JAZZYな生活

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60年代へのリスペクト満載のパンドラの箱 ~ 「ビビビ・ビ・バップ」を読む ~

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 「僕の葬式でピアノを弾いて頂きたいんです」 フリージャズ・ピアニスト兼音響設計士の「フォギー」こと、「木藤桐」は、巨大ロボット企業で、世界的ロボット研究者、年齢130歳の「山荻貴矢」社長から奇妙な依頼を受ける。それがすべての始まりだった。

 そして、墓参者が「アバター(分身)」をつかって墓参できる、VR(ヴァーチャル・リアリティ)による架空の墓の音響空間演出を依頼される。そのVR墓空間というのが、なぜか上高地大正池、自分が青春をおくった強烈な思い入れがある、1960年代の新宿東口界隈、新宿末広亭、ジャズクラブ「ピットイン」などであり、その電脳空間に、「大山康晴」十五世名人、「古今亭志ん生」、「立川談志」、「マイルス・ディヴィス/Miles Davis」、「エリック・ドルフィー/Eric Dolphy」、60年代のジャズの巨人たちによるオールスターズなどのアンドロイドたちが登場し、高座やセッションなどを繰り広げる。

 「奥泉光」著、「ビビビ・ビ・バップ」(講談社)を読んだ。人工知能が人類を支配する日がくるか、迫り来る電脳ウィルス大感染を前に人類を救うのは誰か。人工知能社会をさもありなんと思えるほど、ヴィジュアルに描き、時空を超えて軽やかに奏でられる約650ページの大長編エンタテインメント近未来小説。

 「ビ・バップ」と聞いて懐かしい気分になる人。あるいは「半村良」、「植草甚一」、「伊達邦彦」、「横尾忠則」、「寺山修司」、「伊丹十三」、「浅川マキ」、「野坂昭如」、「タモリ」、「唐十郎」 ・・・などと聞いて、ニンマリとする人には、近未来小説なるがゆえに、ディジタル革命前夜の1960年代へのリスペクトやノスタルジーがいっぱい詰まっているこの本が、「パンドラの箱」になること請け合いです。自身もJAZZバンドでフルートを演奏するという奥泉氏、未来の人工知能社会では、もう死語となり、ナツメロとなってしまっているジャズやライブ音楽が、先の著書、「鳥類学者のファンタジア」以上にヴィヴィッドに描かれている。結構大変であるが、最後まで読み終えた人にのみ得られるであろう読後感が、ある種の達成感とともに爽やか。

ビビビ・ビ・バップ

奥泉 光 / 講談社

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 ということで、今宵取り上げるのは、「エリック・ドルフィー/Eric Dolphy」。しかし、かく言う私自身もほとんど聴いたことがありません。オリジナルは別のジャケットだったようだが、「ビビビ・ビ・バップ」の表紙に使われているのは、ロサンゼルス生まれのジャズ・アルト・サックス、フルート、バスクラリネット奏者、「エリック・ドルフィー」の事実上の遺作となった、アルバム、「ラスト・デイト/Last Date」の写真のようだ。

 このレコードは1964年6月2日にオランダのヒルバーサムで行われたライブの実況録音で、「エリック・ドルフィー」は、この約1ヶ月後の6月29日に糖尿病による心臓発作のため、ベルリンにて急逝。若干36才の若さだった。それにより、このレコードのタイトルは「ラスト・デート(LAST DATE)」と名づけられたという。

Last Date

Eric Dolphy / Verve

 そして、本の後半の方に出てくるこのアルバムの美しいフルートが優しく浸みわたる曲は、「恋をご存知ないのね/You don’t know what love is」。

「Eric Dolphy – You don’t know what love is」

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  私は全く見ていませんが、その時のセッションをめぐって、こんなドキュメンタリーも、1991年にオランダ?で制作されているという。ドルフィー・ファンにはたまらないのでは ・・・。

Last Date [DVD] [Import]

Eric Dolphy / Rhapsody Films

「Eric Dolphy – Last Date (1991 documentary) 」

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シンクロナイズ

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ヒメツルニチニチソウ(姫蔓日々草)

 朝、玄関前の「ヒメツルニチニチソウ(姫蔓日々草)」が咲いているのに気がついた。この花は、まるで相談したかのように、いつも桜とピッタリと同じ時期に咲く。しからばと思って、ウォーキングに向かったのは、市民運動場へと続く階段。この脇には、ちょっと前に取り上げた、ご近所で一番早く咲く「ヒガンザクラ(彼岸桜)」に一番の座を譲るまでは、一番早く咲く桜であった。咲いていました。自然のシンクロナイズの妙に感歎しきり。

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 やっと咲いた桜にひと安心した今宵は、「カーラ・ヘルムブレヒト/Carla Helmbrecht」。アメリカ西海岸を中心に活動しているジャズ系ヴォーカリスト。オーナーがジャズギターをされるというよくお邪魔しているブログのライブ記事に触発され、彼女を久しぶりに聴いてみたくなった。(「MILESTONES・・・ (団塊オヤジのJAZZ日記・・) ~笹島明夫(G)&石橋敬一(Bs)Duoライブへ・・~ 」

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 というのも、「カーラ・ヘルムブレヒト」と、アメリカ在住の日本人ギタリストの「笹島明夫」氏とは何度かコラボレーションをし、そのアルバムを聴いていたからである。「One For My Baby」(1994)、「Be Cool Be Kind」(2001)に続く彼女の第3作目が、笹島氏とコラボした「Here’s to Love ~Carla With Akio~/ヒアズ・トゥ・ラブ」(2004)。そして、デュオ・プロジェクトによるアルバム「Quiet Intentions」(2013年)がリリースされたが、CDアルバムではなく音楽配信によるリリースである。

ヒアズ・トゥ・ラブ

カーラ・ウィズ・アキオ / エム アンド アイ カンパニー


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Quiet Intentions/
Carla Helmbrecht & Akio Sasajima

 
 
 

  
  

 「おとなのいい女」。そんな魅力にあふれ、しっとりと歌い上げる「You Don’t Know What Love Is(恋をご存知ないのね)」。見事にシンクロしているギター&ボーカル・デュオ。

「Carla Helmbrecht & Akio Sasajima – You Don’t Know What Love Is」

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 残念なことに「幻の歌手」と言わざるを得ないほどの寡作ぶり。そんなことからYOUTUBEにもほとんどアップされていないが、久しぶりにYOUTUBEをチェックしてみたら、結構アップされていた。彼女を知ったアルバムは、国民にラジオで最も多くリクエストされたジャズ·レコードとして、グラミー賞3部門にノミネートされたという、「Be Cool Be Kind」(2001)。それがご贔屓の始まりだった。そこからお気に入りの彼女の手になるタイトル曲「Be Cool Be Kind」と、伸びやかな歌声が、今の季節にぴったりだなと聞き惚れる、おなじみ「風のささやき/Windmills Of Your Mind」を。

Be Cool Be Kind

Carla Helmbrecht/Heart Music

「Be Cool Be Kind - Carla Helmbrecht」

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「Windmills Of Your Mind – Carla Helmbrecht」

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春の兆しも ・・・

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少しづつの変化ではあるが、遊びの山でも春が近づいてきているのがわかる。その兆しは芽吹き。上の写真は「サンシュユ(山茱萸)」。秋には「グミ(茱萸、胡頽子)」のような赤い実をつけるが、早春、葉がつく前に木一面に黄色の花をつける。そんなことから、「ハルコガネバナ(春黄金花)」とも呼ばれる「サンシュユ」の芽が大きく膨らんできた。

そうおひさしぶりでもないが、今宵の「熟女シンガー」は、「カーラ・ヘルムブレヒト/Carla Helmbrecht」。寡作であまり知られていないが、私は彼女が好きで、何回かこのブログにも登場している。(参照拙ブログ「待ち人来たらず」「羽化の季節」 など)

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たしか、寺島靖国氏の「JAZZ Bar 2003」で知ったと思う。私好みの美人で、「玄人ごのみ」というか、地味ながらいぶし銀のような存在だが、抜群に歌が上手いのになぜか寡作。デビュー・アルバム、「One For My Baby」(1995)、グラミー賞3部門にノミネートされた、「Be Cool Be Kind」(2001)、日本人ギタリスト「笹島明夫/Akio Sasajima」とコラボした「Carla With Akio」、そしておなじコラボの最新作(MP3の配信のみ)、「Quiet Intentions」と、たった4枚しかアルバムはリリースされていない。

アメリカ・ウィスコンシン州出身のボーカリスト、ソングライター。音楽一家に育ち、8歳の時に音楽をはじめ、13歳ではもうプロとして歌っていたという。カーラは1997年以来、サンフランシスコに住み、カリフォルニア州を中心に音楽活動、教育活動を続けているという。寡作のためか、検索しても記事がなかなかヒットしないし、写真、YOUTUBEも同様である。したがって、この記事も目新しい情報はないので、同じアルバムの紹介や、同じ動画のピックアップになってしまうが、私の記事を読んだある読者さんからの情報で、昨年12月、北海道・函館で、カーラ+笹島氏のコンサートがあったことを知った。

彼女の中では、私の最もお気に入りとなったアルバム、「Be Cool Be Kind」。「風のささやき/The windmills of your mind」には聞き惚れてしまう。


Be Cool Be Kind

Carla HelmbrechtHeart Music

ほかにアップされていないので、またもや同じ動画の紹介になってしまいますが、「The touch of your lips」。

「The touch of your lips - Carla Helmbrecht」

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MP3配信のみのようであるが、日本人ギタリスト「笹島明夫/Akio Sasajima」氏とのコラボの2枚目のアルバムは、「Quiet Intentions」。スタンダード集である。ギターと絶妙の肌合いで、相変わらずしっとりとした大人の女性の色気を感じさせる歌唱。

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Quiet Intentions/Carla Helmbrecht & Akio Sasajima

 

 

 

そんな中から、スタンダード中のスタンダードと言ってもよい、「you don’t know what love is」を ・・・。「♪ 愛とは何か、あなたは知らない ブルースの意味を知り、失恋するまでは ・・・・ ♪」。「ビリーホリディ/Billie Holiday」の歌唱が有名であるが、カーラもまたしっとりと歌い上げている。笹島氏のギターも印象的な好プレイ。

「Carla & Akio - YOU DON’T KNOW WHAT LOVE」

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もっともっと知られてもいい歌手である。



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