JAZZYな生活

プレミアムエイジ ジョインブログ

路傍の花、樹々の鳥(194) ~ 一足先に庭一杯の春 ~

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 「ロウバイ(蝋梅、蠟梅、臘梅、唐梅〔カラウメ〕)」の花が満開の家。ウォーキングの道筋に「ロウバイ」を植えている家はいくつかあるが、まだ蕾の家が多く、こんなに咲いている家はここだけ。一足早く庭いっぱいの春を迎えたこの家の住人は、きっと”ハッピー”であろう。

 さて、今宵の歌は春を先取りした ”Happy” な歌、「This Happy Madness」。「この狂おしいばかりの幸せ」。そんな意味でしょうか。元々は、1958年、「アントニオ・カルロス・ジョビン/Antonio Carlos Jobim」が作曲し、「ヴィニシウス・ヂ・モラレス/Vinicius de Moraes」が作詞したボサノバの曲で、「エリゼッチ・カルドーソ/Elizete Cardoso」によって歌われた。ポルトガル語では、「Estrada Branca(白い路)」という曲。それを1968年、「ジーン・リース/Gene Lees」が英語詩にして、「フランク・シナトラ/Frank Sinatra」によって歌われたという。

【 This Happy Madness 】
           by Vinicius de Moraes, Gene Lees, Antonio Carlos Jobim

「♪ What should I call this happy madness  私の中に湧き上がるこの狂おしいまでの
            that I feel inside of me  幸せをなんと呼んだらいいのであろう
  Some kind of wild October gladness     荒々しい10月の歓喜のように
            that I never thought I’d see  いままで私が出会ったことがないもの
  What has become of all my sadness     私の全ての悲しみや終わることがないと
            all my endless lonely sighs  思っていたため息はどうなったの
  Where are my sorrows now         私の嘆きは一体どこに行ってしまったの

  What happened to the frown         今までのしかめっ面に何が起こったの
        and is that self contented clown   自己満足している道化師みたい
  Standing grinning in the mirror really me  鏡の前でにやけている私が本当の私ね
  I’d like to run through Central Park   セントラルパークを走り抜け
   carve your initials in the bark of every tree  どの木にもあなたのイニシャルを刻みたい
    I pass for every one to see      だれがみてもわかるようにね

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     ・・・・・・・・・・・・・・・  ♪」

 「ステイシー・ケント/Stacey Kent」、「アントニオ・カルロス・ジョビン」、「ダイアナ・パントン/Diana Panton」、3人の歌で聴いてみましょうか。

Changing Light

Stacey Kent / Warner Bros UK

「This happy Madness ー Stacey Kent」

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Terra Brasilis
アントニオ・カルロス・ジョビン
Import CD
Warner Bros / Wea


    
   

「Tom Jobim – This Happy Madness」

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フェリシダージ ~わたしが愛したブラジル

ダイアナ・パントン(vo) / MUZAK,INC.

「Diana Panton-This Happy Madness」

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和製ボッサはもう懐メロか? ~12の唄をたどって~ (前)

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『この地上で樹が切り倒されるごとに、その樹はきっと別の場所で、
どこか他の世界で再び成長するのだと、私は信じている。』

アントニオ・カルロス・ジョビン (青土社刊;「アントニオ・カルロス・ジョビン~ボサノヴァを創った男」より引用、写真も)

「ボッサ特集を ・・・」なんてお声も頂きましたが、そこは天邪鬼でへそ曲がりの私。東京オリンピック招致成功のニュースで思い出したのは、あの頃の音楽的背景。(参照拙ブログ「あの頃は ・・・」) 特にブラジルからアメリカ経由で日本にやってきた「ボサノバ」が大きな存在を占めていたということ。そして日本では、ボサノバの浸透に呼応するように、その後、「和製ボッサ」、もっと有体に言うと、「ボサノバ歌謡曲」へと進化していった様を、思いつくままにまとめてみようと思います。なにを隠そう、私は歌謡曲はほとんど聴くことはないが、この「ボサノバ歌謡曲」は別なのです。

さて、1958年は、「ビニシウス・ヂ・モライス/Vinicius de Moraes」が作詞し、「アントニオ・カルロス・ジョビン/Antonio Carlos Jobim」が作曲した、ボサノバ最初の曲とされる「Chega de Saudade(想いあふれて)」が、「ジョアン・ジルベルト/João Gilberto」の歌で録音された年。だから2008年は、「ボサノバ誕生50周年」で、レコード各社から色々な記念特集アルバムがリリースされた年でもある。

このあたりのボサノバ発祥のいきさつについては、映画「This is Bossa Nova」に詳しいが(参照拙ブログ「音楽の誕生~ボサノバのルーツを知って~」)、1980年代あたりから、発祥の地ブラジルでは衰退し、今ではもう懐メロ扱いとなってしまったという。確かに、「今はもう、ブラジルではボサノバを聴く人は、めっきり少なくなってしまった」とあの映画の製作者でもあり、ボサノバ創始者のひとりでもある、「ホベルト・メネスカル/Roberto Menescal」は嘆いていた。「誕生50周年」の頃を除くと、ブラジルからボサノバの新しいスターやアルバムは出てこなくなったようにも思う。

さて本国・ブラジルでは、すっかり衰退してしまったと言われる「ボサノバ」、今だに盛んに演奏されたり、聴かれたりしている国のひとつは「日本」である。すこしお洒落なカフェなどは言うにおよばず、蕎麦屋、居酒屋、ショッピングモールのBGMでも耳を澄ませば、しょっちゅうボサノバは聞こえてくるのである。
 
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このボサノバ、最初に日本に持ち込んだのは、かの「渡辺貞夫」であると言われている。彼は1962年にアメリカのボストンにある「バークリー音楽学校」へと留学し、多くのジャズメンとのセッションがあった。そこで、当時アメリカのジャズ界で大流行していたボサノバに触れたのである。1965年に彼は帰国。その直後から、ボサノバを演奏したアルバムをいくつも発表し(JAZZ&BOSSA、BOSSA NOVA ’67、JAZZ SAMBAなど)、「セルジオ・メンデス&ブラジル’66」の大ヒットと相まって、一大ボサノバ・ブーム、「ナベサダ」ブームが日本でも巻き起こったと記憶しています。前置きが長くなりましたが、この辺からがいよいよ「和製ボッサ」の登場です。
年を追ってその歴史を、いくつかの曲をたどりながら追っていくことにいたしましょう。(youtubeが埋め込まれていない曲は、色文字部をクリックしてください)
 
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1)白い波/ユキとヒデ/1967年
このボサノバの大ブームに目を付けた日本の音楽界が「渡辺貞夫」に作曲を依頼し、1967年に誕生した初の和製ボッサと称されるのが、「ヒデとロザンナ」の「出門英」が作詞し、「ロザンナ」と組む前の「藤ユキ」とのデュオ、「ユキとヒデ」で歌った「白い波」。「ヒデとロザンナ」でも歌っているが、まあここから今に続く長い「和製ボッサ~ボサノバ歌謡曲」の歴史が始まったのです。大学生の時に買ったこのシングル盤のEPレコード、大事に持っていましたが、今は行方知れず ・・・。


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この「白い波」のB面の「長い夜」もなかなか捨てがたいいい曲だと思う。このほか「渡辺貞夫」は、「ユキとヒデ」に、「スノー・ドルフィン・サンバ(A面)/恋のスノー・ドルフィン(B面)」(1967年)なども提供している。

最近、「由紀さおり」が、アメリカのジャズ・アンサンブル、「ピンク・マルティーニ/Pink Martini」とのコラボでヒットさせたアルバム「1969」に収録された曲で、「真夜中のボサノバ」(作詞:橋本淳、作曲:筒美京平)という曲があるが、これは、「ヒデとロザンナ」が1969年にリリースした曲。
 

2)私の好きなもの/佐良直美/1968年
「いずみたく」の門下生として、1967年「世界は二人のために」で彗星のようにデビュー、そのフレッシュさと歌唱力で、瞬く間にスターダムへ駆けあがったのが「佐良直美」。「♪ ボサノバのリズム 夜明けの渚 レオンの切り口 ・・・ ♪」で始まる「My Favorite Things」に似たこの歌は、「永六輔」作詞、「いずみたく」作曲。

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3)別れのサンバ/長谷川きよし/1969年
デビュー曲、「別れのサンバ」は何と言っても衝撃的だった。個人的にも強いインパクトを受け、弾き語りができるように練習した思い出もある。

「和製ボッサ」の黎明期であるこのころ、懐かしい名前の色々のシンガーが、和製ボッサを歌ったのであるが、そんな和製ボッサを集めたアルバムが、「東京ボサノヴァ・ラウンジ」。そのほかに、ロカビリー歌手、「ミッキー・カーチスとザ・サムライズ」が歌った「夏の夢」(1968年)、まだ高校卒業したてで初々しいフォーク歌手、「森山良子」がスキャットを交えて歌うフォーク調の「雨あがりのサンバ」(1968年)などが、このころの傑作であろうか。そうそう、「阿久悠」作詞による「森山加代子」の「白い蝶のサンバ」(1970年)も忘れてはならない。

やがて、1980年代にかけて、「和製ボッサ」は「ボサノバ歌謡曲」として進化しつつ、一層の発展期に入って言ったといっていいだろう。「都会」、「おしゃれ」、「哀愁」、「切なさ」、「夜」、「別れ」 ・・・、そして、マイナー(短調)キー、ハスキーで囁くようなボーカル、アコースティックなギター、フルートの響き。そんな歌謡曲に共通する部分が、ボサノバのイメージに共鳴して、「ボサノバ歌謡曲化」が加速していったのではなかろうか。

そして、J-POPSといわれる分野でも、洋風な歌のつくりがボッサ・アレンジに適していたのだろう、「和製ボッサ」、あるいはボッサ・アレンジにすると、極めてボッサ・テイストが濃厚となるJ-POPSの名曲が誕生してくる。

4)あの日に帰りたい/松任谷由美/1975年
そんな曲の筆頭にあげられるのが、若者に圧倒的な支持を受け、最近なんと37枚目のアルバムをリリースした「ユーミン」こと「松任谷(荒井)由美」の「あの日に帰りたい」。なんといっても、「小野リサ」の歌唱がそれを証明していると思う。

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この曲、「マイケル・フランクス/Michael Franks」も「Somewhere In The Rain」というタイトルでカバーしているくらいワールド・ボッサにもなっている。その他の曲にも、私のお気に入りのジャズ・シンガーによるボッサ・カバーがある。「今井美樹」の1996年のヒット曲、「PRIDE(プライド)」である。歌うは、あの名花「ジェーン・モンハイト/Jane Monheit」

5)恋人も濡れる街角/中村雅俊/1982年
この夏、復活を果たしましたね。言わずと知れたサザン「桑田圭祐」の曲である。映画「蒲田行進曲」の挿入歌で、雪の日、身重のヒロイン「小夏」が一人産院へ向かうシーンに流れ、観る人の涙を誘った曲。この頃ご贔屓だったジャズ・シンガー「金子晴美」のJAZZYなボッサ・カバーが一番好きである。

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6)私はピアノ/サザンオールスターズ/1980年
さて、もうひとつ「桑田圭祐」の曲から、「私はピアノ」。アルバム「タイニイ・バブルス」に収録された「原由子」のボーカルの曲である。「高田みずえ」のカバーが有名だが、ここは、ラテンのテイストあふれるジャズ・シンガー、「MAYA」の歌で ・・・。

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そんな流れの中、1979年、「門あさ美」が、ボサノバ・テイストのリズムをもち、都会的で軽快であるが、ちょっと意味深な歌詞の「ファッシネイション/Fascination」でデビューした。

この少し前に、元祖「ボサノバ歌謡曲」といえるほど、決定的に「和製ボッサ」に影響を与えたと思う曲が登場するのである。

(つづく)



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