2枚目は顔のアップ、猫科の動物を思わせるような目に魅かれて、これもジャケ買い、またも秘密の花園入り。そして3枚目も成熟した女性の色気に魅かれて、またもやジャケ買い。3枚もジャケ買いしたのは彼女くらいであろう。余談であるが、このようにジャケット、特に女性アーティストのそれは、私の購買動機に決定的に影響を与える要因でもあるのです。

1997年、ユニット「Beleza」の歌姫として、ジョビンのトリビュート・アルバムでデビューし大ブレイクしたアルゼンチン出身の美しきシンガー、「ガブリエル・アンダース」。彼女の最大の魅力である、ささやくような、くすぐるような、シルキー・タッチの歌声、その容姿とあいまって世のオジサンたちの心をつかんだ彼女。ジョビン・トリビュート・アルバムはジョビン誕生80周年の去年、待望の再リリースがされた。彼女の音楽スタイルは、ボサノヴァ、ジャズ、ポップス、サルサ、レゲエ、ファンクなど多くのジャンルをミックス・ブレンドし、彼女独自のボサノヴァ・カラーに染め上げてしまうのが特長。あまた世に発売されている、いわゆる「SONIA」などに代表される「フェイク・ボサノヴァ」の元祖として、根強い人気をもっているのです。そんなガブリエラが久々にニュー・アルバムをリリース。ボサノヴァの名曲から、欧米ポップスのヒット曲などを彼女風に仕上げた、お得意の洒落た「フェイク・ボサノヴァ」集。収録されている曲がちょっと平凡で、「Waiting」のようなJAZZY色が濃くないのがちょっと不満だが、相変わらずのジャケットのよさに免じて、いいじゃないかとしよう・・・。

ボッサ・ベレーザ

ガブリエラ・アンダース / ビクターエンタテインメント


澤野工房初の女性ボーカルのアルバム・リリースは、「ニコレッタ・セーケ/A Song For You」。これはジャケットのせいも勿論あるが、「澤野初」、「歌伴はロバート・ラカトッシュ」、この二つのキーワードで即購入決定。
1983年生まれ、「ロバート・ラカトッシュ」と同じハンガリー出身のシンガー、「ニコレッタ・セ-ケ」。ジプシー音楽の名門に生まれ、2005年のモントルー・ジャズ・フェステイバルでは、ジャズ・ヴォーカル・コンペティションにおいて第一位に輝いたシンガーという。ジャケットをみると、キャッチコピーにあるとおり、まさに妖精と言える美貌。澤野デビューとなる本作では、スタンダード、そしてポップの名曲を、若さを生かしながら、華やかに歌います。やはり、澤野氏の審美眼が色濃く反映した、アメリカとは違うヨーロッパ・ジャズ・ボーカル。彼女、今後大きく成長し、澤野の女性ボーカル看板になるかもしれません。そしてラカトッシュのピアノも、今回は歌伴に徹していますがファンには聴き逃せないものとなっています。

パーソナルは、Nikoletta Szoke (vo)、Robert Lakatos (p)、Thomas Stabenow (b)、Klaus Weiss (ds)。「ラカトシュ」、「ティティアン・ヨースト」、そして今、「ニコレッタ・セーケ」を立て続けに澤野から世に送り出した「Klaus Weiss 」は残念なことに、年末に逝ってしまった。

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さて三人目ですが、私が持っているヴィーナス・レコードのCDでは、「シモーネ」、「ニッキ・パロット」に続く多分三人目?の女性ボーカルだと思います。「テッサ・ソーター」。さすがヴィーナスレコードですね、「エロカッコいい(もう死語かな?)」、またもやオヤジの心をくすぐる本格女性JAZZボーカルです。ジャケット・マーケティングは、ヴィーナス・レコードさんは本当にうまい。何かしら意味深なストーリーで想像を掻き立てるエロジャケが過去にいくつもあり、心をくすぐられ、何枚買ったことか・・・・。

「テッサ・ソーター」。トリニダード・ドバゴ人の父と英国人の母の間に生まれ、ロンドンに育った。そして米国に渡り、サンフランシスコでジャーナリスト(なんとVogue, Elle,The Guardian,the Times などと言うから驚く)として活躍した後、ジャズ・ヴォーカリストに転身、96年にニューヨークへ移り、JAZZ歌手活動を本格的に始めたそうである。作詞、作曲もするセンス抜群な実力派女性ボーカルの日本デビュー・アルバムが「キー・ラーゴの夜」である。ベイルート、NY、モスクワ、ロンドンなど世界各地のJAZZクラブでのJAZZ活動をする中で、フラメンコや中近東音楽がもつ情熱やソウルに影響を受けたようで、バラードを最も得意とするようであるが、自然体で優しく素直でありながら、濃蜜な情感のこもった歌唱が、粋で心地よい。大型新人誕生の予感。

キー・ラーゴの夜

テッサ・ソーター / ヴィーナスレコード


アルバム・タイトルの「キー・ラーゴ」には、すこし想い出もあります。フロリダ州、マイアミから「キー・ウエスト」まで約400kmに渡って点々と延びる細い砂州、小島。その砂州と小島をつないで、NYを出発点とし、キー・ウエストまで海を貫くほそい一本道が国道1号線。よく映画などで出てくるところです。キー・ラーゴは、その途中にあるリゾートで、スキューバと釣りのメッカ。海の中にキリスト像か何かがおかれていたと思うし、たしかヘミングウェイ「老人と海」もこのあたりがモデルだったか?。
そしてジョン・ヒューストン 監督、ハンフリー・ボガート、ローレン・バコール主演の映画「キー・ラーゴ」の舞台となったところでも有名で、その関係か、おなじボガード主演の「アフリカの女王」という映画で使った船が係留されていました。
そして、1号線沿いには沈船から見つけた金やお宝を買い取る店がいくつもあったことを覚えています。そうそう「Sade(シャーデー)」の「Smooth Operator」という歌の中にも登場しますね。

キー・ラーゴ [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ


ここは、大西洋から昇る朝日とメキシコ湾に沈む夕日とが両方望めるところ。一日中海を見ていようとしたことがありますが、悲しいかな、日本のサラリーマンの性で2時間程度が限度だった・・・・。そんな思い出が、この「キー・ラーゴ」にはあります。

最後におまけは、「テッサ・ソーター」のHPから無断借用した「お宝写真」を・・・。これ以上の「お宝写真」を見たい人は、英語ですが彼女のオシシャル・サイトにアクセスしてみてください。

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いとしのエリー ~再会の金子晴美~

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かなり前のブログにこんなことを書いた。
20年ほど前、大ファンであった「金子晴美」。最近は名前もアルバムも見ないがどうしたんだろう?それまでの日本のJazzシンガーといえば、巻き舌風で、わざとらしいしゃがれ声でうたうお姉さんたちが多かったが、きちっとボイストレーニングと英語の発音訓練をうけている彼女のデビューには当時ビックリもした。・・・・・・・・  まだまだアルバムがあるのに、タイトルも変わって、2枚しか再発売されていないし、amazonにデーターもない。まだ十分活躍できるし、熟年になってからの成長も見てみたかった。ほんとうに彼女どうしたんだろう?誰か知りませんか?

ところがですよ、私の町で開かれるコンサート「West River Jazz Concert Vol.21」に金子晴美が出演するという。いやびっくりしたのなんのって。いままでの日本人女性ボーカルにはない魅力をもったシンガーとして、その昔ずっとファンであった。 その後、消息を聞かなくなったしまったので前述のようなブログを書いてしまったのだが・・・・・。少し調べてみたら、公式のWEBサイトあるし、ブログもあり、そしてアルバムも発売されていた。

行ってきましたよ、小躍りして。再会の彼女は、20数年前と同じ暖かいクリアな声で、ステージにいた。そして、「いとしのエリー」を歌ってくれた。多分、サザンの曲の優れてJAZZ的な要素を見つけて、JAZZアルバムにした一番最初の歌手だと思う。もちろん、「いとしのエリー」をJAZZアレンジしたことについても・・・。

「金子晴美」。東京都出身。独協大学ドイツ語科在学中に、ジャズ・ヴォーカルを始める。豊かな英語力と歌唱の美しさをかわれ、1980年4月、ボブ・ドローのプロデュースにより、ファースト・アルバム『アイ・ラヴ・ニューヨーク』を発表、一躍注目を集める。ロン・カーターをはじめニューヨークの一流ジャズメンをバックに抜群のスィングを聴かせ、センセイショナルな成功を納めた・・・・、とプロフィルにはある。

私のおすすめアルバムの1枚目は、当時は「スペシャル・メニュー」のタイトルでリリースされた、全編「サザン・オールスターズ」のJazzカバーアルバム。これほど桑田の曲がJazzにアレンジするとすばらしいとはと驚いた。あの「いとしのエリー」がJazzアレンジでカバーされた、おそらく最初のアルバム。「レイ・チャールス」がとりあげ、ヒットするのはずっと後のことである。
「ミュージックマン(我らパープー仲間)」、「メモリーズ・オブ・ラブ(YaYaあの時代を忘れない) 」、「ストーリーズ・エンド(別れ話は最後に)」、「ホエン・ユーア・オーヴァー32(恋する女のストーリー)」、「Just A Little Bit」など今聞いてもそのJazzyなセンスと新鮮さには感激する。ジャンルを越えて楽しめる一枚。編曲は日本を代表する故・八木正生。。「いとしのエリー」を含む4曲の英語詩は、無類のJAZZファンでイラストレータの和田誠。「SPECIAL MENU~いとしのエリー」は、1983年のリリース。

いとしのエリー
金子晴美 / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00005FEJT
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ボサ・ノヴァ、サンバの名曲を集めたCDで、ギター&共同プロデュースにブラジルの名プロデューサーでACジョビンらとともに、ボサノバの創始者でもあるロベルト・メネスカルが参加しているので話題になったアルバムは「TRISTEZA」。
このなかにも、桑田の名曲で、「中村雅俊」が歌い、映画「蒲田行進曲」で、松坂慶子が一人身重な体で雪降るなかを産院に向かう印象的なシーンに流れていた、「恋人も濡れる街角」のボサノバ・バージョンが聴ける。

金子晴美/TRISTEZA
金子晴美 / ユニバーサルミュージック
ISBN : B00005MWBD
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上記以外の、彼女の初期のCDは殆どが残念なことに廃盤になっている(勿論私は持っていますが)。それはさておき、再会の「金子晴美」は、明るく、にこやかで、暖かく、そして素敵であった・・・。

コンサートは2部仕立てで、彼女は第2部に登場。メンバーと彼女が歌った演目をあげておきます。

11月3日 アステ川西 アステホール 15時開演
金子晴美;ボーカル、稲垣次郎(特別ゲスト);SAX、fl、竹下清志;ピアノ、時安吉宏;ベース、佐藤英宣;ドラム、ふさはらただひろ;トランペット

マック・ザ・ナイフ/ベイズン・ストリート・ブルース/この素晴らしき世界/いとしのエリー/月光価千金/ハウ・ハイ・ザ・ムーン/モーニン(アンコール)

何が彼女をそうさせた?  ~女優ノラ・ジョーンズ~

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ある映画の予告編を観てびっくりしたことがあります。主演「ノラ・ジョーンズ」となっているではありませんか。すわ、映画女優に本格転向か?と驚いたのですが、どうもそれは早合点だったみたいです。その彼女初の主演映画は「マイ・ブルーベリー・ナイツ」。若い女性ごのみのオシャレでメルヘンチックな恋物語のようだが、60歳をとうに過ぎたおじさんでも、ノラ・ファンとしては見逃せないので勇気を持って・・・・と思いましたが、結局DVDということに・・・。

ノラ・ジョーンズといえば、父親は、ビートルズも大きな影響を受けた、インド人のシタール奏者ラヴィ・シャンカールである。ノラはニューヨークに生まれたが、そのとき母親スーはすでに離婚していた。4歳のときテキサス州ダラス近郊に移り住み、それ以来膨大なLPレコードを持つ母の強い影響を受けて育った。長ずるにつれ、ピアノを習いだした彼女は、JAZZミュージシャンの影響も受けるようになった。「ママが8枚組のビリー・ホリデイのアルバムを持っていて、その中から、好きで何度もなんども弾いた曲の入ったディスクを取り出したの。『ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド』(”You go to my head”)が大好きだった。」 と語った言葉は有名となり、あちこちに引用されている。

ソウル、カントリー、フォーク、ポップスなどのいろいろな要素を取り込みながら、レトロな「癒し系」といわれるジャズのスタイルを確立し、「癒し系女性ボーカル」ブームを作り出した元祖である。特に大ヒット曲「Don’t Know Why」を含むデビューアルバム『Come away with me』(邦題:『ノラ・ジョーンズ』)は、1800万枚を売り上げ、第45回グラミー賞(2003年2月)のグラミー賞では主要4部門を含めノミネート部門すべてで受賞し8冠を獲得したのも記憶に新しい。

主演ではないが、映画出演は、2002年にサンドラ・ブロック、ヒュー・グラント主演の『トゥー・ウィークス・ノーティス』(Two Weeks Notice)にて本人役での出演を果たしている。

インタビューを読んでも、今ひとつその動機がはっきりしないが、その彼女が、香港映画の「ウォン・カーウァイ」に口説かれて、アメリカを舞台に描くロードムービー仕立てのラブストーリーに初主演することになった。
ストーリーは、恋人の心変わりで失恋した女性が、NYのカフェのオーナーの男性に愛の予感を感じ、新たな恋に踏み出す勇気を得るため、自分探しの旅に出て、1年後にNYにかえり、ハッピーエンドでめでたしという、現代の恋のメルヘン。そのヒロインのエリザベスを演じるのが、「ノラ・ジョーンズ」。彼女の恋の相手は女性に人気の高い「ジュード・ロウ」が演じる。
  
メンフィスでは逃げた妻を忘れられない酒びたりの警官と、「レイチェル・ワイズ」演ずるその妻の愛と憎悪の渦に巻き込まれる。ラスベガスでは他人を信用しない主義の「ナタリー・ポートマン」演ずる女性ギャンブラーの父親との愛の確執を経験する。初主演だから無理もないのだが、この二人の女優の存在感のある演技に、ノラはすっかり喰われているので、ファンとしては、不完全燃焼の感を禁じえない。とはいえ、ラストの「ジュード・ロウ」とのキスシーンがとても印象的だったことに免じ、一応ファンとして及第点は差し上げておきましょうか・・・・。

マイ・ブルーベリー・ナイツ スペシャル・エディション
/ 角川エンタテインメント
ISBN : B001AP0GLW
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映画の中の音楽も、ノラ・ジョーンズ自身の歌う「ザ・ストーリー」はもちろん、いろいろなアーティストの音楽が使われている。その点では、やはりノラが出演しているだけあって、音楽的には神経の行き届いた作品になっている。
劇中何回か印象的に流れていた曲は「Try A Little Tenderness(もうすこしやさしくして)」。若くして飛行機事故でなくなってしまった「オーティス・レディング」の歌うバージョンが際だって心にしみる。

リスペクト ~ヴェリー・ベスト・オブ・オーティス・レディング
オーティス・レディング / / イーストウエスト・ジャパン
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わたしは、少し人生を考えたくなったときにいつも聴く「アン・バートン」のアルバムに収録されている「Try A Little Tenderness」が好きである。

バラード&バートン
アン・バートン ジャック・スコルズ ルイス・ヴァン・ダイク ジョン・エンゲルス ルディ・ブリンク / ソニーミュージックエンタテインメント
ISBN : B00005G4A4
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最後のため息 ~ ヘレン・メリル ラスト・コンサート ~

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「ヘレン・メリル」のラスト・コンサートを聴いてきました。(西宮;兵庫県立芸術文化センター、中ホール)

「ヘレン・メリル」、数多い女性ジャズ歌手の中で、とりわけ我が国のファンに愛されている一人。そのハスキー・ヴォイスに特徴があり、「ニューヨークのため息」といわれる、あのけだるい声は、まさにジャズのムード、女性JAZZボーカルの象徴そのものと言ってもいい。いまなお、ジャズボーカルをめざす女性のスタンダードとなっている、「♪You’d be so nice to come home to ・・・・・♪」の歌いだしはJAZZファンならずとも知っている超有名曲である。

1929年にクロアチア(旧ユーゴスラビア)からの移民の子として生まれたヘレン。御歳79歳。私の母親と大して変わらない年だ、ヒイエエ~~~~~エ!!。
ヘレンは1960年に初来日して日本ではおなじみとなり、1966年には一時期日本に居をかまえたこともあるほどの親日家で、ちょっと日本語も話せるらしい。

そんな彼女の、多分本音で「ラスト」であろうコンサートを聴いてきました。興行主もよく彼女をその気にさせて日本まで引っ張ってきたものだと感心するが、案の定、79歳、2時間近くのコンサートは体力的に続くはずもなく、コンサートは2部構成で、第一部は、テッド・ローゼンタール・ピアノ・トリオ+スコット・ハミルトン(ts)+ウォーレン・バシェ(tp)のクインテット仕立て。あの「泣かせのブロー」、サックスのスコットにやや元気がなかったのとは対照的に、足が不自由なウォーレンのトランペットの冴え渡ること。いや大正解でした。そして第2部がお目当ての「ヘレン・メリル」でした。

1曲、トリオの演奏が終わって次の曲「Born To Be Blues」で割れんばかりの拍手で登場。最初は、声量も小さく、かすれ気味、足取りも少しふらつくような感じで「大丈夫かな?」なんて思ったりもしたが、そこは、さすが年季のはいったプロ歌手。3曲目あたりからからだんだん乗ってきて、声量も出、往年のハスキーに近いものを感じさせ、ファルセットも息切れせずによく伸びていた。そしてびっくりし、感動したのは、短いワンコーラスの「Love Me Tender」。ピアノと弓で奏でるベースだけをバックにしっとりと、語りかけるように歌うこの歌は、涙が出そうになるくらいの名唱であった。この一曲が聴けただけでもこのコンサートの来た甲斐があったとおもう。

そしてラストは、スコットもウォーレンも加わって、会場一杯の別れを惜しむお客さんの手拍子で、ノリノリの定番「You’d Be So Nice ・・・・」。アンコール曲の「ス・ワンダフル」まで含めて10曲を見事歌いきりました。

ヘレン79歳、スコット54歳、テッド49歳、軽快にスイングするドラムのベテラン「テリー・クラーク」は1968年生まれで、よく歌うベースの「スティーブ・ラスピーナ」ともどもまだ若い。ゲストのバシェは足が不自由でツエを使っていたが50代後半か・・・・。客席はとみると、2階席からみれば男性の頭は、照り返しか、白髪頭(かくいう私もですが・・・)ばかり。まるで「敬老の日記念コンサート」の様相でしたが、「Love Me・・・」以外は、ステージ上で座ることなく、立ち続けて歌うヘレン。「パワーをもらったね」と語り合いながら、帰りの途についた初老の我ら夫婦でした。帰りがけ、丁度楽屋口から車に乗り込むヘレンを見かけたが、囲むファンに投げキッスをした姿が印象的。

「さようならヘレン。ありがとうヘレン。」

なんといっても、一世を風靡した、その「You’d Be So Nice To Come Home To (あなたがいてくれてうれしい)」をはずすことは出来ません。クインシー・ジョーンズが編曲し、クリフォード・ブラウンらが伴奏に加わった「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」は、何年経っても彼女のベスト・アルバムである。1954年に吹き込まれたこのアルバムが、運がいいのか悪いのか、早々と彼女の代表作になってしまい、悪く言えば「一発屋的」印象ともいえるが、50年を超える長い間、この歌が、誰でも知っている代表作であり続け、しかもJAZZボーカルとして高いレベルを保ってこの歌を歌い続けているヘレンには、ただ敬服するのみである。

ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン
ヘレン・メリル / / ユニバーサル ミュージック クラシック
ISBN : B000VZE0EG
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「スコット・ハミルトン」。今回は「泣かせのブロー」にやや精彩を欠いたものの、エディ・ヒギンス、ハリー・アレン、ローズマリー・クルーニなどとの共演盤をこのブログで何回も取り上げたお気に入りのサックス・プレイヤー。

マイ・フーリッシュ・ハート(紙ジャケット仕様)
エディ・ヒギンズ&スコット・ハミルトン / / ヴィーナス・レコード
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ステージでヘレンにものすごく優しく気を使っていたのが客席まで伝わってくるほど印象的であった「テッド・ローゼンタール」。ヘレン・メリルの専属ピアニストでもあるテッド・ローゼンタールが、ヘレンの十八番をピアノ・トリオで演奏した想い溢れるトリビュート・アルバムは、そのタイトルもズバリ「マイ・ファニー・バレンタイン~トリビュート・トゥ・ヘレン・メリル~」。

マイ・ファニー・バレンタイン~トリビュート・トゥ・ヘレン・メリル
テッド・ローゼンタール・トリオ / / ヴィーナス・レコード
ISBN : B000XYQGS8
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「ウォーレン・バシェ」。スコットやテッドをサポートしたアルバムをいくつも出しているが、スコットとともにローズマリー・クルーニをサポートした「ローズマリー・クルーニー/Sings Ballads」が私のお気に入り。

シングス・バラッズ(XRCD)
ローズマリー・クルーニー ウォーレン・バシェ スコット・ハミルトン エド・ピッカート ジョン・オッド チャック・イスラエル ジェイク・ハナ / ビクターエンタテインメント
ISBN : B0001ZX2D6
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さいごに演目一覧をあげておきます。(太字がヘレンが歌った曲)

【第1部】
Tea For Two
It’s All Right
Sky Lark
Cherokee
My Funny Valentine
Let’s Call The Whole Thing Off
Sweet Georgia Brown

【第2部】
People Will Say We’re In Love
Born To Be Blues
Summertime
Gee Baby, Ain’t I Good To You
Autumn Leaves
Antonio’s Song
Love Me Tender
My Favorite Things
Wild Is The Wind
You’d Be So Nice To Come Home To

【アンコール】
S’Wonderful

オーディオ・ファンは癒し姫の夢を見る 

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この夏に帰省したおり、このブログの読者でもある友人の山荘(ログハウス)を訪れる機会があり、友人の要請で私が持参したCDでのJAZZ談議が始まった。彼は山荘に立派なオーディオ装置を持っており、山の中の一軒家なので大きな音量で鳴らしても苦情が出ない。多分あんな大きな音量でJAZZを聴いたのは、かなり昔のJAZZ喫茶以来かもしれない。ちまちまとしたミニコンポや、ヘッドホンで聴く我が音楽ライフとは違って、久し振りにスカッとしたし、あんな音量で楽しめたらいいなと思ったりもした。そしてやっぱり、アーティストや再生装置から流れる音楽そのものは勿論のこと、友人、酒、静けさ、語らい、闇、雨の音、雷鳴、時間・・・・など、音楽以外の空間を構成する色々な要素が、音楽を楽しむ上でも重要なポイントであることをあらためて思った。

さて、CDショップで一枚の女性シンガーのCDを見つけたところから話を始めよう。

かってこのブログで、「第10回 アジアの癒し姫たち」というタイトルで、日本ではあまり知られてはいない女性歌手であるが、アジア系のもつ独特のまったりとした雰囲気によって、とても癒される歌手たちがいる・・・と絶賛したことがある。シンガポール出身の「Jacintha」(ジャシンサ或いはジャシンタと発音する)と、フィリピン出身で香港を音楽活動の地とする「Jheena Lodwick(ジーナ・ロドウィック)」である。ジーナのほうは香港で活躍しているので、中国のCDショップでアルバムがおかれているのを何回も見たが、ジャシンサは立て続けに何枚かのアルバムがリリースされたあと、マイナーレーベルというせいもあるのだろうか、ショップでは見かけることはなかった。そのジャシンサのCDを久し振りに見つけたのだ。

ジャシンサは、癒しの美声であることのほかに、リリースされたアルバムは、多分すべて「SACD(Super Audio Compact Disc)」とのハイブリッド仕様であることでも注目されてる。
「SACD(Super Audio CD」とは、CDと同じサイズの光ディスクに、オーディオ・データをCD以上の高音質で記録したものである。1999年にソニーとフィリップスにより、従来のCD規格の音に満足できないハイエンドユーザーを対象とした高音質追求音楽ファン御用達のフォーマット(サンプリング周波数は2822.4kHzと一般CDの約70倍)として規格化された。(原理はかなり技術的な説明になるので省略するが、興味ある方はネットなどで調べてください。)
発売されているソフトは、様々なジャンルあるが、最近はクラシック音楽・ジャズなどが発売されるソフトの大部分を占め、2008年6月現在で約5300タイトルが発売されている。SACD仕様で再生するには専用機が必要であるが、DISCがSACD/CDの両方の仕様で記録されているハイブリッドタイプの場合は、普通のCDデッキで再生できる。
そして「我が癒し姫ジャシンサ」のハイブリッドCDは、SACD仕様のCDを多くリリースしている「Groove Note Records」から発売されている。

いろいろなカテゴリーの音楽ファンのなかに「オーディオ・ファン」と呼ばれる高音質を追求するハード系指向の音楽ファンがいる。百万円いや一千万円の大金をオーディオ・システムにかけ、なかには専用のリスニング・ルームを作ってまでも高音質を追求する人達である。いままでは「音楽は想像力と感受性が8割、ハードよりはソフトに金を」と、ずっと私は思っていたので、そんな大金をシステムかける心理が分からなかったのであるが、おなじCDを聴いたのに、私の装置で聴いたのとはまったく違った音世界が拡がったのを友人の山荘で体験したことをきっかけに、ちょっと見方が変わったのである。高級オーディオから得られる音世界とは何なのか少し興味をそそられたのである。

あるオーディオ・ファンによると、セットで30~50万円クラス以上のスピーカーで聴くと到底同じCDとは思えないほどのピュアーな音が得られるそうで、さらに、このピュアーなサウンドが脳内にアルファ波を満たし、そのアルファ波が「βーエンドルフィン」という快楽ホルモンを脳内に放出させ、「非常に強烈な幸福感と癒し感」がえられ、お気に入りの音楽を聴くだけで若々しい病気知らずの人生を送れるというのです。この「ミュージック・セラピー」というらしいが、効果、真偽のほどは分からないが、音楽には人を楽しくさせたり、元気付けたり、感動させたりするある種の力があることだけは確かだとおもう。

このようなオーディオ・ファンたちにモテモテのシンガーが、「ジャシンサ」なのだ。久し振りに再会したジャシンサをNETで調べてみて、彼女のファンにオーディオファンが多いことに驚いた。いわく、「・・・超官能的な歌声と豊かな声量、そして群を抜く音質のハイレベルさ・・・」、いわく「・・・全身の毛がゆっくりと逆立ち・・・」という絶賛振り。ジャシンサはオーディオファンにとって、オーディオ機器の実力を測るリファレンスCDとして重用されるほどの、まさにSACD界の「夢見る癒し姫」であったのだ。

再会のCDは、「Jacintha Goes to Hollywood」。スタンダードでもあるよく知られた映画主題歌 「Alfie」、 「Windmills Of Your Mind」、「 A Man And A Woman」などを歌う。

Jacintha Goes to Hollywood
Jacintha / / Groove Note
ISBN : B000TP5TAC
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SACDでなく、普通のCDデッキで聴いても、かなりの高音質である今までのアルバムから、いくつかおすすめをあげると、まず「Ben Webster」に捧げた「Here’s to Ben」。「The Look Of Love」、「Stardust」、「Tenderly」などのスタンダード曲が続く。とりわけ「Danny Boy」は鳥肌が立つほどの凛とした歌唱力に圧倒される。アルバム「Rush Life」、「Autumn Leaves~The Songs Of Johnny Mercer」もやはり同様のおすすめ。スタンダード曲満載のアルバムで女性ボーカルファンは、普通の再生装置でも十分に癒しの時間を過ごせるであろう。

Here’s to Ben: A Vocal Tribute to Ben Webster
Jacintha / Groove Note
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Autumn Leaves: The Songs of Johnny Mercer
Jacintha / Groove Note
ISBN : B000040OJD
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これらのアルバムを再聴してみて、SACDデッキと高音質のオーディオ・システムで、彼女の歌を一度聴いてみたいと思ったが、システムにかける大金と家のつくりから考え直さなくてはということをおもうと、やはり夢のまた夢で終わりそう・・・・・。

もし、あなたが、SACDの互換機、高級オーディオをもっているリッチなオーディオ・ファンであれば、最近SACD仕様のみのジャシンサ・ベスト盤が発売されたようであるので、そちらで楽しむことも出来ますよ。

Best of Jacintha
Jacintha / / Groove Note Records
ISBN : B0017SZ3B0
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普通のCDデッキで聴けるもう一人の癒し姫、「Jheena Lodwick」の「All My Loving」に続く2作目「Vol. 2: Feelings」もおすすめしておきましょう。

Vol. 2: Feelings
Jheena Lodwick / / JVC
ISBN : B00068CVN0
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我がミューズたちの新作

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私にはJAZZボーカルで5人のミューズがいることは度々このブログでも書いた。「ジャネット・サイデル、カサンドラ・ウィルソン、ステイシー・ケント、ダイアナ・クラール」。そしてあと一人は日本人枠であるが、仮ミューズとして「伊藤君子」が入っている。その中の「ジャネット・サイデル」、「カサンドラ・ウイルソン」が相次いでアルバムをリリースした。

「ジャネット・サイデル/Janet Seidel」。彼女が過去にリリースしたアルバムの中に、彼女が敬愛する3人の女性歌手へのトリビュート盤がある。「ペギー・リー」、「ドリス・ディ」、「ブロッサム・ディアリー」へのそれぞれのトリビュート盤である。そのうち「ペギー・リー」と「ドリス・ディ」は廃盤になっていたが、「ペギー・リー」へのトリビュート盤は中古CDで見つけ(「我が心のミューズたち(1)  ジャネット・サイデル」参照) 残るは「ドリス・デイ」だけとなっていたが、やっと復刻盤が出た。

アメリカが生んだ国民的スター、「ドリス・デイ」のレパートリーをジャネットがカヴァーした好アルバムが、リニューアル・デザインで復刻! 24トラック全30曲収録。ドリスの温もり。そしてジャネットの安らぎ。

こんな帯がついていましたが、「Somebody Loves Me」から始まって、「Sentimental Journey」、「二人でお茶を」、「ケ・セラ・セラ」など、我々より少し上の世代に人は、ラジオから流れてくるドリスの歌声にまさに「豊かな国アメリカ」を感じてかじりついたであろう30曲がぎっしり詰まっている。
かっては、ナット・キング・コール・トリオ、最近ではジョン・ピザレリ・トリオと同じ編成、ジャネットのピアノ、デヴィッド・サイデルのベース、チャック・モーガンのギターという、ドラムレスの変則ピアノ・トリオである。この編成が、アコースティックで、レトロな感じを出し、聴く人に安らぎを与えるジャネットのボーカルを更に際立たせている。

「ドリス・ディ」は今年、2008年のグラミー賞で「Lifetime Achievement賞」を受賞した。このことは引退してから40年経ってもドリスは、アメリカの国民的歌手としての人気が健在であることを示している。日本で言えば、美空ひばりのような存在であろうか。ドリスはJAZZ歌手ではない。ポピュラーソング・シンガーであるが、JAZZ歌手のように気持ちよくスイングする。そんなドリスへの憧れと尊敬と親しみをこめてつくられたアルバム「Doris & Me」。聴くほどに心が和む、ジャネットの本領発揮のさすがの一枚。

ドリス&ミー ~センチメンタル・ジャーニー
ジャネット・サイデル / / ミューザック
ISBN : B00175HCS0
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かって、私は「千手観音」に喩えた「カサンドラ・ウイルソン/Cassandra Wilson」の新作「Loverly」。(「Black Beauties  ~孤高の歌姫たち~」参照) カサンドラは常にひとつ所にとどまらず、アルバムをリリースするたびに、新しい試みを試している。前作『Tunnderbird』以来の、2年ぶりのアルバム。そして彼女自身にとって、ブルーノート・レコードより初となるフル・スタンダード・アルバム。ということでかなりの期待と注目を持って聴いてみたが、残念ながら期待を裏切るものであった。アルバムに統一感、明快なコンセプトがないのである。1曲目「Lover Come Back Me」。スイング感溢れる冒頭の曲、「きたきた・・・」と思ったのもつかの間2曲目はムーディな甘い「黒いオルフェ・カーニバルの朝」。カサンドラってこんなんだっけ。10曲目「Dust My Room」。ブルージーな感覚溢れる佳唱。ベースとのデュオでうたう「The Very Thought Of You」。一つ一つの個別の歌はすごくいいのである。しかしアルバムを通して聴くと、「各論OK、総論NG」という違和感を覚えるのを禁じえなかった。千手観音全身を見たいのではないのだ。一本一本の手(アルバム)にフォーカスし、メッセージをこめることによって、聴き手の脳裏に千手観音全体が浮かび上がるということを期待しているのだ。ベスト版みたいなものはまったく期待していないのだ。ブルーノートからの期待の初リリースなれど、新しきプロデューサーはここを間違えているようだ。

Loverly
Cassandra Wilson / / Blue Note
ISBN : B0016NCTH2
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