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アナ・マリア・ヨペック讃

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 ちょうど5年前、2012年今頃のことであった。ある読者さんからのリクエストで、「絶世の東欧美女たちが、ささやくように歌うボサノバを聞きたい。」というリクエストに応えようとたどり着いたのが、ポーランドの歌姫、「アナ・マリア・ヨペック/Anna Maria Jopek」。それ以来すっかりその透明感あふれる歌声にハマっている。

 ヨペックは1970年、ポーランド生まれ。幼少時からクラシック・ピアノを学び、17歳で「エラ・フィッツジェラルド/Ella Fitzgerald」を聴いてジャズに開眼し、1997年にポーランドでアルバム・デビュー。すでに自国ではかなりの支持を得ていたが、2002年、「パット・メセニー/Pat Metheny」の全面的協力を得、彼の楽曲にポーランド語詞を乗せて歌ったアルバム、「ウポイエニェ/Upojenie」は、本国で10万枚のセールスを記録。日本はじめ世界のJAZZファンの間で話題を集めたという。(参照拙ブログ 「東欧の囁き姫を探して ・・・ 」「ポーランドの癒し姫にはまりそう」 などなど)

 その、「アナ・マリア・ヨペック」が、2011年以来、6年ぶりに新譜をリリースした。しかも、キューバ出身の私のご贔屓のピアニスト、「ゴンザロ・ルバルカバ/Gonzalo Rubalcaba」のトリオとの共演である。待ちに待ったそのCDがやっと届いた。タイトルは、「Minione」。辞書で調べたら「原初年代記」とあった。

 第2次世界大戦以前、ポーランドで流行っていたポーランド・タンゴ&ボレロにインスパイアされたアルバムだという。「小曽根真」らとの日本音楽と邂逅を果たした「Haiku(俳句)」(2011)、ポルトガルの伝統音楽、ファドとの出会いを昇華させた「Sobremesa」(2011)。ヨペックの次なる出会いが、ポーランド・タンゴであった。アルバム・タイトルにその心情が込められている。聴く。甘美、切なさ、光と翳。1930年代、世界中で流行ったあのタンゴの響きが、今蘇る。

 パーソネルは、「Anna Maria Jopek (voice)」、プロデュース、アレンジも担当した「Gonzalo Rubalcaba (piano)」、「アルマンド・ゴラ/Armando Gola (bass),」、「アーネスト・シンプソン/Ernesto Simpson (drums)」。録音は、2016年8月、キューバにほど近いマイアミ。

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Anna Maria Jopek / Gonzalo Rubalcaba / Universal

「あなたの唇は嘘をつく」という意味の「Twe usta kłamią(Your Lips Lie)」を。

「Anna Maria Jopek, Gonzalo Rubalcaba – Twe Usta Klamia」

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俄か愛国主義者の夜は更ける(前半)

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毎夜連続の「俄(にわ)か愛国主義者」になる日々が続いている。きっと日本中がそうであろうが、オリンピックが、四年に一度、日本人のDNAの深いところを刺激しているのである。そして、当然のように寝不足の毎日が続く。「小原日登美」の金メダル・ストーリー。きっと、メダルの数だけ、いや、メダルをとれなかった選手も含めて、出場しているアスリートの数以上の感動や感激、ストーリーがあるのだ。

出場した日本人選手がインタビューで、ことごとく応援してくれた人や支援してくれた人々への感謝や家族の絆を口にする。最初は少し違和感があったが、レスリング、卓球など色々な種目で世界に通用するための戦略や戦術、練習などの苦労話を聞いてみると、その違和感は吹っ飛んでしまった。確かに家族や多くの人の支え無しに一人ではあそこまでたどり着けなかったのである。

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一方、永田町あたりで党利党略、国民ほったらかしの選挙、政権、保身だけしか頭にない暗闘や駆け引きを繰り広げている政局を見るにつけ、一体、「誰がどんな思いで君たちに日本の政治・社会を変えてほしいと一票に託したのか、そのことが十分分かっているのか!」と問いただしたくなる。「逃げずに立ち向かっていくあのアスリートたちを、目を見開いてしっかり見ろ!」とも言いたくなる。

そしてもう一つの楽しみ。それは、日頃殆ど見ることのできない競技が放映され、その面白さを感じることである。トランポリン、フェンシング、アーチェリー、ピストル、十種競技、トライアスロンなど ・・・ 。新鮮である。私もかって「ヨット競技」という非常にマイナーな競技をやっていたので、選手たちの「注目されて、もっと興味や関心を持ってほしい」という、その気持ちはよくわかる。それにしても改めて感じたことだが、世界は本当に広い。有名選手や日本の選手だけでなく、それ以外のアスリートたちの美しさや強さに目を奪われることもしばしばあった。しかしやはり日本、日の丸である。まだしばらくは「俄か愛国主義者」の日々は続きそうである。

そんな中で、間違いなく「アナ・マリア・ヨペック/Anna Maria Jopek」の影響であるが、ポーランドの選手が出てくると、けっこう目が行ってしまったりもした。私達の世代が知っているポーランドの著名人といえば、「フレデリック・ショパン/Fryderyk Franciszek Chopin」、「ソラリスの陽のもとに」で知られるSF作家「スタニスワフ・レム/Stanisław Lem」、「灰とダイヤモンド」がその代表作である映画監督「アンジェイ・ワイダ/Andrzej Wajda」、そして「ローズマリーの赤ちゃん」の「ロマン・ポランスキー/Roman Polanski」、政治家では、ソビエト連邦の抑圧に抵抗する市民による民主化運動を率いた独立自主管理労働組合「連帯」の議長でのちに大統領になり、ノーベル平和賞も受賞した「レフ・ワレサ/Lech Wałęsa」ぐらいであろうか。

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ポーランド、行ったことはないが、その地政学上の位置から、昔から、大国ドイツとロシアとの狭間で常に翻弄され続け、東西冷戦中はソ連陣営に組み込まれ抑圧を強いられた。「アウシュヴィッツのユダヤ人虐殺」や「カティンの森の虐殺」の舞台となった国、そんな乏しい知識から、やや暗くて陰惨な印象としかもっていなかった国である。

そんな国の歌姫、「アナ・マリア・ヨペック」に出会った。一部のアルバムは別として、ほとんど意味も発音も分からないポーランド語でしか歌わないジャズ歌手、私が知っている限り、いわゆるスタンダードを一曲も歌わないジャズ歌手が、世界のファンの心をとらえ、私の心をとらえてしまったのである。なぜだろうか?そのひとつにはポーランド語の独特の響きがあげられるだろう。ポーランド語のもつリズミカル響きの美しさ、リリカルに耳に響いてくる。さすが、ポロネーズ、マズルカという伝統音楽を生んだ国。そこにやや東洋的で哀愁を帯びたマイナー(短調)のメロディがかぶさってくる。

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最新、2011年のアルバム3部作の一枚が「POLANNA/ポランナ」。テーマは「音楽におけるポーランド魂の追究」とある。ポーランドの音楽をルネッサンスから現代まで俯瞰した試みで、音、フレーズ、メロディー・ラインの中でポーランド遺伝子を取り出すことを目指したという。しかもその追究に参加したのが、ポーランド民俗音楽の優れた演奏家「マリア・ポミャノフスカ/Maria Pomianowska」、キューバのジャズ・ピアニスト、「ゴンサロ・ルバルカバ/Gonzalo Rubalcaba」、ブラジルのアコーディオン奏者でピアニストでもある「ギル・ゴールドスタイン/Gil Goldstein」などのメンバーである。しかも、ワルシャワで録音され、ニューヨークで仕上げられたという。こんな記述を読むと、この一連の3部作、「POLANNA/ポランナ」、「HAIKU/俳句」、「Sobremesa/ソブレメサ」は、「伝統」、「融合」、「歴史」 ・・・といったキーワードのもとに、「ポーランド」、「日本(和楽)」、「ポルトガル(ファド)」の融合と世界的視野での新しい音楽の創生を目指した試みという彼女の明快な立ち位置が理解できる。そして、その心意気は十分にJAZZYであり、その目指した志は十分伝わってくるのである。

こんなヨペックの言葉。「古典的な伝統と私たちのジャズの経験とざらざらした民俗音楽のきらめきの間にぶら下がったような音楽なのです。」

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Anna Maria Jopek / Universal Poland

ポーランドの国名の「ポルスカ(Polska)」は、野原を意味する「ポーレ (pole)」が語源と言われている。ひび割れ、乾いた大地を一人歩むヨペック。ポーランドの大地に流れた夥しい血、そして鎮魂の祈りが、裸足の足裏から彼女の心に伝わり、その眼差しからは、一人でジャズの新境地を切り開いていく覚悟が見て取れるような気がする。  

「Anna Maria Jopek – Kiedy ranne wstają zorze」

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ふるさとエレジー(18) ~ 歌姫、みぃつけた ~

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ふるさと・松本の七夕は、「仙台の七夕」などと同じように、8月6日から7日にかけて、旧暦で行われる。そして、全国でも松本地方だけの風習らしいが、この地方では七夕に「人形」を飾るのである。願い事などを書いた短冊を、笹や竹につるして飾るという一般的な「七夕飾り」と共に、男女一対の木製や和紙製の「七夕人形」を軒下につるしてお祝いをするのである。この「七夕人形」を飾る風習は、城下町・松本で江戸時代から今に伝えられている風習で、お雛様や五月人形と同じように、赤ちゃんの誕生の初節句に、その健やかな成長を祈って親から子へと贈られる人形である。私も「初七夕」には次男夫婦に贈ったが、孫ができてからは、我が家でも旧暦の七夕には、「七夕人形」を飾ることにしている。そして、母親が人形を飾ってくれたかすかな七夕の光景を思い出そうとするのであるが、もうその記憶も定かではない。

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今年出会った、我が愛しの「姫」といえば、「アナ・マリア・ヨペック/Anna Maria Jopek」。Amazonから届いたアルバムは「Dwa Serduszka Cztery Oczy」。ヨペックのサインからすると、「2 hearts,4 eyes」という意味らしい。中身はヨペックの写真集といった趣のブックレットの中に、過去の単品で発売されている「ID」、「JO & CO」という2アルバムと単品未発売の「SPOZA」という3枚組のアルバムが、収納されている。しかも、Amazonで購入した価格は、なんと1,583円という超お得価格。「ID」は、ポーランドで発売されたオリジナル版らしく、13曲と曲数が増えたり、曲編成が変わっているので、すでに「ID」(インターナショナル版)を有しているファンでも、この価格ならダブっても相当なお得感がある。

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この3枚のアルバムに共通するのは、世界中からの多くのゲスト・ミュージシャンとのコラボやライブ。例えば、「リチャード・ボナ/Richard Bona」、「トルド・グスタフセン/Tord Gustvsen」、「ブランフォード・マルサリス/Branford Marsalis」、「クリスチャン・マクブライト/Christian McBride」など錚々たるメンバー。そのゲストたちと作り上げた「音楽的世界観」やお互いの「音楽的共感」を、「2 hearts,4 eyes」と表現したのであろう。その曲は、「JO & CO」のラストに収録されている。録音もよく、いずれも心躍る熱演が繰り広げられる極上のジャズ・アルバム。 

Dwa Serduszka Cztery Oczy

Anna Maria Jopek / Universal Poland

あの故郷の七夕人形、織姫・彦星こそ「2 hearts,4 eyes」かも ・・・。例によって、読み方も意味も全く分かりませんが、「Dwa Serduszka Cztery Oczy」版の「ID」から2曲ほど ・・・。まずは、深い哀愁をたたえた絶妙のボサノバ・タッチの曲から ・・・。それに、このスライド・ショーはいいですね。どなたか知りませんが、アップしてくれた方に感謝。

「Anna Maria Jopek - Sklamalabym」
 
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私がご贔屓のノルウェイの美メロ・ジャズ・ピアニスト、「トルド・グスタフセン/Tord Gustvsen」がサポートしている曲が3曲ほどありますが、そのうちの一つを ・・・。うん、やはりトルドらしい。

「Anna Maria Jopek - Samej Cie nie zostawie」 (英訳; I WILL NOT LEAVE YOU ALONE )

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さあ、今夜はロンドン、テムズ河。さて「足姫」たちの活躍に逢えるでしょうか ・・・。(いやあ、すごい試合でした。これで決勝へ ・・・)

 



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