JAZZYな生活

プレミアムエイジ ジョインブログ

鹿も喰わないねじれ者

Tags: , ,

ネジキ
ネジキ4

 空梅雨。カラッと晴れた空のもと、山作業に向かう。手を休めると、目に止まるのは、小さな釣鐘状の花を持つ「ネジキ(捩木)」。この山に多く自生するツツジ科の落葉小高木である。葉を透けてくる逆光の中で、ダム湖からの心地よい風に、可愛らしく揺れている。和名の由来は、「幹が捩れる」ことから付けられた。かつて燃料を薪に頼った頃には、斧の刃がまっすぐに入らず、割りにくい木として有名であったらしい。

 よく似た木に、近縁種の「アセビ(馬酔木)」があるが、「アセビ」は常緑なので、間伐の対象木。幹がまっすぐだから、すぐ判別できる。また「アセビ」は3月、この山で真っ先に同じような釣鐘状の花を付け、目立って春の到来を告げるが、「ネジキ」の開花は6月であるので、あまり目立たない。「アセビ」と同様有毒植物であり、「アセビ」の陰に隠れた感があるが、鹿も食わないひねくれ者、いや、ねじれ者。

smilman_jpeg

 さて今宵のホーム・シリーズは、「Back Home To Me」。歌姫は、「ソフィー・ミルマン/Sophie Milman」。ロシア・ウラル地方出身のジャズ・ボーカリスト。冷戦崩壊後の混乱の中、イスラエルに移住、そこで育ち、その後カナダへ。トロント大学生のときジャズ歌手デビュー、現在はカナダ、アメリカを中心に活躍。デビュー・アルバム、「ソフィー・ミルマン/Sophie Milman」が日本でリリースされたときは、今後大器を予感させる凄い女性ボーカルの誕生として一躍注目された。

 しかし、もともとあまり情報のない彼女、その後、アルバムも「Make someone Happy」(2007)、「 Take Love Easy」(2009)、「 In the Moonlight」(2011)と4作でストップ、2011年初来日したらしいが、 2012年の日本ライヴは中止と、彼女の消息はプッツリ途絶えている。 さて、どうしたんでしょう? 「Sophie!! Back Home To Me.」

【 Back Home To Me 】 
            by Gavin Armstrong Courtie, Elizabeth Ann Radford

「♪ Lazy swallow flying homeward  燕が一羽、家を目指して物憂げに飛んでいる
  Watch the river wind back slowly to the sea  海へ注ぐ川をゆっくりと遡って
  Oh, my soul is waiting patiently    私の魂は我慢強く待っている
  Will you ever find your way back home to me いつになったら私のところへ帰ってくるの

  Somewhere I lost upon the journey    旅しても見つけることができない
  A love that was mislaid somewhere in time  どこかに置き忘れてきてしまった愛
  Oh, my love, my heart is aching for you   愛しいあなた 私の心は痛んでいるの
  Will you ever find your way back home to me いつになったら私のところへ帰ってくるの

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    ・・・・・・・・・・・・・・・・  ♪」

Sophie Milman

Sophie MilmanLinus Entertainment

「Sophie Milman – Back Home To Me」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

  

  

孤高の花 孤高の山

Tags: , ,

ホウノキ
b0102572_21102328
b0102572_1891233

 「ホウノキ(朴の木)」の花。モクレン科の落葉高木。遊びの山では、一番葉の大きい木。そのため子供たちにも人気のある木である。その大きな葉で太陽の光を取り込み、ぐんぐんと成長するため、樹高が30m近いものもある。その梢の先にポツンと花が咲くため、地上からはなかなか見ることができない。5月ころに咲くのだが、なかなか確認できずに、かなり遅いこの時期にやっと確認できたのだ。(中、下の写真は昨年撮影したもの) 群れずに咲く孤高の花。この花が好きである。

御嶽山

 弾丸帰省の帰路、恵那サービスエリアから見る「御嶽山」。いまだに水蒸気噴煙を上げているのがよくわかる。この山は、周囲から隔絶している独峰、孤高の山である。帰省のたびに寄る恵那サービスエリア。この山が見えないかといつも期待している好きな山の一つ。

2tgqlzpptjnfnjp

 さて、今宵のホーム・シリーズは、「孤高のディーヴァ」という雰囲気が色濃く漂う「リズ・ライト/Lizz Wright」である。ゴスペルをベースにした力強くスピリチュアルな歌声で、オリジナリティあふれる音楽世界を創りだす歌姫である。「カサンドラ・ウイルソン/Cassandra Wilson」の後継者なんてささやきもあるくらい。

 1980年、米南部、ジョージア州生まれ。父は教会の牧師で、音楽監督を務め、母はオルガン奏者だったという。その影響で、幼少よりゴスペルに親しんできたため、彼女の音楽の原風景はゴスペルにあるという。ハイ・スクール時代は聖歌隊に参加、やがてブルース、ジャズに開眼する。その後、進学したジョージア州立大学では本格的なバンド活動をスタート。 シンガーとしての頭角を現した彼女は、卒業後の2002年、「ジョー・サンプル/Joe Sample」のアルバム、「ザ・ピーカン・トゥリー/The Pecan Tree」に参加、「No One But Myself To Blame」と「Fool’s Gold」の2曲でヴォーカルをとり、「ジョー・サンプル・バンド」のメンバーとして初来日、「ブルーノート東京」のステージに立ったという。

lizzwright12

 翌2003年、「ヴァーヴ/Verve」レーベルと契約、アルバム、デビュー作「ソルト/Salt」、第2作「ドリーミング・ワイド・アウェイク/Dreaming Wide Awake」(2005)とゴスペル、ソウルの薫りに満ちたアルバムで一躍注目された。寡作である。その後、「オーチャード~禁断の果実/The Orchard」(2008年)、「フェローシップ/Fellowship」(2010年)、「フリーダム&サレンダー/Freedom & Surrender」(2015)とデビュー14年にしてわずか5作を数えるのみである。この独特のスピリチュアルな世界観、ただものではない。もっともっと評価されていい歌手。

 デビュー・アルバム、「Salt」から、「Soon as I Get Home」(家に帰ったらすぐに)。

【 Soon as I Get Home 】  Written by Charles Emanuel Smalls

「♪ There is a feeling here inside    私の体の内側に感じる思い
  That I cannot hide          隠しきれないその思い
  And I know I’ve tried,         トライしてきたけど  
     but it’s me turning me around  結局後ろ向きのまま
  I’m not sure if I’m aware       目覚めているのかもよくわからない
  If I’m up or down           元気なのか、落ち込んでるのかもわからない
  Or here or there            ここにいるのか、あちらにいるのかすらも
  I need both feed on the ground    両足を地面につけてしっかりしないと

  Maybe I’m just going crazy ひょっとしたら気が狂い始めているのかも
  I let my self get uptight        ただ自分で勝手にイラついているだけかも
  I’m acting just like a baby       わたしまるで赤ん坊のよう      
  But I’m gonna be           でもきっと
  I’m gonna be alright          きっと私は大丈夫
  Soon as I get home          家に帰ったらすぐに
  Soon as I get home          家に帰ったらすぐに
  Soon as I get home          家に帰ったらすぐによくなるわ

  ・・・・・・・・・・・・・     ・・・・・・・・・・・・・・・・   ♪」

Salt

Lizz Wright / Verve

「Lizz Wright – Soon As I Get Home」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

 3作目、「オーチャード~禁断の果実」が彼女の本領が発揮された、出色のできばえのアルバムといえる。その、1曲目の「Coming Home」から、彼女の独特の深みのある歌の表情に、引き込まれてしまう。

The Orchard

Lizz Wright / Verve

「Lizz Wright – Coming Home」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

  

  

梅雨まで咲く花 明けたら散る花

Tags: , ,

クリ

 遊びの山に自生する「ヤマグリ(山栗)」に花が咲いている。このことからも梅雨が間近だというが分かる。もっとも気象予報では、関西も梅雨入りしたというが ・・・。

 「栗花落(つゆおち)」。非常に珍しいが、日本人の名前だとNHKの番組で知った。「栗」の花は梅雨の時期までに散ることから、「つゆおち」と読むのだそうだ。日本人の名前は、自然や地形と暮らし、動植物などに所以がある名前が多いという。日本人は、それだけ名前に自然や暮らしに価値を認め、それを融通無碍に、そして誇らしく名前として取り込んでいたのだろう。

タチアオイ2

 どうも空梅雨の気配であるが、「タチアオイ(立葵)」には、こんな俗説も。「タチアオイ」の花は、垂直に伸びた花茎の下から上に咲き上っていく。ちょうど梅雨入りの頃に咲き始め、花茎の頭頂部まで開花が進む梅雨明けと共に花期が終わるという。そんなことになぞらえて、「ツユアオイ(梅雨葵)」という別名で呼ばれている。

 この空梅雨気配。ウォーキングの道筋に、「タチアオイ」が咲き出したが、はたして梅雨は始まるのでしょうか。

 「雨の歌姫」といえば、「スー・レイニー/Sue Raney」。名前の「Raney」を「rainy(雨降りの、雨模様の)」になぞらえたアルバム、「Songs For A Raney Day(邦題; 雨の日のジャズ)」で一躍有名になりました。

su-

 

  「スー・レイニー/Sue Raney」。1940年 カンサス州生まれ。幼少の頃から母親に歌の手ほどきを受け、12歳の時にはすでに自分のラジオ・ショーを持ち、17歳(1957年)ではソロ・シンガーとして、キャピトル・レコードと専属契約を結び、アルバム、「When Your Lover Has Gone」で鮮烈なデビューを飾ったというから、かなり早熟。そして、1960年の2枚目のアルバム 「雨の日のジャズ/Songs for a Raney Day」が大ヒット。女性ジャズボーカルの名盤に必ず選ばれるほど、「スー・レイニー」の代名詞的アルバムとなっている。彼女はいまも現役として活躍しているらしく、今年御年77歳、ご長寿シンガーとしてご同慶の至りである。

 さて、 「雨の日のジャズ」。人々を惹きつけて離さない甘く切ない歌声で、情感豊かに、「雨のブルース/I Get The Blues When It Rains」、「レイン/Rain」、「九月の雨/September In The Rain 」、「レイン・オン・ザ・ルーフ/Rain On The Roof 」など、雨をテーマにした歌を歌ったアルバム。

雨の日のジャズ

スー・レイニー / EMIミュージック・ジャパン

 そこから3曲を ・・・。

「I Get The Blues When It Rains - Sue Raney」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

「Rain - Sue Raney」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

「Rain On The Roof - Sue Raney」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

 1966年にリリースしたアルバム、「Alive And In Love」にもこんな歌が収録されています。「Before The Rain」。

アライヴ・アンド・イン・ラヴ(紙ジャケット仕様)

スー・レイニー / EMIミュージック・ジャパン

「Before The Rain – Sue Raney」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video
  

  

朱鷺草に会いにいく

Tags: , ,

トキソウ2
トキソウ

 話にも聞いていたし、写真も見ていた。しかし、タイミングが合わず、実物にはお目にかかれなかった「トキソウ(朱鷺草、鴇草)」にやっと会えた。場所は、隣町、宝塚市の「丸山湿原」。先週咲いたという情報。妻がショッピング・センターで買い物をしている合間に車を走らせる。20株ほどまとまって咲いていました。「ラン科トキソウ属」の多年草で、花期は5-7月、茎頂に紅紫色の花を1個つける。和名は花の色が「トキ(朱鷺、鴇)」の翼の色である朱鷺色に似ていることに由来する。

 「トキソウ」は、かっては日本中の湿原や湖沼に見られた湿地性の野生ランでしたが、開発と乱獲によりほとんど姿を消してしまったという。ここ兵庫県でも絶滅危惧種Cランクに指定されているが、ボランティアの皆さんの努力により、「丸山湿原」では、間近で観察することができる。

コアジサイ3
ササユリ3

 林には、日本固有種の「コアジサイ(小紫陽花)」、別名、「シバアジサイ(柴紫陽花)」もあちらこちらで、小振りで可憐な花を咲かせている。そして、これも珍しい、日本特産で日本を代表する「ユリ(百合)」である、「ササユリ(笹百合)」も ・・・。

 梅雨が明ければ、この湿原では、希少種で日本で最も小さな「トンボ(蜻蛉)」といわれる、「ハッチョウトンボ(八丁蜻蛉)」、そして、八月お盆の頃には、これまた希少種の、「サギソウ(鷺草)」が見られる。

  

original

 さて、癒しのホーム・シリーズ。今宵は、いまや希少種となった男性ジャズボーカルの雄、「マイケル・ブーブレ/Michael Bublé」の「ホーム/Home」。「いろんな場所へ行き、いろんな人と会ったが、やっぱりきみのもとへ帰りたい」。そんな歌。アルバムは、「It’s Time」。

 1975年生まれ、カナダ出身。幼少の頃からスタンダード曲を聴いて育つ。父の仕事を手伝いながらカナダで芸能活動を展開。 10年以上の下積みの末、当時のカナダ首相の令嬢の結婚式で歌う機会を得る。その歌唱を式に出席していたあの超有名プロデューサー、「デイヴィット・フォスター/David Foster」が見て、「唯一無二の声!」と絶賛。この運命的な出会いがきっかけになり、2003年に自身の名を冠したアルバム、「Michael Bublé」でデビュー。このアルバムは全世界で400万枚を売り上げ、12ヶ国でプラチナ・ディスク、3ヶ国でゴールド・ディスクを獲得することとなったという。男性歌手不作の中にあって、最も活きのいい男性歌手といえる、「マイケル・ブーブレ」。若い時のシナトラを彷彿とさせるものがある。

【 HOME 】  Written by Amy Foster- Gillies, Michael Buble, Alan Chang

「♪ Another summer day  あの日とは別の夏の日が
  Is come and gone away  やってきては去っていった
  In Paris and Rome     パリやローマで
  But I want to go home   でも家に帰りたい
  Mmmmmmmm       

  Maybe surrounded by   100万人の人に
  A million people I     取り囲まれたとしても
  Still feel all alone      きっと孤独だと感じてしまうだろう
  I just want to go home   ただ家に帰りたいんだ
  Oh I miss you, you know  君が恋しい

  ・・・・・・・・・・・・・・

  Let me go home   家に帰らせて欲しい
  I’ve had my run   もう十分に走ってきた
  Baby, I’m done    もう十分やってきた
  I gotta go home    家に帰りたいんだ
  Let me go home    家に帰らせてくれ
  It will all right      今晩家に帰れたら
  I’ll be home tonight   それは最高さ  
  I’m coming back home  これから家に帰るよ  ♪」

It’s Time

Michael Buble / Reprise / Wea

「Michael Bublé – Home」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video
  

  

ハード・バップの熱い夜

Tags: , ,

DSCN8007
jazzho

 恒例、今年の「ジャズとホタルの夕べ2017」。そして、そう、シニアが大好きな「ハード・バップの夕べ」。迎えるアーティストは、「ハードバップ研究会」。場所は平たく言えば、地域のゴミ処理センターに併設されている環境学習のための施設の会議室。

 「ハードバップ研究会」。1984年、西宮生まれのトランペッター、「横尾昌二郎」、キーボードの「志水愛」を双頭リーダーとし、私がジャズに夢中になりだした頃、1950~60年代のジャズを愛してやまない若手アーティストのスペシャル・バンド。それに、テナー・サックスの「里村稔」が加わり、2管ホーン体制、「光岡尚紀(b)」、「弦巻潔(ds)」のリズム・セクションというクインテット仕立てであった。

049_2014061203425782b

 18時開演、お客は「ホタルの夕べ」ということもあって、シニアから幼児までの幅の広さ。特別講座と称し、「ホレス・シルヴァー/Horace Silver」の「Blowin’ The Blues Away」からスタート。黒人霊歌、ブルースからビ・バップ、クール・ジャズを経てハード・バップにいたる歴史も白板を使って簡単に講義。「チャーリー・パーカー/Charlie Parker」、「マイルス・デイヴィス/Miles Davis」、「アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズ/Art Blakey and the Jazz Messengers」、「リー・モーガン/Lee Morgan 」、「ソニー・クラーク/Sonny Clark」など矢継ぎ早にハード・バップの雄が登場。コンサート・ホールではない、普通の会議室なんですが、いやあ盛り上がりましたね。あっという間の1時間半の熱い夜。

1. Blowin’ The Blues Away
2. Ornithology
3. Boplicity
4. Moon River
5. The Sidewinders
6. Blue Minor
7. Peace
8. Dat Dere
アンコール Take The A Train

 そう一番、ポピュラーな曲ですね。「リー・モーガン」の「サイドワインダー/The Sidewinder」を同名のアルバムから。そして、「ソニー・クラーク 」の「Blue Minor」、「ホレス・シルヴァー」の「Blowin’ The Blues Away」。

ザ・サイドワインダー+1

リー・モーガン / ユニバーサル ミュージック

「Lee Morgan – The Sidewinder」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

 NHKの朝の連ドラ、「べっぴんさん」でよく流れていた曲。横尾本人もトランペッター役で3秒ぐらい出演したと話していた。こんな曲を使ったのは、もちろん時代背景もあるが、作曲者、「ソニー・クラーク」がなくなったのが、1963年。死後50年以上たったので著作権が発生しないため使い放題という裏話も披露。

クール・ストラッティン+2

ソニー・クラーク / ユニバーサル ミュージック

「Sonny Clark – Blue Minor」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

 ハード・バップを代表するプレイヤーのひとり、「Song For My Father」や「Nica’s Dream」にはわたしも心を熱くした「ホレス・シルヴァー」の「Blowin’ The Blues Away」。

ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ+1

ホレス・シルヴァー / ユニバーサル ミュージック

「HORACE SILVER - Blowin’ The Blues Away」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

  

  

路傍の花、樹々の鳥(166)  ~ 万葉のそよぎ ~

Tags: , ,

チガヤ

 風にそよぐのは、「チガヤ(千茅、茅萱、血茅)」である。イネ科チガヤ属の植物で、この時期、日当たりのよい公園、幹線道路の中央分離帯、河原、空き地などいたるところで群生しているのが見られる。白い毛が密生した花を、「茅花(つばな)」と呼び、甘味があり食べられるという。

「浅茅原 つばらつばらに 物思へば 故りにし郷し 思ほゆるかも」 (万葉集 大伴旅人)

「印南野の 浅茅押しなべ さ寝る夜の け長くしあれば 家し偲はゆ」(万葉集 山部赤人)

服部先生講演

 万葉集にも詠まれている古来から親しまれた植物で、我が活動フィールドの近くの黒川地区では、旧暦の端午の節句につくる「粽(ちまき)」をくるむのに、「ナラガシワ(楢柏)」、「イ(藺)またはイグサ(藺草)」とこの「チガヤ」を使っている。これは全国的にかなり珍しく、公園の他の活動グループでは、「食育」のテーマとして、この伝統の粽作りを毎年行っている。(参照拙ブログ「伝統の粽(ちまき)を作る」など) そして、この地域でも、6月30日と12月31日に、健康を願って神社で行われる「茅の輪くぐり(ちのわくぐり)」。

 「日本書紀」には「天鈿女命(アメノウズメ)」が「茅」を巻いた矛を持って舞ったと記されていることからも、我が国でも神代より「チガヤ」が聖なる草として、特別視されていた。従って、その霊力により、保存食である「粽」を巻いたり、「茅の輪くぐり」の神事につながったという。

c00702l

 とまあ、参加した万葉講座「万葉の植物 植生と猪名について」(講師;服部保先生)の受け売りであるが、わが国最古の歌集「万葉集」は、4516首からなり、そのうちのほぼ1/3に植物が詠まれ、その種類は約160種とされている。万葉集を紐解くと、詠まれている植物から、その植物の群落が形づくる当時の景観や、万葉人がその景観や植物をどう認識していたか、すなわち自然感がわかるという。はっきりとは分かっていないが、現在と同じような夏緑樹林(落葉樹)の里山林が形成されたのは弥生時代だと推定されている。従って、最古の文献ともいえる「万葉集」を読むと、万葉人も我々と同じ景観を見ていたことが分かるという。どこにでも生えているほぼ雑草といってもいい「チガヤ」。視点を変えると、万葉人の見た景色とつながってくる。

 それにしても、先日、鉢に「ヌバタマ(射干玉、夜干玉)」を播いたが、ちゃんと「ヒオウギ(檜扇)」になって花咲いて欲しい。いや、面白い講座であった。(「ヒオウギ」の写真はNETより拝借)

さて、今宵のピアノ。ふるさとシリーズは、「ジョー・サンプル/Joe Sample」の「A Long Way From Home」。この演奏は、「レイラ・ハサウェイ/Lalah Hathaway」とのコラボ・アルバム、「The Song Lives On」のラスト・トラックに収められているが、ボーカルはなく、サンプルの演奏のみであるが、涙を誘わんばかりの郷愁を思い起こす素晴らしい演奏である。
 

Song Lives on

Joe Sample / Pra Records

「Lalah Hathaway & Joe Sample – A Long Way From Home」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video
  
  

  

  

くわばら、くわばら ・・・、でもこれも自然のワン・ピース

Tags: , ,

チャドクガ幼虫

 延ばし延ばしにしていた庭先の「ツバキ(椿)」の剪定をした。この地に移り住んだ時、家運を願って植えたもので、毎年、真っ赤な花をつけ楽しませてくれている。しかし、この木の唯一の難点が、「チャドクガ(茶毒蛾)」の毛虫。これが厄介で、放っておくと食害で葉っぱはなくなってしまうばかりでなく、幼虫のもつ毒針毛が、触れると大変なかゆみやかぶれを生じる。最初の頃、それを知らなくて、大変な目にあったことがあるので、慎重に剪定をしなくてはならない。

 この毛虫は、風通しの良いところや明るいところを嫌うらしいので、毛虫になる前の早い段階で剪定を行うことで、風通しを良くしておき、卵を見つけたら葉ごと切除しておくのがいいとされる。毛虫になっても、若齢のうちは葉の裏の一箇所に固まっていることが多いのでまだ対処しやすい。昨年、選定をサボり、ことしもかなり葉っぱが茂るまで放っておいたので、もうせねばとしたのだが、案の定、葉の裏に群生しているのを見つけた。慎重に枝を切断して処理をしたつもりが、夜になって大したことはないが、何箇所かかゆみが発生している。くわばら、くわばら ・・・。いつもは、私は「虫愛でる爺」なのだが、やはり、「チャドクガ」の毛虫だけは、ならず者、厄介者で嫌われ者だ。でも自然のワン・ピース ・・・。

eagles_2011_425x250

 今宵の曲、「イーグルス/The Eagles」の1973年のヒット曲、「デスペラード/Desperado」。「Desperado」とは、スペイン語っぽいが、英語で「ならず者、無法者、命知らず、犯罪者」などを意味する言葉である。「イーグルズ」は、「ホテル・カリフォルニア」などのヒット曲で知られる、1971年にデビューしたアメリカのロック・バンド。アメリカ西海岸を拠点に活動しながら世界的人気を誇り、トータルセールスは1億2000万枚を超えるという。

 「イーグルス」結成は、1971年に「リンダ・ロンシュタット/Linda Ronstadt」のバックバンド編成のためにミュージシャンが集められたのがきっかけで、「グレン・フライ/Glenn Frey」、「ドン・ヘンリー/Don Henley」、「ランディ・マイズナー/Randy Meisner」、「バーニー・リードン/Bernie Leadon」の4名によってその年結成され、そのスタイルは、カントリー・ロックと呼ばれ、1970年代に最も成功したバンドとして名を馳せるまでになった。

 「デスペラード」。西部のどこかの牧場でひとりぼっちで暮らす中年男。かっての荒れた生活の名残も。そして愛することも、もう忘れてしまった。そんな男に語りかける歌。

【 Desperado 】     Written by Glenn Frey, Don Henley

「♪ Desperado,                  おい、あんた
    why don’t you come to your senses?     いつまでぼんやりしてるんだよ
   You been out ridin’ fences for so long now  ずっとフェンスの向こうばかり見て
   Oh, you’re a hard one            あんたは頑固者
   I know that you got your reasons      おいらはその理由も最もだと思うが
   Can hurt you somehow           その頑固さが時には君を傷つけるからね 

   Don’ you draw the queen of diamonds, boy  ダイヤのクイーンを引いたらダメ
   She’ll beat you if she’s able          彼女の隙あらば、君を打ちのめす
   You know the queen of heats         あんたも知っているはず
           is always your best bet    ハートのクイーンが一番だって

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   Desperado,                  あんた、
     why don’t you come to your senses?     いつまでぼんやりしてるんだよ
   Come down from your fences,         いい加減フェンスを降りて
      open the gate                ドアを開けなよ
   It may be rainin’,               今は土砂降りかもしれないけど
       but there’s a rainbow above you      きっと君の上に虹が出る
   You better let somebody love you,      もうそろそろ誰かを愛したら
        before it’s too late          手遅れになってしまう前に   ♪」

Desperado

Eagles / Elektra / Wea

「The Eagles – Desperado」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

b0102572_012319

 さて、もうひとりはカバーですが、デスペラードな(?)女性シンガー。私がかってこのブログで、「コペンハーゲンのちょっと過激なグラビア風人魚姫」と評した「マレン・モーテンセン/Malene Winter Mortensen」。1982年生まれのデンマークの歌手。(参照拙ブログ「北欧美女シンガー図鑑(その5 ) ~コペンハーゲンのグラビア風歌姫~ 」

 音楽家の両親を持ち、小さな頃から音楽環境に恵まれて育ち、19歳でユーロ・ヴィジョン・ソング・コンテストに優勝して注目を集め、2003年メジャー・デビュー。そのデビュー作「Paradise」が、北欧ジャズ・チャートで発売からなんと6週連続第1位を記録し、北欧で最も熱い注目を集めるニュー・アーティストとなったという。ジャケ買いのセカンド・アルバム、「デイト・ウィズ・ア・ドリーム/Date with a dream」(2005)で知ったディーヴァ。3rdアルバム、「マレン/Malene」(2006)から「デスペラード」。

 

MALENE

/ コロムビアミュージックエンタテインメント

「Desperado Malene Mortensen」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video
  

  

私の洋楽的原点のひとつは ・・・

TAGS: None

ピーマン
ミニトマト

 帰省から帰ってみると、「ピーマン」、「ミニトマト」、「ナス(茄子)」 ・・・などの花が咲いている。これまであまり野菜の花などまったく気にしなかったが、ここまで庭に野菜派の勢力が広がると気にせざるを得ない。観賞用の花とは全然違うが、これはこれで個性的。

オカヒジキ

 夜の食卓には、松本で仕入れていた、「オカヒジキ(陸鹿尾菜、陸羊栖菜)」が上がる。シャキシャキ感、みずみずしさ。私はこれが大好物である。家庭菜園で可能かどうかわからないが、今住んでいるところでは手に入らないので、これを我が家で栽培してくれたらいいのになあ。提案してみようっと。

 久しぶりの松本への帰省。思いは少年時代にタイム・スリップ。父親が電気技術者で、夜行列車で秋葉原へ行き、部品を買って帰ってきては、近所の注文を受け、ラジオやアンプなどを組んで副業としてた。その影響でわたしも「ラジオ少年」だった。 自作の5球スーパーヘテロダイン受信機?で、夜な夜な音楽番組を聞き、曲の名前やプレイヤーを覚えたものだ。気に入ってもLPやレコードなんぞとても買えない私は、これまた自作のアンプ、スピーカーボックスで「ソノシート」なるものをよく聴いていた。これが私の音楽的、とりわけ洋楽的原点である。

 そんな曲の中に、突然の雷鳴と雨の音でイントロが始まる懐かしい曲がある。「Rhythm Of The Rain (悲しき雨音)」。この時期に懐かしく思い出す曲。「カスケーズ/The Cascades」によって1962年にヒットした、間違いなく私の洋楽的原点の曲の一つである。

「Rhythm Of The Rain (悲しき雨音) – THE CASCADES」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

  

  

続々・私の中の原風景 ~ 昔から変わらない風景と ・・・ ~

Tags: , ,

DSC_0661
DSC_0651

 鎮守の社へと続く上り坂の参道。古民家。参道の端には道祖神が結界として置かれている。家の横には代々の先祖の奥津城があり、墓を覆うように桜の古木が枝を広げ、地蔵堂が祀られている。私が子供であったころから、この風景は大きくは変わっていないのだろう。だから私の中の原風景として存在している。

DSC_0644
DSC_0676

 葡萄園では葡萄の「芽かき」が始まっている。芽を摘んで、芽数を制限することにより、残された新梢への養分の分配を高めると共に、棚面の明るさを保ち品質、収量を安定したものにすることが出来るという。作業を行っているのは若い女性3人と気づく。真っ赤なフォルクス・ワーゲンで園まで来ているようだ。果樹の栽培に携わる若い世代が増えてきたということだろうか。

 この地域独特の様式を持つ民家も、最近はめっきり減ってしまった。代替わりとともに新築される家は都会と変わらない外観と機能を持つ家。しかも、日照時間の長いこの地方のためか、ほとんどの新築の家の屋根には、太陽電池が設置されている。変わらないようで少しづつ変わっている日々の暮らし。 

DSC_0667

 地元の特産品を売るマーケットで「炭」を見つけた。思い出してみれば、子供の頃は、燃料といえば、薪と炭。今、実家があるあたりに村から炭を売りに来ていた。「堅炭」とあるから、多分、「備長炭」に代表される「白炭」であろう。私と同じ年頃の10人ぐらいで焼いているようだ。実家の近くにも、伝統の技術を保存しようとしている同好の士がいる。嬉しいことである。この燃料に関しては「燃料革命」と呼ばれるほど、大きく変わってしまった。

b0102572_092137

 私の中の原風景を印象づけるような曲を紹介しているが、今宵は、「トルド・グスタフセン/Tord Gustavsen」。もう何回もこのブログで取り上げているノルウェー出身のジャズ・ピアニスト。ECMからリリースされた、「Changing Places」(2003)、「The Ground」(2004)に続くのトリオ3部作の最後を飾る「Being There」(2007)に収められ、私が彼を知ることとなった最初の曲「At Home」を ・・・。

 パーソネルは、「トルド・グスタフセン(p)」、「ハラルド・ヨンセン/Harald Johnsen (b)」、「ヤーレ・ヴェスペスタ/Jarle Vespestad (ds)」。2006年12月オスロ、レインボウ・スタジオにて録音。

Being There

Tord Gustavsen Trio / ECM

「At Home – Tord Gustavsen Trio」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

 タイトル曲、「Being There」も。「そこに存在する」という意味でしょうか。アンサンブルの演奏のようです。

「Tord Gustavsen Ensemble -  Being There」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video
  

  
  

生い茂る雑草にも負けずに

Tags: , ,

アヤメ2
カルミア(アメリカシャクナゲ)
フウロソウ(ゲンノショウコ)

 久しぶりの弾丸帰省。目的は実家の整理と雑草抜き。150坪近くある庭。「ハルジオン(春紫菀)」、「ヒメジョオン(姫女菀)」でしょうか、それと「カラスノエンドウ(烏野豌豆)」、別名「ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)」などが一面に生い茂っている。手だけで抜くには、時間的にも体力的にもとても無理なので、電動の草刈り機を併せて使う。本当は根っこまで抜かないと根本的な対策にならないのだが ・・・。

 母親が好きだった花のいくつかは、雑草にも負けず、美しい花を咲かせていた。「アヤメ(菖蒲、文目、綾目)」、「カルミア(アメリカシャクナゲ)」。そして、「フウロソウ(風露草)」でしょうか。和歌を詠んでいた母親好みの美しい名前であるが、一般に、下痢止めの生薬として用いられている「ゲンノショウコ(現の証拠)」だと聞くとちょっとゲンナリ。

 今日は朝から、妻待望の雨が降っている。ということで、今宵の曲は、「Here’s That Rainy Day」をピアノで。1953年、ブロードウェイ・ミュージカルのために、「ジミー・ヴァン・ヒューゼン/Jimmy Van Heusen」作曲、「ジョニー・バーク/Johnny Burke」 作詞されたスタンダード。かの「ビル・エヴァンス/Bill Evans」によるソロとトリオの演奏で聴き比べてみましょうか。

 まずはソロ・ピアノ、アルバムは「Alone」(1968年9月、10月録音)から。

Alone

Bill Evans / Universal Jazz

「Bill Evans – Here’s That Rainy Day (Verve Records 1968) 」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

 もうひとつの演奏は、「Alone」と同じ年のほぼ同じ時期の10月に、マンハッタンのグリニッチ・ヴィレッジにあった有名なジャズ・クラブ、「ヴィレッジ・ゲイト/The Village Gate」の2 階にあった「トップ・オブ・ザ・ゲイト/Top of the Gate」でのライヴ録音アルバム、「Bill Evan Live at Top Of The Gate」から。パーソネルは、エヴァンスのほか、「エディ・ゴメス/Eddie Gomez(b)」、「マーティ・モレル/Marty Morell (ds)」。

ライブ・アット・トップ・オブ・ザ・ゲイト (Live at Top of the Gate) [2CD] [日本語帯・解説付/輸入盤]

ビル・エヴァンス / Resonance Records / King International


「BILL EVANS – Here’s That Rainy Day」

       You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

  

  



© 2009 JAZZYな生活. All Rights Reserved.

This blog is powered by the Wordpress platform and to just Go Beach Rental.