こうなったら、「暖まるかな?」と引っ張り出してきたアルバムは、「リャンビコ/LYAMBIKO」。変わった名前の歌手であるが、「リャンビコ」は、タンザニア人の父親とドイツ人の母親の間に生まれたドイツ出身のJAZZ女性歌手。個性的な美貌に加え、オーソドックスなスタンダードとボサ・ノヴァを歌うジャズ・ヴォーカルは、スモーキーで艶っぽく、私好みの歌手である。「The nearness of you (あなたのおそばに)」なんていいなあ。
「二羽のキジ鳩が、いちゃつく時のさえずりを聞いたことがある?」なんてフレーズがある歌は、「バードランドの子守歌/Lullaby of Birdland」。「ジョージ・シアリング/George Shearing」作曲、「ジョージ・デビッド・ワイス/George David Weiss」が「B.Y.フォスター/B.Y. Forster」というペンネームで1952年に作った有名なスタンダード曲。そして、「バードランド」というのは、「チャーリー・パーカー/Charles Parker」の愛称「バード/Bird」にちなんでつけられ、1965年までマンハッタン52丁目にあった有名なジャズ・クラブ。
「♪ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Have you ever heard two turtle doves 二羽のキジ鳩がいちゃつく時の
Bill and Coo when they love? さえずりを聞いたことがある?
That’s the kind of magic music まるで魔法の音楽のようね
We make with our lips when we kiss キスする私たちの唇の音のように
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」
私も観ていた最近のテレビ・ドラマ、「DOCTORS 最強の名医」のエンディング・テーマに使われていたせいか、ニューヨーク在住の日本人女性ジャズ・ヴォーカリスト、「JUJU」の歌う「Lullaby Of Birdland」をよく耳にする。なかなかの新人の歌い手と思っていたが、これまたTVドラマの主題歌、「この夜を止めてよ」という曲で、「日本レコード大賞2011/優秀作品賞」を獲得したというから、今、若者に人気のシンガーであるようだ。初のJAZZアルバムがリリースされたというから、機会があれば一度聴いてみよう。期待できればいいのだが ・・・。
「ビル・エヴァンス/Bill Evans」を支えた名脇役の訃報。ジャズドラマー、「ポール・モチアン/Paul Motian」が11月22日に80歳で亡くなった。これで全盛期の「ビル・エヴァンス・トリオ」のメンバー全員が逝ってしまった。彼は1950年代から1960年代にかけて、「ビル・エヴァンス・トリオ」の不動のドラマーとしてベースの「スコット・ラファロ/Scott LaFaro」と活躍、「ポートレイト・イン・ジャズ/Portrait in Jazz(1959)」や「ワルツ・フォー・デビイ/Waltz for Debby(1961)」、「エクスプロレーションズ/Explorations(1961)」、「サンデー・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード/Sunday At The Village Vanguard」などの名盤を残した。ピアノ、ベース、ドラムが対等に演奏するという革新的なエヴァンスの演奏スタイルの中で、先鋭的だが美しい響きを重視した精緻で冷徹なドラミングは、エヴァンスのピアノを一層美しく輝かせるとともに、自身の存在をも輝かせ、その後のジャズに大きな影響を与えた。 合掌 ・・・・。
こんな穏やかな日に聴きたいのは、前回に続く「アジアの癒し姫」の二人目、「ジャシンサ/Jacintha」。中国人の母とインド人の父を持ち、シンガポールで活躍しているJAZZボーカリスト。何枚ものアルバムがリリースされているが、彼女の天性の美声とSACD仕様の録音の質の良さでオーディオ・ファンはシステムのチェック用にしているという。私は普通のCDデッキを使っているが、それでも、その録音の良さは特筆といえる。振幅の大きなヴィブラートを特徴とし、「レスター・ヤング/Lester Young」や「コールマン・ホーキンス/Coleman Hawkins」と並んで、モダン・ジャズ・テナー・サックスの祖と称された「ベン・ウェブスター/Ben Webster」をトリビュートしたアルバムが「Here’s to Ben」。「The Look Of Love」、「Stardust」、「Tenderly」などのスタンダード曲が続くが、圧巻は「Danny Boy」。「ア・カペラ」で歌いはじめ、その吐息が感じられるほどの臨場感と、鳥肌が立つほどの歌唱力に圧倒される。
「子供/Child」にまつわる曲やアルバムはいくつかある。このブログでも何回か紹介したが、そのほかPOPSでも、思い浮かべると、「Song To Aging Children Come/Joni Mitchell」、「What Shall We Do With The Child/Carly Simon」、「Let The Children Play/ Santana」などが上がってくるが、ちょっと渋めの曲「Children Of The Night/Cassandra Wilson」を紹介しておきましょうか。
「カサンドラ・ウィルソン」。思うがままに素材を選び、それを見事に自分のイメージに作り変えてしまうことから、私が「千手観音」になぞらえている「ジャズ・ディーバ」である。「Children Of The Night」が収録されているアルバム「Blue Light Til Dawn」もまた、ジャンルにこだわらず「Blue」というコンセプトに基づいて選んだ曲すべてを、彼女の天才的といってもいい表現力で彼女の世界に再構築している。スタンダード、「ジョニ・ミッチェル/Joni Mitchell」、「ヴァン・モリソン/Van Morrison」、「チャールス・ブラウン/Charles Brown」など。そしてバック・ミュージシャンたち。ギター、ヴァイオリン、スティール・ギター、クラリネット、パーカッション。JAZZではあまり使われない楽器が、静かで控えめながらも輝いて、カサンドラ・ウィルソンの世界への道を照らす道案内人のようだ。まるで呪文のような彼女の歌声が、聴く人を異次元の世界へ引き込んでいく。まさしく現代の巫女、シャーマン。
「♪ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
So I go into the darkness of the night 夜の暗闇へ歩き出す
All alone I walk the streets until I find ひとりぼっちで歩いてゆく
Someone who is just like me 私に似た誰かを見つけるまでは
Searching for some company 仲間を探すのよ
Children of the night 夜の子供たちよ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」
「ジミー・スミス/Jimmy Smith」に代表されるように、ファンキーなジャズ、ブルースにはオルガンはよく似合う。ゴスペルを想起させるからかもしれないが ・・。前回、「ライマン・ウッダード/Lyman Woodard」に続いて、最高にグルーヴィなギター+オルガン・トリオがある。ジャズ・ギタリスト、「マーク・ウィットフィールド/Mark Whitfield」が率いる「Mark Whitfield and The Groove Masters」である。ファンキー・ギターとグルーヴそのものといっていいくらいなご機嫌なオルガンのコラボのアルバムは、2005年のなんと日本ツアーのライブ・アルバム「Mark Whitfield and The Groove Masters」。そのノリはの最高。
「山口百恵」のこの歌、「徳永英明」などJ‐POPS系の歌手がよくカバーをしているが、ジャズ歌手である「ケイコ・リー」のカバーはかなり異色であろう。しかも、英語・日本語の両方のバージョンが出ている。英語バージョンなら、アルバム「アナザー・サイド・オブ・ケイコ・リー/Anther Side Of Keiko Lee」、日本語バージョンなら「ヴォイセズ・アゲイン/Voices Again」。いずれもベスト盤ながら、CM曲や映画主題歌、他アーティストとのコラボ曲など、彼女のハスキーボイスを堪能出来る佳作。
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