
いやあ暑いですね。こんな日は外出はせずに、エアコンの効いた部屋で映画でも観ようか考えておいでのじじばばの皆さんにオススメの映画があります。おっと何故かDVD化がされてませんので、運がよければTSUTAYAあたりにVHSであるかもしれません。わたしは昔TVからVTRに録画してあったものを見ていますが ・・・。
その映画は、「八月の鯨/The Whales of August 」。「リンゼイ・アンダースン/Lindsay Anderson」監督による1987年公開のアメリカ映画である。主演は「リリアン・ギッシュ/Lillian Gish」、「ベティ・デイビス/Bette Davis」という往年のハリウッド大スター。アメリカ・メイン州の小さな島で暮らす老姉妹の夏の日々を淡々と描く傑作である。撮影当時、「リリアン・ギッシュ」は93歳、「ベティ・デイビス」は79歳であったというから驚き。

サラ(リリアン・ギッシュ)とリビー(ベティ・デイビス)の老姉妹は60年来、夏になると海辺の小さな島にあるサラの別荘にやって来る。老いても少女のように無邪気で社交的な妹サラに比べ、目の不自由な姉リビーは人間嫌いで毒舌家と対照的な二人。 リビーは、第1次世界大戦でサラの夫が死んだ時、彼女の面倒をみた。しかしリビーは病のため目が不自由になり、今はサラが2人の人生の責任を持つようになる。リビーはだんだんわがままで言葉に棘を持つようになり、他人に依存しなければ生きてゆけない自分に腹を立てていた。 ・・・
物語的には大きな事件も無いが、人生の黄昏を迎えた老姉妹と二人を取り巻く男女のささやかな日常を、老いることへの心理描写も含め、キメ細やかに描き出したドラマ。タイトルの「八月の鯨」とは、毎年2人が別荘を訪れる時期に鯨が水平線に姿を現すらしいという、映画の中で交わされる会話からのもので、「まだ実際この目で見たことはないけれど、今年こそはと楽しみにしているの」というサラの言葉に、このタイトルが、明日への希望や夢の象徴として捉えられていることが分かる。
何にもまして素晴らしいのは、その自然な二人の演技。80歳、90歳の女優の演技とは思えない。しかも、妹サラを演じた「リリアン・ギッシュ」の方が、「ベティ・デイビス」より一回りも年上だなんて ・・・ 。人生の黄昏時にあっても、なお生きる希望や夢、強さを失わず、前向きに生きていくことの素晴らしさを、しみじみ感じさせてくれる傑作。DVD化がなされることが本当に望まれる作品。
八月の鯨(字幕版) [VHS] ビクターエンタテインメント
イタリア語で「夏」という意味の「エスターテ/estate」というボサノバの美しい曲がある。多くのアーティスト達にカバーされているが、「夏」のいう言葉の響きの裏側にある哀愁、秋への予感を感じさせる名曲で私が好きな曲の一つ。
説明不要。「ボサノバの法皇」と呼ばれた「ジョアン・ジルベルト/Joao Gilberto」。「Amoroso」と「Brasil」の二枚がカップリングされている。法皇がギターと共に語り、聴かせる、ボサノバの真髄。

Amoroso & Brasil Joao Gilberto / Warner Bros / Wea
「ファブリチオ・ボッソ/Fabrizio Bosso」。イタリアの若き名手である。古くは、「ニニ・ロッソ」、最近では「ドミニック・ファリナッチ」と、イタリア人には、トランペットの名手が多い。忙しくて暑かった夏の一日の終わりに、ビール片手に聴くのにオススメの一枚。

ニュー・シネマ・パラダイス ファブリッツィオ・ボッソ / EMIミュージック・ジャパン
「マリエール・コーマンwith ヨス・ヴァン・ビースト・トリオ/Marielle Koeman With Jos Van Beest Trio」。 このブログで何度もとりあげている彼ら夫妻の作品はヨーロッパの知られざるJazzの名盤を発掘することで有名な浪花のJAZZ工房、「澤野工房」からリリースされているアルバムである。
「エスターテ」は、「From The Heart」に収録されているトリオだけの曲だが、いつ聴いても、奇をてらうようなアレンジも超絶的な技巧もなく、甘くなりすぎることもない、さらっとしたさわやかな気持ちよさを味わえる佳作。特にこの「Estate」は、今まで聴いた数ある「Estate」のなかで一番美しいピアノではないかと思う。

FROM THE HEART マリエル・コーマン&ヨス・ヴァン・ビースト・トリオ 澤野工房
聴いてみます? 「ジョアン・ジルベルト」の「夏(エスターテ)」。


最近のコメント