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最後のスイング?

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6月19日発売の「スイング・ジャーナル7月号」を買った。このあと一時休刊するというNEWSは前に書いたとおりである。(参照「スイングがなけりゃ意味がない・・・」 ) 最後にSJを買ったのは何年前のことであろうか? 記憶にまったくないので10年、いや20年前、それ以上になるかもしれない。そして、これが最後の発刊になるかもしれないという感傷に近い思い入れを持ってページを開いた。しかしその期待?は見事に外れた。いたって普通なのだ。そこには、多分いつもどおりと思われる記事が展開されている。感傷、悲壮、てらいなど微塵も感じられない。そして、アルバム評、ゴールド・ディスク選の広告スポンサー重視の方針もまったく変わってない。このことについてよく批判めいて言われるが、商業誌である以上、仕方がないのである。私はまったく当たり前のことではないかと思う。ただその上で、良質な音楽を届けようと頑張っているインディ・レーベルや、なかなか一般のJAZZファンには知ることができないが、ぴかっと光る何かを持っている国内外のアーティストを積極的に発掘、紹介するという姿勢がもっとあってもよかったとは思う。

「やはり休刊するんだ」という気配は、「LAST CHORUS(ラスト・コーラス)」という編集後記など一部に綴られた、編集者の感謝や想いから感じられるだけである。しかも、「しばらくの間、ちょっとのおやすみです」という軽めのメッセージをあえて装っているように感じられる。しかし、雑誌出版のことはよく分からないが、一度休刊してしまったら、復刊は相当困難な道であることは容易に察しがつく。そもそも、JAZZをささえるJAZZファンそのものが減少しているのだ。あのVINUSレコードですら¥1,500の低価格マーケティングをとらざるを得なくなっているのだ。また、より広範囲な音楽ファンを吸収するために、「ビルボード・ライブ大阪」と、名前とコンセプトを変えてしまった老舗のJAZZクラブ「ブルーノート大阪」の事例などが、端的にそのことを示しているように思える。

しかし、我々の世代にとって「スイング・ジャーナル」はバイブルであり、羅針盤であり、ファッションですらあった。次の時代に来るJAZZ、それを支えるJAZZファンとは? それをリードし、対応していく新しいタイプのJAZZ誌、あるいは紙メディアによる一方向の発信だけでなく、もう少し広く捉えたJAZZメディアのあり方を模索し、今一度再生されんことを願うばかりである。

異論はあるかもしれないが、「スイングジャーナル」誌の大きな功績の一つに、1967年にSJ主催で発足させた「ジャズ・ディスク大賞」がある。この賞は、レコード会社各社の自薦ノミネート作品を基にして、国内で該当年度中に発売されたCD/LP/ビデオを対象に「大賞選考委員」によって選出され、日本ジャズ界に最も貢献した作品に贈られる賞である。この賞がアーティストやレコード会社の励みにもなり、ファンにとっても大きな目安となりJAZZ界の発展に貢献したことは間違いない。

「ジャズ・ディスク大賞」の過去の受賞リストを眺めていて、この大賞は私のJAZZ歴とともにあったことを改めて感じた。
1985年度、第19回ジャズ・ディスク大賞・最優秀CD賞は「枯葉/マンハッタン・ジャズ・クインテット」である。子供にレコードプレイヤーのピックアップ・アームを折られ、しばらくJAZZから遠ざかっていたが、CDの普及を機会に再びJAZZに戻ってきたきっかけになったアルバムである。



枯葉  マンハッタン・ジャズ・クインテット/キングレコード

 聴いてみますか? 枯葉にも収録されている「リカルド・ボサノバ/Recado Bossanova 」のライブ。

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そして、第31回 ジャズ・ディスク大賞にあたる1997年度は当り年であったようだ。今でもお気に入りのアーティストやアルバムがリリースされた年でもあったのだ。そんな受賞作をリストアップすると、
【金賞;テネシー・ワルツ/カサンドラ・ウィルソン&ジャッキー・テラソン】、【銀賞;ミズーリの空高く/チャーリー・ヘイデン~パット・メセニー】、【ボーカル賞;ラブ・シーンズ/ダイアナ・クラール】、【日本ジャズ賞;ザ・トリオ/小曽根真】、【制作企画賞;アメリカの祈り/マンハッタン・トリニティ+1】、【録音賞(新録);トゥルー・バラード/アーチー・シェップ】、【最優秀新人賞;テナーズ・エニワン/ハーリー・アレン】、【最優秀新人賞;ビューティフル・ラブ/ケイコ・リー】。

なかでも1996年度、第30回の「ニュー・ムーン・ドーター」についで受賞となった、若手キーボード奏者「ジャッキー・テラソン」とのコラボの「テネシー・ワルツ」は、素材をスタンダードとしているが、ジャンルを超越したカサンドラ仕立ての孤高の世界が広がる私のお気に入りの一枚である。

テネシー・ワルツ
カサンドラ・ウィルソン&ジャッキー・テラソン / 東芝EMI
ISBN : B00005GKEC
  

聴いてみますか? 彼女の「テネシー・ワルツ」がYOUTUBEに見当たらないので、「マイルス・デイヴィス」の魂をテーマにした、これもお気に入りのカサンドラのアルバム「トラヴェリング・マイルス」から、オリジナルは「シンディ・ローパー」で、マイルスもカバーした「Time After Time」。
 

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