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我が青春のシネマ・グラフィティ(18) ~ ジェーン・フォンダ/ジュリア・黄昏 ~

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NHKの衛星放送で、「ジェーン・フォンダ」主演、「フレッド・ジンネマン」監督の「ジュリア」を観た。有名な劇作家でもあり、ハードボイルド作家「シドニー・ルメット」のパートナーでもあった「リリアン・ヘルマン」の回顧録を元に、激動の時代を生きた2人の女性の美しい友情をサスペンス・タッチで描いた実話である。この映画で「ヴァネッサ・レッドグレーヴ」と「ジェイソン・ロバーズ」がアカデミー助演賞を受賞、実力派スター達の見事な演技が堪能できる作品である。そして、この映画封切り時、それまではあまり好きではなかった、むしろ嫌いであった女優「ジェーン・フォンダ」の美しさと演技力に驚かされた作品でもあった。

「ジェーン・フォンダ/Jane Fonda」。1937年12月生まれ。なんともう72歳にもなるのである。父は名優「ヘンリー・フォンダ」、弟も俳優で監督、製作者の「ピーター・フォンダ」というその毛並みの良さ。「ヴォーグ」誌などの表紙を飾るモデルとなり、その後女優の道へとすすむ。1960年「のっぽ物語」で映画デビューしたが、父ヘンリーの影響力へのつっぱりや抵抗のためか、「ルネ・クレマン」監督のフランス映画「危険がいっぱい」(1964年)への出演依頼があったのを機会にアメリカを脱出フランスへ。「危険がいっぱい」で共演した「アラン・ドロン」の紹介で出会った映画監督「ロジェ・ヴァディム」の「輪舞」(1964年)に出演した後、ヴァディムと結婚(1973年に離婚)。その後、「女優を扱わせては右に出るものはいない」といわれたヴァディムにより、美しいセックス・シンボルとなっていった。そんな代表作が、エロチックSF映画「バーバレラ/Barbarella」(1967年)。この映画も観たが、「親の七光りのなかで自由奔放、わがままいっぱいに振る舞っているじゃじゃ馬娘」ぐらいの印象しかなかった。その後、1971年「コールガール/Klute」でアカデミー賞主演女優賞をとったものの私の興味をひくことはなかった。1973年ヴァデムと離婚したわずか5日後、急に政治に目覚めたのか、反戦の闘志でSDSの元リーダーの政治活動家の「トム・ヘイドン」と再婚(1989年に離婚)し、ベトナム戦争復員軍人による反戦活動VVAWの公聴会を支援し、資金集めに全米各地で集会など反体制の政治活動に傾倒し、反戦、ウーマンリブの闘志として話題をあつめていった。ハノイに乗り込んだことから「ハノイ・ジェーン」と呼ばれ、FBI、CIA、当局からの監視対象となったという。

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こんな活動をみても、父ヘンリーへのツッパリと裏返しのヴァデム、ヘイドンへの影響依存というか、ファーザー・コンプレックスというか、そんな風にしか感じられず、過激な発言やその行動力も「ファザ・コンお嬢様の道楽」としか思えなかった。

私の彼女への評価が一変した作品は、「ジュリア/Julia」である。「フレッド・ジンネマン」監督の「ジュリア」(1977年)。戦時下の女性たちの生き様を描いた感動ドラマ。第二次大戦下のベルリン。リリアンは反ナチス運動を続ける親友のために、活動資金を届けようと奔走するが…。 アカデミー賞11部門ノミネート、3部門で受賞した名作。反戦、反体制とは縁のなかった側のリリアンを抑制された演技で演ずるジェーン。「演技」を通じて主張する「女優という職業」に目覚めた彼女をみた思いがした。
 
 

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そして以後の彼女は、女優として数々の問題作に出演し、様々な演技力を展開してゆく。ベトナム戦争を背景に一人の女性が人間として目覚め成長していく姿を描き、2度目のアカデミー主演女優賞を受賞した社会派ドラマ「帰郷/Coming Home」(1978年)、原発事故の恐怖をリアルに描いたサスペンス、1979年の「チャイナ・シンドローム/The China Syndrome」、そして、上司のセクハラに耐えかねた3人のOLが結束して、上司を懲らしめようとするブラック・コメディの「9時から5時まで/9 To 5」(1980年)。
 
 

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そして彼女の演技が完成の域に達したと思わせたのが、父「ヘンリー・フォンダ」、それまでにアカデミー主演女優賞を3回も受賞している大女優「キャサリン・ヘップバーン」と共演した「黄昏/On Golden Pond」(1981年)である。夫婦愛、疎遠になっていた父娘の葛藤がテーマであるこの作品で、ジェーンは脇に回り主人公の娘役で出演。

ニューイングランドの別荘でバカンスを過ごしている一組の老夫婦のもとに、彼らの娘がやってきた。父親は愛情の示し方がわからず、それが故に、父娘の仲は疎遠になっていた。だが、娘のつれてきた孫を通じて、彼の娘への愛情は形にあらわれていく・・・。

ジェーンが不仲だった実父ヘンリーとの和解のために企画した作品といわれたが、スクリーンの裏側に、実はこんな背景があった。ジェーンが12歳の幼い頃、実母が、父ヘンリーの浮気を苦にして自殺したと知って以来、父との確執が始まった。父はその後も別の女性との再婚・離婚を繰り返した。ジェーンはそれに反発して、ことごとくヘンリーに背き、屈折した青春時代を過ごしたという。 ヴァディムとの結婚も、父に知らせないままだった。その後、父との和解を決意したジェーンは、現役俳優として主演男優賞が欲しいと父が願っていたことを知り、ブロードウェイで人気を博した家庭劇の佳作「On Golden Pond」の映画化権を買い取り、主人公をヘンリー、その妻役を「キャサリン・ヘプバーン」にキャスティングをする。そして念願かない、父と娘の絆は映画同様現実でも復活し、見事に主演男優・主演女優アカデミー両賞を獲得し、この「黄昏」が「ヘンリー・フォンダ」の遺作となった。

ジェーンが魂の軌跡を完結させたのが、この「黄昏」のような気がする。この映画で私のジェーンフォンダ観は、以前のそれとはまったく違うものになってしまったのだ。「彼女は、この映画の役を演ずるために女優になった」とさえおもえるのだ。そしてこの映画で女優人生を完結し終えたかのように、その8年後「アイリスへの手紙/Stanley & Iris 」(1989) 一本に出演したあとスクリーンから静かに引退した。ジェーン52歳であった。

 


 
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「ジュリア」で共演した「ヴァネッサ・レッドグレーヴ」は、近年「つぐない」で見事な演技を見せてくれた。「ジェーン・フォンダ」は、2005年から15年ぶりに女優復帰し、2本の映画に出演したが、本格的な復帰がのぞまれているという。

映画「黄昏」の音楽を担当したピアニストで作編曲家の才人「デイヴ・グルーシン/Dave Grusin 」。数ある手がけた映画音楽では「ロバート・デ・ニーロ」、「メリル・ストリープ」共演の「恋に落ちて」で使われた「マウンテン・ダンス」が最も有名であろう。「デイヴ・グルーシン」の映画音楽集をあげておきましょう。
 

デイヴ・グルーシン・ソロ・ピアノ-NOW PLAYING:映像テーマ集/デイヴ・グルーシン / ユニバーサル ミュージック クラシック 
 


マウンテン・ダンス/デイヴ・グルーシン マーカス・ミラー ジェフ・ミロノフ イアン・アンダーウッド エドワード・ウォルシュ ハービー・メイソン ルーベンス・バッシーニ/ビクターエンタテインメント

 

 



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