「テルミン」を手にいれました。動機は新聞で「テルミンで音を奏でよう!」というT社の広告を見たからです。前々からテルミンには興味があったのですが、本格的な楽器としてのテルミンは高価なため、なかなか手が出なかったのです。そこで、ひまつぶしに鳴らして遊んでみる程度の電子玩具としては、2,000円という手ごろな価格なため、まっ興味津々で飛びついたという訳。テルミンは、1920年にロシアの発明家「レフ・テルミン」が発明した世界初の電子楽器です。発明者テルミンの数奇な運命については、以前このブログで触れたのでそちらを参考にしてください。(参照「科学者?芸術家?音楽家?スパイ?天才? テルミンの数奇な人生」 )
箱から取り出してみる。127×68×40mmの文庫本程度の大きさで、水平にヴォリューム・アンテナ(実際は飾りであったが)、たよりなさそうであるが、垂直にピッチ・アンテナがちゃんと出ている。単4電池を入れ、マニュアルに従ってチューニングを開始しようとSWをいれてみる。「うんっ??××・・・!!」。音がでない。電池を確かめたり、つまみをいじってみるが、やっぱり音が出ない。わたしもかっては技術者の端くれ、沽券に関わるとも思ったが、ギブアップしてお客様相談センターに電話。説明で、やっとあのテルミン独特の発信音が出るようになったが、今度は音が出っぱなしか、まったく出ないかでチューニングができない。電話で説明をうけながらチューニングを試みたがなかなか上手くいかない。音階や休止符がコントロールできなければ、これは楽器ではなく、ただピーピーとやかましい音が出るだけの箱にすぎない。相当微妙な調整が必要のようである。マニュアルを見ると、さも簡単にできるように錯覚してしまうが、これは普通の人ができる範囲を超えているように思う。普通の人なら音が出ただけで満足し、ここであきらめてしまうかもしれない。そうはいきませんのや。わても「蝮の爵士」と呼ばれた男、2000円のもととらんと・・・。
この暑いさなか、あきらめずにチューニングに挑戦してみようか。そういえば、この種のトラブルというか、つまづきは3回目である。最初はずいぶん昔であるが、息子ために買ってあげたパソコン版英語辞書。出版は、辞書で有名なS堂であった。機種の違いのためまったく動作せず、そのことへの注意書きもなかった上、クレームへの対応が極めてお粗末であった。2回目は二足歩行ロボット。パーツつきマガジンで大ヒットしたD社。本体の組み立てはマニュアルも分かりやすく、極めてスムースに行ったのだが、パソコンを使ってロボットと通信しながらプログラムするステージになると、とたんに不親切なマニュアルになる。特殊なIFがついている通信ケーブルを読者が用意することが必要なのだが、そのケーブルについての説明が極めて不備なため、用意してもエラーで通信ができず、未だにそこでストップしたままなのである。消費者サイドのデジタル・デバイドばかりが強調されるが、それを助長している責任の一端は供給サイドにもあるのではないだろうか。極めて分かりにくい不親切なマニュアル、重大な情報の記載漏れ、トラブルの予測とそれへの対応の悪さ ・・・・。技術者でもあり、比較的このような技術商品へのハードルが低いと思っていた私のつまづきの事例が、3例とも出版社からのデジタル、電子商品であったことに、何か共通するものを感じるのだが。
ところでテルミン、キャッチには「テルミンで音を奏でよう」と書いてあり、「音楽を・・」とは確かに書いてなかったのが ・・・ 。自動チューニング、簡易チューニングがコスト的に難しいのであれば、せめてマニュアルをもっと分かりやすくさせるとか、HP 上にチューニングのやり方を映像や音で公開するとか、なんとか読者への理解の手助けの手段もありそうなもの。出版のプロであっても、家電機器やおもちゃ販売のプロではなかったということですか。
こんな玩具が発売されたり、テルミンのコンサートが開かれたり、そして、テルミン奏者が主人公の映画が作られたりしている。何か「テルミン」がブームになっているんでしょうか? 触れずに音が出る楽器。儚げで頼りないが、どこか郷愁を誘うような音色が今の時代にあっているのかな。
テルミン奏者をヒロインにした映画は、shin監督長編デビュー作、邑羽莉(ゆうり)主演、「フローズンライフ」(2006年)。少し頭でっかちな映画かなとも感じたが、邑羽莉と映像と音は美しく魅力的。
凍結精子を巡って繰り広げられる切ない人間模様を透明感あふれる美しい映像で綴る。誕生日に八城りり(邑羽莉)の下に、亡くなった最愛の夫から彼の凍結精子が届く。夫の死を受け入れられずにいたりりは、テルミンを持ち、田舎の古民家で、独り静かに暮らすりり。そんな彼女のもとに、カメラを手にした謎の青年、渉がやって来る…。海外の映画祭で絶賛され、国内上映時には記録的な動員数を誇ったとかでDVD化もされている。


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