JAZZYな生活

プレミアムエイジ ジョインブログ

映画「ふたたび」の感動

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神童さんへ

映画「ふたたび」を私も見ました。コメントで書こうと思いましたが、感動も深く、長くなりそうなので、本文にしました。

久しぶりに映画館で涙しました。ハンセン病という重いテーマを扱った映画ですが、塩屋俊監督は日本のJAZZ発祥の地で、あの震災を乗り越えた神戸の町と主人公の健三郎や家族、仲間たちの再生を同調させた物語にしたいという思いが強くあったようで、その思いは十分に描かれていたと思います。この神戸の地を舞台にした映画には、私の知っているいくつかの場所がロケ地として登場したため、私にとっても格別な映画だったようです。先日紅葉を見に行ったばかりの京都府南丹市美山町のかやぶきの里、昔子ども達と遊んだ和歌山県・白浜町の海岸、西宮市大手前大学、日ごろ親しんでいる神戸ハーバーランドとメリケン波止場、それに元町界隈 など ・・・。そして、一度だけ行ったことのある三宮・北野坂の老舗のJAZZクラブ「ソネ(SONE)」。映画にもチラッと出ていた名物オーナーの曽根桂子さんはこの映画の公開を待たずに8月に亡くなってしまった。

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それにしても、主人公・健三郎を演じた「財津一郎」の渾身の演技、光っていましたね。遺作のつもりで取り組んだそうです。彼はトランペットは吹けないのですが、心の闇や慟哭を居るだけで表現できる存在感を持ち、しかもJAZZのスイング感を体現できる役者は彼しか居ないと監督は決めていたそうです。バンドのメンバーの顔ぶれも演技もすごかったですね。ベースは最近、「植木等」に続いて「谷啓」を亡くしたばかりの「犬塚弘」、トロンボーンは確かJAZZレストランのオーナーと思うが、「おひょい」こと「藤村俊二」、ドラムはかって歌手であった「佐川満男」。いずれも、老いの悲しみや存在感、何にもましてJAZZを体現できるキャスティングであったと思います。そして、渡辺貞夫も友情出演。

私も気に入ったマイナーで軽快なクール・ジャズ・クインテットの哀愁のテーマ曲は「Alive Again」という曲で、思わずサウンド・トラックのCDをシネマのショップで買ってしまいました。多分今年、私のイチオシの映画、最高のじじい映画となる深い感動を呼び起こした映画でした。もちろんこの映画は同じタイトルの小説が原作のフィクションですが、彼らのあの深くて強い絆を我々も持ちえているでしょうか?

最後にYOUTUBEにアップされていた予告編であの感動を再び味わってください。

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観るJAZZ(6) ~ 映画「パブリック・エネミーズ」 ~ 

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ちょっと前のブログで、カナダの13歳でデビューした天才JAZZボーカル「ニッキー・ヤノフスキー/Nikki Yanofsky」を紹介したが、実はそのとき、我がJAZZミューズでもあり、最も世界に知られているカナダ出身の女性JAZZシンガー「ダイアナ・クラール/Diana Krall」のこともちょっと気になっていた。「エルヴィス・コステロ/Elvis Costello」と結婚し、双子出産のため活動を休業し、その後再発進が、アルバムを一枚出した後、育児に忙しいのか消息が殆ど聞こえてきていなかったのだ。

そのダイアナがちらっと姿を見せ、その歌が効果的に使われていた最近の映画があった。歌は「バイ・バイ・ブラックバード」、映画はマイケルマン監督「パブリック・エネミーズ/PUBLIC ENEMIES」である。大恐慌時代のアメリカに実在した伝説のアウトロー、「ジョン・デリンジャー」と彼の恋人との逃亡劇を描いたラブ・ストーリーで、「ジョン・デリンジャー(ジョニー・デップ)」が恋人「ビリー(マリオン・コティヤール)」をナイトクラブに誘うシーンに出ていたが、歌声を聴かなければ、まず分からないほどのロング・ショットであった。もしやと思いエンディング・ロールのクレジットで確認したが、果たしてそうであった。

パブリック・エネミーズ リミテッド・バージョン [DVD]   ジェネオン・ユニバーサル

この歌「バイ・バイ・ブラックバード/Bye Bye Blackbird」は、アップテンポで歌われることが多いので、あかるいスインギーなイメージを抱いていたが、ダイアナがこの映画で、スロー・バラードで歌っているのを聴いてから、印象が一変してしまった。手持ちの彼女のアルバムでは、この歌は収録されていないようなので、映画のサウンド・トラック盤で聴くしかなさそう。まあシカゴ・ギャングの映画と来れば、JAZZはつき物。「ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー」、「ザ・マン・アイ・ラヴ」などの古きスタンダードが画面から流れてきます。

映画「パブリック・エネミーズ」オリジナル・サウンドトラック  エリオット・ゴールデンサル / ユニバーサル ミュージック クラシック

「バイ・バイ・ブラックバード」は、1926年というから相当昔に作詞「モート・ディクソン/Mort Dixon」、作曲「レイ・ヘンダーソン/Ray Henderson」によって書かれ何人かの歌手によって歌われたが、あまりヒットしなかったらしい。大きくクローズ・アップされたのは、「マイルス・デイヴィス」が1950年代後半にレパートリーにとりあげてからだという。「枯葉」、「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」と並んで、一時期「バイバイ・・・」といえばマイルスという時期があったような気がする。その後多くの女性JAZZシンガーにカバーされたり、映画の中で使われていますが、「マリリン・モンロー/Marilyn Monroe」が映画「帰らざる河/River Of No-return」(1954年)のなかで歌ったというが、残念ながら私は覚えていませんでした。

ラウンド・アバウト・ミッドナイト+4  マイルス・デイビス / ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

「バイ・バイ・ブラックバード」は、この映画のストーリーのキーワードにもなっている重要な歌。ちょっと歌詞をあげておきましょうか。

「♪ Pack up all my care and woe    悩みも心配もみんな鞄に詰めて
Here I go singing low          鼻歌なんぞ歌いながらおいらは出かける
Bye bye blackbird             ブラックバードよ、あばよ 
Where somebody waits for me   そっちじゃ誰かがおいらを待っているんだ
Sugar’s sweet,so is she        砂糖は甘いし、彼女もそうだ 
Bye bye blackbird             ブラックバードよ、あばよ 

No one here can love and understand me  ここじゃ誰も俺を愛しても分かってもくれない
Oh what hard luck stories they all hand me ひどい扱いを受ける話ばかり

Make my bed and light the light   ベッドを作って、明かりもつけておいてくれよ
I’ll arrive late tonight            今夜そっちへ着くのは遅くなるから
Blackbird bye bye            あばよ、ブラックバード、あばよ       ♪」
 
 
などと書きつつ、YOUTUBEで探していたら「ダイアナ・クラール」のサウンドトラック版「Bye bye blackbird」を見つけました。 映画のシーンと共に、聴いてみましょうか?

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観るJAZZ(5) ~ 五線譜のラブレター ~

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「コール・ポーター/Cole Porter」(1891年6月9日-1964年10月15日)というアメリカの音楽家がいます。多分JAZZの好きな人なら知らない人はいないといえるくらい有名な作詞・作曲家です。ミュージカルや映画音楽の分野で、多くのヒット曲を残し、その多くがスタンダード・ナンバーとして、いまだに多くのミュージシャンに歌い継がれている。ちょっと思い出すだけで、「Anything Goes」、「Love For Sale」、「Night And Day」、 「Begin The Beguine」、「I Love Paris」 、「You’d Be So Nice To Come Home To」、「So In Love」、「It’s Alright With Me」・・・・・などがすぐ浮かんできます。

インディアナ州生まれ。6歳でヴァイオリンを、8歳でピアノを習う。イェール大学卒業後、ハーバード大学に入学するが、最終的に音楽家としての道を選ぶ。1915年、ブロードウェイ・ミュージカルに楽曲提供し、本格的に作曲家として活動を開始する。しかし、なかなか成功せず、1930年、ミュージカル「ザ・ニューヨーカーズ」に後年スタンダードとなる「ラヴ・フォー・セール」等の楽曲を提供、やっと成功を収めた。そして、1932年にはミュージカル「陽気な離婚(Gay Devorce)」が大ヒット。ここで「フレッド・アステア」が歌った「ナイト・アンド・デイ」は、コールの代表曲の一つとされる。1936年には映画「踊るアメリカ艦隊」に「イージー・トゥ・ラヴ」等を提供し、映画音楽の分野にも進出。1948年、ミュージカル「キス・ミー・ケイト」が大ヒットし、トニー賞を受賞。1958年には怪我が原因で右足に潰瘍ができ、手術を繰り返した末に切断して義足を付ける。その後も多くの曲を作るが、1964年、腎不全のためカリフォルニア州サンタモニカで亡くなる。(「Wikipedia」参考)

そんな「コール・ポーター」の波乱の半生を描いた映画があります。アーウィン・ウィンクラー監督、ケビン・クライン主演「五線譜のラブレター/DE-LOVELY」(2004年公開)。

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1920年代のパリ。この地で遊学の日々を送っていた「コール・ポーター」は、社交界の集まりで、「パリで最も美しい離婚女性」と讃えられた「リンダ・リー」と運命の出会いを果たす。ここから物語は始まります。デートを重ねるふたり。交際を始めてまもなく、ポーターは、自分のバイセクシュアルをリンダに告白するが、彼の音楽の才能と優しさに惹かれていたリンダは、そのことを少しも気にとめず「独立したカップルとして、ふたりで夢をかなえましょう」と受け入れ、ポーターは、彼女との結婚を決意する。

ホテル・リッツで豪華な結婚式をあげたあと、ポーターとリンダはヴェネチアに移り、新婚生活をスタートさせる。しかし、作曲活動のスランプを、バレエ・ダンサーとの情事で埋め合わせるポーター。そんなとき、リンダは人気作曲家の「アーヴィング・バーリン」をアメリカから招く。ポーターの才能に驚いたバーリンは、早速ブロードウェイ・ミュージカルの仕事をポーターに紹介する。「自信がない」とためらうポーターを、「絶好のチャンスよ。人生が変わるわ」と励ますリンダ。その予言どおり、ミュージカルを大成功させたポーターは、一躍売れっ子音楽家の仲間入りを果たしたのだが。
コール・ポーターの同性愛、大成功に伴う享楽的な生活の連続の中、リンダはいったんはコールと別れ、一人パリへ戻っていった。しかし1937年、コールが思いもかけない落馬事故によって、両足切断か、という大怪我に見舞われたことによって、再びリンダはコールにとってかけがえのない女性となった。そんなリンダは、コールに先立つ1954年、肺気腫によって死亡。

映画の中では19曲のポーターの名曲を聞かせるが、アカデミー賞俳優「ケビン・クライン/Kevin Kline」がコール・ポーター役を好演、プロ並みのピアノの腕前と歌を披露する。彼の妻リンダ役に「アシュレイ・ジャド/Ashley Judd」。彼女も自らピアノを弾き、見事な「True Love」を聴かせる。そして、原題は「De-Lovely」。これはポーターの曲「It’s De-Lovely」にちなんだもの。そして邦題の「五線譜のラブレター」とは、何とも素敵で魅惑的なネーミングであろうか。

老いた「コール・ポーター」が過去を振り返るところから始まり、劇中劇やミュージカルがあったり、実際の映画の一シーンがでてきたり、このミュージカル風映画にはちょっと戸惑うかもしれないが、ポーターの名曲やそのエピソード満載でJAZZファンにはたまらない映画である。そして、さらに映画に登場して劇中で歌うアーティストたちが豪華で見ものである。「エルビス・コステロ」、「ダイアナ・クラール」、「シェリル・クロウ」、「ララ・フェビアン」、「ナタリー・コール」、「アラニス・モリセット」など・・・。JAZZファンには見逃せない「観るJAZZ」である。


五線譜のラブレター [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

「コール・ポーター」へのトリビュート・アルバムは多くのアーティストによって作られている。たとえば、「エラ・フィッツジェラルド/シングス・ザ・コール・ポーター・ソングブック」(1956年)、「オスカー・ピーターソン/プレイズ・コール・ポーター」(1959年)などがその有名なものであるが、ここではまず、スタンダード・ソングのコンピレーション盤「The Very Best of Cole Porter」をあげておきましょう。
「Ella Fitzgerald」、「Peggy Lee 」、「Tony Bennett」 、「Sarah Vaughan」、「Dean Martin」、「Helen Merrill」、「Eartha Kitt」、「Billie Holiday」、「Mel Torme」、「Anita O’Day」、「Dinah Washington」、「Carmen McRae」、「Fred Astaire 」・・・、これだけの豪華メンバーが集まって「コール・ポーター」を歌うというのも、ちょっとした聴きもの。


The Very Best of Cole Porter

Cole Porter / Hip-O/UTV

そして、若手、今最も旬で私が好きなピアノ・トリオである「ビル・チャーラップ」率いる「ニューヨーク・トリオ」のトリビュート盤は「ビギン・ザ・ビギン~コール・ポーターに捧ぐ」。チャーラップのピアノはスタンダード・ソング、いわゆる「歌」ものの解釈が抜群である。この歌心は当然ながらチャーラップ一人によるものではなく、他の二人、特にベースの「ジェイ・レオンハート」の技によるところが大きい。このアルバムは、NYトリオの極めつけの「歌もの」である。
 

ビギン・ザ・ビギン~コール・ポーターに捧ぐ

ニューヨーク・トリオ / ヴィーナス・レコード

ジャズ・ボーカリストにとって、スタンダード中のスタンダードである「コール・ポーター」のソング・ブックに挑戦するということは、想像以上に大変なことではないだろうか。女性ボーカルのこれまた旬の「シェリル・ベンティーン」。いわずと知れた「マンハッタン・トランスファー」のソプラノ・ボーカルである彼女は、これまでにもいくつかのソロ・アルバムをリリースしているが、気力・歌唱力ともに最も充実している彼女が「コール・ポーター」に挑んだ・・・。
 

コール・ポーター ソング・ブック

シェリル・ベンティーン / キングレコード

ポーターの曲の中で、とりわけ甘美なメロディを持つ曲が「So In Love」。テレビ番組「日曜洋画劇場」のエンディング・テーマといえば、ご存知の方も多いのではないだろうか。私が好きなポーター・ベスト3に入る曲でもある。1928年ニューヨーク生まれの白人で、今年で御年82歳になる「ジーン・ディノヴィ」が甘美に華麗に奏でる「So In Love」。枯れるどころか、その甘美な艶と甘さにますます磨きがかかる。華麗にして踊るようなタッチ、流れるような指使いから紡ぎ出される旋律。このピアノタッチの心地よさは何だろうか。まさに「酔いしれる」とはこのこと。
 

ソー・イン・ラヴ

ジーン・ディノヴィ / エムアンドアイカンパニー

「So In Love」の女性ボーカルを一枚あげておきましょう。フィンランドから白夜の夏を吹き抜けてきた凛とした風。北欧女性ヴォーカル、「ソフィア・フィンニラ/Sofia Finnila」の「EVERYTHING I LOVE」。シベリウス音楽院で声楽を学び、1999年にフィンランドで開催された国際ジャズ・シンガー・コンテストで優勝し、フィンランドで着々と実力を重ねたキャリアの実力派。CDショップで1曲目「Cheek To Cheek」、2曲目「So In Love」を試聴して惹き込まれてしまった。ストリングスのバックでボサノバが甘美に流れる。
 

EVERYTHING I LOVE

ソフィア・フィンニラ / ZOUNDS

最後に映画のシーンから「ケビン・クライン」と「アシュレイ・ジャド」のうたう「So In Love」をどうぞ。(太字部をクリック)

 

 

 

 

 

観るJAZZ、読むJAZZ  ~スティング/紳士同盟~

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ポール・ニューマンが逝った。

ポール・ニューマン(Paul Newman、1925年1月26日 – 2008年9月26日)は、3度のアカデミー賞受賞を初めとして数多くの受賞歴を持つ俳優であるが、その全盛期の作品は、私達の青春と重なる。私が最も好きな俳優の一人である。ちょっと思い出しただけでも、「熱いトタン屋根の猫 Cat on a Hot Tin Roof(1958) 」、「栄光への脱出 Exodus(1960)」、 「ハスラー The Hustler(1961) 」、「動く標的 The Moving Target(1966)」、「暴力脱獄 Cool Hand Luke(1967) 」、「明日に向って撃て! Butch Cassidy and the Sundance Kid(1969)」、 「スティング The Sting(1973)」 、「タワーリング・インフェルノ The Towering Inferno(1974)」、「評決 The Verdict(1982) 」、「ハスラー2 The Color of Money(1986)」など。

勿論、男の私から見ても、大変なハンサムであるが、色気と演技力を備えた稀代の俳優であったと思う。

代表作を強いて挙げるとすれば、やはりアメリカン・ニューシネマの西部劇と称される、1969年にロバート・レッドフォードと共演した、あのラストシーンが忘れられない『明日に向って撃て!』と再びレッドフォードと競演し、1973年のアカデミー作品賞を受賞した『スティング』であろう。

『スティング』(The Sting)は、1973年公開のアメリカ映画。監督はジョージ・ロイ・ヒル。1930年代のシカゴ。友達を殺されたチンピラたちが、その報復のために、ギャングの大親分からトリックで大きくカモろうとして、下町にインチキのみ屋を構える。さて、その首尾はいかに?
コン・ゲームといわれる詐欺を描いた映画で、そのストーリー展開の巧妙さが絶品で、ラストのどんでん返しもまた見事である。まだ見ていない人のためにストーリーはあまり明かせませんが・・・・。

全編に流れるスコット・ジョプリンのラグタイム・ピアノをフィーチャーしたJAZZYな音楽も、劇中のファッションも、話の運びも、何もかもが「お洒落」で、「粋」である。 多分スティングの主題曲も永遠のスタンダードとして演奏され続けるに違いない。

合掌 ・・・・・・・。

スティング
ポール・ニューマン / / ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
ISBN : B000G7PS0O
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この映画「スティング」に触発されて、日本でも「コン・ゲーム」小説を書こうと思った男がいる。小林信彦である。映画評論、小説家、脚本家、喜劇評論家など経歴や肩書きがいくつあるかわからないほどの博覧強記の人であるが、そのコン・ゲーム小説は「紳士同盟」「紳士同盟ふたたび」である。コン・ゲームのルールである「誰も不幸せになる人がいない」という原則をまもって展開される詐欺師たちの物語であるが、そのストーリーの運びはまさにJAZZ的といえるテンポと歯切れのよさに満ちている。まさに日本の代表的コン・ゲーム小説といえる。
その「紳士同盟ふたたび」(1983~1984連載、単行本・文庫本)のラストにこんなシーンがある。このくだりで私は思わず「ニヤッ!」とした。

-わかった。ところで、きみ、リンダ・ロンシュタットをききに行かないか。ネルソン・リドル・オーケストラが付いている。
-え? リンダが日本へ行くの?
-そう莫迦にしたものじゃない。五年前に武道館へいっしょにききに行ったじゃないか。
ーあ、そうか。
-今回は、ホテルのディナー・ショーがある。一人、五万円だけどね。

「リンダ・ロンシュタット」が、シナトラのアレンジャーとして有名な、ネルソン・リドルと80年代半ばから、コラボした、ジャズ・アルバムには3枚がある。「What’s new」、「Lush life」。そして3枚目の「For sentimental reasons」。3枚目を収録中に、残念なことに、ネルソンリドルは亡くなってしまった。「リンダ・ロンシュタット」はJAZZ歌手ではなくPOPS歌手だが、キュートな声で、素直なくせのない歌い方で、JAZZのスタンダードということをあまり意識せず、スムーズかつ朗々と歌っている。
酒を飲みながら聴くもよし、リラックスして聴くもよし。たとえば、「Someone to Watch over Me」も、アンバートンの歌うそれとは違って甘い恋心をくすぐるような、ラブ・バラードに聴こえる。こんな「Someone to ・・・・」もいいなと思う。

What’s New
Linda Ronstadt & the Nelson Riddle Orchestra / Asylum
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「’Round Midnight」は、ネルソン・リドルとのコラボの3枚をを2枚組CDにまとめたお買い得盤なんで、ファンにはこっちがお奨めです。「I’m Fool To Want You」なんて「チェット・ベイカー」のうたう口説きのささやき唄と違って、女心のせつなさをストレートに感じる、楚々たる唄い方がいい。

‘Round Midnight
Linda Ronstadt w Nelson Riddle & His Orchestra / Asylum
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観るJAZZ(4)   ~ 森田一義助教授の幻の講義 ~

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「題名のない音楽会」という大変な長寿TV番組がある。調べたら昭和39年(1964)放送開始というから、もう40数年続いている。司会者も、黛敏郎、永六輔、武田鉄也、羽田健太郎、現在の佐渡裕と歴代5代を数えるが、故・黛敏郎氏が司会をしていた頃、クラシック主体の番組であるが、私も時々見ていた番組でもある。というのも、黛氏は当時クラシック界の大御所であったが、若い頃アルバイトでJAZZバンドのピアノを担当し、よく米軍キャンプを廻っていたらしい。そんなわけか、よく番組でJAZZをテーマに取り上げていたからである。そんな「題名のない音楽会」で、30年くらい前のある日、何気なく見ていたら、今まで見たこともないようなの驚愕のパフォーマンスがブラウン管で展開された。

「中洲産業大学・森田一義助教授」という髪の毛ボサボサ、ヨレヨレの燕尾服を着た風采の上がらない男が、グランド・ピアノを前に、アフリカ民俗音楽のルーツから、ニューオリンズJAZZ、デキシーランド・ジャズ、スイング、ビ・バップ、フリー・ジャズにいたるJAZZの歴史講義をしだしたのである。さらに、4カ国の人が卓を囲むマージャン、各国の言葉でやる抱腹絶倒のパフォーマンスを披露した。それが、デビューしたての「タモリ」であり、これも調べたら1977年のことであった。

福岡の酒場で密室芸をやっていたタモリを、確か山下洋輔、赤塚不二夫あたりが見出して、東京へ連れ出したと記憶している。
当時、学園紛争、全共闘時代が挫折した形で終焉を迎え、JAZZ喫茶あたりで鬱屈していた若者たちは、従来の「お笑い」とは違う、知的でシニカルなタモリの「笑い」に圧倒的な支持を贈ったのである。

「中洲産業大学 芸術学部・西洋音楽理論  森田一義助教授」という触れ込みで 、密室芸を披露した「題名のない音楽会」でのワンマンショー。その抱腹絶倒の面白さは今でも脳裏にのこっている。しかし、彼のパフォーマンスの一部はCDでリリースされているが、残念ながら、DVDなどでそのパフォーマンスを見ることは出来ない。今一度彼の「幻の講義」を観てみたいものである。
ちなみに、タモリ氏自身もJAZZレコードの大変なコレクターだそうで、かの植草甚一氏の死後、膨大な氏のレコード・コレクションの散逸を防ぐために、その全てを一括して引き取ったという。また早稲田大学在学時にはJAZZ研でトランペットを吹いていたという。

本来は観るべきパフォーマンス、あるいは観るJAZZ芸、森田一義助教授による「教養講座“日本ジャズ界の変遷” (Lecture on Culuture:History of Jazz in Japan)」 は下記のCDに収録されている。ハナモゲラ語での演歌熱唱など一聴の価値あり。

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タモリ / / Sony Music Direct
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「教養講座“音楽の変遷その1”  旋律の源とその世界的波及について」。 この講義で使用される抱腹絶倒の楽曲は、
・シャンソン「パリの屋根の下にテームズ河は流れていない」(ボリス・シュバリエ)
・童謡「あぶらむし」(六十嵐澄芳)
・ 韓国民謡「ワラジ」(歌唱者不明)
・ 中国民謡「熊猫深山」(歌唱者不明)
・ムード歌謡「富士見荘ブルース」(富士山田弘とプール・サイド)
・ スイング・ジャズ「ええ列車で行こう」(ペリー・オコモとデューク・エリート楽団) 
・ ニュー・ミュージック「鰯雲」(さるまたし)
・ボサノバ「アカイベベ」(セルジオ・メンデル&ブラジル69)   などなど。

このリストを見ただけでも、団塊の世代が好きな「オヤジギャグ」満載のパフォーマンスが想像できる。

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タモリ / / Sony Music Direct
ISBN : B000WPD316
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幻の講義! 今となっては「もう一度観たいJAZZ」。

観るJAZZ?(3)  ~健在なり!山下洋輔~

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(写真は朝日新聞より;防火服に身を包み燃えさかるピアノを演奏する山下洋輔さん=8日夕、石川県志賀町で )

3月9日の朝日新聞朝刊に以下のような記事が載っていたので、全文を引用してみよう。
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能登半島の西側、石川県志賀町の海岸で8日夕、ジャズピアニストの山下洋輔さん(66)が、燃えるグランドピアノを演奏する「ピアノ炎上2008」を開いた。
日本海をバックに砂浜に置かれたピアノは数十年たった廃棄寸前の古いもの。午後5時すぎに共鳴板に点火され、集まった450人の観衆は、夕景の中で燃えさかるピアノとその調べに魅入られた。 山下さんが燃えるピアノを弾くのは、グラフィックデザイナー粟津潔さん(79)の映像作品の中で演奏して以来35年ぶり。今回は山下さんの希望で再現した。
消防団の防火服姿で即興演奏した山下さんは、炎が身に迫るまで、6分間にわたって鍵盤をたたき、演奏後も山に日が落ちるまで、ピアノが燃えるのを見つめていた。
—————————————————————————

山下 洋輔(やました ようすけ、1942年2月26日 – )は日本のジャズピアニスト、作曲家、作家、大学教員。東京都生まれ。麻布高校卒、国立音楽大学作曲科卒。「佐藤允彦」とならんで日本におけるフリージャズの草分けであり、旗手である。ひじで鍵盤を鳴らす独自の奏法を交えながらピアノを弾くことが有名。また、『ジャズ大名』『ファザーファッカー』『カンゾー先生』などの映画音楽を手がけていて、『ジャズ大名』では自ら出演している。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』一部参照)
彼のエッセイには、名エッセイの定評があり、ユーモア一杯のJAZZエッセイは特にJAZZフリークならずとも読んで面白いと思う。このブログでも度々登場してていただいている我がブログにとっても貴重な存在である。(「読むJAZZ(3)~筒井康隆の世界~、読むJAZZ(4)~鳥類学者のファンタジア~、観るJAZZ(2)~我が愛しのJAZZシネマ~」 参照)

前述の記事は、観るJAZZピアニスト、「山下洋輔」の真骨頂。健在なり!!山下洋輔。

JAZZを自己表現の最高の極みまで高めた男・山下洋輔と、歌う吉本といわれJAZZファン層を世のおばちゃんたちにまで拡げた浪花女・綾戸智絵(智恵)とが驚くべきというか、信じがたいというか、二人の組み合わせによるコラボが2001年に行なわれた。
私は、NHKのBS放送でそのコンサート録画放送を見ていたのだが、浪花の「おばはんパワー」全開の綾戸と、それを正面から、がっちり受け止めた山下洋輔(多分そんなことは山下しか出来ないだろうが)、前代未聞の魅力あふれるライブに仰天した。

彼の数あるエッセイでも分かるように、人を楽しませる語り口・文章の才のある山下、いわずと知れたしゃべりの綾戸。とことん人を楽しませるというふたりの共通点。そして、元来、ライブコンサートのステージのほうが、CDなどよりはるかに面白く、魅力があるという二人ならではのそのコンサートがDVDでリリースされている。「綾戸智絵 meets 山下洋輔」。2001年3月2日、すみだトリフォニーで行われた夢の共演である。

LIVE!*III~DVD Video Edition
/ ewe records
ISBN : B00015UBLW
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山下洋輔の音楽に取り組む姿勢とそのコンセプトがよく分かる2枚のCDがある。ピアノソロで、バッハ、ショパン、ガーシュウインなどクラシックの名曲に取り組んだ「ラプソディ・イン・ブルー」。さあ山下がこれらクラシック有名曲をどう料理するか、興味津々・・・。

ラプソディ・イン・ブルー
山下洋輔 / / ユニバーサル ミュージック クラシック
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そしてもう一枚は、トリオでスタンダードに取り組んだ「プレイズ・ガーシュウィン」。1989年、録音はNYで行なわれた。4ビートからフリージャズまで山下洋輔のエッセンスが味わえるアルバム。

プレイズ・ガーシュウィン
山下洋輔 / / ユニバーサル ミュージック クラシック
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【追記 2009.9.25.】
本日のNHKスタジオパークに山下洋輔氏が出演。「ピアノ炎上」という芸術パフォーマンスのいきさつを話してくれた。今回が2回目で最初は、グラフィック・デザイナーの粟津潔氏の依頼で行ったが、今回は自ら企画したとのこと。消防団やピアノを供養する坊さんまで来たとのこと。弦が焼き切れ、音がならなくなった時点でピアノから離れたという。その作品としての映像が一部放映されていた。(金澤21世紀美術館提供) 鍵盤に間からも煙が噴出し、煙くて仕方なかったという。



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