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60歳過ぎたら聴きたい歌(47) ~Tom Traubert’s Blues~

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たまたまつけたTVから、聞けばすぐわかる特長のあるしゃがれた歌声が流れてきた。TVドラマ「不毛地帯」のエンディングに流れている「トム・ウェイツ/Tom Waits」の「トム・トルバーツ・ブルース」である。1970~80年代「酔いどれ詩人」の異名をとり、独特のしゃがれたかすれ声、ジャズ的なピアノ演奏、しがない人々の心情をユーモラスに描きながらも温かい視線で見つめる歌詞世界で多くの若者に影響を与えたシンガー・ソングライターである。「ジョニ・ミッチェル」とならんで、その昔よく聴いた思い出の青春アーティストの一人である。

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「不毛地帯」の作者は「山崎豊子」。彼女の作品「白い巨塔」、「華麗なる一族」、「不毛地帯」、「二つの祖国」、「大地の子」、「沈まぬ太陽」など社会派大河小説に熱中したこともある。「不毛地帯」の主人公壱岐正は伊藤忠商事会長であった瀬島龍三(1911‐2007)氏がモデルとされている。「不毛地帯」のTVドラマは観ていないのでコメントできないが、「沈まぬ太陽」の映画は観た。今、経営の危機に瀕している「日本航空」がモデルであり、その社員で理不尽な懲罰人事を受ける、渡辺謙演ずるところの主人公「恩地元」は、元日本航空労働組合委員長・小倉寛太郎氏がモデル。山崎氏は小倉氏を千数百時間取材し、多数の関係者の取材を基に小説的に再構築したという。95~99年週刊新潮に連載されたが、JAL経営陣は「見方が偏っている」と反発し、週刊新潮を機内に置かないようした。映画のエンディングのクレジットにもJALの文字がまったく見当たらなかったところをみると、映画化に際してもまったく協力しなかったことが分かる。映画は3時間半の力作には違いなかったが、いかんせん原作の圧倒的迫力、説得力には、残念ながら到達していない。あれほどの懲罰的人事を受けながら、何故会社を辞めないのかがまったく描けていない。私でさえそう思うのだから、若い世代の人はもっと理解に苦しむであろう。むしろ、出世のために変節してゆく「三浦友和」演ずる「行天四郎」の方が理解できるし、その演技力も際立っていた。

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さて、「トム・ウェイツ」の「Tom Traubert’s Blues」であるが、社会の底辺で呑んだくれて生きている男へ共感をこめて歌った曲である。彼が初めて全米アルバム・チャートのトップ100にランクインしたアルバム、「Small Change」(1976年)に収録されている。リリース時27歳。この老成した雰囲気と醒めた声はなんと言ったらいいのか。このアルバムが彼の中で、もっともJAZZ色の強いアルバムではないだろうか。長い間聴くことはなかったが、改めて聴いてみてその声や歌詞世界の魅力を再認識した。この歌は、大変長い歌詞で6分40秒もあるので、最初の1節だけを紹介しておきます。訳は手抜きをして、雰囲気が一番出ているanengagemanさんの訳の一部を借用して載せておきます。(全歌詞、全訳はこちらを参照ください) 今の時代でもまったく色褪せない雰囲気を持つこの曲をドラマ「不毛地帯」のエンディングに選んだプロデューサーのセンスに感心します。

【 Tom Traubert’s Blues 】  作詞作曲;Tom Waits

「♪ Wasted and wounded, it ain’t what the moon did
   Got what I paid for now
   See ya tomorrow, hey Frank can I borrow
   A couple of bucks from you?
   To go waltzing Matilda, waltzing Matilda
   You’ll go a waltzing Matilda with me
    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

   疲れ果てて傷ついてしまった
   でも、それは月のせいではないんだ
   今になって昔の報いを受けてるだけさ
   やあ、また明日会おうよ、ヘイ、フランク金を貸してくれないか
   2、3ドルでいいんだ
   ワルチング・マチルダさ
   お前もいっしょに俺とワルチング・マチルダに行こうぜ
    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     ♪」

注)ワルチング・マチルダ:放浪者が羊泥棒を働いて追いつめられて自殺するというストーリーの歌。ここでは多分酒場の名前。

スモール・チェンジ

トム・ウェイツ / イーストウエスト・ジャパン

YouTube画像はこちら 

トム・ウェイツ(Tom Waits/1949-)は、カリフォルニア出身のシンガーソングライター・俳優。1973年にレコード・デビューし、「酔いどれ詩人」という異名で知られるが、そのデビュー・アルバム「クロージング・タイム/ Closing Time」(1973年)は衝撃のデビュー作であり、第2作「土曜日の夜/The Heart of Saturday Night 」(1974年)を、夜通し酒を飲みながら聴き明かした想い出もある、我が青春のディスコグラフィティといってもいいアルバムである。


クロージング・タイム

トム・ウェイツ / Warner Music Japan =music=

 

 

 

 



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