JAZZYな生活

プレミアムエイジ ジョインブログ

忘れちゃいけない我が家の春の花

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このところ櫻にばかり気を取られていたが、忘れちゃいけない我が家の花がある。「椿(ツバキ)」の花である。20年ほど前、今の家を購入した時に、別に風水とかを信じていたわけではないが、北向き玄関の脇になにか縁起のいい花木が欲しいと思って植えたものである。「椿」という字は、「木」偏に「春」と書く日本固有の特産樹で、古来より春を迎え、邪気や災いをはらう木、不老長寿の霊木とされてきた。以降、毎年4月ころになると、大きな花をつけ、我が家を楽しませてくれる。この椿の実が、かって飼っていた柴犬の大好物で、よく食べていたものである。それだけ多くの油分が含まれているという事であろう。実際、この実で椿油を絞ったこともあるくらい。しかし葉の茂る時期に、「チャドクガ(茶毒蛾)」にかなり悩まされたことがあるので、花の時期が終わると、かなり刈り込んでしまうため、花の数が昔より多くないのが少し残念である。

日本固有の特産樹であるが、18世紀のころ、イエズス会の助修士で植物学に造詣の深かった「ゲオルク・ジョセフ・カメル」がヨーロッパによって紹介され、その花の華麗さから一躍有名になったそうである。その「カメル」に因んで、「椿(学名;Camellia japonica)」に「カメル」という名前がつけられたという。その後、19世紀にはパリなどで園芸植物として大変流行し、主人公が好きな花として、オペラやバレー化、もちろん映画化もされている「アレクサンドル・デュマ・フィス/Alexandre Dumas Fils」の小説「椿姫」が生み出された。

もともと、「家内安全」、「家族の幸福」を願って植えた椿。これからも、いつまでも花をつけてほしいものである。前回に継いで、期待の男性JAZZボーカル「グレゴリー・ポーター/Gregory Porter」の2ndアルバム「Be Good」からアルバム・タイトルと同名の歌を。我が家もこの国もずっと「Be Good」であってほしい。

Be Good

Gregory Porter / Motema Music

「♪ ” Be Good” Is Her Name ・・・ ♪」で始まるほのぼのする歌と映像。「檻に閉じこめられたライオンのような私の心を君が解き放っていく ・・・」。そんな意味の美しいラブソング。

「Gregory Porter – “Be Good (Lion’s Song)”」
                                       
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ことしの観梅は一か月遅れで

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一転して冬へ後戻ったような天気。午前中は一時雪さえ降った。もちろん積もることはなかったが、こんなことは初めてである。まるで前回のブログで紹介した歌、「Spring Will Be A Little Late This Year」を感じさせるような日だ。昼からは薄日が差してきたので、隣町宝塚市にある「中山寺」へと観梅に出かけた。今年初めてである。

「中山寺」は聖徳太子創建と伝えられる「西国二十四番札所」。豊臣秀吉が祈願して秀頼を授かったことから、子授け祈願、安産祈願の寺として関西では有名な寺である。毎月「戌の日」には安産のための腹帯を求める人の列が続くという。

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その「中山寺」の梅林がこの地域の梅の名所である。秀吉亡き後、秀頼が片桐 且元に命じて再建させた本堂のある境内を抜けた裏山に梅林はある。宝塚市街地を見渡すことが出来る小高い斜面の梅林には、約1000本の豊後と摩耶など6種類の紅梅、白梅が植えられており、今まさに満開。ほのかに香る梅の薫りを楽しんだ後は、冷えた体を暖めるため、寺の茶屋に駆け込む。調べてみたら、2年前にここを訪れたのは、2月の末、ちょうど一か月遅れての観梅であった。

ぜんざいで体を暖めたあとは、音楽で ・・・。たまには男の歌もいいでしょう。男も惚れるビロードの声の持ち主「ジョニー・ハートマン/Johnny Hartman」。題名からして暖かくなるような「スロー・ホット・ウィンド/Slow Hot Wind」。初めて知ったのは、学生時代のよく行ったグリルのマスターのおすすめのアルバム「Voice That Is!」から。今では私が癒される数少ない男性JAZZボーカルである。

Voice That Is

Johnny Hartman / Grp Records

しかし、「F.シナトラ」や「ペリー・コモ」、「A.ウイリアムス」、「B.クロスビー」、「N.キング・コール」などのように超有名になることは決してなかったシンガーだった。ジャズ・ファンで知られている映画監督、「クリント・イーストウッド/Clinton Eastwood 」は、映画「マディソン郡の橋」のバックで、この人の歌をいくつか流したましたね。その理由を聞かれて、彼は「ハートマンを選んだのは、彼がメインストリームに受け入れられたことはなかったが、とても優れた歌手だったからだ」と答えたという。

しかし、彼はJAZZボーカル史上、「歴史的名盤」、「これぞ究極のジャズバラード集」とJAZZ本などで必ず称される名盤を残している。「ジョン・コルトレーン/John Coltrane」のサックスと、ハートマンのヴォーカルが美しく絡み合う、傑作「ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン」である。私はコルトレーンの名盤「Ballads」も好きですが、このアルバムでも、コルトレーンは、ハートマンと同じくらいよく歌うサックスで、何回聞いても飽きがこない。「マッコイ・タイナー/McCoy Tyner」の控えめなピアノもいい。そしてハートマン、相変わらずのよく響く低音。艶といい、こもる情感といい、程よく震えるビブラートといい、最高のボーカルを披露してくれる。

ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン

ジョン・コルトレーン ジョニー・ハートマン マッコイ・タイナー ジミー・ギャリソン エルヴィン・ジョーンズユニバーサルクラシック

さて前置きが長くなりましたが、ビロードの声にゆったりと身をゆだねる至福。「Slow Hot Wind」。

「JOHNNY HARTMAN – slow hot wind」

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大掃除

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いつからか我が家の年末の大掃除は私の仕事になってしまった。窓、網戸、照明器具、換気扇、浴室、家具 ・・・ などである。私の子供の頃はといえば、やはり大掃除は親父の仕事であった。さらに加えて、天井のすす払い、障子の張り替え、畳のほこり叩きなどの仕事もあったように記憶している。畳をあげたとき、その下から現れる昔の新聞を読むのも楽しみであった。もちろん住宅の気密性も悪く、電気掃除機などない時代の話である。
 
大掃除は、父親の朝からの一日仕事、子供にとっては、大人の仕事を手伝えることが誇らしく、まるで「祭り」のように感じた一日であった。今は住宅の性能もあがり、掃除の道具も形も、昔とは大きく違ったきたので、家に積もるほこりや汚れも昔に比べ、格段に少なくなったように思える。そして大掃除が終わると、藁で縄をない、しめ縄、しめ飾りを作って玄関や神棚に飾るのも親父の仕事であった。私も掃除を終えてから、先日自分で作った門松を玄関わきに据える。「どうも亡き親父の後を追いかけているようだ」と、ふと気が付いた。

さあ、正月を迎える準備は一応整えた。後は年越しそばを食べるのみ ・・・。

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部屋の片づけ、掃除をしながら、ずっと流していたのは、イタリアは花の都「フィレンツェ」生まれのピアニスト「アレッサンドロ・ガラティ/Alessandoro Galati」のアルバム「オール・アローン/All Alone」、「キュービック/Cubicq」。「ビル・エヴァンス/Bill Evans」を敬愛し、独特の詩情と哀愁を持つ抒情派ピアニストである。これほど内省的で微妙な感情を表現できるのは、やはりソロ演奏しかあるまい。抒情性と哀愁が見事に溶け合つた美しいメロディで綴る極上のバラード集。この強面の男の指先からどうしてあんなに繊細で美しい音が紡ぎだされるのであろうか ・・・。

オール・アローン

アレッサンドロ・ガラティ / BLUE GLEAM

初めて触れ、魅せられたガラティの感性。極めつけの美メロが構築する詩情あふれる空間。深い哀愁の中に 繊細かつ歌心あるピアノが自在に踊る珠玉の傑作。
 

キュービック

アレッサンドロ・ガラティ・トリオ / BLUE GLEAM

「Alessandro Galati Trio – mary prayer」 アルバム「キュービック」から。
 
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本年度最後のブログ記事となります。来年もよろしくお願いいたします。皆様よいお年を!!! 
 
 
 

盆を迎えて

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お盆である。東北地方の被災者の皆さんにとって今年はつらいお盆であったでしょう。

京都・大文字焼き、五山の送り火では、陸前高田の浜の津波でなぎ倒された松の木を燃やす、燃やさないでもめ、みっともなさを日本中にさらしてしまった。

私の田舎では、「かんば」といって白樺(しらかんば)の木の樹皮を家々の戸口で焚いて、盆の「迎え火」とする。そして、今はどうしているか知らないが、子供のころは、野菜と割箸でいろいろな動物を作ってお供えし、盆が終わると、それらを川に流したものである。いまならゴミとして回収するだろうが、昔はあの野菜はどうしたのだろうか。昔に比べ、盆の供養もだいぶ簡素化されている。とはいえ、実家では浄土宗のプロトコルにしたがって供養を行っていたが、それも母が老いてできなくなり、仏壇は残してきたが、親父の位牌を今年は連れて帰った。仏壇がわりの棚に置き位牌を置き、簡単な供養をした。

そして、今年の1月9日に17歳で亡くなった我が家の愛犬「ちゃちゃ」の新盆でもある。柴犬としてはかなりの長寿であったと思う。臆病なのか、自分の適正な食事量をちゃんとわかっていて、それ以上は決して食べようとはしなかった。それが長寿の原因だったかもしれない。亡骸の焼却と供養をお願いした市の霊園の動物の慰霊碑にお参りをし、犬小屋のあった場所に置いてある人形に、大好物だったチーズを供えた。

美人薄命。早逝の美人歌手も多い。「ベヴァリー(ビバリー)・ケニー/Beverly Kenny」、彼女もその一人である。ちょっと甘ったるい、ハスキーがかった声を持つ美人歌手。1960年28歳の若さで亡くなった。死因については、従来、「寝タバコが原因のホテル火災のため焼死」となっていたが、睡眠薬と酒を服用しての自殺ともいわれている。きっと深い悲しいストーリーがあったのでしょう。そんな、ストーリーを感じさせる歌は、「Born To Be Blue」。ブログ記事「村上春樹氏のスピーチ」で紹介したものの再録になりますが、もともとは、ハスキー・ボイスで有名な「ヘレン・メリル/Helen Merrill」が歌っていたが、「ベヴァリー・ケニー」は、もう少しソフトに、甘くキュートに歌っている。1958年に録音され、彼女が残したたった6枚のアルバムの一つ「Born To Be Blue」に収録されている。

ボーン・トゥ・ビー・ブルー(紙ジャケット仕様)

ベヴァリー・ケニー / ユニバーサル ミュージック クラシック


 
「Beverly Kenny sings Born To Be Blue」

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七夕人形に

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私の故郷、信州松本には8月7日、すなわち、旧の「七夕」に写真のような男女一対の木製や和紙で作られた「七夕人形」を飾る風習がある。この地方独特の風習らしい。短冊などの一般的な「七夕飾り」と共に、「七夕人形」を軒下につるしてお祝いをするのである。江戸時代から今に伝えられている風習で、お雛様や五月人形と同じように、五節句のひとつである七月七日の「七夕の節句」に、男女関係なく、赤ちゃんのその健やかな成長を祈って飾られるのである。わが母も飾ってくれた記憶がかすかにある。しかし、我家の子どもは男三人。ガサツで情緒もへったくれもないので、七夕人形を飾ることはなかった。しかし、初孫誕生が分かったので、昨年の夏帰省した折に、松本市内の人形店で買い求めたのである。今年は初の七夕節句、孫の成長を願い、早速飾ってみた。新しき我家の歳時記。小ぶりのセットを贈った息子夫婦もきっと飾ってくれていることだろう。

月並みであるが、定番「星に願いを/When I Wish Upon A Star」でしょうか。いつか成長して、この歌の意味が分かるであろう孫にも贈ってみたい曲。ディズニー映画「ピノキオ」の挿入歌として超有名な曲ですが、ちょっとJAZZYに歌う、これはなつかしや「ビリー・ジョエル/Billy Joel」はどうでしょうか。いろいろなアーティストがディズニー映画の主題歌を歌うオムニバス・アルバム「Simply Mad About the Mouse」(ミッキー・マウス大好き!)から。その中でビリーの歌う「星に願いを」は出色の出来映え。



Simply Mad About the Mouse  Sony

「Billy Joel – 星に願いを」。 歌詞がいつ聞いてもいいのでコチラをアップしました。

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おなじビリーの曲ですが、ディズニー・アニメとシンクロして楽しめるMTVバージョンは「コチラ」。 
 

残念ながら、今日は一日雨模様 ・・・。 

 

 

原風景の秋へ ・・・・

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あちこちから「紅葉だより」が届きだした。今年の紅葉ドライブはどこにしようかと、迷いましたが、京都の北部丹南市美山町、北村にある「かやぶきの里」へと車を走らせた。我が家から1時間40分ほどのドライブである。美山町は京都と日本海の若狭・小浜との中間に位置し、「鯖街道」と呼ばれた「周山街道」が町を貫いている。気候は日本海側に近いため、この日も時折、時雨模様。亀岡から無料化実験を行っている京都縦貫道路へ乗り、園部ICで降りて府道19号を北へ走ると、すぐに両側は杉の緑と広葉樹の紅葉とが織り成す、見事な綾錦の里山が延々と続く。黄色はブナ、ミズナラ、コナラ、クヌギ、赤色はサクラ、カエデ、モミジであろうか。本当に息を呑むような美しさである。畦や農道、畑、里山がきちんと手入れがされているのも見て取れる。そんな景色のなかに、かやぶき屋根や、この地域独特の伝統的な農家が点在している。まさに「日本の原風景」のなかにタイム・スリップしたような気になる。

やがて、綾錦に染まった山裾にかやぶき屋根の集落が見えてくる。目的地の国の重要伝統的建造物保存地区に指定されている「かやぶきの里」である。この里、北村地区は冬は豪雪地帯、その谷間のゆるい傾斜地に寄り合うように住まいが密集した、日本のどこにでもあるような山村である。現在50戸ほどある集落のうち、38戸がかやぶき屋根の建築で、岐阜県白川郷や福島県大内宿に次ぐという。最古のものは、寛政8年(1796年)建築、多くが19世紀中ごろまでの江戸時代に建てられているという。

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集落内をゆっくりと散策してみる。菩提寺、先祖代々の墓、鎮守の森、八幡様、かやの茂る茅場 ・・・。静かでゆったりとした時が流れているようである。この里は博物館的に建物を保存しているのでなく、50戸全部に人が住んでいて、現実の生活が営まれているのである。会話、洗濯物、農機具、季節の花が咲く庭、熟れた柿 ・・・ 。ときどき時雨れてくる濡れた道を歩いていると、傍らから流れてくる生活の息遣い。お地蔵さんの置かれている辻から、ひょいっと懐かしい顔に会えそうな気がする。

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そんなかやぶき集落の一角に、「ちいさな藍美術館」はあった。京都市内からこの地に移り住んで30年近くなるという、藍染め作家「新道弘之」さんの自宅兼工房兼美術館である。築二百年超という、かやぶき古民家の一階には、藍染の工房が、二階には自作品とコレクションが開かれている。古民家でみる藍染、ここもまた静寂と懐かしい雰囲気が漂う空間。

「国の保存地区に指定され予算がつき、保存活動もだいぶやり易くなった。何にもまして若い屋根葺き職人が住みだしたことが大きい。」と語る新道さん。伝統をずっと保存していくには、お金ももちろん大事であるが、何よりも技を伝承していく「人」が要なのである。懐かしい「原風景」の村と生活が「村おこし」になった ・・・ 。

売店でこの地の名産に加えて、大麦を炒って挽いた粉を水飴にまぶした「はったいこ飴」を買い求め、そのなつかしい味を口の中に含みながら帰路につく。

この「原風景」、「サウダージ・ドライブ」のお供は、やはり「ボサノバ」。まずは、オーストリア出身という「シモーネ/Simone」の最近のアルバム、「アロマ・ハワイ」。有名なハワイアン・ナンバーをボッサ・アレンジした、いわゆる「フェイク・ボッサ」。ミスマッチと思いきや、これがボサノバにも、この秋の季節にもよく合うのだ。この「ほっこりボッサ」を聴きながら、12月中旬の気温という寒気の中、秋深まる丹波路をゆっくりと走る ・・・ 。



アロマ・ハワイ  シモーネ&ハワイアン・ジャズ・バンド / ヴィーナスレコード

もう一枚は、ベテラン・アルト奏者の「リー・コニッツ/LEE KONITZ」が、「A.C.ジョビン」に捧げたボッサ・アルバム「ブラジリアン・ラプソディ/BRAZILIAN RHAPSODY 」。美しいメロディをじっくりと、軽快に若手プレイヤーたちと歌いあげるコニッツのアルトが耳に心地よい。1995年NY録音。



ブラジリアン・ラプソディ  リー・コニッツ&ザ・ブラジリアン・バンド / 徳間ジャパンコミュニケーションズ

上のアルバムから、「メナーニ・モサ/MENINA MOCA (若い娘)」
 
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一日早いお月見

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22日は「十五夜」である。この「十五夜」の月を鑑賞する風習は、中国から日本に伝わったものである。私もお目にかかったことがあるが、いまでも中国では、この日には「月餅(げっぺい)」などで盛大にお祝いをしている。古来、旧暦8月15日と旧暦9月13日に月を鑑賞する夜のことを、「お月見」といい、前者を「十五夜(じゅうごや)」、後者を「十三夜(じゅうさんや)」と呼んできた。そして特に、「十五夜」の月を「中秋の名月」と呼んで、お団子や薄を飾って月見を楽しんできたのである。

薄(ススキ)の穂は動物の尾に見立てられ、「尾花」とも呼ばれることもあり、「山上憶良(やまのうえのおくら)」が万葉集で、「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花(おみなえし) また藤袴 朝顔の花」(巻八 1538)と詠んだように「秋の七草」の一つに数えられている。そんなことから、秋を代表する草花として、十五夜の月見には、ハギとともにススキを飾ることが多いという。

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(砥峰高原のすすき)

我が家でもススキを飾ろうとご近所を探したが、どうしたことか、ススキが見当たらないのである。かっては、河原、土手、空き地、いたるところで見られたススキであるのに。ようやく見つけることができたが、ススキそのものが住宅地では殆ど目に付かないくらい少なくなったこと、またあっても、まだ穂が出ていないなど、何か、今年の猛暑や環境変化の影響であろうか、ススキが少なくなったことへの疑問が残る。

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(曽爾高原のすすき)    

ススキの名所。関東なれば、箱根・仙石原高原あたりであろうが、関西にも全山一面のすすきという名所がいくつかある。いづれも2、3年前に行ったところである。結構人出があったが、背丈ほどもある薄に人はすっかり埋もれ隠れてしまい、秋の日の光と影とススキが織りなすモノトーンに近い景色から感じられるある種のすがすがしさと寂寥感にすっかり魅せられてしまった。まず、兵庫県神崎郡神河町、砥峰高原(とのみねこうげん)。ここは、2010年公開予定の「村上春樹」原作の映画「ノルウェイの森」の主要な撮影地でもあるという。そして、もう一箇所は奈良県宇陀郡の曽爾高原(そにこうげん)。いずれも、山ひとつがすべて薄に覆われている不思議な静けさに満ちた光景であった。(写真はwikipediaより)

さあ、今夜(21日)は、満月に近い月が昇った。どうも22日の天気予報は芳しくないので、どうやら中秋の名月は拝めないようである。しからば、一日早いお月見でもしましょうか ・・・・ 。さて、曲は何にしましょうか。「Fly Me To The Moon」、「Moon River」などではなどはあまりにも月並みだし ・・・ 。

わがJAZZミューズの一人、「カサンドラ・ウィルソン/Cassandra Wilson」の「ハーベスト・ムーン/Harvest Moon」を選んでみました。アルバムは彼女の最高傑作「ニュー・ムーン・ドーター/New Moon Daugter」から。本アルバムは、オリジナルが5曲で、ほかに「U2」、「サン・ハウス」、「ハンク・ウィリアムス」、「ニール・ヤング」、さらには「モンキーズ」のヒット曲まで取り上げているが、すべてが見事に彼女の世界に仕立て上げられている。私が、「現代の千手観音」という敬称を捧げる所以(ゆえん)である。曲は、「ハーベスト・ムーン/Harvest Moon」、オリジナルは、シンガー・ソングライター「ニール・ヤング/Neil Young」であるが、このリリカルでロマンチックな詩を彼女は多彩な楽器とともに、幻想的に歌う。訳詩は不要でしょう。始まった秋の夜、中秋の名月にカップルで聴くなんかいいかもしれません。

「♪ Come a little bit closer    Hear what I have to say
   Just like children sleepin’    We could dream this night away.

  But there’s a full moon risin’  Let’s go dancin’ in the light
  We know where the music’s playin’  Let’s go out and feel the night.

  Because I’m still in love with you  I want to see you dance again
  Because I’m still in love with you   On this harvest moon. 

             ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     (作詞作曲;Neil Young)  ♪」



ニュー・ムーン・ドーター  カサンドラ・ウィルソン東芝EMI

一度ライブで聴いてみたいと思っている歌手の一人、「Cassandra Wilson」。では、LIVEで「Harvest Moon」を。

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秋を呼ぶ祭り ~もうひとつの大文字火~

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京都の「大文字送り火」が終わると、残暑はまだ厳しいものの関西人は、秋の気配を敏感に感じるようだ。ご近所の多田神社で行われる「萬燈会」もそうであるが、そんな秋を前にした供養の祭りが近畿地方のあちこちで行われるのである。そんな祭りのひとつが、あちこちの辻や路地で行われる「地蔵盆」である。

地蔵盆(じぞうぼん)は、地蔵菩薩の縁日(毎月24日)であり、特にお盆の期間中でもある旧暦の7月24日を中心とした3日間の期間に行われる地蔵菩薩の祭のことをいう。地蔵盆は寺院に祀られている地蔵菩薩を対象とした祭りではなく、道祖神信仰と結びついた路傍あるいは街角、辻の地蔵が対象となっている。近畿地方では特に盛んであり、この時期、古い町並みのある町では、あちこちの路傍にあるお地蔵さんを祀っているのをよく見かける。今日では地蔵盆は子供のための祭となり、地蔵の前に集まった子供達に供養の菓子や手料理などを振るまわれる場合が多い。地域興しのため、いろいろな土地の祭りが、ショー化、パレード化、カーニバル化していくのはやむをえないとしても、一方で地蔵盆のような地味であるが、地域の濃密な縁(えにし)と歴史を感じさせる祭りを見かけると、どこかで「ほっ」としたような気持ちになる。

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同じ時期、毎年8月23日・24日に行われるのが、「千灯供養」。特に有名なのが、京都・化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)の「千灯供養」。化野の地は、かって東山の「鳥辺野(とりべの)」、洛北の「蓮台野(れんだいの)」と並ぶ平安時代以来の墓地であり、風葬の地として知られている。そんなことから、念仏寺境内の西院(さい)河原にまつられている約8000体の無縁仏の石塔、石仏ひとつひとつに蝋燭(ろうそく)を灯し、供養する宗教行事である。同じ「路傍の仏の供養」ということで「地蔵盆」とも何らかの関係があるであろうか。関西に来たころ、「化野・念仏寺の千灯供養」へ2度ほど行ったことがあるが、山之辺の静かなお寺に広がる幻想的な世界を目の当たりにして、その美しさに絶句したことがある。

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そして、隣町で行われるのが、大阪府無形民俗文化財に指定されている「池田五月山のがんがら火祭り」。五月山中腹にある愛宕神社の夏祭りである。かねてから見たいと思っていたが、なかなか機会を得ず、今回初めて間近で見ることができた。

毎年8月24日、大阪府池田市で行われる「愛宕火(がんがら火)」は、1644年(正保元年)にその起源を持つ、北摂を代表する勇壮な伝統的火祭りである。重さ100キログラム、長さ4メートル、3基の大松明を担いで、全行程3キロメートルの道のりを火の粉を散らしながら練り歩くのである。「がんがら火祭り」と呼ばれる由縁は、大松明に随行して打ち鳴らす、八丁鐘や半鐘を音に由来があるとのことだ。がんがら火は、五月山山上にある愛宕神社の火伏せ信仰と結びついている。愛宕神社の大元は「火伏に霊験あり」と信じられている京都の愛宕神社。ここのお札をもらって炊事場などに貼ってあるのを関西ではよく見かける。正保元年(1644)に、地元の多田屋・板屋・中村屋・丸屋の四人の旦那衆が、五月山山上で百味の箱を竹に立て火をともしたところ、人々がその火を見て、池田に愛宕が飛来したといいながら、競って参集したのというのが「池田の愛宕神社」のはじまりとされている。

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京都まで行かずに、手軽にお参りできるのが有り難いと、この五月山の新愛宕は忽ち大繁盛したという。その評判があまりに高いために、京都の御本家の愛宕神社から抗議があったというから面白い。今で言えば、商標権か著作権侵害であろうか ・・・。

昭和初期頃からは、大松明が登場し、がんがら火は華やいだ行事となった。今のがんがら火は、この大正から昭和の初めに完成されたスタイルを受け継いでいるという。「火伏せ信仰」から、その火を御燈明に灯すと火除けになると信じられ、この日も大松明のこぼれ火を拾い、持ち帰る人を多くみかけた。そして、市のシンボルである五月山には、京都の送り火の如く、西は「大一」、東は「大」の文字に御神火が点され、池田の夜空に浮かび上がる。五月山と猪名川の間の斜面に開けた町で、狭い路地や階段の多い町。地蔵盆の灯りの浮かび上がる、その路地の闇の奥からコンチキチンの鐘の音とともに火の粉を撒き散らして大松明が近づいてくる。地蔵盆の堤燈の「静」と松明の「動」。

がんがら火は、その起源から350年以上経った現在も大事に受け継がれ、池田に隣接する近在近郷の者にとって秋を迎える季節の風物詩となっている。どこの祭りでもそうであろうが、少子高齢化、引継ぎ手がなかなか確保できないという。この祭りも相当な人手を必要とすると思われるが、なんとか続けていってほしいと思う。

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 「愛宕火や 池田伊丹の 秋ひとつ」 休計

 

40年ほど前に富山・八尾の出身者を夫人にもつ友人から誘われてから、長い間焦がれているが、いまだに行きえていない秋を呼ぶ祭りがある。「二百十日」によせて、9月1日から3日まで行われる、富山は八尾の「風の盆」。今年も近づいてきたが、またいけそうにない ・・・。

ぼんぼりに灯がともり、胡弓の音が流れるとき、風の盆の夜がふける。越中おわらの祭の夜に、死の予感にふるえつつ忍び逢う一組の男女。高橋 治「風の盆恋歌」は、私にとっての永遠の恋愛小説。

風の盆恋歌  高橋 治  新潮社

風の盆」当日は、普段は2万人ほどのひっそりとした小さな町に数十万という大変な数の観光客が押し寄せるため、とても情緒を味わうどころではないというエイジ氏のレポート。焦がれて純化された「風の盆」への私のイメージは膨れ上がり、訪れたとしても、きっと裏切られるに違いない。ならば小説や映像でその雰囲気を味わうだけにして、焦がれる思いは永遠に心の中に留めておいたほうがよさそうである。

観てみます? 越中・八尾の「おわら 風の盆」

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そして、これまた長い間焦がれて、たぶん一生無理であろうが、いまだに行きえていないカルナバルは「リオのカーニバル」。南半球のブラジルでは夏の終わりの2月に行われる。映画 「黒いオルフェ」で観て以来、ずっと恋焦がれている祭り。

聴いてみます?映画の一場面とともに。 「カーニバルの朝(黒いオルフェ)」。1959年フランス・ブラジル合作映画 「黒いオルフェ」の主題歌で、ルイス・ボンファ作曲である。

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紫陽花は球形(たまかた)に ・・・

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             宵の間の露に咲きそふ  あぢさゐの
                  よひらぞ月の  影にみえける   (新撰六帖題和歌六)

             球形(たまかた)のまとまりくれば  梅雨の花
                  あぢさゐは移る  群青の色に   (宇都野 研)

 

「紫陽花」という漢字表記は、「白居易」によるものだという。「白居易」は中唐の詩人、字(あざな)は「白楽天」で、日本ではこちらの名前でよく知られている。「紫陽花」と「あぢさゐ」は違うという説もあるらしいが、「紫陽花」と言う漢字、「あぢさゐ」の風情をよく表わしていると思ったのだろうか、すっかり日本に定着してしまったようだ。

写真は毎年この時期に参るご近所のあじさい寺、源頼光、縁の寺「頼光寺」のあじさゐ。
 
早いもので、6月ももう終わり。6月の歌といえば、「ムーンライト・セレナーデ/Moonlight Serenade」。何故、6月の曲かといえば、歌詞に「June Night 」という言葉がでてくるからである。この時期、日本では蒸し暑く、寝苦しい夜であるが、アメリカでは結構快適で過ごしやすい夜なのかも知りませんね。

「Moonlight Serenade」は、ジャズのスタンダード・ナンバー。1939年に「グレン・ミラー/Glenn Miller」により作曲されたスウィング・ジャズの代表曲の1つであり、「グレン・ミラー楽団」のバンド・テーマともなっている。後に「ミッチェル・パリッシュ/ Mitchell Parish 」により歌詞が書き加えられ、歌としてもとりあげられる事も多くなった。しかし、この歌に出てくる花は、紫陽花ではなく薔薇ですが ・・・・ 。

【 Moonlight Serenade 】  作詞;Mitchell Parish 作曲;Glenn Miller

「♪ I stand at your gate and the song that I sing is of moonlight
   I stand and I wait for the touch of your hand in the June night
   The roses are sighing a Moonlight Serenade.

   The stars are aglow and tonight how their light sets me dreaming.
   My love, do you know that your eyes are like stars brightly beaming?
   I bring you and I sing you a Moonlight Serenade

   Let us stray till break of day in love’s valley of dreams.
   Just you and I, a summer sky, a heavenly breeze kissin’ the trees.

   So don’t let me wait, come to me tenderly in the June night.
   I stand at your gate and I sing you a song in the moonlight
   A love song, my darling, a Moonlight Serenade.      ♪」

 

この端正なスタンダード・ソングを歌う時、歌手は居住まいを正して歌うようである。あのかってのイケイケ娘、「カーリー・サイモン/Carly Simon」もその一人である。ジャケットを見ると、優雅な純白のドレスに身をつつみ、表題曲ほかを低めの声でセクシーに、かつ端正に聞かせてくれる。過激なコスチュームがジャケットの、あのアルバム「Playing Possum」と同一人物とはとても思えないのだが ・・・ 。



ムーンライト・セレナーデ  カーリー・サイモン ソニーミュージックエンタテインメント

それでは、聴いてみます? 「カーリー・サイモン」の端正な歌いっぷり、「ムーンライト・セレナーデ」を。 

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人気JAZZコーラス・グループ「マンハッタン・トランスファー」のメンバーである「シェリル・ベンティーン/Cheryl Bentyne」がソロ名義で吹き込んだJAZZボーカルアルバムがいくつかある。その中で、「TAKE 6」のメンバーらを誘って結成したコーラス・グループ「ザ・ハーモニー」とともに歌うJAZZコーラスの傑作が「ムーンライト・セレナーデ」。冒頭のア・カペラ、「ムーンライト・セレナーデ」は、そのハーモニーの美学、ダイナミクスに聞き惚れてしまう。
 


ムーンライト・セレナーデ   シェリル・ベンティーン&ザ・ハーモニー キングレコード

 

 

忘れていた武者人形

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思い立って、納戸から武者人形を引っ張り出し、床の間に飾ってみた。長男が生まれた30数年前に、初孫の成長を願って妻の実家から贈ってきたものである。子供が小さい頃は、毎年のように飾っていたが、子供達が長ずるに連れ、部屋も狭いこともあり、また面倒くさいこともあって、すっかり飾らなくなってしまった。10数年ぶりだろうか、飾ってみると、二人だけの我が家に、いっぱいの季節感が一気に溢れてきた。さあ、一献かたむけようか ・・・・。

酒の肴に聴く曲は、スタンダードから「God Bless The Child」。シンガポールを拠点に活動するアジアの癒し姫「ジャシンサ/Jacintha」のアルバム「Jacintha Is Her Name」から。春の静かな宵に、彼女の歌うスタンダードに酔ってみるのもまた一興でしょうか。
 


Jacintha Is Her Name

Jacintha / Groove Note



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